窪美澄 「アカガミ」読了
説の舞台は2030年ごろの日本。数少ない若者たちは恋愛やセックスということに対して興味を失い少子高齢化が加速度的に進んでいる。
これを危惧した日本政府は、「アカガミ」という政策を発動する。
この政策は、志願した若者を政府が手厚い保護下で子作りを促そうとするものなのではあるけれども・・・。
という、一見デストピア小説のような書き出しで始まる。
しかし、物語が進んでゆくと、人を信じることができない女性が「アカガミ」政策の中で人を信じ、愛することを覚え、母となることで強くなってゆくというまったく異なったストーリーになってゆく。プロットがプロットだけに何か謎をはらませながら物語が進んでゆくことで生と性、そして死というものを浮かび上がらせようとしている。
ネットでの著者のインタビューを読んでいると、こんなコメントが出てくる。
「小説とは、何かが少し欠けている人の為のものではないかと思うんです。」
確かに主人公もそんな何かが少し欠けた女性だ。ただ、そこはあまり書き込まれていないような気がする。軽い。
窪美澄という作家はけっこう人気があるらしく、書架に残っていた本はこれ1冊だけであったほどだが、この本を読む限り読者は僕みたいなおじさんではなく、もっと若い女性のようだ。作家のデビューが、女による女のためのR-18文学賞という性描写を強調しているような作品が応募される中で大賞を取ったところからスタートしているのを見ると確かにそのようで、本を選ぶときはもっと作家のことを勉強してからでなければならないと改めて思うのだ。
(確かにそういうところは必要以上に書き込まれている・・・)
ただ、“何かが少し欠けている人の為のもの”という表現は確かに的を射ていると、小説ではなく、このインタビュー記事のほうに納得をしてしまったのである。
説の舞台は2030年ごろの日本。数少ない若者たちは恋愛やセックスということに対して興味を失い少子高齢化が加速度的に進んでいる。
これを危惧した日本政府は、「アカガミ」という政策を発動する。
この政策は、志願した若者を政府が手厚い保護下で子作りを促そうとするものなのではあるけれども・・・。
という、一見デストピア小説のような書き出しで始まる。
しかし、物語が進んでゆくと、人を信じることができない女性が「アカガミ」政策の中で人を信じ、愛することを覚え、母となることで強くなってゆくというまったく異なったストーリーになってゆく。プロットがプロットだけに何か謎をはらませながら物語が進んでゆくことで生と性、そして死というものを浮かび上がらせようとしている。
ネットでの著者のインタビューを読んでいると、こんなコメントが出てくる。
「小説とは、何かが少し欠けている人の為のものではないかと思うんです。」
確かに主人公もそんな何かが少し欠けた女性だ。ただ、そこはあまり書き込まれていないような気がする。軽い。
窪美澄という作家はけっこう人気があるらしく、書架に残っていた本はこれ1冊だけであったほどだが、この本を読む限り読者は僕みたいなおじさんではなく、もっと若い女性のようだ。作家のデビューが、女による女のためのR-18文学賞という性描写を強調しているような作品が応募される中で大賞を取ったところからスタートしているのを見ると確かにそのようで、本を選ぶときはもっと作家のことを勉強してからでなければならないと改めて思うのだ。
(確かにそういうところは必要以上に書き込まれている・・・)
ただ、“何かが少し欠けている人の為のもの”という表現は確かに的を射ていると、小説ではなく、このインタビュー記事のほうに納得をしてしまったのである。