ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

日本語正文の無い、国民の暮らしの隅々にまで影響を与えるTPP協定の、承認強行決議を狙う愚かな与党議員

2016年10月31日 | 日本とわたし
昨日は興奮し過ぎて、プチ徹夜をしてしまいましたので、今日は文章や画像をお借りして、緊急の、暮らしを直撃するTPP協定についてお話します。

TPP協定文は、8400ページもあります。
そのうち、日本語に訳されている部分は、たったの3分の1程度です。
当然ながら、自民党・公明党の与党の議員たちのほとんどは、その内容をほぼ、はっきり言って全く、理解できていないことは明らかです。
読もうともしていない、と思います。
そのような、全く理解できていないもの、理解しようとしても不可能なものを、分かったようなふりをして、国会で強行採決しようと狙っています。

でも、巷には、こんなにも、TPPについての問題、恐ろしさについて、情報があふれているのですから、
もし議員がまともな神経を持ち、自分の職務について責任を感じているのなら、せめて日本語で書かれた内容を、読もうとするはずです。
そしてもし読んだら、何が何でも採決を阻止しなければ、と思うはずです。

なので、今の国会には、特に自民党議員には、そういう常識や倫理が、全く存在していないように見えます。
ここまで何でもかんでも右に倣え、上に従えといった政治は、見たことがありません。
本当に、かなり危険な崖っぷちに、日本は追い込まれてしまっていると思います。
強行採決は、明日の11月1日にも、行われる可能性が出てきたと聞いています。
みなさんには、まだできることがあります。
議員事務所に足を運んでください。
電話をかけてください。
ファックスを送ってください。
メールを送ってください。

わたしたちの暮らしを破壊するなと。
自分で理解もできていないくせに、賛成などするなと。



Kenta Ohashiさんが、フェイスブック上でまとめてくださっていた、非常に分かりやすい『TPPについて』を紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ










========
TPPで変わること
========


産地偽装はなくなります。
だって、産地表示がなくなるから。
 
軽自動車はなくなります。
だって、アメリカ車が売れなくなるから。
 
日本の保険はなくなります。
だって、外国の保険が売れなくなるから。
 
地元で仕事、なくなります。
だって、安く移民も雇いたいから。
 
セーフティネットなくなります。
だって、お金にならないから。
 
ぼくらのお金はなくなります。
だって、お金持ちに行くようになるから。
 
全部、仮定の話です。
だって、黒塗り読めないから。
 
だけど、本当の話です。
だって、資本家のための物だから。
 
TPPが話題です。
ぼくはTPPに反対です。
 
助け合うことが必要です。
支え合うことが大切です。

 
 
========
TPPとは
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◆TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)

TPP協定は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムの、計12カ国による包括的な経済連携協定。

  
<メリット>
○ 関税の撤廃により、貿易の自由化が進み、日本製品の輸出額が増大する。

○ 整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては、企業内貿易が効率化し、利益が増える。

 

<デメリット>
○ 海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。
○ 関税の撤廃により、米国などから安い農作物(特に米)が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。

○ 食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。

○ 医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や、医療格差が広がると危惧されている。

 

<問題点>
貿易の自由化により、日本の輸出額が大きくなると言いつつ、米国産業が大量に関税上乗せ無しで入ってくるので、
外需は拡大しても、内需は崩壊する可能性が高い。

将来、国民皆保険が無くなり、民間の保険に入らないと、無保険状態になる可能性がある(オバマケア次第かも)。
それでなくても、日本の民間保険は、外資参入によって壊滅する恐れがある。
セーフティネットの崩壊
所得の少ない人は、病院に通うことが難しくなる

残留農薬、産地表記など、食の安全基準が、各国足並みを揃えることになる。
あくまで企業の利益を大きくする狙いなので、大量生産・大量消費を促すために、経済活動にとって不利益になる安全基準が、軒並み排除される
 
○ 安い人件費を確保するため、移民受け入れが促進される可能性がある。
地元で、地元の人間を雇用する保証制度なども、廃止の可能性がある。
 
地産地消の学校給食は、自由貿易に反するとして、条例を取り消される恐れがある。
結果として、外国産の食品が給食に並び、地方農家が大打撃を被る
 
などなど…。
 
 
========
国際条約は日本の法律よりも憲法よりも上の法。
========


そんな国際条約に、グローバル企業の利益を確約するための条例が盛り込まれれば、
「健康で、文化的な、最低限の生活を営む権利」が、大きく脅かされることになる。
 
更に、一度決まったことは、どんなに国民にとって不利益があっても覆せないという、ISD条項(ラチェット条項)が盛り込まれている
 
「社会のための企業」から「企業のための社会」へ。
 
お隣、韓国では、2012年に、TPPに先行して、アメリカとFTA(自由貿易協定)を締結している。
その結果、韓国で利益をあげたアメリカの投資ファンドに、課税を課したところ、
逆に5000億円の賠償を請求され、更に、「自由貿易に反する」という理由で、63の法律が、改訂に追い込まれている
 
つまり、韓国では既に、FTAにより、企業が国より上に立ち、法律を変えることができる状態になってしまっている

 
******* ******* ******* *******

続いてこれは、狐狸庵居士さんが書いてくださった、国連人権理事会の『独立専門家』の方が発表された、要請文の内容です。
この要請文は、今年の2月2日に出されたものです。
その文章を、翻訳してくださったのが、狐狸庵居士さんです。

↓以下、転載はじめ

署名も批准もするな! 
TPP署名式の直前に、国連が、各国政府にたいして異例の呼びかけ

【百々峰だより】2016年2月24日
http://tacktaka.blog.fc2.com/blog-entry-254.html

国連人権理事会の「独立専門家(Independent Expert)」である、アルフレッド・デ・サヤス氏(Alfred de Zayas)は、
TPPの署名式が直前に迫っている、2016年2月2日に、関係各国政府に、署名も批准も拒否するよう要請しました
 
国連機関が、このような「署名拒否」「批准拒否」の要請をおこうなうことは、極めて異例のことであり、
TPP「環太平洋連携協定」と呼ばれている貿易協定が、いかに人権と国家主権を踏みにじるものであるかを、如実に示すものとなりました。

 
しかも、この協定の正文は、英語・スペイン語・フランス語のみで作成され、5000頁をこえるものなのに、日本語で正文が作成されていません
ですから、与党の国会議員どころか日本政府の閣僚も、ほとんど内容を知らないのです。
にもかかわらず、彼らはこれに賛成し、署名と批准に、狂奔・邁進しています。
 
カナダは、TPP協定書として、英語だけでなく仏語のものも、正文として作成するよう要求しました。
これは、ケベック州が、英語だけでなく仏語を公用語としているからです。
ところが日本は、アメリカに次ぐ巨大な経済力をもち、日本が脱退すればTPP協定が成立しないにもかかわらず、
日本語による正文作成を、要求しませんでした

 
安倍政権は、選挙スローガンとして、「美しい日本をとりもどす」と叫んでいましたが、
日本語による正文なしの交渉では、国益を守れるはずはありません
「豊かな日本を売り渡す」ことになるだけです。
このような姿勢は、大学院博士課程までも日本語で教育できるにもかかわらず、大学を「英語化」しようと狂奔している、文教政策と瓜二つです。
 
それはともかく、以下は、人権・健康・環境に、巨大な悪影響をおよぼす危険性があるとして、TPPの「署名拒否」「批准拒否」を呼びかける、
国連人権理事会「独立専門家」アルフレッド・デ・サヤス氏の声明文を、私が翻訳したものです。
英語原文は、下記URL(国連人権高等弁務官事務所)にあります。
http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=17005&LangID=E

国連人権理事会「独立専門家」デ・サヤス氏の、TPP 「環太平洋連携協定」に関する声明

Statement by the Independent Expert on the promotion of a democratic and equitable international order, Alfred de Zayas,on the upcoming signing the Trans-Pacific Partnership

貿易は、それ自体が目的ではなく、国際的な人権体制の文脈で見られる必要がある。
なぜなら、それは各国に、拘束的な法的義務を課すものだからだ。
貿易協定は、「孤立的な」法制度ではなく、透明性と説明責任を含む、国際法の基本原則と合致しなければならない。
それらは、人権条約の履行義務を遅らせたり、回避したり、弱体化させたり、実行不能にさせたりするものであってはならない。

私は、世界中の市民社会が、圧倒的に反対しているにもかかわらず、TPPに参加予定の12カ国が、条約に署名しようとしていることを、憂慮している。
なぜなら、それが、多様な利害関係者と民主的な協議をすることなしに、秘密裏の交渉でつくりあげられた産物だからだ。
したがって、TPP(Trans-Pacific Partnership「環太平洋連携協定」)は、根本的な欠陥があり、署名または批准すべきではない。
今のところ条項には、各国による規制や、修正の余地がないからだ。

議会は、 TPP署名の事前と事後に、人権・健康・環境への影響評価が、確実におこなわれるようにするうえで、重要な役割を担っている。
また、TPPから脱退しても、「国家として生き残る」ことができる条項が、条約の中に組み込まれていることを保障させるという点でも、議会の役割は極めて重要だ。

国連「人権理事会」にたいする、私の2015年報告書(A/HRC/44/30)は、
この貿易協定の、時代遅れのモデルの主要な法的問題を説明し、21世紀にふさわしい、総合的な貿易協定をつくりだすよう要請した。
それは、人権と発展を条項のなかに組み込んだ、新しい型の貿易協定だ。
また、報告書には、具体的な「行動計画」も含まれており、人権と発展を犠牲にすることなく、貿易を発展させる戦略も提起されている。
また、その「行動計画」は、そのような貿易が、持続可能となるような指針も、定式化している。

国連総会にたいする私の2015年の報告(A/285/70)では、
「投資家ー国家紛争解決(ISDS:Investor-State Dispute Settlement )仲裁条項」は、根本的に不均衡、かつ不正・不当なものだととして、その廃止を呼びかけた。
なぜなら、この条項によれば、この特別法廷では、投資家は政府を訴えることができるのにたいし、政府は投資家を訴えることができないからだ。
貿易と投資の紛争は、国家の司法権、および国家対国家の司法体制にもとづきながら、法の支配の下で解決することができる。

ISDSをめぐる、最近30年間の憂慮すべき経験は、投資家と国家の間に、重大な非対称性があったことを示している。
これは、将来の貿易協定で、繰り返されてはならないことだ。
いま残されている選択肢は、 市民社会が要求しているように、現状のままではTPPに署名しないか、署名しても批准しないことだ。
それが、民主的に選出された、議会の責任である。

もし、TPPが発効すべきものであるならば、それが国際法に合致しているかどうかは、国際司法裁判所(ICJ:the International Court of Justice)で争われる必要がある。
ICJに要請すれば、ICJは今すぐにでも、勧告的意見を出すことができるだろう。
というのは、貿易協定と国連憲章との間に矛盾がある場合(これには国家の主権、人権、開発にかかわる条項が含まれている)、国連憲章が優先させるべきだと、ICJは宣言しているからだ。

世界中の監視団は、TPPに反対している。
なぜなら、それは、出発したときから、国際人権規約ICCPR(the International Covenant on Civil and Political Rights「市民的および政治的権利に関する国際規約」)の19条、および25条にたいする明確な違反であり、
それがもたらす「規制恐怖」‘regulatory chill’のゆえに、国家が不当な企業活動を、規制できなくなるからだ。
にもかかわらず、今や、企業のロビー活動家たちは、TPPを、署名のテーブルにまで持ち込むことに成功している。

もし、全ての関係12カ国で、TPPの賛否を決める国民投票が実施されれば、満場一致で拒否されることは、確実だ。

各国の貿易大臣が、2016年2月4日、難問山積のTPPに署名する目的で、ニュージーランドのオークランドへ集まってきたが、
署名式を前にして、私は、TPPの当事国政府にたいして、
「人権条約を遵守する義務」、および「持続可能な開発目標(the Sustainable Development Goals)を達成するという当事国の最近の公約」を再確認し、それを公に表明することを、ここに強く要請するものである。


<註1> 
アルフレッド・デ・サヤス氏(米国)は、国連の、「民主的で公正な国際秩序を推進」に関する、最初の「独立専門家」として、
国連人権理事会によって任命され、2012年5月に仕事を開始した。
氏は現在、ジュネーブ外交大学院の、国際法教授である。
詳しくは、下記を参照。
http://www.ohchr.org/EN/Issues/IntOrder/Pages/IEInternationalorderIndex.aspx

<註2>
前述の通り、TPPの協定文には、日本語による正文がありません。
しかも、5000頁をこえる大部のものです。
そこで、山田正彦氏(元農林水産大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長)や内田聖子氏(アジア太平洋資料センター事務局長)などが中心となって、「TPPテキスト分析チーム」が起ち上げられました。
この集団によるTPP協定文の詳しい分析は、下記にあります。
アジア太平洋資料センターに掲載されている【TPP協定文分析レポート】
http://www.parc-jp.org/teigen/2016/tpptext201601.html
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日本からやって来た、すてきな若者たちと語り合い、感じたこと思ったこと

2016年10月31日 | 日本とわたし
もう零時をとっくに過ぎたので、HAPPY HALLOWEEN!!
(この二人が大統領選挙を闘っているってことが、マジでHALLOWEEN?!なアメリカ…)


さて今日は、日本からやって来た、すてきな若者たちに会いに、マンハッタンまで出かけました。







どっきょくん、愛基くん、まなちゃん、塩田くんの4人です!
SEALDs時代からずっと、ずっとずっと、画面の中の彼らと一緒に、怒ったり笑ったり泣いたりしてきたので、
今回、わかちゃんとどっきょくんが作ってくれたこのチャンス、にゃんとしても逃してなるものかと、発表会前の準備もほったらかして行って来ました。

彼らは、あと1週間に迫ってきた大統領選挙の様子を、生で体感してみたいということで、アメリカのあちこちに出かける予定なのですが、
バーニー・サンダーズの選挙活動に参加したわかちゃんの経験談や、こちらの選挙に対する市民の実態を聞きたいということで、
超過密スケジュールの合間を縫って、この食事会&お話会に参加してくれたのでした。

愛基くんもまなちゃんも、そして関西の塩田くんも在米のどっきょくんも、何の土壌も無いところから大きなムーブメントを作り上げた、あっぱれな若者なのだけど、
彼らがあっぱれであればあっぱれであるほど、負のエネルギーを背負った人間がワラワラと寄ってきて、
その背負っているネガティブ玉を、ガンガンと投げつけてくるという、困った現象が起こりやすい社会だから、
彼らの疲弊はもちろん、それでもなんとか立ち上がるんだと、自分を鼓舞し続けなければならない環境の厳しさを思うと、
よくもまあ、とりあえず元気そうで(もちろん時差ぼけで少々眠そうだったけど)、新しいアイディアを形にするために模索する気力を保っていることよと、
多分、彼らのお母さんよりもちょいと年上のおばちゃんのわたしは、嬉しいやら誇らしいやら、彼らの顔を眺めながら、ジーンとしていたのでした。

日本の政治活動には、悲壮感が漂い過ぎている。
考えや思いが、少しでも違ったりズレたりすると、会話がそこでストップしてしまうか、最悪の場合は、それまで培ってきた関係までも絶たれてしまう。
選挙というものに、市民が参加できない、しにくいシステムが作り上げられてしまっている。
政治的な運動に使う映像が、まだまだダサい。
視覚に訴えるものだから、お洒落な、あるいは新しい感覚のビデオを作ると、非難される。
市民活動というものが、まだまだ定着していないので、選挙の時だけ大慌てで活動し、そして選挙が終わったらスーッと消えてしまう。

そういう問題をなんとか解決できないものかと、彼らは戦略を考えている真っ最中なのです。
そこで、アメリカ在住組の女子たちと、オキュパイ運動に参加している人たちを撮り続けてきた黒田さん、そして内田くんが、こちらの様子を語りました。

まずは貴重な経験をしたわかちゃんから。
彼女は、バーニーのラリーを見たことから、彼に興味を持ち、ボランティア事務所に出向いたのだけど(ここが彼女の"まずは体当たり"のすごいとこ)、

でも、選挙権を持っているわけでもないし…と、さすがに中に入る勇気がなくてウロウロしていたら、
中にいる人から声をかけられて話をしているうちに、ボランティアすることになったそうです。

やることになったのは、ボランティアをまとめている事務所の手伝い。
なので、ボランティア運営方法を間近に見て、やり方を理解できるようになったわかちゃん。
ウェブサイトで何回となく見てきた、バーニーのボランティア運営の実際を、細かく知ることができたその話は、とても興味深かったです。

