(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0578MajorEneosIdemitsuMar2023.pdf
4.財務キャッシュフロー
(財務に熱心なメジャーズ、関心の薄い日系!)
(1)2022年(度)財務キャッシュフロー
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-06.pdf 参照)
2022年(度)の財務キャッシュフローを比較するとENEOSは▲133億円(▲1億ドル、換算レート:135円/ドル)であり、出光は▲904億円(7億ドル、換算レート:135.5円/ドル)であった。一方メジャー5社はShellが▲420億ドルと最も大きく、次いでExxonMobil(▲391億ドル)、bp(▲280億ドル)、Chevron(▲250億ドル)、TotalEnergies(▲193億ドル)であり、5社ともに財務キャッシュフローは日系2社に比べかなり高い水準である。
(極めてダイナミックなメジャー5社の財務キャッシュフロー!)
(2)2019年(度)~22年(度)財務キャッシュフローの推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-16.pdf 参照)
2019年のメジャー5社の財務キャッシュフローはShell(▲352億ドル)がとびぬけて高く、ChevronはShellの6割(▲198億ドル)であった。その他3社は70億ドル前後であり、各社の財務戦略には大きな違いが見られた。その年度の日系2社のそれはENEOSが▲11億ドルであり、出光は比較した7社の中では唯一プラス(15億ドル)であった。
2020年(度)は世界的なコロナ禍と経済縮小の影響を受けてメジャーズ5社は財務改善に走り、ExxonMobilなど3社はプラスに転換、Shellの財務キャッシュフローも前年の5分の1の規模に縮小している。ところが2021年には一転して各社とも積極的な財政出動を行っており、ExxonMobil(▲354億ドル)、Shell(▲347億ドル)の2社が▲300億ドルを超え、TotalEnergies、Chevronは250億ドル前後、最も少ないbpも▲181億ドルのキャッシュフローであった。これに対し日系2社の税務キャッシュフローには大きな変化は見られなかった。この傾向は2022年(度)も引き継がれている。
以上
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