石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(3月19日)

2021-03-19 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・IEA: 石油需要のコロナ禍前復帰は2年後。2026年に1.04億B/Dでピークに

(中東関連ニュース)

・ヨルダン、イスラエル首相のUAE訪問阻止で意地示す。 *

*参考レポート「和平合意で急速に深まるイスラエルと UAE の関係

・レバノン、大統領がハリリ氏に最後通牒:組閣するか、他人に譲るかいずれかに。ハリリ氏は大統領退任迫る

・トルコ、公定歩合を19%に引き上げ。先月のインフレ15.6%

・ドバイDP World、コロナ禍の荷動き低迷で利益29%減

・アラブ圏のe-コマース規模220億ドル、サウジ、UAE、エジプトがリード

・サウジ自動車市場:ブランド力強い日本、上位10のうち4車種占める

 

 

 

 

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石油と中東のニュース(3月17日)

2021-03-17 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・米在庫増で原油価格下落。Brent $68.39, WTI $64.92

(中東関連ニュース)

・パレスチナ全会派がカイロに集結、新組織について協議

・レバノン、通貨下落止まらず。商店閉鎖相次ぎ、市民が街頭で抗議行動

・ギリシャでサウジ空軍と合同演習

・2016-2020年の武器市場、全世界は停滞するも、サウジ61%増等中東諸国は増加:スウェーデンSIPRIレポート。 *

*「米国は世界一の軍事大国・武器輸出国:世界と中東主要国の軍事費」(2020年5月)参照。

・シリア、ガソリン価格50%アップ

・ドバイ不動産市場、高級物件伸びるも市場全体は停滞

・英エンジ企業Petrofac、幹部汚職でUAE入札資格失う。株価大幅下落

・サウジ・ジュベール工業団地建設の立役者ベクテル社社主、95歳で死去

 

 

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石油と中東のニュース(3月15日)

2021-03-15 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

・シリア内戦から10年、死者累計39万人、市民の犠牲12万人

・カタール外相、アフガニスタンのタリバン政治局トップと会談

・オマーン、5%の付加価値税(VAT)を4/16から実施

・サウジ、クラウド通信業者向けの電気料金低減。グーグル、アリババが投資決定

・ドバイ、都市マスタープラン2040始まる。2040年の人口580万人を想定

 

 

 

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データベース追加のお知らせ

2021-03-14 | データベース追加・更新

下記データベースを追加しましたのでご利用ください。

・OPEC及びNon Opec (OPEC+)の協調減産量(2021年1月以降)

 

 

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石油と中東のニュース(3月13日)

2021-03-13 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(コロナウィルス関連ニュース)

・サウジ、国際航空路再開は5月17日

(石油関連ニュース)

・価格弱含みだがBrent 原油$70近くに張り付く。WTI $65.65

(中東関連ニュース)

・イエメン・フーシ派、米停戦案を拒否。日本茂木外相、フーシのサウジ攻撃を非難

・トルコ外相:エジプトとの関係改善目指す。ムスリム同胞団問題が障害か

・シリア問題でロシア、トルコ、カタール3カ国外相が会談

・イスラエル首相のUAE訪問予定キャンセル。ヨルダン領空通過見通し立たず

 

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今週の各社プレスリリースから(3/7-3/13)

2021-03-13 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/9 Chevron

Chevron Reinforces Plan to Deliver Higher Returns, Lower Carbon

https://www.chevron.com/stories/chevron-reinforces-plan-to-deliver-higher-returns-lower-carbon

 

3/11 Shell

Shell publishes Annual Report and Accounts

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-publishes-annual-report-and-accounts.html

 

3/12 コスモ石油マーケティング

コスモ石油販売株式会社 環境・エネルギー本部事業の総合エネルギー株式会社への統合及び社名変更について

https://com.cosmo-oil.co.jp/press/p_210312/index.html

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データベース更新のお知らせ

2021-03-12 | データベース追加・更新

下記データベースを更新しましたのでご利用ください。

 

・サウジアラビアの外貨準備高(with Brent原油価格)

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地に堕ちたサウジ外交Part3:取り残されたサウジアラビア(3)  

2021-03-12 | 今日のニュース

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0527SaudiDiplomacy3Salman.pdf

 

3.米国にすがりつくサルマン国王父子

 現在のサウジアラビアは、サウド家なかでもサルマン国王とムハンマド皇太子(略称MbS)及びアブドルアジズ王子の親子3人が牛耳っている。国王が首相、皇太子が国防相、そしてアブドルアジズ王子が石油相であり、同国の政治・経済・外交・国防問題はサルマン国王父子が独占し異論を許さない独裁体制である。