彼のウェブサイトの最初の画面に現れてくるのは、まず募金です。
金額はなんと5ドルから。
もちろん上はいくらでも大歓迎なのでしょうけれども、あなたがしようと思う金額はいくらですか?と、直球で聞かれます。
わたしは(金額的にちょっとトホホなのですが)、この5ドル募金を何度もやりました。
その募金をやった後に出てくるのが、ボランティア募集のページ。
そこには、事細かに、どのようなボランティアがあるのかが書かれてあって、そこから選べるようになっています。
電話かけには、シンプルで分かりやすいマニュアルが用意されていて、それを元にして話を進めます。
でも時には、話がうまく進まないような場合が出てきます。
そうすると、ボランティアの前に設置されたモニターに、こう言ってごらんと、答える言葉が打ち出されてくるのだそうです。
余計な事は一切言わない。強制もしない。
電話かけをする時間割は、1時間ごとに区切られていて、そこから自分のやりたい時間を選べるのだそうです。

そして(これはわたしの経験談なんですが)、一度でも募金をしたり、名前を登録したりすると、
『近所のスタバの前で募金活動するけど、来る?』とか、
『どこそこのお家で、支援ポスター作るけど、来る?』、みたいな調子で、
毎日のように、知らないけれども結構近所に住んでる、別に運動員でも何でもない人から、メールが送られてくるようになります。
行きたかったら行く、やりたかったらやる、やれる時間が合えばやる、というノリで、だからちっとも重荷にならないのです。

アメリカも(というか、特にアメリカは、とも言える)てんこ盛りの問題を抱えている国だけども、
政治が毎日の暮らしに染み込んでいる度合いは、日本のそれよりもうんと高いです。
小学校の低学年のクラスで、『大統領への道』なんていうテーマで、候補者になるにはどうするか、などということを、ちびっ子たちが学んでいます。
中学高校では、討論クラブというものがあり、自分が望んでいない意見を自分の意見として会話を進めたりしながら、
どのような状況でも、気持ちをブレさせず、冷静に最後まで討論を続けることができる能力を競う大会があったりします。
だから、当然のように、政治のこと、議員のことなどが、子どもから大人まで、普段の会話にガンガン登場します。
選挙が近づこうものなら、毎日の挨拶代わりに、候補者の名前や政策について、短い会話を交わします。
「今日は天気がいいよね〜」と言ってるぐらいの気軽さで。

そして何より、討論をしている間に、違う意見、納得がいかない意見が相手の口から発せられても、
それはそれとして聞き、だからといって感情的になったり、拒否したりせずに会話を続けることができます。
たとえ感情的になるようなことがあっても、すぐに切り替えることができます。
そしてその、討論能力は、家庭の場で、学校で、職場で、まだ小さい子どもの時から、繰り返し繰り返し習得されていくものなので、
それが色々な場で、色々な人種の間で、色々な文化や言葉や立場の違いを乗り越えて、会話の終わりに、いい話ができたねと、にっこり笑って別れることができるのです。
だから、最終的に同じ思いである、同じ方向に進もうとしている、同じ目標を目指しているのならば、
性質ややり方や考え方や計画に、ズレがあったり相違があっても、いい関係やつながりを保っていけるので、
運動の幅や深さが、どんどんと大きくなっていき、人の動きも多様性を増していくことになります。

そういう運動の一部として、町や市の議会に頻繁に足を運び、議会を監視する人が多いし、それは有権者として当たり前の行動だと思っています。
そうかと思えば、自分たちの考えや要求を聞いてくれと、自分たちの家に議員を呼び、話をし、それについて議会で話し合って採決してくれと迫ったり、
その採決の行方をめぐっては、もちろん議会に足を運び、それに反対するような議員は、次の選挙は無いものと思えとばかりに鋭い視線を注ぎます。
その迫力たるや…何回も目の当たりにしましたが、議員がとてもナーバスになっているのがよく分かります。

などなどの話をしているうちに、これってはっきり言って、日本会議がこの50年もの間、コツコツと積み重ねてきた運動じゃん!という結論に至りました。
日本会議は、とても民主的な運動でもって、非常にひん曲がった方向に、日本を動かそうとしてきました。
方向は間違っているけれども、方法はお手本にできる。
日本会議にできることは、わたしたちにもできる。
わたしの中に、そんな希望が、ふつふつと湧いてきたのでした。

「体が少なくともあと5つ欲しい」と言った愛基くん。
「ひどい言葉や、卑猥な画像を送り付けられたりして、SNSを閉じました」と言ったまなちゃん。

SEALDsの中心に立っていた若者たちの中には、そういった度を越した中傷や言葉や映像の暴力を受け、心を病んでしまったり、活動を一切止めてしまった人もいます。
さらには、就職活動を妨害されたり、運動を理由に、採用を拒否された人もいます。
なんて悲しい社会でしょうか。

それでも、いや、だからこそ、まだまだやっていきたい、やり続けなければならない。
結果は、自分たちの世代では出ないかもしれない。
自分たちの次、いや、その次でも、出ないかもしれない。
でも、やり続けなければ、誰かが始めなければ、それは永遠に出ないまま、どんどんと国は弱り、困り果て、いずれは消えて無くなってしまうかもしれない。
だからやる。
その誰かになる覚悟をした若者たちの目は、見つめれば見つめるほどに愛おしく、まだこちらが励まされるような力が宿っていました。

市民運動に積極的に関わっている若者にこそ、良い就職先が見つかりやすく、生活の基盤をしっかり保ちながら、さらに運動を盛り上げていける環境がある。
そういう社会を実現させなければなりません。

なぜならば、世界の問題解決よりもまず、自分を取り巻いている問題を解決しないと、何も始められないし考えられない。
自分が生活していけるかどうかもわからないのに、そんな世界の問題について考えるような、そんな余裕なんて無い。
これは、愛基くんが沖縄時代に過ごした、彼と同年代の若者の言葉です。
だから動けない。
まずは今日、明日の暮らしを成り立たせないといけないから。
高江や辺野古に、沖縄の若者の姿が無いと、不満や疑問を投げつけてくる人がいるけれど、そういう現実があることも知って欲しい。

若者の閉塞感、貧困を、まずなんとかしなければなりません。
そういうところに目を向け、素早い政策を実行し、結果を出せる人を、政治の舞台にどんどん上げていかなければなりません。
政治家の政策を待つのではなくて、こちらから政策を政治家に与え、それを実行させる。
困っている若者が、自分たちの暮らしの向上を実現するための政策を政治家に与え、それを実施させる。
それぐらいの強い態度を見せていかないと、政治家はどんどんこれからも劣化していってしまいます。

公職選挙法も、世界一高額な供託金制度も、学校の教育も、国会での質疑応答の猿芝居方式も、記者クラブ制度も、
どれもこれもが、市民を政治の世界に近づけないようにしよう、近づきにくくしようというものばかり。
もう国ぐるみで、あえて言えば国策で、政治をどんどん質の悪いものに、非民主的にしていこうとしているのですから、
そんなものを相手に闘おうというのは、相当な根気と体力と楽観力が必要になってきます。
だから、ひとりやふたりにお任せ、というふうにしてはいけない。
責任者にならせてはいけない。
いったい誰が、どこで、どんなふうにやってるのかもあやふやな、だけでも誰かが、どこかで、何かをやってるというような、
良い意味での『顔無し』『名無し』が、いろんな思いや願いを抱えながら、同じ目的に向かって協力し合っていく。
そんな多様多彩なムーブメントが、日本全体津々浦々で、じわじわと広がっていく様を、
わたしはこれからも、強く願いながら、彼らのような素敵な若者たちを、心から応援していこうと思います。

今日は、逢えて本当に嬉しかった。
楽しい時間をありがとう!


食事のあと、次の訪問先へのフライト待ちを使って、チェルシーマーケットまで出かけることに。




せっかくだから、記念写真!
どっきょくん、荷物デカ過ぎ!




チェルシーマーケットは、思いっきりハロウィーン仕様。






さて、ニューヨーク組は、「ダコタパイプライン建設反対アクション・マネキンモブ」をすることになりました。
12月最初の週末ということで、その頃わたしは日本から戻ったすぐで、マネキンやってる間に、目が白目になってしまうかもしれないけれど、がんばるぞ!


*おまけにしちゃってごめん!
どっきょくんの、アメリカ大統領選のリポートです。
彼が自分の目で見て、足を運んで、参加者へのインタビューもして、感じたこと、考えたことを書いてくれています。
↓以下の各写真をクリックしてください。リポートが出てきます。


http://sealdspost.com/archives/4660

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忙しい時こそ心に栄養を!

2016年10月30日 | 音楽とわたし
うちから車で15分のところにあるNJPAC(NEW JERSEY PAFORMING ARTS CENTER)。
ここに来るたびに、ああ、もっと来るべきだよねーという気持ちになる、とてもいいホールだ。
今夜は、ずぅっと楽しみにしていたYuja WangとLondon Symphony Orchestraの共演。
ワーグナーの Overture to Die Meistersinger とショスタコーヴィチの Symphony No.5 をオーケストラだけで、そしてラヴェルの Piano Concert in G を共演で、というプログラムだった。

この日演奏されたワーグナーとショスタコーヴィチの曲は、偶然にも、高校から始めたブラスバンドの、コンクールや演奏会の演目だった曲で、
難しくて吹けなくて、それがまた悔しくて、唇を何度も何度も切りながら練習をしていた自分がぐんぐんと蘇ってきて、別の意味で感無量だった。
お味噌汁を飲むのが辛くて、ストロー使ってたよなぁ…。
このフレーズのあの部分が、朝練しても昼練しても夜練しても吹けなくて、家に帰って掛け布団被って練習したっけ…。

特にショスタコーヴィチのシンフォニー5番は、
すでに「体制への反逆者」として貶められていた彼が、スターリンの大粛清によって、友人・親類たちが、次々に逮捕・処刑されていく最中に作曲されたもので、
そのために、思想の発露は抑えめに、または隠して、それでもなお溢れ出る思い、願い、怒りや悲しみが込められている。
演奏していた時は、そのような話を聞いてもピンと来ず、ただただ必死に、曲の難しさに挑戦していたのだが、
社会の歪みや問題が、毎日毎晩、これでもか、これでもかというように現れてくるのを目の当たりにして、
この世にはなぜ、どう考えても間違っていること、存在してはならないことが、堂々とまかり通っているのだろう、
自分はそれらのことに対して、あまりにも無力だけれども、でもどうにかして対峙できる力を身につけたいと切に願うようになったわたしには、
この曲のメロディそれぞれが、各パートが奏でるハーモニーが、パーカッショニストが打つ響きが、
体制に虐げられている、あるいは虐げられていることにも気づいていない人たちのいろんな感情となって、わたしの胸の奥深くにまでしみてきて、何度も涙ぐんでしまった。

ユジャは、またまたさらに進化していて、もうほんとに、言葉で言い表すのが大変。
今回は(も)、三階席の真ん中($25)だったのですが、彼女の恐ろしいほどに美しいピアニッシモを、十分楽しませてもらった。
ただ弱いのではなく、そよそよと吹く風のようであったり、木霊のささやきのようであったり、月の光のようであったり、深海の闇のようであったりする。
そしてもちろん、あの超絶技巧をふふん♪♪と軽く弾いて見せるテクニック…ほんと、マジで人間とは思えない。
オーケストラとの共演が終わった後、休憩に入る予定だったのですが、アンコールを切望するわたしたちに、なんと3曲もサービスしてくれた。
ユジャ、また追っかけするからね!


撮影禁止なのですが、係員がいなくなった隙に携帯でこっそり。
ワーグナーの演奏前。


ラヴェルの演奏前。


ショスタコーヴィチの演奏前。


至福の時を過ごさせてもらった。
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過労死と日本社会

2016年10月29日 | 日本とわたし
先日、こちらの友人と話している時に、「カローシってほんとなの?」、と聞かれて驚きました。
その人はある日、ウォールストリートジャーナルの紙面上に、"KAROUSHI=DEATH BY OVER WORK"という言葉が載っていて、
それを読んで、その言葉の意味は分かったものの、「だから余計に訳ががわからないの」と、聞いてきたのでした。

「ほんとだし、それも少ないとは言えない数の人が、自殺や自殺未遂を起こしてる」
「なぜ?」

その時に、雨宮処凛さんのエッセイを、英語に訳して紹介したのでした。
するとその友人は、目に涙をためて、
「絶対に間違ってる。こんなことを許す社会であってはいけない」と、かすれた声でつぶやきました。

息子たちが小学生の頃、PTAの執行部の役員になったことがあります。
その時に、いろんな案件が議題に上るたびに、次の役員の人が、今より快適に勤めることができるよう、無理の無い程度の改善策を提案したのですが、
すると必ず、
「そんな、これまでの先輩や私たちが、大変な思いをしてやってきてるのに、その人たちだけ楽になるなんて許せない」
「最近の人は甘やかされてるから、少しぐらい辛い目に遭った方がいい」
「私たちだって、介護や仕事や家事をやり繰りして、必死にやってるんだから、できないなんて言わせない」
などなど、楽にさせてたまるか!という、とても強い意思の塊が、ビュンビュンこちらに向かって飛んできました。

ああ、なんて発想なんだ…これでは全く変わらないはずだ。
わたしは驚き、憤慨し、抵抗を試みたのですが、そんなある夜のこと、エンドレスのファックスが送られてきたのです。
送り主は、2枚の用紙をテープでつなぎ、輪っかにして、こちらのファックス機が根を上げるまで、延々と送り続けられるようにしたのでした。
これはもう病んでいる。
わたしはその時初めて、恐ろしくなったことを覚えています。

マガジン9に掲載された、雨宮処凛さんのエッセイを、以下に転載させていただきます。

******* ******* ******* *******

電通過労死認定から、この国の非常識な「普通」を考える。の巻
【マガジン9『雨宮処凛がゆく!第391回』】
http://www.magazine9.jp/article/amamiya/30620/
 
また起きてしまったか…。
 
電通に勤めていた24歳の女性・高橋まつりさんの死が、労災認定された報道を受け、最初に浮かんだ言葉だ。
 
東大を出て電通に入社し、わずか1年足らずで奪われてしまった命。
生前に発信されたTwitterを見ると、睡眠時間2時間という超長時間労働や、上司によるパワハラなどの、過酷な実態が浮かび上がってくる。
そうして昨年クリスマス、彼女は寮から飛び降り、還らぬ人となってしまった。
 
報道などでも触れられているように、電通では、1991年にも、入社1年5ヶ月の24歳の男性社員が自殺している。
この事件について、私は20代の頃、裁判記録を読み込んでいる。
そうして、当時の自分が書いたものを、改めて読み返すと、今回の事件とのあまりの類似性に、頭がクラクラしてきたのだった。
 
例えば、長時間労働。
 
亡くなった高橋まつりさんは、SNSで、
「もう4時だ 体が震えるよ… しぬ もう無理そう」
「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」と書いている。
 
一方、91年に亡くなった男性社員の、長時間労働も凄まじい。
男性は、91年8月に自殺したのだが、4〜5日に一度の割合で、深夜2時過ぎまで残業し、
亡くなる直前の7月、8月は、3〜4日に一度の割合で、朝6時半までの残業を強いられている。
連日の睡眠時間は30分から2時間半という、状況が続いていた。
 
そんな過労状態によって、男性は追いつめられ、「自分は役に立たない」「人間としてもう駄目かもしれない」などの言動が見られるようになる。
また、無意識に蛇行運転をしたり、パッシングをしたりといった行動もあり、「霊が乗り移った」などといった言動も見られるようになった。
顔色も悪く、痩せて、顔に赤い斑点ができるようになり、喉やコンタクトレンズの不調を訴えていたという。
 
翻って、高橋まつりさんの死を巡っては、上司による、「君の残業時間の20時間は、会社にとって無駄」などの、パワハラ発言も問題となっている。
一方、91年に亡くなった男性も、壮絶と言っていいパワハラを受けていた。
資料を読み込んでいて、私がもっとも衝撃を受けたのは、宴席でのハラスメントだ。
その内容は、革靴にビールを入れて飲ませる、というもの。
飲まなければ、靴の踵で叩くのだという。
上司は、「面白半分に」やっていたと、証言している。
 
この事実を知って、私は、日本の企業社会が、心の底から怖くなった。
信じられないほどの幼稚さと、信じられないほどの陰湿さが同居した、部下いじめ。
 
ハラスメントは、過労死・過労自殺に、必ずと言っていいほどつきまとう。
ここまで書いて、以前取材した、過労自殺事件を思い出した。
99年、30代で、自宅マンションから飛び降り、亡くなったXさん(男性)。
彼が勤めていたのは、大手機械建設メーカー。
成果主義と裁量労働制が導入されてから、長時間労働が常態化した職場で、Xさんは、月に300時間近い労働を強いられ、弱音を漏らすようになっていく。
 
