ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

Happy Halloween!

2008年10月31日 | ひとりごと
外灯もすっかり消された暗闇の中の坂道をテクテク上っていくと、


さらに進むと、


そしてさらに進んで玄関前の階段を上っていると、


玄関のチャイムを押そうとして、ふと横を見ると、


やっと家の中に入ったら、この方がにこやかに出迎えてくださいました。


暖炉の中も今夜はハロウィーン。


木の葉の妖精になったスコット。小さくて見えないけれど、おでこにとてもきれいな木の葉を描いてもらってノリノリ。


スコットのパートナー、フランク。生真面目でお人好しでビールが大好きなドラキュラ?


スコットの愛娘コートニー。彼女にも一時期、歌とピアノを教えていました。


可愛いデビル姉妹。


ファンキー白塗り仮面一家。


さり気なく玄関に佇む1人の男、はてな、道着を着てまっせ、誰でんねん?


また来年もきなはれや~と、見送ってくれた礼儀正しいお方。



すっぽん、いえ、すっぴんで行く予定でしたが、やっぱせっかくやしなあと思い直し、バイト帰りの息子を迎えに行くついでにちょいとKマートに寄ってみました。
もうギリギリ終わりかけてるってんで半額セール、ラッキー!
クモの巣模様のフード付きのガウンを買って、それを真っ黒衣装の上に羽織ることにしました。

ついでに、赤とグレーのペイントでちょいと魔女風メイクも追加。すっかりハロウィーンっぽくなっちゃいました。
黒髪のウィグが売っていて、そっか、いきなり黒髪に変身ってのがこっちの人達にはウケるのね、そして、わたしが被っても、誰もなんにもびっくりしてくれないのよね、なんて思いながら見ていました。

ジャック(フルート奏者)とわたしの演奏もうまくいき、みんなにも楽しんでもらえたようです。
その横の部屋では、前世を観ることができる人が即席鑑定なんぞをしてたり……とってもハロウィーンな夜でした。

わたしもみてもらおかな~なんて思ったけれど、旦那が即、
「あかんあかん、あんた、ウィーンで自分の身に起こったこと、もう忘れたんか?絶対あかん、あかんあかん!」と、なんぼほどアカン言うねん、とツッコミを入れたくなるほどの勢いで却下。
しゃあない、彼の言うことにも一理あるので、今回はあきらめましょう。
ウィーンでの出来事はまた後ほど。

それじゃそろそろおやすみなさい。ハッピー、ハロウィーン!
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米国大統領選挙事情

2008年10月31日 | 米国○○事情
昨日、発表会前最後のレッスンをしに、エミリーの家に行きました。
彼女は13才、ティーンエイジャー1年生です。
わたしは彼女をもう7年も教えていて、ちっちゃくてひょろひょろしていた指とくりくり目玉が目立った丸顔が、最近はずいぶん大人っぽくなり、子供の7年と中年(まだわたし中年って言えるのかな?)の7年は違うなあと思うことしきりです。

エミリーの母親は数年前から急に水彩画を学び始め、今はすっかりこの町の人気画家となって大活躍。
そんな彼女の影響を受けたのか、もともとなのか、エミリーの選ぶ洋服のカラーコーディネイトはとてもお洒落です。
高価な物は一切身につけていないけれど、色合わせがなんともすてきできれい。そして時には斬新。
昨日はブルーで統一された上下を着たエミリーが、わたしを迎え入れてくれました。
そしてその胸元の丸いバッジにオバマ氏の笑顔が。

わたしが軽く「エミリー、それどうしたの?」と聞くと、
「あ、これ、これはとても大切なものなの。どこだって付けて行くの。だって、この国をなんとか変えなきゃならないもの」
エミリーは目をキラキラさせて熱く語ってくれました。

チェンジを全面に掲げて立ち上がったオバマ氏。こんなに大勢の、年令もバラバラの、熱い期待を受ける人も稀でしょう。
でも彼が大統領になったからといって、なんでも思い通りに決められて、決めた通りに好き放題に、なんでも実現できるわけではありません。時間がかかることもあります。実現するのが難しいこともあります。

何事にせよ、変えるという行為にはものすごいエネルギーと知恵と忍耐が必要です。そして独りでは絶対にできません。
彼は、それをやってみようと思う人達のリーダーになるべく、今の選挙を闘っています。
すぐには変わらないことを覚悟すること、期待しつつ叶う日を待つこと、
そんなことを拙い英語で語るわたしを、13才のエミリーが真剣な目でじっと見つめます。
彼女がどうしてブルーを選んだのか、とても一所懸命な彼女の心意気の現れだったんですね。

あ、そうだ、最後のレッスンレッスン!発表会前の総仕上げ、忘れてどうする?!
2人で苦笑いして、あたふたとピアノの部屋に行ったのでした。

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鼻づまり大将の挑戦

2008年10月30日 | ひとりごと
さて、これ(↓)はいったい何でありましょうか?