 サウジアラビアはイランに対抗するイスラム教スンニ派の盟主、あるいは世界のエネルギー供給を左右するOPECの盟主であり中東アラブの大国であるとの評価が定着している。しかし一歩踏み込むとサウジアラビアはその国名が示す通りあくまでも従来から「サウド家のアラビア」であった。即ちサウド家が石油の富を一般国民に分配すること(いわゆるレンティア国家政策)で正統な支配者であることを内外に認めさせてきたのである。最近ではそれが「サルマン国王一族のサウジアラビア」に変質しつつある。国王は一族の生き残りのために国際社会に「サウジアラビア」と言う国家を認知させることに必死なのである。

 

 しかしサウジアラビアそのものは国家として極めて脆弱である。サウジアラビアは中東諸国の中で経済力こそ抜きんでているが、その他の面ではイランはもとより、トルコ、エジプトに到底かなわない。人口がサウジよりはるかに少ないイスラエルにすら太刀打ちできず、最近ではイエメンにもてこずっている。それらの弱点をカバーしてきたのが米国との緊密な関係であった。

 

 大統領就任後最初の外国訪問先にサウジアラビアを選んだことに始まり、トランプ政権時代の米国・サウジ関係は極めて良好であった。その後も大統領がイランとの核合意を破棄、サウジを中核とするイエメン有志連合結成を後押しし、イエメン・フーシ派をテロ組織に認定してサウジアラビアを喜ばせた。

 

 サウジアラビアは感謝の証しとしてトランプ大統領の来訪時に数千億ドルの武器を買付け、皇太子MbSは大統領娘婿クシュナーの中東和平工作を積極的に応援した。この頃が皇太子の絶頂期であった。しかし慢心したMbSは取り返しのつかない過ちを犯した。イスタンブールのサウジ領事館におけるカショギ記者殺害事件である[1]。MbSがカショギ氏殺害を指示または了解したことは誰の目にも明らかであり、米国のCIAの報告書ですらその事実を示している。だがトランプ大統領は事実を認めずCIAの報告書も在任中は公表しなかった。

 

 MbSは息を吹き返すかに見えたがヨーロッパ各国はじめ米国以外はMbSに対する疑惑を強めた。国営石油会社サウジアラムコのニューヨークあるいはロンドン上場は無期限延期となった。国際的なステータスの回復を求めたMbSの思惑はことごとくはずれている。

 

 トランプ政権のレガシー(神話)作りの本命であったイスラエルとアラブとの和平問題で、MbSはクシュナーとの親密な関係をてこに和平の先駆けを狙ったが、慎重論の父サルマン国王との間で確執が生まれUAEに先を越された[2]

 

 米国バイデン政権の誕生により事態は一層不利になっている。バイデンが副大統領であったオバマ政権時代に米国・サウジ関係は最悪だったが人権と女性尊重を重視するバイデン政権はサウジアラビア、特にMbSに容赦がない。

 

 米国政府はCIAのカショギ事件報告書を公表し、MbSの腹心の部下に経済制裁を課した。大統領がサルマン国王に電話したのは就任1カ月後で、しかもMbSは国務長官に相手をさせた。これは外交交渉のカウンターパートとして当然のことであるが、トランプ前大統領時代の厚遇に慣れたMbSにすれば不満だったに違いない。

 

 エネルギー問題では米国自身が石油の100%自給体制を確立した。環境問題を見据えれば石油から再生エネルギーへの転換が求められており、石油王国サウジアラビアは米国の視野から消えつつある。イスラエルとアラブ諸国との和平はUAEに続きバハレーン、スーダン、モロッコと広がり、当面サウジアラビアを抱き込む必要はない。さらに米国はイエメン・フーシ派をテロ組織のリストから削除し、サウジアラビアに和平を促している。米国の外交政策の最大の関心事は中国封じ込めであり、中東からは手を引く意向である。

 

 今やサウジアラビアは国際舞台で取り残されつつある。しかし同国にとって頼れる相手は米国しかない。サルマン国王父子はバイデン政権の歓心を買うために必死である。OPECでロシアはじめ他国が協調減産を緩和しようとする中で、サウジ一国だけが百万B/Dの自主減産を続けていることも考えようによっては米国向けのアピールと言えなくもない。何故なら減産したサウジにとっては値上がりの恩恵は帳消しであるが、米国の石油産業にとっては「漁夫の利」になるからである。サウジアラビアの自主減産は米国に対する自己犠牲的忠誠心を示していると言えよう。

 

 失地回復のためなりふり構わず米国に秋波を送っているのが最近のサウジアラビアの姿である。

 

以上

 

本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

荒葉一也

Arehakazuya1@gmail.com

 

 

[1] レポート「どうなる?カショギ記者殺害事件の幕引き」(2019年4月)参照。

http://mylibrary.maeda1.jp/0464KhashoggiCase.pdf 

[2] レポート「和平合意で急速に深まるイスラエルと UAE の関係」(2020年11月)参照

http://mylibrary.maeda1.jp/0517UaeIsraelPeaceAccord.pdf 

 