「人間には限界がある。しかし、僕の場合、もうとっくに限界を超えてしまっている」
「自然に還りたい」
「僕は自転車をこいでいるようだ。疲れていてもこぎ続けなくてはならない。もう、疲れた」
 
そんな中、上司に何度もダメ出しされ、何度もやり直した仕事が、納期に間に合わなくなってしまう。
上司は、みんなの前で、Xさんを激しく叱責。
また、この会社の社員行きつけのパブに、Xさんが行けば、そこでも上司は、Xさんを虐める。
 
このXさんのお姉さんに、インタビューさせて頂いたのだが、印象に残っているのは、以下のような言葉だ。
 
「本当は、はっきり言えば上司なんですよ。
かならず過労死って、3人くらい、上司がかかわっているんですよ。
ダメな上司が3人いると、死んじゃう。
ほかの遺族の話を聞いても、やっぱり3人なんですよ。
弟は、飛び降りる5時間くらい前に、『Bさんに申し訳ない』って言っているんですが、
そのBさんが、弟に、じゃんじゃん仕事を与えていたんです。
それから、『Aさんはイヤだ』と。
Aさんというのは、(Xさんの死後)うちに来た上司です。
もう一人、営業の人で、弟をからかっていた上司もいました。
弟がお客さんに怒られたりすると、みんなの前で、大声で、『お前が怒られるようなことやったんだろう』とか、
弟は、夜しか気分転換の場所がなかったので、お酒を飲みに行くと、そこでもやはり、みんなの前で、大声で辱める。
『こいつは、まだおっぱいが必要な奴なんだから、よろしくな』って。
これってパワハラですよね。
弟としては、人間として許せない上司が、3人もいた職場だった。
上司には、反省してくださいって言いたいです。
どういうことがあったか、逃げないで直視してほしい」
(この事件について詳しく知りたい人は、『生きさせろ!  難民化する若者たち』を読んでください)

 

ちなみにこの会社では、長時間労働が蔓延していたわけだが、裁量労働制という言葉の下、社員の労働時間を、まったくと言っていいほど把握していなかった。
例えば、Xさんの死後、会社は、「亡くなる一週間前に、2回くらい早帰りしていた」と主張していたのだが、
その2日間は、出張していたなどの事実が、明らかになったのだ。
そして恐ろしいのは、この会社では、Xさんの死の半年後、第二の犠牲者が出ていることだ。
Xさんの同僚が、自殺したのである。
 
過労死・過労自殺の問題が、他人事に思えないのは、私自身も、自らの弟の過労死を、本気で心配したことがあるからだ。
本などでも書いているが、2歳年下で、就職氷河期世代の弟は、フリーターを経て家電量販店の契約社員となり、1年後、正社員となった。
正社員になるにあたって、「残業代は出ない、ボーナスは出ない、労働組合には入れない」という誓約書を書かせた会社は、
そこから連日、17時間労働を、弟に強いるようになる。
休憩は、1日30分足らず。
みるみる痩せていく弟を、心配した私は、周囲の友人知人に、状況を説明した。
 
「それ、絶対おかしいよ」という言葉が、返ってくると思っていた。
しかし、私に投げかけられたのは、「正社員だったら、今時それくらい普通だよ」という、妙に冷たい言葉だった。
何人もに、そう言われた。
ほとんどの人に、心配すらしてもらえなかった。
 
弟が過労死するかも、という状況と同じくらい、その言葉は、私にとって衝撃だった。
そして、過労死や過労自殺がなくならない理由が、その言葉に集約されている気がした。
 
その言葉は、おそらく本人が、自分を納得させるために、言い聞かせているものなのではないだろうか。
どんなに長時間労働でも、メチャクチャなノルマを押し付けられても、今時、これくらいのことは普通なのだ。
当たり前のことで、それについていけないなんておかしいのだ。
甘えているのだ。
 
そうやって、ギリギリのところで踏ん張っているからこそ、「辛い」という人が許せない。
弱音を吐く人が、癪に障る。
「ついていけない」とか「無理」なんて、一番の禁句だと、信じ込まされているから。
 
そう思うと、時に部下を死に追いつめる「パワハラ上司」たちも、過酷すぎる労働環境の中、過剰適応の果てに、心が破壊され尽くした存在のようにも思えてくる。
部下に、靴でビールを飲ませるなんて、自らが相当「壊れて」いないと、できることではない。
 
だけど、仕事によって心まで壊され、お互いを追い詰め合う先に、一体何があるのだろう。
有能で従順な労働者になればなるほど、この国の労働環境は、逆に過酷になっている気がして仕方ないのだ。
時に誰かをいじめ殺したり、死者が出ることが前提の、組織や働き方は、絶対におかしい。
どうしてこの国の人々は、それほどに、「仕事」の優先順位が高いのだろう。
 
ちなみに、あまり仕事の優先順位が高くないというイタリアでは、2014年の大晦日、警備の警察官の8割が欠勤したという(朝日新聞2016/9/21)。
驚くが、なんだかちょっと羨ましい話だ。
 
「命より大切な仕事はありません」
 
高橋まつりさんの母親は、会見でそう言った。
日本以外の国で、それはわざわざ言葉にしなくてもいいほどに、おそらく当たり前のことなのだ。
 
15年度に、過労死で労災認定された人は、96人。
未遂も含む過労自殺は、93人。
また、今月、フィリピン人実習生の死が、長時間労働による過労死と、認定されたことが報道された。
 
もう誰一人として、過労死したり過労自殺したりしなくていい社会。
正社員だったら、死にそうな労働環境が「当たり前」なのではなく、過労死や長時間労働がないことが「当たり前」の社会。それを取り戻すためにできることを、改めて、考えている。




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次に紹介するのは、しおしおしいしお…さんが、ツィッターで流しておられた、ご自身の体験談と、その時思ったことを、
漫画にして描いてくださったものです。
わたしはこの、最初のページを読んで、ある時期の自分を思い出し、画面から目が離せなくなりました。

「別に、死にたいと思っていたわけではなかった」

でも、プラットホームの先頭に立っていると、ふと、「今一歩、一歩だけ、前に踏み出したら、もう辛くなくなる」と、
そんな言葉に押し出されるように、ふらりと体が前に揺れたことが、何度も何度もありました。
その時わたしはまだ学生で、過労というのではなかったのですが、
医者に匙を投げられ、余命を宣告され、父の借金の取り立てに励む暴力団からの、脅しの電話を受ける毎日が続いていて、
ほとほと生きているのが辛い、もちろん体もだるくて仕方がない、言いようのない疲れと絶望の中にいたのでした。
だから、疲弊と悲しみがない交ぜになった沼に、じわじわと沈んでいく自分を、どうすることもできずにただただ眺めているしかありませんでした。
そしてその眺めは、少しずつ、気が付かないうちに、暗く、狭くなっていたのです。

もし、少しでもなんとなく同じかもしれないと思うようなことがある人は、どうかお願いですから、一度しっかり休んじゃってください。
そして、寝たいだけ寝る。
異常に眠いはずです。
こんなに寝ちゃっていいのかなって驚くほど、眠るかもしれません。
でも、それでいいのです。
眠りたいだけ眠って、その後は温かいお風呂に浸かったり、温かな食事を食べて、まずは精気を取り戻してください。

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▪️「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由・その1
むかーしの体験談と、そのとき思ったこと。
よければ拡散してください。










▪️「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由・その2
イジメで自殺するような子も、同じような状況に陥ってると思います。
洗脳前に動くのが大事だ!
洗脳されかかってたら、とにかく寝るのが大事だ!








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戦争の罪悪性を説き続けられた三笠宮さま「虐殺とは惨たらしく殺すこと。つまり人数は関係ありません」

2016年10月28日 | 日本とわたし
先日逝去された三笠宮さまが残されたお言葉の数々を、フェイスブック友のHodaka Tateyamaさんが、紹介してくださっていました。
読んでいくうちに、三笠宮さまの勇気と信念に心を打たれ、これはみなさんにも知っていただきたいと思い、紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ







あらゆる面で、真実の証言です。
わたしも以前、別件の取材で出会った、元日本兵から聞きました。

「婦女子を縦に並べ、銃剣で、一度に何人も突き刺す訓練を、肝試しとの名目でさせられた」と。

その老人は、中国に出征していた人でした。

取材は、自宅で行いましたので、彼はまず、妻を居間から下がらせ、泣きながら言ったのです。

「上官からの命令で、逆らえなかった。
やらなかったら、半殺しの目に遭った。
今、初めて告白したんだ」と。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは、帝国陸軍が初年兵にやらせていた、「刺殺訓練」というものです。
事実、第59師団長の、藤田茂中将の証言として、以下のようなものが残っています。

「兵を戦場に慣らせるためには、殺人が早い方法である。
即ち、度胸試しである。
これには、捕虜を使用すればよい。
なるべく早く、この機会を作って、初年兵を戦場に慣らさせ、強くしなければならない


「これには、銃殺より刺殺が効果的である」
(新井利男・藤原彰「侵略の証言ーー中国における日本人戦犯自筆供述書」)

日本が再び「鬼畜」の道を歩まぬよう、「知る」人々は、真実を語るべきです。
命あるうちに。
偽善者の企みを、墜えさせるために。


◆週刊新潮の「三笠宮殿下」特集がすごい件
「罪もない中国の人民に対して犯した、いまわしい暴虐の数々」

【NAVERまとめ】
http://matome.naver.jp/m/odai/2144971574807356901





















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

正直、背中を押していただいたような気持ちになりました。
縁(えにし)があるような気がしてなりません。
日本のいわゆる「古代史」が、狭野尊の実際の史実と違うと、肌で感じておられた。
「その当時」に、おられたのかもしれません。
わたしはこの方に、人間としての深い愛情と、敬意を感じるからです。


↑以上、転載おわり


三笠宮さまが逝去 昭和天皇の末弟、100歳
【日本経済新聞】2016年10月27日
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16HEL_X21C16A0MM0000/

昭和天皇の末弟で、天皇陛下の叔父、三笠宮崇仁(たかひと)さまが、27日午前8時34分、心不全のため、入院先の聖路加国際病院(東京・中央)で亡くなられた。
100歳だった。
宮内庁によると、記録が残るなかで、100歳を超えた皇族は三笠宮さまだけで、史上最長寿だった。
同庁は、葬儀の日取りなどの検討を始めた。

三笠宮さまは、5月16日に、急性肺炎と診断され、同病院に入院。
天皇、皇后両陛下は6月30日、三笠宮さまを見舞われた。
三笠宮さまの症状は、いったん落ち着いたものの、心臓の機能に低下がみられ、治療が続いていた。
宮内庁によると、27日午前7時40分すぎに、容体が急変し、妻の百合子さま(93)が最期をみとられたという。
天皇、皇后両陛下は7日間、喪に服される。

皇位継承順位は5位。
三笠宮さまの逝去で、天皇と皇族からなる皇室は19人に、皇位継承資格者は4人に減った。

三笠宮さまは、第1次世界大戦さなかの1915年(大正4年)12月2日、大正天皇の第4皇子として誕生。
学習院中等科を経て、陸軍士官学校、陸軍大学校に進み、大本営陸軍参謀として勤務されたが、
戦時中の陸軍の戦争指導には、一貫して、批判的な姿勢を示された

戦後は、歴史学者の道を歩み、東大文学部研究生として、古代オリエント史を専攻
海外の史跡調査など、精力的に活動された。
54年には、日本オリエント学会を設立し、会長に就任。
翌年から、東京女子大や青山学院大の講師として、20年余り教壇に立たれた。
テレビ、ラジオの市民講座にも出演し、率直な発言と気さくな人柄で、親しまれた

また、戦後間もないころに、昭和天皇の生前退位や、女帝を容認する意見を表明
神話に基づく紀元節(現在の建国記念の日)復活に反対するなど、歴史学者らしい、合理的な考え方を持たれていた。

41年に、高木正得子爵次女の、百合子さまと結婚。
寛仁(ともひと)さま、桂宮宜仁(よしひと)さま、高円宮憲仁(のりひと)さまと、近衛忠煇・日本赤十字社長夫人の長女●子(●はうかんむりに心に用、やすこ)さん、千宗室氏夫人の次女容子(まさこ)さんの、3男2女に恵まれた。

しかし、高円宮さまは、2002年11月に47歳の若さで急逝。
12年6月には寛仁さま、14年6月にも桂宮さまが、共に66歳で亡くなられ、お子さま方に相次いで先立たれた


三笠宮さまは、01年9月に、軽度の慢性硬膜下血腫で手術を受けられ、回復。
08年6月には、心臓の弁がうまく閉じずに血液が逆流する、持病の「僧帽弁閉鎖不全」による急性左心不全で、入院された。
96歳だった12年7月には、僧帽弁閉鎖不全の手術を受け、順調に回復されていた。
15年12月には、100歳(百寿)を迎えられた。
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秋の模様替えと庭のお客さまと別れと

2016年10月28日 | ひとりごと
今から7年も前にこの家を買った時から、書斎とドア続きになっている二階の小部屋を、治療室にすると言っていた夫。
でも、この家の特徴とも言える、壁塗りの杜撰さ(誰が見てもこりゃ酷い!と感心する)がネックになって、ずっと手付かずに今に至ってしまっていた。

がっ!

どうした風の吹き回しか、突如それは始まった。


しかも、壁の色はイエロォ〜!!


ということで、空き時間を使い、昔取った杵柄でもって、きままに、けれどもコツコツと、作業は進んでいった。


ふ〜ん…黄色も悪くないかも。


あとは、ドアや縁や窓枠などの細かい部分を、もうちょっときれいに整えていくのだそうな。
夫はアイビーリーグ出身なのに、卒業してから数年間、就活もせずにプー太郎をしていた。
まあ、だから日本にふら〜っと来た時に出会い、今こうして人生を一緒に生きているのだけれども…。
そのプー太郎時代に、アルバイトとはいえ、かなり気を入れてペンキ塗りの手伝いをしていたので、
他のこととは違い、あれこれと手伝いや助手を頼んできたり、ブツブツと文句を言ったりしない。
作業の進み具合はカタツムリ級だけど、とりあえず最後まできちっとやる。

来月の中頃から2週間強の日程で、日本に旅行するので、その間の猫たちの世話のために、歩美ちゃんと夫の姉が、この家で寝泊まりしてくれることになっているのだが、
以前、半年ばかりうちの部屋を間借りしていた夫の姉が、「この部屋だと不思議にとてもよく眠れる」と言っていたので、
診療室ではなく、まずは彼女たちの寝室として、デビューすることになりそう。


今日もやって来た、若者たち。


残り少なくなった雑草を、ムシャムシャと喰んでいるかと思ったら、いきなりピョンピョンクルクル、ダンスをしたりしている。
中に一匹、首が白い仔がいて、きれいだなあと思っていたら、ほらぁ〜、と伸びをして見せてくれた。


まつ毛がとっても長いね。


せっかくきれいに咲いたばかりの花や、ようやく食べごろになった野菜や、すくすく育っている葉っぱを食べさえしなければ、追い払ったりしないんだけどなぁ…。



秋が来て、わたしの周りの、とても親しい人たちの中に、これまで一緒に暮らしてきた人と別れることになった人が複数いる。
それは恋人だったり夫婦だったりするのだけれど、その相手の人たちは、わたしにとっても大切な存在だったので、わたしもかなりショックを受けた。
突然、別れて欲しいとパートナーから告げられたその人たちの驚きは、言葉では言い表わせないほどのもので、
混乱し、悲しみ、憤り、後悔し、呆れ、時には平静を装い、悪い夢でも見ているのだろうかとつぶやいたりする。
その、目眩がするほどの感情の洪水に溺れないように、できるだけ時間を割いて、彼らの話を聞き、一緒に泣いたり怒ったりしながら、
彼らが少しでも、孤独ではなく、これが世界の終わりでもなく、多分、今よりすてきな毎日がやってくるかもしれないと思える日が来るまで、寄り添っていこうと思う。

そういうわたしは、13年近く一緒に暮らした夫に、突然、別れたいと告げて傷つけた人間だ。
夫だけではなく、夫の両親、親族の人たち、わたしの家族や親族、そして双方の友人たちも含め、たくさんの人を悲しませ、傷つけた。
その時の、人を傷つけたことで負った自分の心の傷の深さは、想像などまるで及ばない、下手をすると心全部を失ってしまうほどのものだった。
自業自得だと思い、でも、一緒に連れてきた幼い幼い息子たちだけは守らないとと、必死で立ち直った。
立場が違うし、それぞれに傷の深さや悲しみの重さも違うけど、痛みを受けた者同士として、もし可能なら、気持ちを分かち合いながら、会話を続けていこうと思う。
時代は変わり、インターネットという道具を手にしたわたしたちは、同時に、全く別個の方法で、複数の人たちと、それぞれの会話ができるようになった。
だから、ついつい調子に乗って、話が弾んで、気がつくと夜中も夜中、大夜中になってしまっていて、寝不足が続いてしまっているのだけれど…。

これからもずっと続くはずだと思っていた。
けれどもどこか心の片隅で、ぼんやりとした別れの予感もあった。
どんな理由であれ、一緒に暮らしてきた人と別れることは、とても悲しいし辛い。
でもきっと、月並みな言葉だけれど、ああ、あの時あんなことあったよなーって、苦笑いしながら思い出せる日が来るからね。
そしてそんなあなたのそばには、お茶でも啜りながら、どこか遠くの、記憶の中の、小さくなって困っているあなたを温かく包むように、想いを馳せてくれる人がいる。
そんなことを想像しながら、ぼちぼちと、心の傷を癒してってください。
わたしはいつだって、あなたたちのそばにいるからね。
コメント (2)
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危険度レベル4「避難してください。渡航はやめてください」の避難勧告が出ている南スーダンの実態を知れ!

