昨日の南アルプスのエコパーク登録を受けてリニア新幹線の凍結を求める要望書を川勝県知事、静岡市長に提出しました。17日には10:30から衆議院第一議員会館にて環境省と国土交通省との院内集会。
26日には、アルピニスト山田哲哉さんの記念講演会を含む設立集会を開催します。今日は多くのマスコミ取材がありました。テレビ局はSBS、テレビ静岡、第一テレビのカメラがまわりました。写真はSBSより。
※要望書川勝平太静岡県知事様
2014年6月13日
南アルプスを守るためにリニア新幹線の凍結を求める要望
南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡(準備会)
共同代表
有元利道(日本山岳会静岡支部)
八木 功((株)冒険クラブ)
服部 隆(反原発ナウシカ・山の会)
増田和明(浜岡原発を考える静岡ネット)
松谷 清(静岡市議会議員)
連絡先 静岡市葵区鷹匠3-3-1地球ハウス気付
Tel 054-209-5676、Fax 054-209-5675
6月12日未明、スウーデン・ヨンショーピング市で開催中のユネスコの「人間と生物圏計画国際調整理事会」で南アルプスのエコパーク登録が決定されました。南アルプスの自然を守り、共生してきた地域の歴史・文化が世界に認められたという意味において私たちは大いに歓迎いたします。
しかし、一方でJR東海が推進するリニア新幹線計画が環境影響評価手続きにおいて静岡市長、静岡県知事意見書が十分に受けいれられないままに着工スケジュールが進んでいくことに危惧の念を持たざるを得ません。
例えば、知事・市長が求めた南アルプスを源流とする大井川毎秒2tの水が減少することのメカニズムの解明や関係自治体、住民との協議は何ら進展せず、環境省が追加措置ともいえる詳細な指示事項がどうなるかも不明瞭な状態です。
また、工事土砂の処理候補であった扇沢の「山体崩壊」の危険性ゆえの回避の要請に、JR東海は問題が全くないとする見解を示し、環境省はそのことについて何らの言及をしないことは到底容認されるものではありません。
静岡市長、静岡県知事意見は一体どのような形で具体化していくのでしょうか。
これでは、エコパークに登録されたといって喜んでいることもできず環境影響評価は単に「アワセメント」でしかないという危惧が的中してしまうことになります。リニア新幹線工事が進展していく中でエコパークの登録抹消、そして、最終目標である南アルプスの世界自然遺産登録の目標など天のかなたに吹き飛ばされてしまう運命におかれることになります。
私たちは、こうした状況の中で山を愛する人たちを中心に6月26日設立される市民団体ですが、以下の点について強く要望するものであります。
1、 静岡市長意見、県知事意見、JR東海環境影響評価書、環境省意見を詳細に分析・検証し問題点を明らかにしてください。
2、 早急に環境省に6月5日意見の問題点を指摘し、不明な点に関する詳細な説明を求めてください。
3、 そのことを前提に7月22日を期限とする国土交通省意見が出される前に、課題の解決が具体化するよう関係自治体、住民と共に国土交通省との話し合いを持ってください。
4、 県知事おかれましては、南アルプスのエコパーク登録は、世界自然遺産登録を目指す運動の再スタートの始まりであることを明らかにし、JR東海に対してリニア新幹線工事は当面の間、凍結することを求めてください。
5、 今年の10月韓国・平昌において生物多様性国際条約COP14が開催されますので、静岡県として南アルプスの自然を守ることリニア新幹線の問題についてブース展示をすることを検討してください。