ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

レスポンス記事「クルマとケータイの融合」で思うこと つづき

2006年07月21日 | ITS
レスポンスの「クルマとケータイの融合」に関して続き。

NTTの中村氏は、クルマとケータイの連携のため、「まずはBluetooth携帯電話を使った展開を進める」としているが、2006年夏モデルを見る限りBluetoothがDOCOMOの商品戦略と合致しているようにはとても見えない。

実は、私は携帯キャリアはBTをもっと積極的に搭載するべきだと思っている。
しかし、それはクルマとケータイの融合という意味ではなくて、単純にハンズフリーの普及のためだ。運転中のケータイ使用に関する罰則が強化されたが、結局のところ、周りに警官がいなけりゃ使っちゃう、というのが実態のようだ。

ハンズフリーの普及のために、ケータイはBTを搭載し、車は対応ハンズフリーを搭載するのがメーカーの社会的な責務だろう。

どうも日本のケータイは、その他世界のどこにも通用しない独自商品になろうとしている。

また、中村氏がインタビュー中に匂わせている、Felica携帯とクルマの関係は、要はキーレスオペレーションシステムのキーを個人携帯で行う、ということだろう。
個人認証であればエンジン始動のほかに、高級車ではシート位置、ミラー位置調整などが電動で個人別に自動調整できる、というようなアドバンテージがあるのかもしれない。

たしかに話題性はあるが、これがキラーコンテンツになるとは思えない。
「キーレスオペレーション用の発信機を持たなくてもいい程度の利便性」だ。

いずれにしても市場ニーズとしては、顕在化している、していないにかかわらずクルマとケータイが融合してなにか良いことがあるようには全然思えないのだ。

「i-mode革命に続き、2004年から革命の第二章が静かに進行している」と神尾氏はおっしゃるが、すくなくとも、この「パ・ケ・ナビメール」にまつわるビジネスモデルに関しては、わたしは絶対に成功しない、と断言する。