2016年10月26日 | 日本とわたし
国を自殺に追い込むTPP承認を、お得意の『強行』で取り決めてしまおうとしている安倍内閣。
そしてその合間に、危険極まりない緊迫した状況に陥っている南スーダンで、任務を遂行している自衛隊に、さらに5ヶ月間もの滞在延長を強いる与党。

国や国民の命が、巨大企業や軍需産業の餌食にされようとしているのを、必死になって止めなければならない国会開催中に…、

またもや芸能人の麻薬報道!
このパターンの痴呆ジェットコースターに、いつまで乗っかってるのですか?
わーきゃー言ってる間に、とんでもない世界が作り上げられてしまいますよ。


南スーダンに、PKO(国連平和維持活動)として派遣されている陸上自衛隊。
来月の11月には、『駆け付け警護』任務が付与される予定になっています。

現地で避難民への支援活動を行った、国際NGO『日本国際ボランティアセンター』(JVC)スーダン事務所現地代表の今井高樹さんは今月10月に、
「現地では、継続的に戦闘が発生しているけれど、国外にほとんど伝えられていない」とおっしゃっています。

継続的に戦闘が発生している場所に、『駆け付け警護』に行くとどうなるか。
そんなこと、小さな子どもにだってわかります。
もう既に、現地に送られている陸上自衛隊のみなさんには、派遣期間の5ヶ月間の延長が通達されました。
智に欠けているだけでなく、心も欠けている政治家が、政権を取り続けている限り、このようなことが続いていくのでしょう。
入れ替えがしっかりできるよう、次の選挙に向けて、しっかりとした準備と行動が必要だと思います。

今年3月の古いものから順に、記事を並べてみました。
自衛隊員ご本人はもちろん、親御さん、友人の方々も、この実情を知り、最寄りの議員事務所に直接、質問なり抗議なりを投げかけてください。
もう時間がありません。

******* ******* ******* *******

国連、南スーダン軍の残虐行為を非難 住民殺害や強姦
【CNN】2016年3月12日
http://www.cnn.co.jp/world/35079441.html

国連は11日、内戦状態にある、アフリカ中部の南スーダンの現状を、分析した報告書を公表し、
政府軍兵士や、政権支持の民兵組織などによる民間人殺害、村落での略奪や破壊、大規模な強姦(ごうかん)がはびこっている恐れがある、と主張した。

民間人を意図的に狙った、「焦土」戦術とも非難した。

同国は、2011年に独立したばかりだが、13年12月に、クーデター疑惑に絡むキール大統領と、マシャル副大統領の確執が原因の、内戦が勃発(ぼっぱつ)。
大統領が属するディンカと、副大統領が出たヌエルの、2大民族間の抗争とも化しており、
出身民族の違いが理由で、路上や避難先の教会などで、殺害される実態にも触れた。

双方の交戦は、15年に、政府軍優勢の戦況となり、これ以降、民間人に対する残虐行為が、表面化するようになったとしている。
昨年8月には、停戦合意が得られたものの、実現への見通しは不透明なままとなっている。

報告書は、民間人を樹木からつるしたり、細かく切断する殺害方法や、生きたまま放火などの残虐行為に言及。
国際人権擁護組織アムネスティ・インターナショナルは最近、政府軍兵士が、家畜を没収した農民ら60人を縛り上げ、窓のない鋼鉄製のコンテナに閉じ込めた迫害例を暴露。
この後、軍が押さえるレール町のカトリック教会跡の敷地に、コンテナを運び込んだ。
国連の報告書は、コンテナ内の農民らは、1、2日内に死亡し、生存者はわずか1人だったとする、信頼すべき情報も引用した。

報告書は、少女や女性に対する性的暴行では、ユニティ州1州のみでも、昨年4~9月の間に、1300件以上の事例が起きたと指摘。
ただ、実際の数字は、より多いとも見ている。
南スーダンは、10州から成る。
抵抗や、レイプ犯の目を見たなどの理由で殺害されたとの、目撃者の証言も紹介した。
報告書は、軍兵士は、村落襲撃などで、女性や少女を商品とみなし、他の私有財産と共に奪い去っている、とも批判した。
内戦に伴い、居住先などを追われた住民は、200万人以上とされ、犠牲者は数万人規模となっている。
アフリカ連合(AU)は昨年、南スーダン紛争の両当事者は、人肉を口にする野蛮行為や、子どもの軍への強制編入などに関与していると、非難する報告書を公表していた。
一方、南スーダン軍の報道担当者は11日、国連報告書の内容に触れ、実情を反映していないと反論。
軍は、人権侵害行為の報告は受けていないとし、仮に、そのような行為を犯した者が見付かった場合、調査し、裁きを受けさせると主張した。




衝突で兵士150人死亡=独立5周年、内戦再燃の恐れ-南スーダン
【ジュバAFP=時事】2016年7月10日
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071000013&g=int


南スーダン首都ジュバの大統領府記者会見場で、銃声の後、床に伏せる記者ら=8日(dpa=時事)

南スーダンは9日、独立から5年を迎えた。
前日には、首都ジュバで、キール大統領派とマシャール副大統領派の兵士が衝突し、副大統領報道官によると、少なくとも150人が死亡。
ジュバの緊張は高まっており、内戦再燃の恐れも出ている

同報道官は、
「キール大統領と、かつて反政府勢力指導者だった副大統領の、双方の警護部隊全てが交戦した。
死者は増える見通しだ」と語った。

戦闘は、大統領と副大統領が、大統領府で会談している際に発生。
小火器から重火器にエスカレートし、複数の場所で、迫撃砲の音が響いた。

両派による戦闘は、4月の暫定政府発足後、初めて。
大統領と副大統領は、「不運な出来事」と述べた。
ジュバは、9日は厳戒態勢が敷かれ、外出する市民はまばら。
各国政府は、南スーダンからの退避勧告を出した


******* ******* ******* *******

戦闘が再燃した7月以降、首都・ジュバでは、いつ戦闘が再燃してもおかしくない、緊迫した状況が続いています。
このため、退避した各国の支援団体は、南スーダンに戻ることができていません。

国内の混乱によって、国づくりが困難に直面しているのと同時に、今、南スーダンでは、世界最悪とも言われる『人道問題』がさらに深刻化しています

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南スーダンに入った日本人NGOスタッフが警告
「自衛隊は、いつ、戦闘に巻き込まれるかわからない」

【HARBOR BUSINESS Online】 10月6日
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161006-00112171-hbolz-int


避難民キャンプの前で、聞き取り調査を行う今井さん

◆避難民支援のため、丸腰で南スーダンに入った、日本人NGOスタッフ

昨年の安保法制で成立した、「駆け付け警護」の任務が11月、PKO(国連平和維持部隊)として、南スーダン派遣中の自衛隊に付与される見込みだ。
日本では、憲法との兼ね合いから、賛成派と反対派が激しくぶつかっているが、南スーダンの現状そのものは、日本に伝わってきていない。

そこで、南スーダン現地で、避難民への支援活動を行っている、「日本国際ボランティアセンター」(JVC)スーダン事務所代表の、今井高樹さんに話を聞いた。
今井さんは9月、南スーダンに入り、避難民の支援を実施したばかり。
7月の戦闘激化以降、南スーダンに入った日本人は、自衛隊と政府関係者を除けば、今井さんくらいだろう。


◆村人を次々に撃ち殺し、遺体を家に投げ込み、火を放ち…

今井さんは、現地の状況をこう語る。

「南スーダンは、2011年に誕生した、世界で一番新しい国です。
2013年12月に、内戦が勃発。
昨年の8月に、和平合意に達し、統一政府ができました。
しかし、今年7月には、首都ジュバを中心に、再度内戦状態に突入
現在では、戦場は南部に移りつつありますが、250万人もの人々が、国内外で、避難民になる事態となっています。

私が支援を行った首都のジュバは、だいぶ平穏を取り戻しつつありますが、首都を一歩出ればひどい状況です。
日常的に、戦闘行為が行われています

今井さんは、ジュバ郊外の教会に避難している母親たちから、こんな話を聞いたという。

「ある日突然、武器を持った連中が、村に攻めてきました。
村人を次々に撃ち殺し、遺体を切り刻んで家に投げ込み、火を放ちました。
私は、子どもたちと倉庫に隠れ、隙をみて必死に逃げてきました。
誰が攻撃してきたのかも、何の目的かすらもわかりません」


「私たちは、生きているだけまだ幸運です。
村では、子どもたちが、まるで“食用の鶏”のように、次々と殺されています」



◆自衛隊活動予定地では銃撃や暴行、国連関係車両への妨害等が頻発

「現在、南スーダンで行われている戦闘は、単なる政府軍VS反政府軍、というものではないんです。
政府軍以外の兵士は、軍服を着ていません。
そして、政府側・反政府側のどちらにも、武装勢力の民兵が、戦闘に参加しています。

一般の人々は、誰と誰が戦っていて、自分たちが何のために、攻撃を受けているのかもわからない状況です」


そんな苛烈な状況の南スーダンに、派遣されている自衛隊は、大丈夫なのだろうか!?

「日本政府は、南スーダンで、『紛争は発生していない』と話しています。
起きているのは、あくまで『発砲事案』であると。
日本の自衛隊派遣には、PKO5原則というものがあり、戦闘当事者の間で、停戦合意が行われていることが条件となっているので、そのような言い方をしているのでしょう。

しかし、戦車や軍用ヘリが、日常的に戦闘行為を行っている状況が、どうして『紛争』ではないのでしょうか。
また、自衛隊は、憲法9条のからみから、他国軍とは交戦できないことになっています。
しかし、戦闘しているのが誰かもわからないところで、どうやって、『軍』と『軍以外』を分けるのでしょうか。

自衛隊の活動現場になるであろう、ジュバのPKO司令部は、避難民保護施設に隣接しています。
その周辺では、銃撃、兵士による住民・避難民への暴行、国連関係車両への妨害行為が、頻発しています。
いつ戦闘が発生し、それに巻き込まれても、おかしくないでしょう」



◆自衛隊PKOだけでなく、南スーダンの現状にも目を

南スーダンでは、JVCを含め、多数の団体が、支援を実施しようとしているが、避難民は一向に減る気配がない。

「あまりにも避難民の数が多いため、対応しきれていないんです。
加えて、国連の食料倉庫が襲撃されたり、支援物資を運んでいるトラックが攻撃されたり、といった状況です。
南スーダン政府も、国連やPKOを敵視している節があり、『外国人だから』といっしょくたにして、NGOのトラックでも検問を通さないことがあります。

日本では、自衛隊PKOの問題だけで、南スーダンのことが語られていますが、そこでは多くの人が殺され傷ついている。
そのことにも目を向けてほしいです」


※JVCでは、南スーダンの緊急支援に対する、寄付を募っている。
詳しくは、JVCのHPを参照。
今井さんは現在、日本に一時帰国し、10月12日に、東京・築地本願寺講堂で報告会を開催する。

<取材・文/白川愚童 写真提供/日本国際ボランティアセンター(JVC)>














安倍首相
駆け付け警護「平和守り抜くための任務」強調
 
【毎日新聞】2016年10月23日
http://mainichi.jp/articles/20161024/k00/00m/010/025000c


観閲式に出席した安倍晋三首相(右)=埼玉県の陸上自衛隊朝霞訓練場で2016年10月23日午前10時41分、宮武祐希撮影

陸自隊朝霞駐屯地での観閲式で訓示
 
安倍晋三首相は23日、陸上自衛隊の朝霞駐屯地(東京都練馬区など)の朝霞訓練場であった観閲式に出席し、訓示した。
安全保障関連法の施行により、新たに加わった「駆け付け警護」などの新任務について、
「尊い平和を守り抜き、次の世代に引き渡していくための任務だ」と強調。
「平和の守り神として、精強なる自衛隊を作り上げてほしい」と呼びかけた。

陸自部隊が参加している、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)について、
「世界に平和の苗を植える。その大きな志を持って責務を果たす諸君に、敬意を表す」と語り、
「今後も、積極的平和主義の旗を高く掲げ、国際的な舞台で活躍してもらいたい」と訴えた。

南スーダンPKOに関し、政府は、11月中旬以降に派遣する交代部隊に、
「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新任務付与を検討しているが、首相は、具体的な言及は避けた
観閲式には、自衛隊員ら約4000人が参加。
米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイも、祝賀飛行を行った。【松井豊】


******* ******* ******* *******

戦車に乗ったりオープンカーに乗ったり…。
この男は、やたら派手なことをやり、虚構な演説をふりまき、そして説明を問われるとすたこらさっさと逃げて行く。
こんなつまらない人間に、間接的にせよ、殺される羽目に陥るかもしれないのに、いつまで黙り込んでいるんですか?
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TPPは国のゆるやかな自殺

2016年10月25日 | 日本とわたし
どうしましょ?
TPP
trans-pacific partnership


現在、国会で審議中の、TPP協定。
メリットがあれば、デメリットもある、と言われていますが、
果たして本当はどうなのか?

5500ページにも及ぶ協定文書
政府が翻訳したのは、わずか1/3ほどでしかありません。
そこには、入り組んだ仕掛けが施されていて、自由貿易の協定というより、
国家からグローバル企業への、富の移転手続きの記述のようです。

この協定を、国会が承認して、実際に発効したら、私たちの暮らしはどうなってしまうのか。
賛成するにせよ、反対するにせよ、まずは知ることです。






TPPでどうなる? 
~元農林水産大臣山田正彦氏講演会の報告~

【あしがら憲法フリークス】2016年10月18日
https://ashigarakenpou.wordpress.com/2016/10/18/多国籍企業の利益を守るためのtpp%E3%80%80~元農林水産/



政府、与党が10月14日、臨時国会を召集しました。
TPP承認案・関連法案の成立を、最優先にする構えと報じられてます。
これが大変なものだということは聞いていましたが、まだまだ知らないことがありそうだ、ということで、
元農林水産大臣で弁護士の、山田正彦氏のTPP勉強会に出席し、お話を伺ってきました。


TPPで何がどう変わるのか?

