まつや清の日記 マツキヨ通信

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『堕ちた翼 ドキュメント JAL倒産』(大鹿靖明 朝日新聞出版)を読む

2011年02月04日 | ニュース・関心事
巻末の言葉が「JALの次はメディアである」という刺激的な言葉で閉めくくられる『堕ちた翼 ドキュメント JAL倒産』。自ら朝日新聞社AERA編集部に所属しながら基盤そのものをも切り込もうというジャーナリスト大鹿靖明氏の著書。

『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』の続編『ヒルズ黙示録・最終章』を書き下ろし、堀江貴史氏の新たな時代の申し子的挑戦を同時代人としての客観評価と検察の国策捜査批判として展開した大鹿氏がその次に選んだのがJAL。

JALの赤字体質を国・政治家の地方空港建設の被害者的分析を排し、経営者としての努力が本当にあったのか、何が間違いであったのか、を詳細な人物像の分析含めてのドキュメンタリー。読む側を物語的に引き込んでいきます。

その真骨頂は「本来は国力を強めるはずの効率や公正さを求める抜本的な改革は、「新自由主義」としてさげすまされ排斥される。「格差是正」を名目に利権的政治家と古い左翼が結びつき、時計の針を巻き戻す」この認識です。

当然ながら、これは民主党鳩山→菅政権の評価に重なっていきます。私自身は「新自由主義」の側にくみしませんが、「効率さと公正さを実現する抜本的改革」は求めています。この境界線をどう実践としてこじ開けるか、がカギ。