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石油と中東のニュース(3月11日)

2021-03-11 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・アブダビADNOC、マレーシア・ペトロナスとの事業協力を模索

(中東関連ニュース)

・リビア、10年の歳月を経て臨時内閣を国会承認

・クウェイト蔵相、赤字財政対処の経済改革を国民に訴え

・トルコ3番目の原発着工。ロシア・トルコ両国大統領がリモート出席

・UAE、バラカ原発2号炉運転開始

・オマーン、中小企業の減税、外国人向け長期ビザ発給など景気刺激策打ち出す

・サウジ首都の名門ホテルAl-Faisaliah、マンダリン・オリエンタルに改称

・イラン釈放のオーストラリア女性:スパイ強要・虐待など過酷な刑務所生活語る

 

 

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3社が200億ドル強の巨額損失を計上:五大国際石油企業2020年度業績速報シリーズ(14完)

2021-03-09 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0526OilMajors2020.doc.pdf

 

III. 8カ年(2013-2020年)業績推移の比較(続き)

5.石油及び天然ガス生産量

(200万B/Dを超え他社を圧倒するExxonMobil!)

(1)石油生産量

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-24.pdf 参照)

 5社の2013年から2020年までの石油生産量の推移を見ると、8年間を通じてExxonMobilは他の4社を大きく引き離している。同社の生産量は2,202千B/D(13年) →2,111千B/D(14年)→2,345千B/D(15年)→2,365千B/D(16年) →2,283千B/D(17年) →2,266千B/D(18年) →2,386千B/D(19年)→2,349千B/D(20年)と5社の中で唯一2百万B/D以上を維持している。

 

 ExxonMobil以外の2013年の生産量はChevron (1,731千B/D)、Shell (1,541千B/D)、BP (1,176千B/D)、Total (1,167千B/D)の順であった。2013年以降2020年までの原油生産動向を見ると、ExxonMobilが230万B/Dにアップしたほか、各社とも生産レベルが上がっている。特にShellは2016年に180万B/Dを突破した後、その水準を維持し続けており、Totalも1,167千B/D(13年) →1,034千B/D(14年)→1,237千B/D(15年)→1,271千B/D(16年) →1,346千B/D(17年) →1,566千B/D(18年) →1,672千B/D(19年)と2014年から2019年までは6年間連続して増加している。

 

 しかし2020年はコロナ禍の影響で石油需要が急減したため各社とも生産量が落ち込んだ。2013年の生産量を100とした場合、2020年の各社生産量はTotalが1.3倍に増加したほか、Shell 117、Chevron 108、ExxonMobil107及びBP105であり、いずれも100を超えている。

 

(8年前に比べ4割増のChevron、3割減のExxonMobil!)

(2)天然ガス生産量

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-25.pdf 参照)

 2013年から2020年までの天然ガスの生産量はExxonMobilが2013年以降連続して減少傾向にあることが目立つ。同社の場合2013年の118億立法フィート/日(以下cfd)で5社の中で唯一100億cfdを超えていたが、同年以降は111億cfd(14年)→105億cfd(15年)→101億cfd(16年)→102億cfd(17年)→94億cfd(18年)→94億cfd(19年)→85億cfd(20年)であり、2016年にはトップの座をShellに奪われ、またChevronとの格差も2013年の50億cfdからであった2020年には10億cfd強まで縮まっている。Shellは2016年に生産量100億cfdを突破してトップとなり、その後一昨年(2019年)までは100億cfdを超えている。

 

2013年を100とした場合2020年の生産量はExxonMobilが72、Shellは95であり2013年を下回っている。その他の3社はChevron140、Total117、BP106と8年前を上回っており、特にChevronの伸びが著しい。

 

(ExxonMobilが8年連続トップだが2位との格差は縮小!)

(3)石油・天然ガス合計生産量(石油換算)

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-26.pdf 参照)

 石油と天然ガスの合計生産量(石油換算)を見ると、2013年にはExxonMobilがトップの4,175千B/Dであり、2位のShell(3,199千B/D)を100万B/D近く上回っている。これら2社に続くのがChevron(2,597千B/D)であり、4位と5位はそれぞれTotal(2,299千B/D)及びBP(2,256千B/D)であった。

 

 2014年以降はExxonMobilの生産量に減少の歯止めがかからず、2020年は3,761千B/Dとなり、5社の中で唯一2013年の生産量を下回る水準にとどまっている。一方Shellは2015年まで横ばいを続けた後、2016年に生産量が3,668千B/Dと大幅に上昇し2020年は3,386千B/DでありトップのExxonMobilに近づいている。

 

2013年を100とした場合の2020年の各社の生産量はTotal 125、Chevron 119、Shell 106、BP105、ExxonMobil90である。

 

(完)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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