いきなり結論を言うと、国の主権が脅かされる条約です。
自民党による改憲で、国民の主権が心配されるところですが、
TPPでは、国が決めたことが、多国籍企業のビジネスにとって不利とみなされると、国を訴えることができるのです(そして企業が勝つ)
国の主権も守らないといけない状況に、今、私たちは立っています。

勉強会では、TPPで何が変わるのか、具体的なお話を聞くことが出来ました。
以下(青字部分)、簡単にまとめたので、参考になさって下さい。

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TPP協定書は、アメリカのグローバル企業600社の弁護士により作成された、5500ページにも及ぶ条文から成ります。
これらの条文は国の行政、立法、司法の全ての上位に立つため、これにサインするということは、国の主権が無くなるということを意味します


《医療・医薬品価格》

医薬品の価格を、国で決められなくなってしまいます
医薬品は、アメリカ並みの価格になっていくでしょう(タミフル1本7万円)。
ジェネリック薬品も、作ることができなくなります
作るためには、バイオ医薬品データというものが必要ですが、その保護期間が、8から12年(日本は12年になるだろう)で、その期間中は、データが無いので作れません。
そして、作る時は、申請をしないといけないのですが、それに対して、特許をとった企業から、不服を申し立てられることが予測されます。

また、現在、国民皆保険として、全員が健康保険に入っていますが、
ここに、民間保険会社(今生命保険やがん保険を扱っている民間会社)が、参入してくることが予想されます(それが出来る条文になっている)。
ニュージーランドの例を挙げます。
もともと病院は、全て税金でまかなわれ、全てが無料という平等なものでした。
そこに、「行革」ということで、市場原理が持ち込まれた結果、
病院は、地域の住民の健康を守るものではなく、利益を追求する必要が生まれ、サービスは、悪化の一途を辿ることとなりました(MRIは半年待ちで7~8万円、がんの手術2年待ちなど)。
救急車を呼ぶのに数万円かかり、緊急手術が必要な場合は、民間保険会社の同意が、まず必要になるかもしれません。


《遺伝子組み換え食品》

遺伝子組み換え食品の企業の利益を守るため、遺伝子組み換えを使用している・していないの表示が出来なくなります
遺伝子組み換え食品は、それを扱う企業は安全だと言っていますが、人体実験で証明されたわけではありません。
現に、EU、ロシア、中国では、遺伝子組み換え食品の輸入が、禁止されています
これまで、遺伝子組み換えをしてこなかった小麦についても、新たに開発されたそうですが、これは日本市場向けと言われています


《食品、食品の産地・成分表示》

遺伝子組み換え食品と同じ原理で、企業の利益を守るため、国産表示、更には、産地や成分表示も出来なくなります
無農薬などの表示も同様です。
TPPの原点である、米韓FTA(自由貿易協定)により、韓国では、学校給食の地産地消が出来なくなってしまいました。

2016年2月2日の東京新聞の一面には、「全農産品、除外規定無し、国も認める」との記事が掲載されました。
除外規定がないということは、「米も関税撤廃の恐れ」という事になります。
ちなみに関税撤廃は、これから7年後が目処となっているようです。
また、4年間は秘密保持義務があるため、国民にそれが知らされることはありません

米を例に取ると、日本には、5kg50円の、ベトナム産こしひかりが入ってくるでしょう。
ちなみに、日本の米は、60kgの生産原価は15000円(5kg換算だと1250円で、それ以下の価格は赤字となる)です。
これではとてもたちうちできないため、国内で米を作る農家は、一軒もいなくなる恐れがあります。
韓国では、畜産業の7割が、廃業に追い込まれおり、焼肉屋の肉は、10割がアメリカ産、野菜は、10割が中国産となっています。


《雇用》

農産物と同じ様に、安い労働力が入ってくることは、安定した雇用の削減・消滅を意味します。
アメリカ大統領選で、トランプ候補が、「メキシコとの間に壁を作る」と演説し、喝采を持って受け入れられたのは、
これは人種差別ではなく、不況の原因となっている自由貿易協定を、非難しているからだということです。
アメリカでも、雇用は深刻な問題であり、全ての労働組合が、TPPに反対しているそうです。
更に日本では、現在、「解雇の金銭解決制度」導入(決められた金額を払えばいつでも解雇できる)の議論が進められていることからも、TPPによる雇用への悪影響は避けられないでしょう。


《公共事業》

例えばボリビアでは、ベクテルという企業が、水道事業を買収し、水道料金が、一気に5倍となってしまうという事態が発生しました
また、公共事業は、平等で自由な競争を、多国籍業に対して保障するため、英語と自国語の二ヶ国語を、同時に使用しなければならなくなります
更に、発注時、過去の実績をもとにしてはならない、という規則があるため(第15章8条1項)
自治体が、地元の企業などに、それまでの実績評価をもとに発注することが、できなくなります。
教育や学校については、私立と公立の二極化が進むでしょう。
私立の学校は、授業料が3倍4倍となり、公立の学校は荒れて、まともな授業ができなくなるかもしれません
病院も同様で、例えば韓国では、医療法人が、株式会社に次々と衣替えをしています


《著作権》

現在は、著作権は「親告罪」で、違法なコピーなどがあった場合、著作権者が刑事告訴しない限りは、罪に問われないということになっています。
ところがTPP下では、「非親告罪」となり、著作者の承諾がなければ、著作権法違反で逮捕される、
つまり、警察の判断のみで、いつでも逮捕されうるということになります。
また、罰則ですが、TPP関連法案により、現在の10~20万、名誉毀損があって100万円、という金額の罰金ではなくなり、
企業の得られたであろう利益の賠償金として、数千万~億という額の、支払いを命じられる恐れがあります。


《ISD条項》

国にどんな都合があろうと、国民の健康や命を守るための規定だとしても、企業の利益を損なうものは、企業は全て訴えることができるというものです。
仲裁は、アメリカの世界銀行投資紛争解決国際センターで、
3人の仲裁人(約600社の、多国籍企業の顧問弁護士100人ほどの中から、順繰りに決められると語られている)によってなされますが、
殆ど必ず、米国の多国籍企業が国に勝ち、敗訴した国に、巨額の賠償金支払いを命じる結果に終っています。

また、企業は、現実に投資国でのビジネスを始めていなくても、契約のみをもとに、将来期待できた利益を、請求することもできます
実際に、クウェート企業がリビア政府に、契約不履行を理由に、今後90年間で見込まれた利益1000億円を、損害賠償請求したり、
「アラブの春」革命で、最低賃金を引き上げたエジプト政府に対して、フランス企業が見込んでいた利益との差額を、賠償請求した例があります。


******* ******* ******* *******

利益や市場原理を追求するということは、「自由」で良いこと、と思われるかもしれません。
が、完全に自由な競争というのは、いっさいの歯止め(自由市場における極端な勝ち負けを防いだり、平均化したりして、市民の生活を守るための措置)が利かないということになります。
また、大企業が、あらたに市場に乗り込んで、その資金力をもとに、まず価格破壊を起こして市場を席捲し、
地元の企業を廃業に追い込んでから、価格を上げる
というのも、よくある手法です。
このような競争により、これまでにない格差が生まれ、日本人の殆どは貧困に陥る、という懸念が、現実味を帯びてきます。

例えば、食品ひとつとっても、私たち消費者は、欲しい商品を選ぶことが、出来なくなってしまいます(産地、遺伝子組み換え、農薬などの表示禁止)
TPP批准は、消費者である私たちから、選択の機会と自由を奪うことを意味します。
消費者の利益を守る決定を、国には求めたいと思います。

さらに、自民党は、憲法の改正草案で、人権の上に、新たに、「国益」という概念を持ちこみました憲法13条についての考察)。
であるのならば、国の主権より、多国籍企業の利益を上位とするTPPは、断固拒否して、「国益」を守るのでなければ、一貫性が保たれない事になるとは言えないでしょうか。


※リンクフリーです。ご自由にどうぞ。


▪️追記

ひとめでわかるTPPのチラシを作成しました。
こちらもご自由にお使い下さい。

PDFダウンロードはこちらから



↑以上、転載おわり

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いやもう、凄まじいとしか言いようがない、とんでもない協定です。
これまでにも、いろいろと勉強してきたつもりでしたが、とにかくこの件に関して、いったいどれぐらいの人数の議員が、きちんと理解しているのでしょう?
もし理解していたなら、今頃きっと、絶対に承認などしてはならない!と、喧々囂々の大騒ぎになっているはずです。

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山本農林水産大臣・TPP承認議案・発言撤回・民進党など辞任要求
【BSニュース】2016年10月19日

TPP・環太平洋パートナーシップ協定の、国会承認を求める議案を審議する、衆議院の特別委員会の理事会で、
山本農林水産大臣は、強行採決をめぐる発言について陳謝し、発言を撤回した。

民進党などは、山本大臣の辞任を求めている。

山本農林水産大臣は、「ご迷惑をおかけしました」と話した。
山本農林水産大臣は、衆議院特別委員会理事会に出席し、「行政が国会に介入するような、不適切な発言」と、発言を撤回した。

民進党などは、
「特別委員会・塩谷委員長が、強行採決しないことを確約しなければ、審議に応じられない」と主張。
 
民進党・今井前幹事長代理は、
「謝って済む問題ではない。責任をとってほしい」、
公明党・石田政調会長は、
「農政問題の責任者として、容認できない発言」、
菅官房長官は、
「辞任するような話ではない」と話した。

民進党と共産党が抗議する中、委員会は開会したが、民進党と共産党は、退席した
このあと、委員会は、24日に、北海道と宮崎県で、地方公聴会を行うことを議決した


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こちらの、当事国のアメリカでさえ、TPPはさすがにマズい、ということになっているのに、
どうして日本だけ、イケイケドンドンの醜態をさらしているのでしょう?
発言撤回、辞任要求、公聴会の欠席、強行採決への抵抗などなど、
必要なのかもしれませんけど、なんか欠けてませんか?
議論を尽くすというには程遠い、なし崩しの強行採決を、いったい何度させてしまうのか…。

******* ******* ******* *******

TPP特別委参考人質疑
食の安全の影響ほぼ出ない

【NHK】2016年10月25日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161025/k10010743151000.html
TPP協定の、国会承認を求める議案などを審議する、衆議院の特別委員会は、
民進党と共産党が欠席する中、与党が推薦する参考人への質疑が行われ
参考人からは、食の安全をめぐり、日本では、国際基準に基づき、科学的にリスクを評価する仕組みなどがあるため、影響はほとんど出ない、という意見が出されました

特別委員会は、民進党と共産党が、25日の参考人質疑を決めたことに、強く抗議して欠席する中、
塩谷委員長による職権で開会され、自民・公明両党が推薦する、2人の参考人が出席して、
食の安全などをテーマに、意見陳述と質疑が行われました。

奈良県立医科大学教授の今村知明氏は、
「海外の食品を日本で安全に食べるためには、国際的に合意が得られた基準に基づき、輸入する仕組みが重要だ。
日本では、食品安全委員会が、科学的に、国際基準に基づき、リスク評価を行う仕組みなどがあるため、
TPPによる影響はほとんどなく、わが国の食の安全は担保される」と述べました。

慶応大学教授の渡邊頼純氏は、
「TPP協定で、『SPS=衛生植物検疫』のルールが、アジア太平洋地域で再確認されたのは、
日本の食の安全にとって、輸入、輸出の面でも、極めて意義深い。
また、中国の勃興が著しい中、アメリカと自由貿易の取り決めができ、
政治・軍事面での日米安保に加え、経済面での安保ができた」と述べました。

******* ******* ******* *******

さすが、与党が推薦した人たちだけあって、TTPを全く理解していない、もしくは理解できないまま、意見陳述ができる破廉恥ぞろい。
それをまた、鵜呑みにするか、居眠りするかで、聞き流している議員たち。
更には、検証も意見も批判も無しに記事として流す、小学生の学級新聞以下の大手報道機関。



国が国として機能できなくなるということが明白なのに、日本の食品安全委員会がどうたらこうたらって…、
いったいどこまでボケてるんでしょうか?

TPPは、国のゆるやかな自殺です。

その世にも恐ろしい実態を、コツコツと取材し、伝え続けてきてくれたIWJの岩上さんをはじめとする記者の方々の、今日送られてきた記事をここに転載させていただきます。

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いよいよクライマックス!
TPP承認案が、10月28日にも強行採決か!?
岩上さんは本日21時から、元農水相の山田正彦氏に、緊急インタビューを敢行!
さらに、北海道と宮崎で行われる地方公聴会も、現地から中継!

【 日刊IWJガイド】2016年10月26日号〜No.1503号〜

おはようございます。
IWJで、主にテキスト関係の業務を担当している、平山と申します。

日本では緊急事態、異常事態が、たて続けに続いています!

ほとんどのマスコミは、危機感をもって伝えようとしていませんが、
今国会で、最大の焦点となっているのが、安倍政権が、非常に強い意志をもって成立させようと目論む、TPP承認案の行方です。

TPP報道といえば、IWJです!
IWJでは、2010年、菅政権下で突如、TPPが持ち出されてきた時から、ずっと強い警戒心をもって監視し、報じ続けてきました。
報道管制が、これほど徹底的に敷かれたテーマもありません!
岩上さんは、10年あまりにわたってレギュラーを続けていた、フジテレビ系『とくダネ!』のコメンテーターを、TPP批判がきっかけで、降板させられました

※2011年6月の岩上さんのツイート
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/83605516886085632
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/83607116467802112
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/83615254554226689

そうしたダメージを負ってでも、TPPの危険性について、多くの人々に伝えなくてはならない、という岩上さんの信念は変わらず、
TPPについて、IWJは、全力で報じ続けてきました。

衆議院TPP特別委員会は、本日10月26日、採決の前提となる地方公聴会を、北海道と宮崎県で開催
一部では、28日にも、強行採決が行われるのではないかと、取り沙汰されています。

IWJでは、この非常に重要な地方公聴会の模様を、北海道と宮崎の現地から、Ustream中継を行います!
会場の周辺では、TPPに反対する、市民による抗議も行われると見られています。
IWJでは、そうした市民の声も含めて中継しますので、ぜひ、下記URLより、ご視聴ください!

★TPP特別委員会 北海道地方公聴会
[日時]10月26日(水)13時15分〜
[ご視聴]【IWJ_HOKKAIDO1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=hokkaido1

★TPP特別委員会 宮崎地方公聴会
[日時]10月26日(水)13時15分〜
[ご視聴]【IWJ_MIYAZAKI1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=miyazaki1

TPPは、農産品の関税が撤廃されるだけでなく、公共事業(政府調達)知的財産権医療や保険、さらには取引上のルールや言語といった「非関税障壁」に至るまで、
日本のありとあらゆる「規制」を、徹底的に開放し、日本の国富を、米国を中心とするグローバル大企業に差し出そうとするもの
です。
「強行採決」によるTPP批准など、絶対に許してはなりません!
TPPを許してしまったら、日本の国家としての骨格は、溶解させられてしまうでしょう。

この地方公聴会が行われた後、衆議院TPP特別委員会では、
10月27日には、安倍総理が出席しての質疑が行われ、
翌28日には、野党側による一般質疑が行われます。
そして、この質疑の後、「強行採決」が行われるのではないか、と言われている
のです。
昨年夏の、安保法制国会を思い出して下さい!
あの時も、横浜での地方公聴会を終えた直後に、強行採決が行われたのです!


TPPが、いよいよ「最終局面」を迎えるのではないか、と言われるなか(最終にさせてはいけないのですが!)、
今週は、週末までノンストップで、「TPP断固阻止!崖っ淵ウィーク!」と銘打って、徹底的に、このTPP承認案強行採決の動きをお伝えします!!
岩上さんも、緊急インタビューを連続して行います!

さっそく本日10月26日(水)には、元農林水産大臣の山田正彦氏に、
そして、翌10月27日(木)には、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」共同代表である岩月浩二弁護士に、
緊急で、岩上さんがお話をうかがいます!
岩月弁護士のインタビューには、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」の原告である、三雲崇正弁護士にも加わっていただき、
徹底的に、その危険性について議論を掘り下げます
ので、どうぞご注目ください!

★岩上安身による山田正彦元農水相インタビュー
[日時]10月26日(水)21時〜
[ご視聴]【IWJ・Ch1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

★岩上安身による岩月浩二弁護士・三雲崇正弁護士インタビュー
[日時]10月27日(木)18時30分〜
[ご視聴]【IWJ・Ch1】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

他にもIWJでは、本日は18時30分から、「TPP批准阻止アクション実行委員会」主催で行われる、抗議行動の模様の数々を中継します!
また、「強行採決」が行われるのではないかと言われている10月28日には、衆議院第2議員会館前で、山田正彦氏らが、抗議の座り込みを行います。
IWJでは、この模様も中継する予定ですので、どうぞご注目ください!

★TPPを批准させない!水曜日行動 〜議員会館前抗議行動
[日時]10月26日(水)18時30分〜
[ご視聴]【IWJ・Ch8】 http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=8

IWJではこれまで、2010年11月13日に、当時の菅直人総理が、「平成の開国を目指す」として、TPP交渉への「協議開始」を表明して以降、
他のどのメディアにも先行して、TPPの危険性を、徹底的に報じ続けてきました。

山田氏や岩月氏の他にも、PARC(アジア太平洋資料センター)事務局長で、TPP交渉をウォッチし続けてきた内田聖子氏、
元農水官僚・東京大学教授で、農業経済学が専門の鈴木宣弘氏、
TPPと同じく危険な、自由貿易協定である米韓FTAに詳しい、立教大学経済学部教授の郭洋春氏など、
岩上さんはこれまでに、数多くの有識者の方々に、インタビューを行ってきました。

※2014/10/13
グローバル資本の論理に対して如何に抵抗するか
「TPPと国家戦略特区は憲法違反」〜TPP交渉差止・違憲訴訟の会・山田正彦氏インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/174900

※2015/05/19
「TPPに反する法律は廃止され、将来にわたって立法できなくなる」
岩上安身による、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」弁護団共同代表・岩月浩二氏インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246065

※2013/06/05
「TPPが日本に何のメリットもないことを、再認識した」
ペルー・リマでの、TPP交渉会合に参加した、PARC事務局長・内田聖子氏が明かす 〜PARC事務局長 内田聖子氏インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/83292

※2014/07/14
IWJ×PARC どうなってるの?
TPP 主席交渉官会合?
年内大筋合意?
秘密で勝手に決めないで!
3時間半ぶっとおし生放送!!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/154194

※2013/10/12
TPPで「聖域」撤廃か
自民党の「嘘」を、鈴木宣弘教授が糾弾!「このままでは“限界列島”に」〜岩上安身による東京大学・鈴木宣弘教授インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/106294

※2013/02/21
「TPPは現代の植民地政策」
米韓FTAの惨状からTPPを考える 〜岩上安身による郭洋春氏(立教大学経済学部教授)緊急インタビュー

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/59749

 
いずれの動画アーカイブも、安倍政権が、危険極まりないTPPに向けて突き進んでいる今こそ、必見の内容です!
サポート会員にご登録いただければ、全編動画をご視聴いただけます!

