イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「社長をだせ!」読了

2016年07月01日 | 2016読書
川田茂雄 「社長をだせ!」読了

某カメラメーカーでクレーム処理の窓口を担当していた著者のクレーム体験記と、クレーマーの分類、現代のクレーマー事情という校正になっている。

過去に読んだ3冊のクレーマー本と大きく異なるところは、クレーマーを“悪いやつ”と決め付けてそれを面白おかしく料理しているところだ。
某メーカーということだが、元ニコンの社員だということは周知の事実だそうで、これを読んだ当人たちは俺のことじゃないか?ってわかってしまうのではないかと心配になるほど克明でかつ相手をバカにしきって書いている。
これはこれで溜飲が下がる思いだが、ここでしか溜飲を下げられないのが悲しい。

著者が最前線でクレーマーと対峙していたのはかなり昔(フィルムカメラの時代)だが、クレーマーの行動パターンと心理のようなものはそれほど変わっていないらしくこんな行動パターンの人は今でもいる。
新聞広告を求めるヤ○ザ。お役所勤めの、「お前では話にならない。」。教育ボランティアは、以前にも書いたことがある、「私はあなたの会社を立派にしたくて一生懸命なの。」というひっくり返るしかない発言。子供を甘やかして育てたのでこの子の言う通りしてあげてというバカな母親。
すべて僕も体験した事実ばかりだ。
このヤ○ザなんて、黒滝村というあの自然豊かな場所でどうしてこんな輩が育つのかというのが、今思えば理解できない。

そんな分類に対する対処法については目からウロコみたいな手法は書かれていないのは、きっとこんなコンサルはそれを別な形で教えることでお金を稼いでいるわけで簡単には教えられないというこだろうから仕方がない。
少しのヒントとして、一番大切なことは、組織としてどう対応してゆくのかを企業として決めなければならないと書かれているが、これがわが社ではまったくだ。

著者はそれ専門の部署で活躍したした人だから自分が中心になって組織、情報網作りができるのだろうか、僕はそれが専門ではない。仕事のなかでは最大級の脅威だということには間違いはないのだが、何もなすすべがない。
それでもやらなけらばならないことは何がなんでもやらなければならないのではないかと言われれば言い返す言葉がない。それは庶務なり総務がするべきではないのかと思う僕は甘いのだろうか。
他人に責任を押し付けているつもりはないが、お前らもやってくれよと思いながら、クレーマーと刺し違える覚悟で部署を守る僕より、知らんぷりをしている人たちの方が順調に昇格してゆく姿を見ているとなんだかむなしくなる。
僕もそんな不合理?を晴らすべく、クレーマーと化してストレスを発散することもできずに今日も悶々としている。

どんどん生きづらくこのご時世、みんなしんどいのはわかるが、僕たちを不満のはけ口の対象にはしていただきたくないものだ。




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