石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

五大国際石油企業2017年度業績速報シリーズ(12)

2018-03-15 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 

 

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0435OilMajor2017.pdf

 

 

IV. 8カ年(2010-2017年)業績推移の比較(続き)

2.利益

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-21.pdf 参照)

 2010年から2017年までの5社の利益の推移を見ると、2010年はExxonMobilが他の4社を大きく引き離して305億ドルの利益を計上、ShellとChevronが200億ドル前後の利益、TotalはExxonMobilの2分のⅠ弱の140億ドルの利益であった。そのなかでBPのみ37億ドルのマイナスであった。

 

 翌年の2011年には各社とも利益が急伸、ExxonMobilの利益は400億ドルを突破、Shellも308億ドルの利益を計上した。前年赤字であったBPはChevronと並ぶ260億ドルの黒字に回復し、Totalも5社で最も少ないとは言え171億ドルのプラスであった。ExxonMobilは翌2012年にはさらに449億ドルまで利益を伸ばしたが、他の4社は過去8年の中で2011年が最高の利益水準であった。

 

 2012年以降は各社によって多少異なるものの2015年あるいは2016年まで利益は年々減少傾向にあり、例えばExxonMobilの場合2016年の利益は78億ドルにとどまり、ピーク時の2012年の4割の低水準である。2011年が利益のピークであったその他の4社もその後利益を大幅に減らし続けBPは2015年、Chevronは2016年にそれぞれ65億ドル及び5億ドルの欠損を計上している。Shellの場合ピーク時の2011年に比べ2015年の利益はわずか6%、19億ドルにとどまっている。

 

 2017年には各社とも利益が回復、それぞれExxonMobil 197億ドル、Shell 130億ドル、Chevron 92億ドル、Total 86億ドル、BP 34億ドルの利益を計上、2014年あるいは2015年の利益水準に戻っている。

 

3.売上高利益率

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-22.pdf 参照)

 2010年の売上高利益率は、Chevronが9.3%と最も高く、次いでExxoMobil 7.9%、Total 6.6%、Shell 5.3%であり、BPのみがマイナス1.3%であった。Chevronはその後2014年まで利益率のトップで毎年10%前後の高い利益率を達成している。ExxonMobilも9~10%のほぼ一定した利益率であった。

 

 しかし2015年から2016年にかけては各社とも利益率が急落、特にChevronは2014年の9.1%から2015年には3.3%に下落、さらに2016年にはマイナス0.4%に転落している。BPはChevronより一足早く2014年から利益率が急落、同年は1.1%、さらに2015年には2010年に続き二度目のマイナスの利益率(-2.9%)を記録した。2016年は各社によって明暗が分かれExxonMobilとChevronが2年続けて利益率が下落し、またChevronはマイナスに転落した一方、その他の3社は利益率が回復している。そして2017年には全社で利益率が改善、トップはExxonMobilの8.1%、次いでChevron 6.5%、Total 5.0%、Shel l4.3%と続き、BPはこれら4社よりかなり劣るものの1.4%の利益率であった。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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五大国際石油企業2017年度業績速報シリーズ(11)

2018-03-14 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0435OilMajor2017.pdf

 

 

IV. 8カ年(2010-2017年)業績推移の比較

 ここでは2010年から2017年までの過去8年間の5社の業績の推移を比較検討する。因みにBrent原油は2011年から13年までの3年間は年間平均価格が100ドルを超えた。しかしその後2015年は一転して50ドル台に半減、2016年初めには30ドルを割るまでに落ち込み、その後回復して同年の年間平均価格は44ドルになり、さらに2017年の年間平均価格は54ドルに上昇している。5社の決算数値はこの価格変動をほぼ忠実に反映していると言えよう。

 

1.売上高

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-20.pdf 参照)

 2010年の売上高トップはExxonMobilの3,832億ドルでありShellがわずかな差(3,782億ドル)で第2位であった。売上高第3位はBP(2,971億ドル)で、TotalとChevronはそれぞれ2,111億ドル及び2,049億ドルであった。2010年から2012年までの3年間はExxonMobilがトップであり、2013年から2016年までは2015年を除きShellがトップに立っなど僅差でトップが入れ替わっている。しかし2017年はシェルの伸びが大きく、ExonMobilとの格差が拡大、ExxonMobilは3位のBPに猛追されその差はわずかである。

