今日はお昼から、今年の10月3日に行われるカーネギーの小ホールでのコンサート実行委員会がありました。
英語の語学力がトホホのわたしですが、ディレクターの一人に選ばれ、ド厚かましくも引き受けちゃったので、参加してきました。
朝から、ゴスペルの全米大会を勝ち抜いた上位7位グループの発表コンサートを聞きに行っていたAちゃんと、そのミーティングのカフェで待ち合わせして、
そこにうちの旦那も合流し、寒空の下、ウェストヴィレッジからソーホーの町をブラブラ歩き、チャイナタウンの食堂で夕飯を一緒に食べました。
さて、今日、偶然に会った、とても印象に残った3人のおっちゃんのお話です。
ひとりは、モントクレアから乗ったバスの運転手さん。
いつもはバスの乗車賃用に、5ドル札を用意していくのに、バタバタと慌てていて忘れたわたし。かなり嫌がられる20ドル札しか持っていませんでした。
「すみません、20ドル札しか持ち合わせてなくて……」と言いながら差し出すと、
「いいよいいよ、あんたはきっとそうだろうなと思ってさ、ホレ、これをちゃあ~んと昨日の晩から用意しといたのよ」と言って、ハンドルの下の方から、丸めたお札の束を勢い良く取り出して渡してくれました。
なんとまあ、楽しいおつりの渡し方をしてくれるおっちゃんだことよ!いっぺんに嬉しくなりました。
そして次の男性が、「あのさ、飲食物持ち込み禁止だよね。でも、お水ぐらいいいかな?」と尋ねながら乗り込むと、
「水は全然かまわないよ~。だって、なんてったって水だもんな~。こぼそうが吹き出そうが、乾いたらハイそれまでよってもんだ。あ、コーヒーは駄目だよ。あれは困る。乾いたらもっと困る」
次の駅で乗ってきた若者、賃金を払って後ろの席に座ろうとしている時に、いきなりおっちゃんの声がスピーカーから聞こえてきました。
「あ~そこの若い旦那、こっち来て。あ~だめだめ、席に座っちゃだめ。10ドル払っておつり取らないで行っちゃうんだからさあ、座ったらおつり無しだよ。いいのいいの~?コーヒー2杯分損しちゃうよ。あ、スタバだったら1杯か」
さらに、次の駅で乗り込もうとした東洋人の若い女性。でも連れの人がまだ来てなかったのか、あと1秒待って!と携帯で連絡を取りながら叫んでいました。
おっちゃん、すかさず「1秒、2秒、3秒、4秒……」と数え始め、10秒になったところで「あのさあ、気の毒だけど、やっぱこれ以上は待てないわ。こっから先のビルで反対っ側の通りに出るからさ、そこまで全速力で走って来な。その友達にもそう言って」と言いながらバスを発進させ、
けれども異様なノロノロ運転でさり気なく待ち、通りを走りながら、でもやっぱり独りのままの女の子の姿をミラーで確認していました。
ほんの10メートルほど走ってから急にバスを止め、「やっぱり放っとけんわ」と言いながらバスから降りて道の向こうを眺めるおっちゃん。
車の中のお客も一斉に後ろを振り返り、彼女の姿を確認。残念ながら、彼女の友人は間に合わなかったようで、おっちゃんは首をふりふり再び運転席に。
「残念だったね」「まあ、しゃあないやね」
たった30分ほどの短い時間だったけれど、なんだかホカホカ温かな気持ちに包まれたバスの旅になりました。
そしてもうふたりは、チャイナタウンの夕食後、なにか甘い物を食べようというので行った、リトルイタリーの中にある喫茶店の店主と彼の友人さん。
ウナギ床の細長~いお店の中は満席。思いっきりイタリアンの店主と店員さん達が忙しそうに働いておりました。
お腹がすでにいっぱいなのに、テーブルの上のカプチーノやケーキを見るとメチャ美味しそうで、我慢できずに注文してしまいました。
Aちゃんはマキアートにチーズケーキ、旦那はカプチーノにカノーリ、わたしはディカフのカフェオレに同じくカノーリ。
↓これがカノーリです。
コーヒーとチーズケーキはどれも美味しかったけれど、残念ながらカノーリはまあまあ。ほんまに美味しいカノーリはこんなに甘く無いもんね~。
なんて言いながら食べていると、店内に流れていたアメリカンラブソングが突然止まり、カラオケマイクを手にした店主が「ハッピバァースデ~トゥユゥ~」と、かなりのイタリア訛りの英語で歌い始めました。
ああ、お客さんの中に誕生日を迎えた人がいるんだな、と探すと、一番奥に座っている女性がニコニコしながら照れていました。
お客も店の人達も一緒になってバースデイソングを歌い、拍手喝采。大いに盛り上がったところで、なにやら今度は店主のお歌が始まる気配が……。
Aちゃんが「これこれ、見て」と指差す所を見ると、そこには、オーナーライブのタイムスケジュールと、リラックスして楽しんでください!お金はタダです!の但し書きがしっかり書かれてありました。マジ?!