【特集】IWJが追ったTPP問題
http://iwj.co.jp/wj/open/tpp

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https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php


ちなみに、このTPPと軌を一にして、安倍政権が進めているのが、小学校から大学に至る各種教育機関での、「英語化」の流れです。
先に述べたように、TPPにおいては、「日本語」が「非関税障壁」とみなされ、「公共調達」など、
役所の入札の広報・実務が、「英語化」されることが義務づけられています
が、
官庁用語の「英語化」は、それにとどまらず、いずれ、公用語全域が、日本語から英語にとってかわられようとしています。
日本人が日本人であることの基礎は、母語である日本語です。
日本語を忘れた日本人が、日本人であり続けられるでしょうか?

安倍政権は、事あるごとに、日の丸をふりかざし、日本の伝統を強調し、愛国者であることをアピールしますが、彼は、偽装愛国者に過ぎません。
日本という国まるごと、米国発のグローバル資本に売り渡し、
さらに、日本人が日本人としてのアイデンティティーを失う事態に向かって、積極的に手を貸している人物が、日本と日本人を愛する愛国者であろうはずはありません。

今月末に発行する、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」では、『英語化は愚民化〜日本の国力が地に落ちる』(集英社新書)が大きな話題を呼んだ、九州大学准教授・施光恒氏への岩上さんによるインタビューを、完全フルテキスト化してお届けします!
メルマガの購読方法など、詳細は、後段の<★お知らせ★>コーナーをお読みください!

今回の、TPP承認案に関する地方公聴会も、北海道へは、青森在住の中継市民のしーずーさんこと外川鉄治さんが、
宮崎へは、東京から安道幹記者が、取材・中継のために、急きょ、現地へ向かいます。
こうした地方での取材には、当然のことながら、交通費や宿泊費といった経費がかかります

それでも岩上さんが、こうした経費のかかる取材を決断して、実行に移すのも、
他の既存大手メディアが、この非常に重要な地方公聴会全体の模様や、周囲での市民による抗議の様子を、しっかりと報じないことが予想されるからです。
TPPに関してはずっと、IWJは、「ひとり旅」を続けてきました。
今回も「ひとり旅」であることを、覚悟しています。

テレビや新聞といった、既存大手メディアとは一線を画し、常に「真実」を追求するIWJのスポンサーは、市民の皆様一人ひとりです。
IWJは依然として、厳しい財政状況が続いています。
どうか、ご寄付・カンパで、IWJの活動をお支えください。

※IWJへのご寄付・カンパは、こちらからお願いいたします。
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もうこれ以上、高江での暴力と差別を、無視していてはいけない時がきている。みんなで声を上げよう!

2016年10月20日 | 日本とわたし
沖縄のヘリパッド建設に反対しています。
沖縄出身でもなく、沖縄出身の友人や知人がいるわけでもなかったけれど、
原発事故の後、社会の仕組みをいろいろと調べているうちに、米軍基地のこと、沖縄のことも、深く知るようになり、
巨大権力に虐げられ、押しつぶされていく町や村、そして人々の無念は、何も原発だけに限ったことではなく、
その暴力を助長させてきたのは、知らないままに生きていた、知っても自分にはどうしようもないと無視してきた、わたしのような人間だということに気づきました。

最近親しくなった、やんばるの森出身ののんちゃんから、沖縄の歴史を、その場で生きてきた人の声で話してもらっていると、
ただ文字を読んだり映像を観たりする以上に、不当な扱いを受け続けてきた悔しさ、悲しみ、怒りが、しみじみと伝わってきます。

よく、ネットなどでは、高江の現場で反対運動をしている人の中に、遠くから駆けつけてきた人たちが居ることを、非難する意見が見受けられます。
「もともと沖縄に住んでいたメンバーならともかく、どうしてよそ者が遠くからやって来て」という調子で…。

高江は、本当に小さな集落です。
そんな、たった140人ほどの集落の中にいて、異を唱えることはとても難しい。
だから、地元住民の多くは、声を張り上げたり、座り込んだりするようなことはしたくない、という人が多いし、
反対運動を潰そうとする、県警や他県からの機動隊の人数の多さと弾圧行為によって、道路が封鎖されたりすることから、
生活に生じる不便に対する不満や怒りが、反対運動に参加している人たちに向けられたりします。
さらには、根も葉もない噂を信じて、お金をもらってやってるんだろうと、罵倒されたりもするので、参加できないでいると聞きました。

でも、地元紙の琉球新報が、高江区で実施したアンケートでは、こんな結果が出ています。


賛成は0…。

沖縄の、200人にも満たない小さな村なんだから、反対したって簡単に押し切れる。
そんな政府の傲慢な予想に反して、他県や他市から駆けつけてきた、辛抱強い抗議行動、反対運動によって、工事は遅れに遅れていました。

標的にされた村、高江。

政府が高江を標的にして、他県の機動隊まで動員し、工事を強行しています。
そして機動隊は、法的根拠も無しに、道路を封鎖したり、住民に暴力や暴言を吐いたりしている。
この異常さが、この非情さが、もし本土のどこかで、それもあなたの家の近くでまかり通るようなことになったら、あなたはどうしますか?
夜の9時を過ぎて、そろそろ子どもたちを寝かせようかという時に、
部屋の窓が揺れ、食器がガタガタと音を立て、お腹の中まで響くような爆音を立てて飛ぶ軍用機が、
訓練のためだといって、夜中まで何度も何度も、直上の空を低空飛行したら、
あなたは、あなたのお子さんは、ご家族は、話すことも眠ることもできないまま、幾晩も過ごさなければなりません。
その不快感、恐怖感を、なぜ東村の住民の方々は、我慢しろと強制されなければならないのですか?
世にも美しい自然の宝庫の中で、ゆったりとした人間らしい暮らしがしたいと、移り住んできた人たちもいます。
なのに今では、不眠に悩み、爆音に苛まれ、隣の村に避難している…。

無関心でいる人や想像できない人が、圧倒的多数であることも、信じたくはないけれども現実です。
でも、沖縄のように、理不尽さを押し付けられることは、今に日本中のあちこちで起こるかもしれません。
自分の身に起こって初めて、気がついているのでは遅いのです。
わたしたちにとっても、あなたたちにとっても、このオスプレイによる暮らしの破壊や、基地の押し付けは、他人事なんかじゃない。
そのことに気づいて欲しいと、心の底から願っています。

豊かな緑の世界が、ここまで無残に破壊されてしまいました。
わたしでさえ、こんなに悔しいのだから、それを現場で目の当たりにされている住民の皆さんの心の内を思うと、本当に胸が痛みます。






******* ******* ******* *******

「悔しくてつらくてやりきれない」ヘリパッド工事強行
【DAYS JAPAN】2016年8月2日
https://daysjapan.net/2016/08/20/「悔しくてつらくてやりきれない」ヘリパッド工/

7月22日早朝、全国から集められた機動隊が、高江に押し寄せた。
ヘリパッド建設に反対し、泣きながら座り込む住民たちを、次々に排除していく。
それは、圧倒的な権力による弾圧だった。

写真/森住卓、北上田源 文/丸井春(DAYS JAPAN)


N1ゲート前に押し寄せる機動隊。写真はすべて、沖縄県東村高江。
2016年7月22日 Photo by Takashi MORIZUMI


国による工事強行の日

「9年間守り通したこのN1の山が、とうとう削られはじめました。
本当に残念で、無念でなりません。悔しいです。どうしたらいいのか……」



米軍北部訓練場内のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)新設工事が、強行的に着工された4日後の7月26日、
建設が予定されている高江の、N1地区と呼ばれるゲート前で、2007年から、工事反対のための座り込みを続けてきた儀保昇さん(63)は、そう漏らした。

住民らの反対の声をよそに、砂利や資材を載せた大型の工事車両が、次々と、ゲートから訓練場内に入って行く。
ゲートと住民の間の県道には、何百人もの警官や機動隊、民間警備員が並び、数台のカメラが、住民らを「監視」する。
米軍の基地のはずだが、米兵の姿はなく、日本の権力が、日本の小さな集落の住民に対峙する。
異様な光景だった。

工事の再開は唐突で、あまりに強引だった。
7月10日投開票の参院選で、沖縄では、辺野古新基地や高江ヘリパッドの建設に反対する伊波洋一さんが、現職の島尻安伊子・沖縄担当相を大差で破った。
翁長知事が、
「これで、一昨年の衆院選、今年の沖縄県議選、参議院選挙で沖縄の民意が示されたことになる。新辺野古基地は絶対に造らせない」と話し、沖縄中が喜びに湧いた。
その翌日早朝、沖縄防衛局は、2年間休止していた、北部訓練場のヘリパッド新設工事の手続きを開始し、メインゲートから機材を搬入しはじめた。

そして、工事着手日とされた、22日早朝5時過ぎ、全国から集められた数百人の機動隊が、高江に押し寄せ、N1ゲート前の70号線を封鎖した。
住民たち約200人は、資材の搬入をどうにかして止めようと、約150台の車をハの字に並べ、座り込んで抵抗したが、
機動隊員らは、圧倒的な数と力で、人々と車を、次々に排除していった。
「なんで!」
「どうして沖縄だけいじめるの!」
悲鳴のような泣き声と怒号が響き、混乱の中で、3人が救急搬送された。
儀保さんも、抗議していた宣伝カーの上から、引きずり降ろされた。
「機動隊や警察は、こちら(住民ら)は怪我しても構わないというような、暴徒を鎮圧するみたいな態勢だった。
まるで〝銃剣とブルドーザー〞(※注)だ」と話す。

農業を営む、住民の会の宮城勝己さん(63)も、「悔しくて爆発しそうだった」と、怒りを隠さない。
「沖縄県民への愚弄としか思えない。あの選挙は何の選挙だったのか。
基地にノー、海兵隊の撤退、地位協定の改定は民意ですよ。
それなのに、あんな暴挙にでてくるというのは、沖縄を何だと思ってるのか」

住民を排除した正午過ぎ、機動隊の「盾」に守られるようにして、重機やコンクリートブロックなどを積んだ作業車が、次々に基地内に入っていった。
住民の応援にかけつけようとした人々、炎天下の中、せめておにぎりと水だけでも届けたいと、現場に向かおうとした人々もいたが、
県道は、高江の人々の生活道路であるにも関わらず、午後5時近くまで封鎖され、近寄れなかったという。

工事着手後も、人々は、県道を挟んだゲートの反対側から、連日反対の声をあげ続けるが、
車道に並んだ無表情の機動隊に阻まれ、歩道から1歩出ることも許されない。
「昔は、警察はこうじゃなかったんですよ」と、儀保さんは言う。
「辺野古でも高江でも、県警は、基地に入っていく車両や防衛局と住民が、ぶつかり合いにならないように見ていて、
険悪になりそうになったら、止めに入る役割をしていました。
それがここ2年ぐらいの間に、完全に向こう側になっちゃった。
この差にとても愕然とし、無力感を感じるんです」

住民らは、2007年から9年間、なんとか森を守ろうと、静かな高江での生活を守ろうと、闘い続けてきた。
悔しさと無念さは大きい。
「この現場は、本当に日本なんでしょうか?高江は日本なんでしょうか?」。
高江に住む伊佐育子さんは、そう声を詰まらせた。


N1ゲート前を埋め尽くす機動隊。この機動隊は北側からやってきて、N1ゲート前を制圧した。
2016年7月22日 Photo by Gen KITAUEDA



オスプレイが飛ぶ村

高江の人々に、基地の「圧力」がかかりはじめたのは、1996年のこと。
そのころ、沖縄では、前年に起きた、米海兵隊らによる少女暴行事件を受けて、「基地は出ていけ」という、圧倒的世論が広がっていた。
それに危機を感じた日米政府は、この年、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意を打ち出し、
「沖縄の負担軽減」「基地の縮小」のためだとして、普天間の移設などを決めた。
その合意の中のひとつに、やんばるに広がる約7800ヘクタールの北部訓練場のうち、北部約4000ヘクタールを返還する、というものがあった。
ただし、返還後も残るエリア内に、6か所のヘリパッドを新たに建設することの条件付きで、だ。
そのうちのひとつ、N4地区のヘリパッド2か所は、2014年に完成し、オスプレイが配備されている。

「6月の中旬から、オスプレイが3機、1日に何度も、離着陸する訓練が繰り返されました。
あの時、もうここには住めないな、という不安がよぎりました」と、伊佐さんは言う。
低空飛行を続けるオスプレイの騒音はすさまじく、「地震のような、内臓に響くような音」(住民のひとり)だという。
騒音は、確実に、生活に被害を及ぼし、体調を崩す人が増えた。
地元琉球新報紙によると、6月に発生したオスプレイの騒音は、1日あたり32・8回に上るという。
一部の地面が返還されても、上空は、より強固な基地と化しているのだ。
「あと4つ(ヘリパッドが)できて、さらにオスプレイが配備されたら、生活は確実にできなくなると思う」(伊佐さん)。

(*まうみ注・オスプレイの騒音を図表に表したもの)


のどかな高江の山あいを、砂利などを積んだトラックが、警察車両、機動隊車両に、前後を挟まれて走る。
高江の景色が変わった。

離ればなれになった一家。
「子どもたちは避難させた。
決断したのは、6月に入ってから。
3週間ぐらい、毎日のように、オスプレイが夜遅くまで飛んで、子どもが眠れなくなっちゃった。
眠れないと学校も行けなくなるし、イライラもする。
オスプレイの低周波が、健康にどういう影響を及ぼすのかも、まだ分かってないでしょう? 
親としては、そんな環境の中に、子どもは置いておけなかった」

N4のヘリパッドから約400メートル、安次嶺現達さん一家の家は、やんばるの森に囲まれるようにある。
家に向かう小道には、ヤンバルクイナが現れ、鳥が鳴き、近くには小川が流れる。
13年前、ここに引っ越してきた。
「子どもたちを、ここで育てたかったの。
自然豊かなここで、伸び伸びと育てばいいなあと思ってね」。
高江で土地を探していたある日、今の家の近くで、たまたま車がスリップして出られなくなった。
「いっか、じゃあ、ここでキャンプしようと思ってキャンプをしていたら、たまたま地主さんが来て、話がついた」。
家族でカフェを営み、暮らしてきた。
しかし、オスプレイが飛ぶようになり、いま、中学1年生をはじめとする、6人の子どもと妻は、車で40分ぐらいのところに避難させている。
避難の話をした時、子どもたちは、「分かった」と答えたという。

「いまは、眠る時も自分はひとり。
子どもたちに、1日1回は会いに行くことにしてるんだけど、5分とか10分いたら、またこっちに帰ってこないといけない状況」だという。
安次嶺さんは、家に残った。
「この問題のせいで、引っ越しするのも悔しいし、本当は、あいつら(ヘリパッド建設を強行する権力)に出ていって欲しいし」。
今はとにかく、ここでなんとかがんばらないといけない、と繰り返す。

「きのう、久しぶりに、子どもたちが帰って来たの」と、安次嶺さんが一瞬、顔を緩める。
ゲート前で闘う安次嶺さんでない、家族との「普通の生活」の中で見せるのだろう、おだやかな、やさしい表情が覗いた気がした。
でも。「着工後、ここ数日は飛んでなかったから、きっと飛ばないだろうなって思ってた。
そうしたら飛んできた。
10時ぐらいまで飛んでたと思うよ。
もう眠かったから放っておいて、酒飲んで寝た」と言う。


N1ゲート前に座り込んで抗議する人を排除する機動隊。
2016年7月22日 Photo by Takashi MORIZUMI



国に住民が訴えられる

安次嶺さん一家も、2007年から、ゲート前で座り込みを続けている。
2008年11月、国(沖縄防衛局)は、安次嶺さんを含む、反対運動を続ける高江の住民15人(子どもを含む)に対して、那覇地方裁判所に、通行妨害禁止の仮処分の申し立てをした。
反対運動を押さえ込むことが目的なのは、明らかだった。
住民側や弁護団は、ヘリパッド建設に対する意思表示や抗議行動は、憲法の表現の自由に当たると主張し続けたが、
「国の通路使用を、物理的方法で妨害してはならない」として、およそ民主的ではない、住民敗訴の判決を下した。