 

2016年までのBPの売上高はExxonMobil、Shellの8割前後で3位にとどまっていた。しかし2017年の売上高は2,400億ドルとなり、伸びの低かったExxonMobilの売上高2,440億ドルとの差はわずかになっている。ChevronおよびTotalは常にTotalが5位、Chevronが6位であり、トップの5~6割の水準で推移している。

 

 年毎に見ると2011年から2014年までは各社とも売上高は高い水準を維持し続けた。しかし2015-16年は原油価格が急落、ピーク時の2011年の売上高の半分程度に急落した。昨年(2017年)は多少回復し、Shell、BP、Totalは2011年の6割台まで戻しているが、ExxonMobil及びChevronは回復のテンポが遅く2011年の5割程度にとどまっている。

 

 

(続く)

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月14日)

2018-03-14 | 今日のニュース

カタール石油、UAEと境界またがる合同石油操業のブンドク油田開発操業に参入

 

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五大国際石油企業2017年度業績速報シリーズ(10)

2018-03-13 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0435OilMajor2017.pdf

 

 

III. 2016年と2017年の5社業績比較 (続き)

2.損益

(1)総合損益

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-11.pdf 参照)

2017年の利益を前年の2016年と比較すると各社ともに高い利益を計上、特にBP及びChevronが前年の水面すれすれもしくは欠損から大幅に改善し利益を計上した他ExxonMobil及びShellは100億ドル以上、前年の3倍に近い高い利益を出している。

 

2017年に5社で最も利益が多かったのはExxonMobilの197億ドルであり、前年78億ドルの2.5倍である。同社に次いで利益が高いのはShellの130億ドルでこの二社が利益100億ドルを超えている。Shellの場合は前年の46億ドルから3倍近く急増している。BPは5社の中では2017年の利益は最も少ないが前年の利益が1億ドルに過ぎなかったことに比べると大幅に改善している。Totalは2016年の利益62億ドルに対して2017年は86億ドルの利益を計上、堅実な業績を続けている。Chevronは前年が5億ドルの欠損であったが、今回は利益92億ドルに急回復している。

 

(2)上流部門と下流部門の損益比較

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-13.pdf 及びhttp://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-14.pdf参照)

各社の利益を上流部門(生産)と下流部門(精製)に分けてみると各社とも上流部門の回復が目覚ましく、下流部門もTotalを除きいずれも前年を上回る利益を計上している。

 

上流部門を見ると、2016年はShell及びChevronがマイナスであり、ExxonMobil及びBPの利益額もわずかであり、Totalのみが36億ドルの利益を出していた。しかし2017年はExxonMobilが134億ドルの大幅な利益を計上したほか、Chevron 82億ドル、Total 60億ドル、BP52億ドルとそれぞれ堅実な利益を計上している(Shell の利益は16億ドル)。

 

 次いで下流部門を見ると、Shellは前年の66億ドルを17億ドル上回る83億ドルの利益を計上、BP、ExxonMobilの2社も72億ドル及び56億ドルといずれも前年を3割以上上回る増益であった。Chevronは5社の中で増益率が最も高く、前年比1.5倍の52億ドルの利益であった。

 

(注) 最終損益額には石油化学部門その他の損益が合算されているなど各社によって異なるため、部門別の上流・下流部門の損益合計額とは一致しない

 

3.設備投資

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-15.pdf 参照)

 2016年と2017年の5社の設備投資は対前年比で増加したのはExxonMobil1社だけで、他の4社は減少している。ExxonMobilの投資額は193億ドル(2016年)→231億ドル(20%増)である。Shell(221億ドル→208億ドル)、BP(167億ドル→166億ドル)はほぼ前年並みであるが、Chevronは16%減(224億ドル→188億ドル)であり、Totalは5社の中で最も大きな減少幅であった(178億ドル→116億ドル)。

 

(続く)

 

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五大国際石油企業2017年度業績速報シリーズ(9)

2018-03-12 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0435OilMajor2017.pdf

 

 

III. 2016年と2017年の5社業績比較

 2017年は原油価格が回復したため国際石油企業各社はいずれも売り上げが伸び、前年度赤字であったChevronを含め全社が利益を計上、対前年比で大きく伸びている。利益のうち上流部門は大幅に改善、下流部門についても利益が前年を上回るケースが多い。但し設備投資については慎重な姿勢が見られExxonMobilを除く4社は前年を下回っている。

