2014年11-12月議会反対討論 2014年12月12日
反対討論全文です。
※※只今上程されています。
第224号議案 2014年度静岡市病院事業会計補正予算について、第226号議案 静岡市基本計画について、第233号議案 消防団用デジタル移動局無線装置の購入について、第250号議案 議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について、緑の党グリーンズジャパンとして反対討論を行います。
<第226号議案は基本構想と連動する基本計画ですが以下の点で反対します>
市長とは3:11東日本大震災を経て「我が国の経済成長の根幹を支えてきた、大量生産・大量消費・スピード社会、経済性や効率性が最優先される「成長・拡大」の時代から、多様性、寛容性、安心・安全、スローライフの実現など「定常・持続可能」の時代に変化し、市民一人ひとりの志向や豊かさの尺度も多様化している」との時代の潮流については、ほぼ共有できるものであります。この価値観に基づき、エコパークに指定され世界の公共財産となった南アルプスの自然や生活環境を保全し次世代に伝えていく、そのためには「リニア新幹線工事を急ぐべきでない」として林道条例の制定などその姿勢を支持するものであります。そうした方向性において、基本構想については賛成であります。
基本計画に反対する理由の第一は、計画の中には「成長・拡大」路線が紛れ込んでいる分野があるためであります。総括質問でも目標人口70万をめぐり質疑させていただきました。そもそも、人口減少を成熟社会における時代のトレンドとして捉え、それに見合う新たな政策体系を策定すると1年前は認識されていたわけであります。にもかかわらず、増田レポートによる896の消滅可能性都市の公表に衝撃を受けたのか、「わかりやすい目標数値」として70万を決定したとのことです。安倍政権による地方創生法は、東京一極集中を止めるといいながら、平成の大合併の失敗を地方拠点都市軸にした新たな中間都市構造を作ろうとしており、原発再稼働・リニア建設・オリンピック開催という東京、名古屋、大阪大都市再編と裏腹な関係にあり、「成長・拡大」の時代に戻ろうとするものであります。
丹沢議員からは、「定常・持続可能」の道であっても成長がなければ老化であるとの指摘がありました。一例として流通通りの渋滞と谷津山トンネルの必要性が論じられました。そこで前提にしているは、GDPの伸びイコール成長、渋滞の解消イコール生産の拡大を前提にしているように受け止めました。そもそも、渋滞の解消は、通行量を公共交通・公共輸送などによって減少させるとか、環境の維持含め、費用対効果など検証が必要であります。例えば、沼上清掃工場において年2回開催されています「ごみゼロフェスタ」という、不用品の無料交換市という市民活動があります。田辺市長の応援もあって年々参加する市民が拡大しています。この交換はGDPにはカウントされず成長の評価を受けません。6000億という静岡市の運営にその一例だけですべての対応が可能か、これは議論が残ります。GDPに替わるブータンの国民総幸福量という尺度も提起されており「定常・持続可能」な時代の成長とは何か、静岡市に即して今後の議論が必要になります。今後、「成長・拡大」と時代の価値観が田辺市長のリーダーシップによってどのように変遷していくのか、見守り、チェックしていきたいと考えます。
第二は、10月24日にローカルマニュフェスト推進地方議員連盟の北川正恭(まさやす)早稲田大学教授の首長と対抗できる議会の力とは、役割とは何か、を聞き、やはりチェック機関としての権能を果たすことの大切さという点で、緊張関係を維持していく意味で留保権を持つ必要から反対する存在が必要であるという点です。北川氏が強調したことは市長権力に対抗していく議会の役割であり市民に見える実績伴う成果である、という点でありました。議会改革という意味で議員提案に基づく三保松原保全条例は静岡市議会のひとつの成果であります。今回の基本構想、基本計画が新政会の望月厚司議員から提起された基本計画の受任委員会ごとの審議が自民党の皆さんによって反対されたことは大変残念でありました。二元代表制の観点からも基本計画に反対しておきたいと考えます。
<第250議案について>
今回の提案は、人事院勧告に基づく一般職の給与引き上げに伴う議員の期末手当0.15月、11万9340円を引き上げる内容です。
反対理由の第一は、来年10月の消費税10%を2017年4月に繰り延べせざるを得ない逼迫した経済や国民生活現状を前にして、そして、そしてその消費税繰り延べを争点にして解散―総選挙となり、今まさに総選挙さなか、各種世論調査において70%がアベノミクスによる景気の回復を実感できない、こうした政治状況の中で、政治に関わる私ども議員や市長など特別職の給与の引き上げは、到底市民の納得を得ることが出来ないという点であります。
反対理由の第二は、東京都小金井市や小平市では、そうした状況を踏まえて、それぞれの市長は職員の給与引き上げ議案を提案しても議員や特別職の給与引き上げは提案を行っておらず、こうした選択をしている自治体があるということです。自らの報酬の半減というマニュフェストを実現している田辺市長がどうしてそうした選択をしてくれなかったのだろうか、大変残念であります。市長職含む特別職の反対をしていないのは、市長自ら給与アップ分の受け取り自主的に辞退していただくことを希望しているからであります。
尚、反対をして受け取るというのも政治信条としては潔しとしません。本会議の前に、副市長に要請してきましたが、受け取り拒否分を法務省に供託を願いしておきたいと考えます。全国の他の自治体においても、短期間で調査したところ、例えば熊本県合志市、鳥取県米子市、大阪府箕面市、東京都の小平市や小金井市、北海道の旭川市など、議員の申し出に従って報酬、費用弁償など引き上げ分や役職加算の受け取り拒否に対しては供託手続きを取っている自治体がいくつも存在しています。
<第233号議案について>
1年前の、無線デジタル化への議案の際に談合の指摘をしてきましたが、11月18日の公正取引委員会の無線メーカー5社への談合の疑いありとの立ち入り調査が行われました。財政局長のコメントも出されております。契約課としても19日に入札参加企業への聞き取り調査、及び「関係法令に違反していない」との誓約書も入手しているとのことです。昨年の12月議会の段階での徹底した調査など行われておれば、公正取引委員会の立ち入り調査前にこうした問題を暴くことが出来たかもしれません。
昨年9月に浜松市はデジタル無線事業の契約案件を可決しています。日立国際と日本電気の2社が応募しましたが、日本電気が辞退し日立国際が受注しました。そして静岡市では日本電気のみの入札参加で日本電気が受注しました。この浜松市と静岡市の入札経過からすれば、談合の疑いがあり、透明性において疑念があると指摘してきました。今回の議案は公正取引委員会の立ち入り調査対象となった日立国際と沖電気、そして日電ビジネスが入札参加者で、日立国際電気が受注した契約案件であります。公正取引委員会の調査結果が明確になるまで結論は出ないわけでありますが、警鐘を鳴らす意味で反対をしておきたいと考えます。
<第224号議案について>
この補正予算には、静岡病院の独立行政法人化に関わる職員の人事給与システム導入費2844万6000円が含まれています。独立行政法人化につきましては、公営企業法の全部適用でも課題とされている医師の確保や公的病院としての質の高い医療サービスは十分に可能であることや病院運営に市民の声を代弁する市議会の関与が極めて制限されることから反対してきました。今回の議案は、この独立行政法人化の一環でありますのでこの議案にも反対しておきたいと考えます。