「国はね、裁判を起こしたって、痛くもかゆくもないよ。
でも、こっちは7年間も引きずり回されて、時間も取られるし、精神的にも疲れるし。
うちらは、普通に暮らしているだけでしょう? 
ここにヘリパッドが来るのはいやだ、と言っているだけでしょう?」

子どもたちがこれから、本当に幸せに暮らしていけるのか、不安になることが多いという。
これから先、子どもたちが避難先から帰り、また、もとの家で暮らせる日は来るのか。
安次嶺さんは、
「きっと状況は変わらないと思うよ。あと4つできるんだから」と言う。
「子どもは何も、悪いことしてないのにな」

オスプレイが高江に来ることは、住民らが再三、防衛局に問いただしても、「分からない」と言われ、隠されてきた。
国のいう、「沖縄の負担軽減」「基地縮小」は、結局のところ、米軍が希望するとおりの、基地強化に繋がっている。
普天間飛行場の「代替基地」とされる、辺野古新基地は、新たな機能を備えた巨大な軍事基地となり、
高江では、オスプレイが離着陸できる、新たなヘリパッドが造られている。
そのうちのひとつは、宇嘉川の沿岸・河口部のヘリパッドと連動し、
そうすることで、これまで北部訓練場ではできなかった、海からの侵入離脱訓練ができる基地になることが、指摘されている。

「なんかもう、戦争の準備でもしてるんじゃないか、と思うよね。
宮古島や石垣島、与那国島にも、自衛隊がどんどん配備されて、何の準備なのかと。
日本の政府は、そういうのを沖縄だけに押し付けて、もし戦争があった時には、それも沖縄だけに押し付けるような気がする」

安次嶺さんは、自宅近くに、小さい宿を造ろうとしていたという。
「家族でできる範囲で、3部屋ぐらいの小さい宿を造って、これからやろうかって思ってた。
そんなときに、オスプレイがどんどんうるさくなって、基地が造られようとして。
そこに宿を造ってさ、泊まりに来る人がいるのかなと思ったらね、造るのもちょっと、どうしようかと思っちゃって。
せっかくお客さんが来てもさ、いきなり、夜にオスプレイが飛んで来たら、びっくりして帰るんじゃないかと思って」。
宿造りは、途中で止まったままだ。
「来られる人は、高江に来て欲しい」、と安次嶺さんは言う。
「宿もないし、遠いし、来るのは大変な場所。
でも、たくさん来てくれたら、世論は動くかもしれないから。
そして、高江のきれいな所を、たくさん見て帰って欲しい」


理不尽な状況に涙を流す市民。2016年7月22日 Photo by Takashi MORIZUMI


違法だらけのヘリパッド建設

ヘリパッドの建設は、国による違法行為が、多く指摘されている。
市民らが、抗議行動のために使ってきたテントを、強制的に撤去したことも、その正当性が疑問視されているし、
7月22日に、無理矢理、県道を封鎖したことも、多くの弁護士らが不当だ、としている。
県民の「水がめ」とされ、沖縄本島全域に水を供給する、新川ダムそばの村道は、車両の重量規制がかけられているが、東村には、書類は出されていない。
さらに、ヘリ基地反対協抗議船船長の、北上田毅さんによると、防衛局が、事前の協議もなしに、国有林を伐採していることも違法、だという。
「N1のゲートからN1のヘリパッドまでは、工事車両は、所々崩落した旧林道を、改修しながら進んでいかなくてはなりません。
ところが、両側の底地は国有林ですから、いくら沖縄防衛局が工事の手続きを進めても、勝手に切ることはできません。
人間の胸の高さで、直径4センチを超える木についてはすべて、沖縄森林管理署と協議をする必要がありますが、
それなしに、防衛局は、工事に入っています」。
さらに防衛局は、N1裏に続く別の旧林道に関しても、工事用の道路とするため、
7月11日に、沖縄森林管理署に、国有林の使用承認申請書を提出し、
沖縄森林管理署は、それを、わずか3日で承認してしまった、という。
「本来は、国有林というのは、工事の許可がおりたとしても、工事が終われば、また現状復帰をして、森林を復旧する、というのが許可条件です。
でも、ここにヘリパッドが完成したら、米軍車両がひっきりなしに行き来しますよ。
だから、せっかく日本に返還されて、いまは国有林としてみんなの財産になっている森林が、
今回の工事によって、基地の強化のために使われるんです」(北上田さん)

工事の車両は、ひっきりなしに、ゲート内に入っていく。
とはいえ、人々は、決して諦めていない。
歌をうたい、気持ちを奮い立たせ、非暴力でまた声をあげる。

「ここで諦めたら、沖縄のおじいおばあが、何のために今まで戦ってきたのか、申し訳ない気持ちになります。
おじいおばあは、アメリカと戦ってきましたが、私たちの目の前にいるのは、いったい誰なんでしょうね。
諦められないんです」

伊佐さんは、そう言って笑った。

(※注)米軍の強制的な土地収用を表現する際に使われる言葉。かつて立ち退きに抵抗する住民を銃剣で排除し、強制的にブルドーザーで畑や家屋を破壊したことに由来。




沖縄・高江の“惨状”訴え 救急車も阻止する機動隊の暴走
【日刊ゲンダイ】2016年10月12日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191638

辺野古、高江に目を向けろ――11日沖縄県で基地建設に反対している27人が、国会を訪れ、辺野古や高江の現状を訴えた。
8人の国会議員も出席した。

集会では、写真と動画で、辺野古や高江の現状が紹介された。
今年2月、2基のヘリパッドが米軍に提供されてから、オスプレイの訓練が激増した高江。
低空を、襲い掛かるように飛ぶという。

「ヘリコプターと違って、オスプレイは、腹の底に響くような低音です。何とも言えない恐怖感です」(沖縄在住の参加者)

7月に工事が再開した高江では、連日、反対する住民が、機動隊に排除されている。
7月にけが人が出た時も、機動隊は、かけつけた救急車の通行を、阻止したという。

集会に参加した琉球大学の高良鉄美教授(憲法)は、
「報道も規制されている。高江の状況があまりにひどい人権侵害で、表に出せないのです」という。
実際、8月には、取材中の記者2人が、機動隊によって強制排除されたが、
政府はきのう、「報道の自由侵害に当たらない」とする答弁書を出した。

現地では、日本とは思えないことがまかり通っている。




沖縄ヘリパッド
「土人」発言機動隊員に「出張ご苦労様」

【毎日新聞】2016年10月20日
http://mainichi.jp/articles/20161020/k00/00m/040/136000c

米軍北部訓練場(沖縄県東村、国頭村)の、ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)移設工事を巡り、
現場警備に、大阪府警から派遣された、2人の20代の男性機動隊員が、工事への反対活動をする人に、
「ぼけ、土人が」などと、差別的な暴言を吐いた問題で、沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は19日、
「(土人は)未開の地域住民を侮蔑する意味を含んだ言葉で、県民としても知事としても、言語道断で到底許されず、強い憤りを感じている」と述べた。

知事は、近く県警本部長に会って、機動隊の適切な管理を求める。

また、菅義偉官房長官は、記者会見で、「不適切な発言を行ったことは大変残念」と指摘。
「許すまじきことなので、警察庁においてしっかり対応すると、報告を受けている」と述べた。
そのうえで、
「地元の村から、早く(北部訓練場の約半分の)返還を実現し、国立公園に指定してほしい、と要望を受けている」と語り、年内に工事を終える考えを、改めて示した。

一方で、大阪府の松井一郎知事は、当時の様子をネット動画で見たとした上で、
「表現が不適切だとしても、府警の警官が、一生懸命命令に従い、職務を遂行していたのがわかりました」と、自身のツイッターに書き込んだ。
さらに、「出張ご苦労様」と、ねぎらいの言葉も投稿した。

この発言を巡り、府警は近く、隊員から、事情を聴く方針を固めた。
事実関係を確認の上、処分を検討する。
【佐藤敬一、田中裕之、青木純、堀江拓哉】












別の機動隊員は、「シナ人」と罵声
沖縄県警から大阪府警に連絡

【The Huffington Post】2016年10月20日
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/19/okinawa_n_12568798.html

沖縄本島北部で進む、アメリカ軍北部訓練場の、ヘリコプター着陸帯(高江ヘリパッド)建設に抗議する市民に対し、
大阪府警の機動隊員が、「土人が!」と、差別用語で罵倒していた問題で、
別の機動隊員も、「黙れコラ、シナ人」などと発言していたことが、沖縄県警の調査でわかった。
朝日新聞デジタルなどが報じた。

朝日新聞デジタルによると、この発言があったのは別の場所で、同じように、工事に抗議する人たちに浴びせられた。
大阪府警の、20代の機動隊員だったとして、沖縄県警から、大阪府警に連絡があったという。
府警は、帰還させ、調査を始める予定という。

琉球新報は、県警の聞き取り調査の内容として、機動隊員は、事実関係を認めていると報じている。
抗議参加者と政治団体とのもみ合いに、大阪府警の機動隊十数人が、間に入った際に、発言があったという。
政治団体の関係者も、同様の発言をしていた。
隊員は、聞き取りに対して、
「興奮して思わず言ってしまった。差別的な認識はなかった」と、釈明しているという。

大阪府警の担当者は、「土人が」と発言した機動隊員について、10月19日夜のハフポスト日本版の電話取材に対して、
「大阪府警の機動隊員で間違いない。
普段から、公平かつ中立な振る舞いをするようにし、教育しているため、不適切な発言だったと考えている。
今後はこのようなことがないように、指導を徹底したい」とコメントしている。




“土人”発言に激怒 翁長知事は暴走沖縄県警に切り込めるか
【日刊ゲンダイ】2016年10月20日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192177

沖縄県の、翁長雄志知事の堪忍袋の緒が、ついに切れた。
安倍政権が強引に推し進めている、沖縄・高江の米軍オスプレイ離着陸用ヘリパッド建設。
大阪府警から応援に来た機動隊員が、抗議活動の住民に、「土人」と暴言を吐き、
翁長知事は19日、県庁で、「言語道断で到底許されない」と強く非難。
きょう、県警本部長、県公安委員長と面談し、適切な管理を求めるという。

現地では先週、砂利を工事現場に運ぶダンプカーの、ナンバー表示がないなど、違法車両であることが判明。
稲田朋美防衛相も、18日の会見で、ナンバー表示が見えにくい車両があることを認め、
「事業者として、受注者(建設会社)に対し、改善を指示した」と言っていた。
ところが、内閣府沖縄総合事務局の、車両安全課の担当者に聞くと、
「18台の違法車両の所有者に、往復ハガキを準備している。
近日中には郵送します。
現場で違法トラックを取り締まるのは、警察です」と、まるで他人顔だ。

「なんくるないさー」(なんとかなるさ)が沖縄県民の特徴だとしても、あまりにいい加減過ぎる。
とてもじゃないが、県民が安心して、生命、財産を任せられる組織じゃない。

そもそも、違法ダンプが砂利を納入する際、3台のパトカーと、50人の機動隊員が、同行しているのだ。
そばに居合わせた警官も、往来する違反車両を、“現認”できるはずだ。
目の前の違法行為が分からないなら、よほどの無能警官。
さっさと転職した方が、住民のためだ。
沖縄県警に確認すると、これまたビックリ仰天の回答だ。

「現認?砂利納入車の一部が違反車両だったことは、まだ確認できていません。
これはおたくだけではなく、記者クラブに加盟している地元紙にも、そう答えています」(県警広報)

大臣も認めた「違法車両」について、沖縄県警はいまだに、「確認できていない」というのだ。
こんな組織は、税金のムダ。
潰して構わないだろう。
全国の警察、機動隊が入っている高江の管轄は、あくまで沖縄県警だ。
当事者意識が欠落し過ぎている、と言わざるを得ない。

「翁長知事が誕生した時、県警も、“住民寄り”になるのではないか、と期待感がありました。
しかし、政権ベッタリだった、前任の仲井真県政の時と変わりません。
相変わらず、住民に対して、威圧的で暴力的です」(地元住民)

高江問題の取材を続けている、ジャーナリストの横田一氏はこう言う。

「沖縄県警は、公明党・創価学会が、強い影響力を持っているといわれています。
つまり、自公政権の意向に忠実、というわけです。
翁長知事にとっても、県警は、目の上のタンコブだと思います」

沖縄県警の暴走を、これ以上許してはダメだ。




機動隊員の沖縄差別は「土人」発言だけじゃない!
「バカ」「シナ人」…差別意識を助長させる安倍政権

【LITERA】2016年10月20日
http://lite-ra.com/2016/10/post-2634.html

沖縄への信じがたい蛮行が、明らかになった。
政府によって、強行的に、米軍ヘリパッドの建設工事が進められている沖縄県の高江で、
建設反対派として抗議運動を行っていた、芥川賞作家・目取真俊氏に対し、機動隊員が、「触るな、土人」などと発言していたのだ。
 
このときの動画や音声は、YouTube上にアップされているが、たしかに、機動隊員が巻き舌で、
「触るなクソ、どこ掴んどるんじゃ、このボケ」と威嚇し、そのあと吐き捨てるように、「土人が」と、たしかに言っている。
 
言うまでもなく「土人」は、「野蛮」「未開人」という意味で使われる、蔑視の言葉であり、差別用語として認識されているものだ。
沖縄県警によると、この機動隊員は、大阪府警から派遣された人物で、県警は19日、発言を認めて謝罪した。
菅義偉官房長官も、慌てて「許すまじきこと」とコメントしている。
 
しかし、今回の差別発言は、ひとりの機動隊員が「うっかり言ってしまった」、という問題ではない。
実際、8月の時点から、機動隊員が反対派市民に、「バカ」「気持ち悪い」「おまえなんか殴る価値がない」などと、暴言を吐いていることが確認されており、
今回の「土人」発言が飛び出した際にも、別の機動隊員が、「黙れ、コラ、シナ人」と発言していたことが、発覚しているからだ。
 
本サイトでは、これまで何度も追及してきたように、現在、高江では、機動隊による反対派市民への弾圧が、苛烈を極め、機動隊員が反対派市民を、ロープで身体拘束するという、逮捕・監禁罪に該当するような、違法行為までまかり通っている。
 
そうしたなかで、同時に警察が、差別発言を平気で口にしていることは、決して無関係ではない。
 
たとえば、米軍では、戦地で躊躇なく人を殺すため、兵士たちに、「相手は人間ではない」と教え込むが、
そのために、現地に住む人々を、差別視することを叩き込まれてきた。
そして、ベトナム戦争時や、まさに占領期の沖縄で、米兵は住民たちを「Gook」、すなわち「土人」と呼んできた、という事実がある。
 
相手は自分よりも劣った「土人」なのだから、何をしても許される。
──国家権力は、暴力を正当化するため、差別感情を利用し、兵士たちにすり込んできたのだ。
いま、沖縄で横行しているのは、これとまったく同じことなのである。

歴史を振り返れば、太平洋戦争においても、沖縄は、「本土」からの差別に晒されていた。
熊本憲兵隊が、1927(昭和2)年に作成した、『沖縄事情』内の文書では、
「遅鈍悠長」「犠牲的精神ハ皆無」「盗癖アリ」「向上発展ノ気概ナシ」などという、県民への偏見が綴られているという(琉球新報1999年4月11日付)。
これは、1923(大正12)年の、沖縄連隊区司令部報告の引き写しであり、
〈偏見に満ちた沖縄人観が、軍内部で引き継がれ、固定化されたことをうかがわせる〉ものだ。
 
さらに、沖縄の軍備強化を謳った、1934(昭和9)年の『沖縄防備対策』では、
県民に、軍隊の補完を要請する一方で、
〈軍事思想警察は、国家思想が確固としない彼らには行えない。憲兵の配置が必要〉などと、“県民の監視”の必要性を説いている。
その後、沖縄が、本土決戦準備のための時間稼ぎという、“捨て石”にされた背景に、沖縄県民への蔑視、偏見がなかったとは言えないだろう。
 
こうした差別が、米軍基地を、一方的に沖縄へ押し付けるという、「構造的差別」につながり、
現在の高江のように、公権力は、暴力と差別をセットにして、市民を弾圧している。
そして、戦時下では、軍人たちが、沖縄への偏見を露わにしたが、その役割はいま、政治家に移った。
 