 

1.売上高

(http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-10.pdf 参照)

 2015年及び2016年の5社の売上順位は両年ともトップはShellであり、続いて2位ExxonMobil、3位BP4位Total、5位Chevronと2年続けて変わらない。各社とも2016年から2017年にかけて売り上げは二桁の伸びを示しているが、特にShellとBPは売上が3割以上増えている。各社の売上高はShellは2,336億ドル(2016年)→3,052億ドル(2017年、以下同じ)、ExxonMobil 2,081億ドル→2,444億ドル、BP1,830億ドル→2,402億ドル、Total 1,497億ドル→1,715億ドル、Chevron 1,145億ドル→1,417億ドルであった。

 

売り上げの増加は石油・天然ガス価格が上昇したことである。因みに代表的な指標原油であるBrent原油の2016年の年間平均価格は43.73ドル/バレルであり、2017年のそれは54.19ドル/バレルと24%アップしている。また天然ガスの指標価格である米国Henry Hub引渡価格も百万BTU当たり2016年の2.46ドルに対して2017年は2.95ドルであり、20%上がっている[1]

 

(続く)

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月12日)

2018-03-12 | 今日のニュース

アブダビ、伊Eniが下部ザクムなど海上鉱区の利権獲得。 *

・イラン石油相:6月総会で来年の生産削減緩和協議の予定

・エジプト、今年末に紅海の石油鉱区を国際入札

 

*参考:国際石油開発帝石ニュースリリース
http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2018/20180226.pdf

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"The Peace on The Horizon - 70 Years after The World War 2 in the Middle East"(19)

2018-03-11 | 中東諸国の動向

Home Page: OCIN INITIATIVE

(Japanese Version)

(Arabic Version)

(Table of contents)

 

By Areha Kazuya

E-mail: areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

 

Chapter 2 Global wave – The end of colonial era and the emerging two super powers

2-5(19) Arab world where ideology did not take root

The three Western military alliances - NATO (North Atlantic Treaty Organization), SEATO (Southeast Asia Treaty Organization) and CENTO (Central East Treaty Organization, originally METO or Baghdad Convention) were anti-communism military allies against the USSR. It was a containment policy for the USSR. This made the USSR completely surrounded from the west to the east of the Eurasian Continent. The US feared that after the world war II socialist and communist ideology was penetrating the world with a furious momentum.

 

The United States named this "Domino theory". As soon as the revolution took place in one country bordering the USSR and a communist regime was born, it might spread to neighboring countries one after another. It was "Domino theory" that communism infiltrates globally like a domino. The barrier of defense to stop the spread of communism resulted in the military alliance of NATO, CENTO and SEATO. The US seriously worried that his country would be influenced by a communist idea. In the US, the storm of "Red Scare" commonly named McCarthyism was blown under the House Committee on Un-American Activities (HUAC).

 

Despite the suppression by Western countries especially the United States, communist regimes were born around the world at this time. However, Communist forces got few power in the Middle East. One was in Iran by Prime Minister Muhammad Mossadegh and Tudeh Party during 1951 and 1952. Prime Minister Mossadegh nationalized the oil industries, but eventually it came to be ended short-lived by the anti-revolutionary coup of the Muhammad Reza Shah Pahlavi. And another one was in Yemen where People’s Republic of Yemen (South Yemen) became independent in 1967 which was integrated with Yemen Arab Republic (North Yemen) in 1990. In case of Yemen, it was not emphasized because it was regarded minor matter in the remote area far from the center of the Arab world.

 

In Europe, Industrial Revolution clarified the classification of capitalists and workers. The class difference between capitalists who monopolize production means and workers who have only labor force has expanded. The workers group stood up against the capitalist group with socialistic or communistic theory. There is a famous passage at the beginning of The Communist Manifest written by Carl Marx and Friedrich Engels in 1848. It says "A ghost is haunting Europe – the ghost of communism”. In the 20th century, communism began to appear as a real image, not as a ghost of a virtual image in Europe.

 

In the Arab world, however, the industrial revolution hardly made progress even in urban areas. No division of class has been occurred because there was no industrial capitalist who operating a large factory nor a large number of workers. It was the commercial capitalists of family ownership that held the real power of the economy. There was little room for socialism and communism.

