ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

企画書で疑うべき言葉

2006年07月16日 | 雑記
前回に関連して。

新ビジネスの企画書で疑わなければならない言葉が2つある。
それは、「シナジー効果」と「顧客囲い込み」だ。

シナジー効果、という言葉がでてくるパターンは、その新事業で数値的にあらわすことが出来ない効果を漠然と、かつなんとなく説得力を持たせて表現するときに使われる。

しかし、実現性があるものは数値で表せるばずで、数値で表せないのは実体がない証拠である。異業種や、ジャンルの異なる商品を組み合わせて相乗効果を生むためには、相当きっちりとビジネススキームを組み立てて、マニュアル化し、現場に徹底する必要がある。これを「シナジー効果」ということばで漠然と進めると、「何も起こらない」のが普通だ。
私の経験でいえば、シナジー効果は実現したためしがない。

「顧客囲い込み」に関していえば、囲い込みたいのはメーカー側で、顧客ではないことを忘れてしまっているケースがほとんどだ。
「提携カードを発行、CRMを活用し、ダイレクトメールや電子メールで情報提供。顧客を囲い込む」なんていうけど、今の時代メーカー発信の情報くらい価値のないものはないのだ。

顧客囲い込みというのは、圧倒的に満足度を上げるか、さもなければマイクロソフトのように巧妙、かつ逃れようのない状態を作り上げなければ出来ない。商品選択の自由を奪われたいと思っている消費者はいないのだ。

圧倒的に満足度を上げるためには、ある意味労働集約的なヒューマンコミニケーションが必須となる。
システムを構築したら何とかなるような簡単なものでは絶対にない。