現に、橋下徹とともに、安倍首相との距離を縮める松井一郎大阪府知事は、問題の「土人」発言について、
〈ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が、一生懸命命令に従い、職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様。〉
などと、機動隊員を擁護。
よりにもよって、差別を肯定したのだ。
 
また、鶴保庸介沖縄担当相も、沖縄への露骨な差別感情を、隠そうとはしない。
鶴保沖縄担当相は、就任早々、
「沖縄の振興策と基地問題は、確実にリンクしている」
「予算額を減らすのは当然。
消化できないものを、無理やりお口開けて食べてくださいよでは、全国民の血税で使われているお金を、無駄遣いしているという批判に耐えられない」
などと、沖縄を馬鹿にしているとしか思えない言葉を吐いたからだ。
 
このような発言に、沖縄タイムスは、
〈沖縄の人たちを見下すような意識が、見え隠れする〉
〈「無理やりお口を開けて…」という表現は、県民を侮蔑した例え〉と、社説で強く批判、

琉球新報も、安倍首相の任命責任に言及し
〈信頼を失った沖縄担当相の更迭を、判断すべき〉と迫った。

しかし、安倍首相が、鶴保沖縄担当相の発言を問題視することはなく、もはや“失言”とさえ認識していないのだ。
 
機動隊員による「土人」発言は、安倍政権が、民主主義や基本的人権さえ奪って圧制しようとしている、沖縄への態度があって、そこから生まれているものだ。
つまり、「土人」という差別発言は、政権の心情の発露でしかない。
 
そして、忘れてはならないのは、今回問題となった機動隊員が、大阪府警から派遣されていたように、
「本土」が、暴力と差別に加担している、ということだ。
今月17日には、映画監督の高畑勲氏やジャン・ユンカーマン氏らが名を連ね、
警視庁の機動隊員が、高江に派遣されているのは違法だとして、東京都都監査委員事務局に対し、住民監査請求書を提出したが、
「本土」からこそ、高江での暴力と差別を許さない空気を、広げていかなくてはならないはずだ。
(水井多賀子)




高江への機動隊派遣中止求め 都民314人が都に監査請求
【琉球新報】2016年10月17日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161017-00000021-ryu-oki

【東京】
都内の市民団体「警視庁機動隊の沖縄への派遣中止を求める住民監査請求実行委員会」ら、314人の都民が17日、
米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設で、警視庁機動隊員が派遣されているのは、違法、不当な公金支出だとして、
東京都監査委員に対して、住民監査請求書を提出した。
請求人らは、今回の監査請求を機に、北部訓練場周辺に機動隊を派遣している他の府県にも、運動を広げていきたい考えだ。

請求人らは、
「沖縄の人々に理不尽な犠牲を強いる、ヘリパッド強行建設のための機動隊派遣に、自分たちの税金を使っていいと認めた覚えはない」
などと指摘し、速やかな派遣中止を求めている。

提出後、記者会見した同実行委員会の田中祥二代表は、
「機動隊は、高江でやりたい放題の状況が続いている。
検問をして、市民をロープで縛り、歯止めがない状況だ。
それをやっている税金が、私たちの都税なので、そういうことに残念ながら加担してしまっている。
その立場を絶対に認めたくない」
と述べた。

請求人らの代理人を務める宮里邦雄弁護士は、
「(警察の活動は)住民の安全や災害であれば、それなりに合理性があるが、
今回、自治体の枠を超えて、機動隊が沖縄まで出ているのは、住民の要望があるからでもなく、住民の安全確保ではない。
強い政治的な意図の下に、沖縄に派遣されている。
これは、本来の自治体警察の在り方、原則から見ても曲がっている」
と指摘した。

主な請求人は、高畑勲氏(アニメーション映画監督)、ジャン・ユンカーマン氏(映画監督)、古関彰一獨協大名誉教授、千葉眞国際基督教大教員、西谷修立教大特任教授、上村英明恵泉女学園大教授、太田昌国氏(文筆業)、小森陽一東京大大学院教授、森住卓氏(写真家)、大仲尊氏(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)
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戦後初めての自衛隊の“戦死者”を出し、憲法が禁じる「戦争放棄」を空文化させたい安倍内閣!ど〜ん!

2016年10月19日 | 日本とわたし
安倍は、「南スーダンは永田町より危険」と言い、
稲田は、自衛隊員の報告を無視して「状況は安定」…。
こいつらは自衛隊を殺す気だ!

【LITERA】2016年10月18日
http://lite-ra.com/2016/10/post-2631.html

現在、日本政府が、あらたに「駆けつけ警護」の任務を付与しようとしている、自衛隊の南スーダンPKO。
これをめぐり、12日の衆院予算委で、またもや安倍首相の、“珍答弁”が飛び出した。

南スーダンは、例えば我々が今いる永田町と比べれば、はるかに危険、危険な場所であってですね、
危険な場所であるからこそ、自衛隊が任務を負って、武器も携行して、現地でPKOを行っているところでございます」


1分35秒あたりから
http://www.dailymotion.com/video/x4x3zin_安倍首相-南スーダンは-永田町より危険_news
 
“南スーダンは永田町より危険”──。

安倍首相の、トンデモ発言の数々を取り上げてきた本サイトですら、この答弁には、さすがに一瞬思考が停止してしまった。
ようするに安倍首相は、“永田町よりは危険だろうが、それくらいでなぜ、「駆けつけ警護」をやめる必要があるんだ”と言いたいらしい。
 
そもそも、「駆けつけ警護」とは、自衛隊が、現地の武装勢力などから直接攻撃を受けなくとも、
国連やNGO関係者が襲撃された際に、現場に駆けつけて救助するというもので、武器使用が認められる。
これまで、日本政府は、9条が禁じる武力行使にあたるとして、「駆けつけ警護」を認めてこなかったが、
安倍政権は、新安保関連法の成立によって、これを可能とした。

 
安倍政権が、その“先例”にしたい舞台が、南スーダンなわけだ。
しかし、南スーダンは、政府軍と反政府軍の対立によって、緊張状態にあり、停戦も事実上崩壊している
今年7月には、首都ジュバで、大規模な戦闘が起き、民間人を含めて200名以上が死亡
また、AFP通信などによれば、今月14日から15日にかけても、南スーダン北部の都市マラカル近郊で、
政府軍と反政府軍との間で、激しい戦闘が発生し、少なくとも60人が死亡
した、とみられている。
 
にもかかわらず、安倍政権は、「南スーダンは安定している」と嘯いて譲らない。
今月8日、ジュバを視察した稲田朋美防衛相は、わずか7時間の滞在にもかかわらず、「状況は落ち着いている」と述べ、
11日の衆院予算委員会でも、7月の大規模戦闘を、“戦闘ではなく衝突”と言い換えた








しかし、実際のところ、稲田防衛相は、ジュバで自衛隊員から、
「この辺で、戦闘が起きたというところです」と、説明を受けていた
のだ。
ようは、その耳で、直接「戦闘」と聞いておきながら、「衝突」と言い換えていたのである。
これが、自衛隊員の命を預かる大臣のやることなのか。
 
しかも、この「駆けつけ警護」は、もっと恐ろしい事態を引き起こす可能性がある。
7月、実際に、自衛隊による「駆けつけ警護」の、モデルケースとなる事件が、ジュバで発生している。
ホテルに泊まっていたNGO関係者が、襲撃を受けたのだ。
だが、その現実は、あきらかに、安倍政権の想定を超えたものだった。
 
15日放送の『報道特集』(TBS)が、ホテルに宿泊していた、NGO職員ら3名へのインタビューを報じた。
そこで繰り広げられていたのは、政府軍による略奪、殺人、そしてレイプ。
『報道特集』の取材に対し、匿名かつ音声を使わない条件で応じた、NGO女性職員は、このように語っている。

兵士が、ひとつの部屋に入るよう、私に指示しました。
部屋に入ると、そこには数人の兵士がいました。
私は、『お願いです、やめてください。お願いです』と懇願しました。
すると、思いっきり殴られ、床に押し倒されたんです。
そして、首を拳で殴られました。
私は息ができなくなりました。
その部屋で、3人の兵士にレイプされたのです

 
そして、レイプされた後、兵士の指示で、下の階段に降りると、殺害された地元NGO職員の、遺体が転がっていたという。
この地元NGO職員は、政府軍と対立する、反政府軍の部族出身という理由で、政府軍兵士に射殺されたのだ。

私は、自分も殺されるんだと思いました。
そこに、別の兵士がやってきたのです。
そして、私を、部屋の中に押し込みました。
その部屋には、友だちの外国人女性がいました。
彼女もレイプされていたのです。
私も床に押し倒されました。
そのとき、彼女と目があいました。
言葉は交わさなくても、『殺されないためには抵抗したら駄目』と、お互いに理解し合いました。
私はその後、さらに、2人の兵士にレイプされたのです。
最後の兵士は、部屋を出て行くときに、殺虫剤を私の顔に吹きかけました。
口笛を吹きながら。
私は息ができなくなり、その場に嘔吐しました

 
こうした兵士によるレイプ被害や略奪は、現地の一般市民も、数多く被害にあっているという。
安倍政権は、「南スーダンは落ち着いている」と言い張るが、現実は真逆で、凄惨というほかない、完全に戦争状態そのものなのだ。

安倍政権がこのまま、自衛隊に「駆けつけ警護」の新任務を付与すれば、自衛隊員は、こうしたケースで、救出に向かうことになる。
すると何が起こるか。
安倍首相は、昨年8月25日の参院安保法制特別委で、このように述べていた。

「(「駆けつけ警護」において)国家、又は国家に準ずる組織が、敵対するものとして登場してこないことは、明らかでございまして(略)。
自衛隊が、憲法の禁ずる武力の行使を行うことはなく、駆け付け警護の実施が、憲法第9条との関係で、問題となることはないわけであります」(国会議事録より)


 
しかし、この7月のケースで、NGO職員を襲撃し、殺人やレイプ行為を働いたのは、南スーダン政府軍の兵士だった。
しかも、南スーダン政府軍は、国連の介入に不満を溜めており、今後、同じような状況が、発生する可能性は低くない
つまり、安倍首相の説明とは反対に、自衛隊が、「国家又は国家に準ずる組織」と敵対し、武器を使用した戦闘の発生が、現実になるのだ。
そうすれば、自衛隊員に、戦後初めての“戦死者”が出るのはもちろん、憲法が禁じる「戦争放棄」を、空文化させることになる。
 
安倍首相や稲田防衛相は、表向き、南スーダン情勢を「落ち着いている」と言い張り、
さらに追及されると、「永田町よりかは危険」などと、意味不明なことを言っているが、
実際は、こうした事態を、織り込み済みなのは間違いない。
いや、その姿勢を見ていると、むしろ、積極的に、自衛隊と政府軍とを戦闘させよう、と考えているとしか思えない。
 
いずれにしても、安倍首相が目論む、「駆けつけ警護」の真の目的が、邦人や国連関係者の保護ではなく、
“戦争の既成事実化”
であることを、忘れてはならない。
(宮島みつや)


















この、稲田氏の周りでハエのようにうろついている人たちは、こそこそと耳打ちしたり促したり。
まるで稲田氏が、自分ではなぁ〜んにも考えられない、まあ自力で声ぐらいは出せる腹話術の人形のようじゃないですか。
この人、こんなに頼んなかったんですね。
日本会議関連の集会だったら、でっかい日の丸をバックに、トンデモな勇ましいことを堂々と言ってるくせに。

こんな言葉遊びを、国会でいつまでやらせてるのか?
自衛隊の撤退を強く要求します!



防衛省職員から総スカン
クビが迫る稲田大臣の情緒不安定

【日刊ゲンダイ】2016年10月18日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191964

「直ちに我が国の安全保障上、何か影響がある事態ではない」。

16日、北朝鮮が、新型中距離ミサイル「ムスダン」を発射、失敗した─―との情報について、
民放番組出演後に、記者団に対して、こう語った稲田朋美防衛相。
だが、防衛省内では、
「安全保障上の差し迫った問題は、北朝鮮よりも大臣だ」、なんて声が広がっている


衆院予算委で、日米安保や核武装、尖閣諸島問題などを巡る過去の発言を、野党議員に繰り返し追及され、“半べそ”状態になった稲田大臣。
自業自得とはいえ、こんな親分の姿にカンカンなのが、現場の防衛省職員や自衛隊員である。
現役職員が、ため息交じりにこう言う。

「大臣就任当初は、確かに評判が良かった。
『弁護士出身だけあって、のみ込みが早い』なんてね。
でもいっときだった。
最近は、起案する時、必ず、関係法令を『全部書きだして』とか言うのです。
机の上に、分厚い六法全書を置いてね。
中谷前大臣の時は、大ざっぱな箇条書きで済んでいたのに、現場職員はテンヤワンヤです。
揚げ句、国会答弁で泣きべそですから。
そんな人が、内戦状態の南スーダンに、隊員を派遣し、『駆け付け警護』の任務の可否を判断するのですから、冗談ではありません
省内ではシン・ゴジラならぬ、『稲田ゴジラ』なんて囁かれています」

政権の御用学者からは、
「稲田大臣の発言は過去のこと。今、問題にするのはどうか」なんて、擁護する声も出ているが、バカも休み休み言ってほしい。
立場や肩書で、政治主張がクルクル変わるのであれば、有権者は何を信じるのか。
米大統領選の共和党候補であるトランプも、連日、差別、侮蔑的な発言をしているが、仮に大統領に就いたら、「過去のこと」と問題視されないのか。
違うだろう。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、こう言う。

南スーダンでは、国連PKOに派遣されている中国軍も、撤退を検討し始めたと報じられています。
それほど緊迫した状態にあるのに、日本の防衛大臣は、国会で、情緒不安定な答弁を繰り返している
これでは、すでに派遣されている、南スーダンの自衛隊員はやってられません。
隊員の命が失われるなど、取り返しのつかない事態になる前に、早く稲田大臣を交代させるべきです」

稲田氏を防衛大臣に起用した安倍首相も、衆院予算委で、
「(南スーダンは)永田町と比べれば、はるかに危険な場所」、なんて能天気なことを言っていた。
自衛隊員が怒るのも当然だ。




南スーダンの現状と、自衛隊の駆けつけ警護 ~NGOの支援現場から視る~
http://ngo-nowar.net/2016/10/14/report_officialevent/

日本で唯一人、自衛隊や政府関係者を除き、現地入りした日本人である、NGO非戦ネット賛同団体の日本国際ボランティアセンター(JVC)スーダン事務所現地代表の今井高樹さん。
戦闘激化、治安の悪化により、支援活動が難しくなる中、今年9月、今井さんは南スーダン入りし、避難民に対して、食糧支援などの活動をしてこられました。

今井さんの目で見た、南スーダンの現実を、発言部分のみを引用させていただいて、ここに紹介します。

▪️現地の治安状況について
南スーダンでは、内戦が勃発。
昨年の8月に、和平合意に達し、統一政府ができました。
しかし、今年7月には、首都ジュバを中心に、再度内戦状態に突入
現在では、戦場は南部に移りつつありますが、250万人もの人々が、国内外で、避難民になる事態となっています。
私が支援を行った首都のジュバは、だいぶ平穏を取り戻しつつありますが、首都を一歩出れば、ひどい状況です。
日常的に、戦闘行為が行われています
和平協定は崩れ、事実上の、内戦状態に突入しています。

▪️難民の方々の過酷な状況について
JVCは、首都ジュバ近郊の、「グンボ地区」の難民キャンプで、食糧支援を実施しました。
そこに暮らしている人たちは、殆どが女性と子ども。
日々の食料もない状況でした。
ある母子は、食べるものがなく、その辺に生えている野草を食べて、飢えをしのいでいました。
もともと住んでいた村は、政府軍か、反政府軍かも分からない集団に襲撃され、略奪され、もう戻る村もない、と話していました。

▪️「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防護」について
南スーダン政府は、国連のPKOに対して、もともと敵対的な態度を取っています。
国連の管理する保護施設には、約20万人が暮らしていますが、南スーダン政府は、そこに反政府勢力が入り込んでいると主張。
南スーダン政府は、そこを守っているPKOは、反政府勢力を匿っている、と言っています
PKOの増派自体に対しても、反対であると、政府高官は話しています。
もちろん日本の自衛隊も、敵性勢力として捉えられ、戦闘に巻き込まれる可能性も十分にあります
そのような状況の中で、南スーダン政府軍は、国連の保護施設や、国連の保護施設に逃げ込もうとしている人々に対して、攻撃を行っています
もし、自衛隊が、国連施設を守ろうとすれば、南スーダン軍と対峙することになります
明らかに、「PKO派遣5原則」にある、「相手国の同意」をとることは不可能です。
わたしのような日本人NGOも、警護対象になるのでしょうが、南スーダン政府に敵対してまで行うことは、現実的でしょうか。
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