 

Among the three identities of “ideology”, "ethnicity" and “religion”, ideology is the weakest in the Middle East. If three identities are compared human body, ideology, ethnicity and religion are brain, blood and heart respectively. To speak of extremes, ethnicity (blood) and religion (heart) were too strong in the Middle East, so "ideology (brain) " did not grow up.

 

There was also a problem with the Arab nationalism. Arab nationalism is another pillar of Pan-Arabism in line with socialism. The concept of Arab is too wide to define ethnic group. Generally speaking, the ethnicity is spreading from family, relatives, clan, tribe to race. Race is the broadest concept. For an ordinary citizen in the Arab world, the tribe has a sense of unity at best. They are unable to understand the meaning of "Arab ethnic group". However, politicians like Gamal Abdel Nasser of Egypt who survived in the power struggle were obsessed with the delusion of "glory of the Arab" and thought that the people would follow the slogan of "Arab nationalism".

 

For the most of citizens who grew up in the rural area, it seemed that the unity of "blood" was enough up to the clan or tribe. Ordinary citizens satisfied that religion(heart) of Muslim gave a sense of unity than the ethnicity of Arab. It is still active in the present Arab world.

 

(To be continued ----)

 

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今週の各社プレスリリースから(3/4-3/10)

2018-03-10 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/5 出光興産 豪州独立系燃料油販売会社「Trinity 社」の買収について 

http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2017/180309.html

 

3/6 石油資源開発 インペックス北カスピ海石油株式会社の株式譲渡について  

 

http://www.japex.co.jp/newsrelease/pdfdocs/JAPEX20180306_NorthCaspian_Transfer_j.pdf

3/7 ExxonMobil ExxonMobil Outlines Aggressive Growth Plans to More than Double Earnings 

http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-outlines-aggressive-growth-plans-more-double-earnings

 

3/8 Total Total Closes the Maersk Oil Acquisition and Becomes the Second-Largest Operator in the North Sea  

https://www.total.com/en/media/news/press-releases/total-closes-maersk-oil-acquisition-and-becomes-second-largest-operator-north-sea

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月9日)

2018-03-09 | 今日のニュース

・サウジアラムコ、シェル 天然ガスビジネスで予備的合意(MoU)締結。

http://www.arabnews.com/node/1262081/business-economy

 

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五大国際石油企業2017年度業績速報シリーズ(8)

2018-03-08 | 海外・国内石油企業の業績

II. 2017年の業績比較 (続き)

5.設備投資額

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-05.pdf 参照)

 2017年の5社の設備投資額はExxonMobilが231億ドルと最も多く続いてShellが208億ドル、シェルが188億ドル、BP166億ドルである。とたーるは5社の中で最も少なくエクソンモービルの2分のⅠの116億ドルである。

 

6. 石油及び天然ガス生産量

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-06.pdf 参照)

(1)石油生産量

 昨年の石油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,283千B/Dであり、5社の中で同社だけが2百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはShell(1,825千B/D)、第3位はChevron(1,723千B/D)である。両社の生産量はExxonMobilの4分の3前後である。BP及びTotalはこれら3社よりかなり少なく、BPは1,356千B/D、Totalは1,346千B/Dの石油を生産しており、ExxonMobilの6割弱にとどまっている。

 

(2)天然ガス生産量

 天然ガスの生産量が最も多いのはShellで石油に換算すると1,839千B/Dであった。2位はExxonMobilの1,702千B/Dである。3位以下はTotal(1,220千B/D)、BP(1,110千B/D)、Chevron(1,005千B/D)と続いている。

 

(3)石油・天然ガス合計生産量

 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で3,985千B/Dである。2位はShellの3,664千B/Dである。その他の3社はChevron(2,728千B/D)、Total(2,566千B/D)、BP(2,466千B/D)と200万B/D台に並んでいる。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はShell92、Chevron68、TotalとBPはそれぞれ64及び62である。

 

 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、Chevronは石油63%、天然ガス37%であり5社の中では石油の比率が最も高い。その他4社の石油:天然ガスの比率はそれぞれ、ExxonMobil(石油57%:天然ガス43%)、BP(石油55%:天然ガス45%)、Total(石油52%:天然ガス48%)、Shell(石油50%:天然ガス50%)である。Shellは5社の中では天然ガスの比率が最も大きく石油と天然ガスの比率は1対1である。

 

(続く)

 

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