家に戻って来る道中で、一週間分の、たまりにたまった情報を読んでいると、
『放射能汚染土の最終処分場を鹿児島に造る』というニュースが目に飛び込んできて、思わず「はぁ~?!」と大声を上げてしもた。
それで、詳しい事情を知りとうて、いろいろと調べているうちに、この記事に行き着いた。
『山のツバル』というサイトに詳しく載せられていた文章と、美しい山や海の写真を見ているうちに、ふつふつと怒りがこみ上げてきた。
紹介させてもらいます。
>鹿児島に最終処分場???
↑写真は候補地としてあげられている、南大隅町辺塚エリア。
鹿児島の南大隅に、福島で除染した放射能汚染土の最終処分場を造る、というニュースが、8月23日に、TBS系列だけで放送されました。
次の日の、県庁前の原発反対のイベントでは、この最終処分場のニュースへの反対意見が次々と飛び出しました。
僕は、福島県いわき市の出身ですが、福島の事故からの放射性物質が付着した、瓦礫や土やその他の廃棄物を、
県外に持ち出して、処分の責任を他府県の人に押しつけたいとは、これっぽっちも思いません。
多分、福島の住民の気持を、代弁していると思います。
しかし、福島県と国の政府は、放射能物質を、全国に拡散させたいようです。
25日(土)に、
南大隅の自然を守る会が、この最終処分場計画反対の説明会を急遽開く、という連絡を受けて、
予定を色々変更して、僕たちも南大隅町役場に行くことにしました。
財部町から鹿屋を抜けて、根占港までは車で約2時間ほど。
遅れて到着すると、80名程度の人が、大きな会議室を一杯にしていました。
それぞれ、最終処分場への反対の気持ちを熱く語る中に、
「遠方から応援に駆けつけてくれた人には恐縮だが、地元のことはまず地元で決めるので、よろしくお願いします。」という、
的外れな発言をする男性がいて????となりましたが、後から聞くと、どうやら地元の推進派のよう。
福島のあれだけの事故の後に、核や原子力が一度コントロール不能になると、
「地元」などという小さな境界を大きく飛び越えて、被害を拡散させるという事実を、まったく理解できていないのだな~……と驚きました。
でも、田舎に住む人の世界観は、「地元」が、思考の中での一番大きな枠になっている場合が多々あるので、しょうがないのかも?とも思いますが、
その、最大で、地元を考えることが精一杯の人たちに、原発誘致の判断を任せてきてしまったツケが、
今、日本に50数基もの原発を存在させてしまった、一番大きな要因であるとも考えられます。
この最終処分場計画への反対運動をするなかで、地元の南大隅町を2分するようなことは避けたいですから、
そうならない反対の方法を模索しなければ行けないのかな?と思いながら、皆さんの話を聞いていました。
関係者から色々聞くと、最終処分場候補地になっているのは、太平洋側の辺塚というエリアである、と言うことを教えてもらって、早速辺塚に向かいました。
南大隅町町役場がある根占から、辺塚に続く県道563号線は、花瀬という、美しい段々畑が広がるエリアを通って山道に入ります。
ここには、花瀬自然公園という観光地があり、その真ん中を流れる花瀬川の千畳敷の石畳は、一見の価値があるところです。
563号線の山道の、終点を右に折れて74号線に入り、しばらく南下すると、辺塚漁港がある集落に着きます。
船が4艘ばかりの、本当に小さな漁港です。
周辺の自然は、手つかずの照葉樹林に囲まれた美しい海!
豊かな海産物が、目の前の海に沢山いる気配が、ひしひしと伝わってきます。
しかし、何でこんな処に漁港が?と思ったら、ちゃんと石碑が建っていました。
山中貞則という自民党議員が、防衛庁長官時代に、近くに自衛隊の施設を造るので、その迷惑代としてプレゼントしてくれたものだと説明があります。
まるで、山中という議員の、ポケットマネーで造られたような書き方ですが、いえいえ、違いますよ!
税金です、税金!!
