レスポンスに、「クルマとケータイの融合」というタイトルでジャーナリスト神尾寿氏とNTT ITS推進室中村康久室長の対談記事が出ている。
この記事をじっくり読んだが、私にはどうしてもクルマとケータイが融合するとは思えなかった。
議論が完全にプロダクトアウト型で、どんなユーザーがどんなときに便利だ、という肝心のマーケットが見えてこないからだ。
一回読んだ位ではよくわからないが、どうやら「パ・ケ・ナビメール」という、商業施設情報をケータイでやり取りする書式と、「トルカ」というおサイフケータイの電子店舗情報、クーポン券システムを組み合わせて、対応するカーナビに位置情報を含む店舗情報を送信し、表示するという内容である。
そもそもこうした店舗情報やPOI(観光地・Point Of Interest)情報をリアルタイムで携帯に表示するという試みは様々行われているが、あまり成功しているとは思えない。
それを、「i-ナビLINKはクローズドだったから」程度であっさりと説明しているが、実はPOIのリアルタイム情報って、いうほど需要がないのだ。
普通POIを探しているときは同乗者がいる。どうしても調べたいときは同乗者がケータイで調べればすむ。
しかも、そのケータイですら、POI情報はキラーコンテンツではないというのが実体だ。
「トルカ」にしたって、もう半年たつがほとんど市場認知されていないではないか。
もうひとつ言おう。
神尾氏は繰り返し「WEB2.0的発展」について言及している。
WEB2.0位よくわからない言葉もないが、要は利用者がWEBコンテンツ作成に参加でき、そのことがコミュニケーションを増幅させる、というような概念だ。
たしかに、コマーシャルサイドからの押し付けコンテンツくらい価値のないものはない。
実際のユーザーの意見を直接聞くことを可能にした、という意味で、WEBが情報社会にもたらした力は大きい。
しかし、それらは玉石混交で、なにが価値ある情報なのかを判断するのは容易ではない。
逆に言えば、それを判断しながら情報を集めるのがWEBの知的な楽しさでもある。
ここで重要なことは、そうした活動はじっくりPCに向かってやるものであり、ドライブ中の車内にはなじまない、ということである。
そこを見間違うととんでもない勘違いが生じる。
(この項、続く)
この記事をじっくり読んだが、私にはどうしてもクルマとケータイが融合するとは思えなかった。
議論が完全にプロダクトアウト型で、どんなユーザーがどんなときに便利だ、という肝心のマーケットが見えてこないからだ。
一回読んだ位ではよくわからないが、どうやら「パ・ケ・ナビメール」という、商業施設情報をケータイでやり取りする書式と、「トルカ」というおサイフケータイの電子店舗情報、クーポン券システムを組み合わせて、対応するカーナビに位置情報を含む店舗情報を送信し、表示するという内容である。
そもそもこうした店舗情報やPOI(観光地・Point Of Interest)情報をリアルタイムで携帯に表示するという試みは様々行われているが、あまり成功しているとは思えない。
それを、「i-ナビLINKはクローズドだったから」程度であっさりと説明しているが、実はPOIのリアルタイム情報って、いうほど需要がないのだ。
普通POIを探しているときは同乗者がいる。どうしても調べたいときは同乗者がケータイで調べればすむ。
しかも、そのケータイですら、POI情報はキラーコンテンツではないというのが実体だ。
「トルカ」にしたって、もう半年たつがほとんど市場認知されていないではないか。
もうひとつ言おう。
神尾氏は繰り返し「WEB2.0的発展」について言及している。
WEB2.0位よくわからない言葉もないが、要は利用者がWEBコンテンツ作成に参加でき、そのことがコミュニケーションを増幅させる、というような概念だ。
たしかに、コマーシャルサイドからの押し付けコンテンツくらい価値のないものはない。
実際のユーザーの意見を直接聞くことを可能にした、という意味で、WEBが情報社会にもたらした力は大きい。
しかし、それらは玉石混交で、なにが価値ある情報なのかを判断するのは容易ではない。
逆に言えば、それを判断しながら情報を集めるのがWEBの知的な楽しさでもある。
ここで重要なことは、そうした活動はじっくりPCに向かってやるものであり、ドライブ中の車内にはなじまない、ということである。
そこを見間違うととんでもない勘違いが生じる。
(この項、続く)