ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

おかえりなさい海野さん♪♪

2021年08月14日 | 音楽とわたし
海野さんがステージに戻ってきてくれました!

海野さんは昨年の9月に、彼の住むアパートの近くで、8人もの暴漢に襲われ大怪我をしました。
その時の様子は、彼を救うべく募金を立ち上げた友人ジェローム・ジェニングスがこう説明しています。

海野雅威 (うんの ただたか)という人は、良き友人であり、幸せな家庭を持ち、そして素晴らしいジャズピアニストです。
それは、彼が一緒に共演してきたミュージシャンを挙げれば歴然でしょう(ジミー・コブ、ロイ・ハーグローヴ、ウィナード・ハーパー、ジョン・ピッツァレリ、クリフトン・アンダーソンなど)。
9月27日日曜日、タダ(海野雅威)は、ニューヨークにある彼のアパートの近所で、突然8人の大群による暴行に襲われました。
彼らの暴行により、鎖骨骨折、頭を含む全身にアザを受けることになってしまいました。
暴行を受けた後、救急車に運ばれ、病院で数日を過ごし、大事には至りませんでしたが、手術が必要である可能性がまだ残っているようです。
この襲撃による精神的なダメージは想像を超えるものです。
彼はピアノを弾くことで家族を養ってきたのです。
ですが、鎖骨破損によりピアノを弾くこともままならない状況ですし、いつ弾けるようになるかは分からないとのこと。
そして、たった4ヶ月前には、新生児を奥様のさやかさんと迎えられたばかり。
アメリカの医療費というのは日本と比べ物にならず、彼を救った救急車にも多額のお金がかかります。
そして、家族を養うための家賃、光熱費、食費、タクシー代、赤ちゃんを養うお金、全て払わねばなりません。
このような事態になってしまった、海野雅威とその家族を是非とも、あなたのできる範囲でいいので助けてやってください。
よろしくお願いします!(ジェローム・ジェニングス)





夫とわたしは偶然、この事件の少し前に近所の教会で行われた彼のライブを聴きに行って、彼のピアノの温かさ、軽やかさ、クールさ、激しさに一目惚れ(一耳惚れ)し、演奏後の彼に思わず駆け寄って「ファンになりました!」と興奮丸出しの声をかけたのでした。
またどこかに聴きに行きたいなあなどと思いながら過ごしているうちにコロナになり、この事件が起こったのでした。

彼の友人たちによって立ち上げられた募金の呼びかけは瞬く間に世界中に広がり、250万円がゴールだった支援金の10倍近くが集まりました。
けれども、こちらの医療費は日本のそれとは比較にならないほどに高額で、彼はこれからも何度も手術とリハビリを繰り返していかなければなりません。
わたしもまた、わずかではありますが、同じ音楽に身を置く者として、彼を支え続けていきたいと思っています。

募金は続いています。
もし支援をと思われる方はこちらから↓
オレンジ色のDonate nowをクリックして、金額のところに数字を入れます。
数字を入れる際には英字モードにしておいてください。
そして緑色のContinueをクリックすると、支払い方法を選ぶ欄が出てきます。
ご自身の便利な方法を選んでください。

皆様こんにちは、海野雅威です。
昨年の事件以来、ご心配して頂いている方に心から感謝申し上げます。
手術から日々懸命にリハビリに励んできましたが、今回素晴らしいニュースを皆様にお伝えする事ができます。
ようやく、またピアノをステージで弾ける日が来たのです!
すでに、ニューヨーク近郊でWinard HarperやClifton Andersonと少しづつライブを行ってきました。
8月13日から15日までの3日間は、John Pizzarelliトリオのメンバーとして、New YorkのBlue Noteで演奏します。

怪我の具合はまだ回復過程で、可動域が制限され痛みも残ります。
近いうちに体内にある金属のプレートを取り出す2回目の手術も予定されています。
この手術によりスムーズに肩と腕が動かす事ができるようになるという医師の判断ですが、手術後はまたしばらくピアノが弾けない状態に戻ってしまい、リハビリを改めて一から始めなければなりません。
その為、今できる事として、パンデミックになり、そして怪我でピアノが弾けない間に書き溜めた曲をレコーディングする事にしました。
およそ7年ぶりのリーダー作です。
尊敬する私のリーダーで友人のClifton Andersonをプロデューサーに迎えて、現在進行中です。
近い将来に新しい音楽をお届けできる事を楽しみにしています。

手術後に安心できる環境でリハビリに専念する為に日本にも帰郷していました。
献身的にサポートしてくださる理学療法士との出逢いや、ふるさとの仲間、先輩、多くの方の心の温かさを感じられた事も何よりも今の回復に繋がっていると確信します。
日本では昨年11月に日本を代表するミュージシャン総勢45名が私の為に感動的なベネフィットコンサート”Look for the Silver Lining”を開催してくれました。

差別や暴力に決して屈せず、渾沌とした時代でも負のエネルギーこそ正のエネルギーに変わり得る事を私の音楽で示す事が、私の新たな使命であるという思いを強く感じています。

私はいつでも音楽の力を信じています。
言葉を必要とない、そして言葉では決して表現する事のできない素晴らしい音楽が、Universal languageである事は経験から知らされてきました。
音楽は人種などに縛られる狭い世界ではありません。
ミュージシャンは人と演奏するときに、アンサンブルと調和がもっとも大切です。
まさにその事が現実の世界に必要で、音楽は自然とその事を教えてくれます。
だからこそ今、愛に溢れる音楽が必要だと痛感します。

ぜひお近くの方は8月13日から15日までのNew York Blue NoteでのJohn Pizzarelliとのライブにお越し下さい。
偶然にも8月15日は私の誕生日でもあります。
新たな人生のチャプターのセレブレーションでもある復帰ライブで、直接皆様にもお会いできれば幸いです。

海野雅威

彼のピアノ演奏です。2017年のライブから。


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