残念ながら、僕が住んでいる曽於市の出身……。
自民党はこうやって、田舎の人々をてなづけて、原発を54基も造ることに成功したわけです。
福島の事故ではまず、自民党が謝罪するのが、責任ある大人の対応だと思いますね。
この漁港、ざっと見た感じでは、今は漁業はしていないようなイメージでした。
で、これが、漁港を造る口実となった自衛隊の施設。
佐多射撃場です。
的になる断崖などが見あたらないので、海に向かって射撃をするのだろうと思います。
こんなへんぴな場所に、こんなに沢山の自衛隊の人がいます。
近くにはヘリポートや宿舎もあるようです。
ここで、地理的な条件を、少し整理してみようと思います。
南大隅町は、鹿児島の南端。
種子島や屋久島を望む位置にあります。
その自然資産のボリュームからみて、「九州の知床」と言っても間違っていないような場所です。
赤枠が、問題になっている辺塚エリアです。
この部分を拡大してみます。
左下に辺塚漁港、その隣に、射撃場、右上に稲尾岳、射撃場と稲尾岳の間の、急峻な山岳エリアが、計画の候補地になっているようです。
同スケールで、青森の六カ所再処理工場群をみてみると、候補地の辺塚エリアには、充分な面積があることが分かります。
地層処分での処理を考えている、という説明もありましたが……。
除染土の受入を認めてしまえば、その後は、高濃度汚染物質、そして、廃炉後の汚染廃棄物、挙げ句の果てには、使い残された燃料棒までが持ち込まれることになるでしょう。
もし、何かが漏れ出せば、黒潮にのって、日本の太平洋沿岸の漁業は壊滅です。
そればかりか、九州を北上し、瀬戸内海、日本海へと流れ出ていく可能性もあります。
辺塚漁港の漁業権を買いあげ(多分簡単に買い取れるでしょう)、専用港を造り、道を整備し、労働者の宿舎を造り、処分場を建設する。
これは、土建屋にとっては、喉から手が出るほど欲しい事業です。
輸送関係も大喜び。
情報筋によると、この周辺の土地の買い取りを進める動きもあるようで、下地整備は着々と進んでいるようです。
計画候補地となっている急峻な山間部には、県道74号線がクネクネと蛇行しながら、20km先の、船間という集落まで続いています。
いったい、どんな山なのか。
74号線に踏み入れてみると、その道は、県道とは思えないほどの細さと整備状態。
切り立った崖の縁を、クネクネと進んでいくような道です。
途中、打詰(住人は10人以下と思われる)という集落の脇を通り、肝付町に入って、辺塚海岸に出るまで1時間以上の山道、すれ違った車は1台。
人の気配はなく、僻地の中の僻地。
こんな場所がまだあったんだ、と思うようなエリアです。
海岸に降りていくような、林道すらありませんでした。
急峻な山、ゆえに、開発や利用の余地もなく、今回のような、処理場建設候補地にはうってつけの条件だと思います。
町長も県知事も、あの場所から、数十億単位の税金を、毎年永遠に巻き上げられるのであれば!と考えると、心が揺らぐと思います。
しかし、今のところ、そうはしないと、両人は公言していますが、
田舎の町長の発言など、まったく信用できないし、官僚下がりの伊藤知事の発言は、とくに信頼がおけません。
法的な担保が、必要になってくると思います。
辺塚漁港をさらに南下すると、本土最南端の佐多岬にでます。
写真は、佐多岬の展望台から、薩摩富士と呼ばれる開聞岳を望む様子。
海が美しい!
周辺の山々も、熱帯性の植物が生い茂り、逞しい自然の美しさを見ることができます。
こちらが佐多岬、太平洋に向かって伸びていく様子が美しい岬です。
霧島錦江湾国立公園に指定されています。
現在、青森の六カ所に押しつけている核廃棄物の問題は、今後、僕たちが、原発廃炉とともに、熟考して、解決策を生み出していかなければならない課題だと思います。
一般的に、有害な廃棄物には、「管轄エリアを越境しない」という大原則があります。
例えば、国際法では、有害廃棄物の輸出入は、厳しく規制されています(バーゼル条約)。
同様に、有害どころか毒物、もしくは劇物である、放射能に汚染された土、瓦礫、廃棄物も、
その廃棄物を発生させた都道府県から、外に出すことを禁止すべきだと思います。
そして、それぞれの原発の敷地内で、処理・保管ができる方法を開発するべきです。
もともと、ハイリスク・ハイリターンを承知の上で、原発誘致を行った、それぞれの「地元」が責任を取って、
残った燃料棒までも管理するのが、正論だと思います。
その為には、県条例として「放射能物質越県禁止条令」を制定し、採択する方法もあるのかな、と思います。
鹿児島県であれば、川内原発から出る、放射能物質や放射能に汚染された廃棄物は、県外に持ち出さない。
川内の原発内で、処理保管を行う。
しかし、県外からも、一切持ち込まない。
そういう条例です。
持ち込ませない条例は、過去にも幾つか例がありますが、それではフェアーではありません。
持ち出さない、持ち込まない。
これをセットで立法化できれば、説得力があると思います。
しかし、問題は、現在原発を抱える自治体が、運営破綻した場合です。
この際には、「東京都が保管する」という附則を、記載しておけばいいのではないでしょうか?
今までの
「自治体の放射性廃棄物拒否条令」は、下記リンクから参照できます。
れんげ通信 by 市民ネット・岐阜
http://www5b.biglobe.ne.jp/~renge/jyoeiindex.htm
以上、転載終ります。
この方の提言する『放射能物質越県禁止条例』というものについて、持ち出させない、持ち込まないをセットでという考え方に賛成する。
無主物、なんていうふざけた名前をつけて、責任を回避しまくるのが政治家と企業やということを、いやというほど思い知らされた。
こういうまともな条例を通せる政府にするためには、どないしてもやっぱり選挙が大事になってくる。
日本にはまだまだ、素晴らしい自然と食べ物が存在してる。
それを守らんでどないする。
これ以上汚してどないする。
ボケてる人に、根気よう伝えていこう。
あきらめんと続けよう。
このちっちゃいけどしつこい根気こそが、市民の力になるんやから。
絶対に許すまじ!
泣けてくるぐらいの美しい自然を、毒にまみれさすのはもう、六ヶ所村で充分懲りたはず。
最終処分場は、事故を起こした原発の敷地内。
それ以外のどこでもない。
けども、長年かけて、政治家が、特に自民党が、着々と狡賢く準備立ててきたことが、日本の過疎地のあちこちに根強く残ってる。
それをまず白紙にすること。撤回すること。訂正すること。
わたしも思う。
この原発の無責任な乱立については、民主党なんかより、自民党が、徹底的に断罪されるべきやと。
ええこともしてきた。
けども、この核施設のおびただしい量と、立地地域の危なっかしさは、そのええことを羽根のように吹き飛ばすほどの悪行の結果。
よう平気な顔して、なにもなかったかのような態度で、今も政治家やれてるもんや。
自民党、ほんで、自民党の言いなりになってきた与党、やりたい放題させてきた野党、
元政治家、市民の前に出てきてあやまれ!
責任とれ!