マジだったんですね~これが!双子が入っていそうなまぁるいお腹のイタリアン店主、まずは1曲歌い、そして昔の苦労話などを入り混ぜて、さらにもう1曲。顔はすご~く真剣です。なんだかもう、すごい世界が出来上がっておりました。
しばらくすると、すぐ横の席に座っている、同じくいかにもイタリアンのおっちゃんを紹介し始め、なんとそのおっちゃんはちょっと有名な俳優さんで、
彼もマイク片手に、映画のこと、役柄のこと、いつもは悪役で殺されてばっかだけど、今の映画では牧師やってんだ~みたいな話をしてくれたりして、
ふたりのイタリアンおっちゃん達はどんどん盛り上がり、お客はその渦にしっかり巻き込まれ、そうこうしているうちにいきなり花売りのおばちゃんまで登場したりして、おお~、この展開はかなりイケてるぞぉ~と、負けずに盛り上がる我ら3人。
「これが日本語だったらわたし達、絶対『銀座の恋の物語』なんかを歌いに飛び入りしてるよね」とAちゃん、
「まさにそ~ゆ~雰囲気!なあなあ、もうこの際やからAちゃん、イタリアン歌曲とかをおっちゃんと歌っといでよ」とわたし。
別に、どぉってこともなく終わる1日だったかもしれないのに、こんなに楽しく過ごさせてくれた3人のアメリカン&イタリアンおっちゃん達。
感謝の心の込めて、ここに書き残させてもらいました。
ありがとぉ~!!
英語の語学力がトホホのわたしですが、ディレクターの一人に選ばれ、ド厚かましくも引き受けちゃったので、参加してきました。
朝から、ゴスペルの全米大会を勝ち抜いた上位7位グループの発表コンサートを聞きに行っていたAちゃんと、そのミーティングのカフェで待ち合わせして、
そこにうちの旦那も合流し、寒空の下、ウェストヴィレッジからソーホーの町をブラブラ歩き、チャイナタウンの食堂で夕飯を一緒に食べました。
さて、今日、偶然に会った、とても印象に残った3人のおっちゃんのお話です。
ひとりは、モントクレアから乗ったバスの運転手さん。
いつもはバスの乗車賃用に、5ドル札を用意していくのに、バタバタと慌てていて忘れたわたし。かなり嫌がられる20ドル札しか持っていませんでした。
「すみません、20ドル札しか持ち合わせてなくて……」と言いながら差し出すと、
「いいよいいよ、あんたはきっとそうだろうなと思ってさ、ホレ、これをちゃあ~んと昨日の晩から用意しといたのよ」と言って、ハンドルの下の方から、丸めたお札の束を勢い良く取り出して渡してくれました。
なんとまあ、楽しいおつりの渡し方をしてくれるおっちゃんだことよ!いっぺんに嬉しくなりました。
そして次の男性が、「あのさ、飲食物持ち込み禁止だよね。でも、お水ぐらいいいかな?」と尋ねながら乗り込むと、
「水は全然かまわないよ~。だって、なんてったって水だもんな~。こぼそうが吹き出そうが、乾いたらハイそれまでよってもんだ。あ、コーヒーは駄目だよ。あれは困る。乾いたらもっと困る」
次の駅で乗ってきた若者、賃金を払って後ろの席に座ろうとしている時に、いきなりおっちゃんの声がスピーカーから聞こえてきました。
「あ~そこの若い旦那、こっち来て。あ~だめだめ、席に座っちゃだめ。10ドル払っておつり取らないで行っちゃうんだからさあ、座ったらおつり無しだよ。いいのいいの~?コーヒー2杯分損しちゃうよ。あ、スタバだったら1杯か」
さらに、次の駅で乗り込もうとした東洋人の若い女性。でも連れの人がまだ来てなかったのか、あと1秒待って!と携帯で連絡を取りながら叫んでいました。
おっちゃん、すかさず「1秒、2秒、3秒、4秒……」と数え始め、10秒になったところで「あのさあ、気の毒だけど、やっぱこれ以上は待てないわ。こっから先のビルで反対っ側の通りに出るからさ、そこまで全速力で走って来な。その友達にもそう言って」と言いながらバスを発進させ、
けれども異様なノロノロ運転でさり気なく待ち、通りを走りながら、でもやっぱり独りのままの女の子の姿をミラーで確認していました。
ほんの10メートルほど走ってから急にバスを止め、「やっぱり放っとけんわ」と言いながらバスから降りて道の向こうを眺めるおっちゃん。
車の中のお客も一斉に後ろを振り返り、彼女の姿を確認。残念ながら、彼女の友人は間に合わなかったようで、おっちゃんは首をふりふり再び運転席に。
「残念だったね」「まあ、しゃあないやね」
たった30分ほどの短い時間だったけれど、なんだかホカホカ温かな気持ちに包まれたバスの旅になりました。
そしてもうふたりは、チャイナタウンの夕食後、なにか甘い物を食べようというので行った、リトルイタリーの中にある喫茶店の店主と彼の友人さん。
ウナギ床の細長~いお店の中は満席。思いっきりイタリアンの店主と店員さん達が忙しそうに働いておりました。
お腹がすでにいっぱいなのに、テーブルの上のカプチーノやケーキを見るとメチャ美味しそうで、我慢できずに注文してしまいました。
Aちゃんはマキアートにチーズケーキ、旦那はカプチーノにカノーリ、わたしはディカフのカフェオレに同じくカノーリ。
↓これがカノーリです。
コーヒーとチーズケーキはどれも美味しかったけれど、残念ながらカノーリはまあまあ。ほんまに美味しいカノーリはこんなに甘く無いもんね~。
なんて言いながら食べていると、店内に流れていたアメリカンラブソングが突然止まり、カラオケマイクを手にした店主が「ハッピバァースデ~トゥユゥ~」と、かなりのイタリア訛りの英語で歌い始めました。
ああ、お客さんの中に誕生日を迎えた人がいるんだな、と探すと、一番奥に座っている女性がニコニコしながら照れていました。
お客も店の人達も一緒になってバースデイソングを歌い、拍手喝采。大いに盛り上がったところで、なにやら今度は店主のお歌が始まる気配が……。
Aちゃんが「これこれ、見て」と指差す所を見ると、そこには、オーナーライブのタイムスケジュールと、リラックスして楽しんでください!お金はタダです!の但し書きがしっかり書かれてありました。マジ?!
マジだったんですね~これが!双子が入っていそうなまぁるいお腹のイタリアン店主、まずは1曲歌い、そして昔の苦労話などを入り混ぜて、さらにもう1曲。顔はすご~く真剣です。なんだかもう、すごい世界が出来上がっておりました。
しばらくすると、すぐ横の席に座っている、同じくいかにもイタリアンのおっちゃんを紹介し始め、なんとそのおっちゃんはちょっと有名な俳優さんで、
彼もマイク片手に、映画のこと、役柄のこと、いつもは悪役で殺されてばっかだけど、今の映画では牧師やってんだ~みたいな話をしてくれたりして、
ふたりのイタリアンおっちゃん達はどんどん盛り上がり、お客はその渦にしっかり巻き込まれ、そうこうしているうちにいきなり花売りのおばちゃんまで登場したりして、おお~、この展開はかなりイケてるぞぉ~と、負けずに盛り上がる我ら3人。
「これが日本語だったらわたし達、絶対『銀座の恋の物語』なんかを歌いに飛び入りしてるよね」とAちゃん、
「まさにそ~ゆ~雰囲気!なあなあ、もうこの際やからAちゃん、イタリアン歌曲とかをおっちゃんと歌っといでよ」とわたし。
別に、どぉってこともなく終わる1日だったかもしれないのに、こんなに楽しく過ごさせてくれた3人のアメリカン&イタリアンおっちゃん達。
感謝の心の込めて、ここに書き残させてもらいました。
ありがとぉ~!!