これは、旦那がいつか挑戦してみようと思いながらも試せずにいた、鼻洗い器であります。
旦那は自他ともに認める、鼻づまり大将であります。
年がら年中どちらかの穴がつまっているそうです。
両方つまると人相と機嫌が悪くなり、ちょっとしたことでイライラし出すのでよく分かります。
ああ、今は両方なのね、やれやれ、みたいな……。
やっと見つけた天職ってのが鍼灸師だった人なので、できたら西洋医学の世話にならずに治したいと思っているようです。

インターネットで見つけて注文した時から、かなり盛り上がっておりました。
そして昨日そのブツが届き、今朝から初挑戦。
まず容器の中に食塩水(少し温め)を入れ、注ぎ口を片方の鼻の穴にグイッと差し込み、角度をつけて鼻の中に液を流します。
そして、ここからが難しいのだけど、自分でなんとか工夫して、もう片方の鼻の穴からその液体が流れ出てくるようにします。
いったそぉ~

わたしはブツが箱から出てきたのを見た時、それやったらうちの急須でも間に合うやん、なんて思いましたが、
旦那の話を聞いて、あの注ぎ口の口元が三角の形に膨らんでいるのがポイントだと気がつきました。
だって、ああいう形でしっかり鼻の穴をブロックしてしまわないと、ダラダラと漏れちゃうもんなあ。
けど、あんなもん毎日2回も3回もギュウギュウ差し込んだら、穴がすっかり広がってしまいそうな気もする……。
とにかく、第一回目としてはまあまあの出来だったそうで、しばらくトライしてみるとのことでした。


そしてこれ(↓)、


旦那の鼻づまりを緩和するための生薬です。彼が、そしてわたしも敬愛する中国人シンさんが処方してくれました。

彼女の漢方の知恵と勘は、それはそれはすばらしく、そして的確です。
わたしが不眠症で半年ばかり悩まされた挙げ句、ほとんどゾンビ状態になった時、
彼女に助けを求めに行ったんですが、
30分ばかり話をして、舌を見せて、脈を診てもらって、たったそれだけで彼女の頭の中には何十種類ものわたし用の生薬がしっかりと組まれていました。
彼女が選んでくれた薬草や木の枝や乾燥した実をぐつぐつと煮出した液を飲んだその夜から、うそのように眠れたわたし。
その翌朝、起きてしみじみ、ああ、また人間に戻れる、と思いました。本当に嬉しい朝でした。

写真の生薬は、袋の中から抜粋して写したものです。煮込むのはぐちゃぐちゃに混ざっている大量の物です。
一袋6ドル。だいたい800ミリリットルぐらいの液が作られるので、それを分けて飲みます。

その液体がこれ(↓)です。


なかなかマズそうです。でも効きます。それに体に気持ちがいいです。
わたしも続けて飲みたいと思っていたのですが、いくら漢方といえども薬は薬。中毒になるのはいけないからというので、
しっかり眠れるようになって数ヶ月が経った時、もうそろそろおやめなさいと言われ、卒業しました。


手術をしたら簡単に鼻が通るようになります。
けれども、期間は人に寄りますが、多かれ少なかれ、日にちが経つとまた前のような状態に戻ってしまうそうです。
今までに、その手の手術を受けて、すっかり治って二度とつまらなくなったという人に会ったことがありません。

まあ、機嫌がジェットコースターみたいに上り下がりするのも困りものだけど、
痛い目をして、大金と気を使って(保険会社との交渉とかが必至なので)、ほんの少しの間だけいい気持ちを味わって、
そしてまた元の木阿弥……いい気持ちを味わった後だけに、今度はもっとがっかりしてしまうかもしれません。

鼻洗い器、うまくいくといいのにな
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ハロウィーンイヴ

2008年10月30日 | 音楽とわたし
前に一度、同じくスコット主催のパーティで一緒に演奏したことがあるジャックからメールが届きました。

また一緒になにか演奏したいんだけど、どうかな。

彼は長年、大学で数学を教え、退職してから念願の俳優になることを目指してオーディションを受けたり、実際に短編映画やオフブロードウェイなどに出演したりしている男性です。
彼が19才の時に始めたフルートの腕前は玄人はだし、専門に学んだ人とそれほどかわりはありません。
いったいいつ、どういうふうに練習しているの?と聞くと、
うーん、練習しなければならない状況を作って焦って吹いてるだけ、かな。と言って笑っていました。

少しは合わせておいた方がいいだろうと、うちにやって来た彼と2人であれこれ考えながら選んだ曲は3曲。
フォーレのパヴァーヌ、サン・サーンスのダンス マカーブレ、グリーグのSolveig's Song(どういう発音でしょ?)です。

ハロウィーンパーティで演奏するんだから、変装を合わせた方がいいのかなあ、なんてまだのんきに考えていたら、
僕は多分、素のままで行くつもり、とジャック。
よっしゃ~、それならわたしも素のままで行こう。
で、この2人が一番不気味だったりして……

スコットの家は、まさにハロウィーンにうってつけ、すご~く雰囲気のある石でできた家です。
凝り性の彼がどんなデコレーションをしてあるのか、かなり楽しみです。
隣町(といってもここから車で数分の所)に、それはそれはクレイジーな飾り付けをしている家がありまして、
そこはもうすっかり観光名所、ハロウィーンとクリスマスの時期には大にぎわいになります。
いっぺん行って写真を撮ろうと思いながら、もう8年も経ってしまいました。
また今年も見送ってしまいそうです。ま、いっか
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薔薇と蜜蜂

2008年10月30日 | お家狂想曲
弁護士スチュアートから新たな指示を受け、メールを送ったり電話をしたりしました。
そしてつい先頃、ほぼ解決しそうだというメールが、スチュアートから送られてきました。
彼は今夜、売り手側の弁護士とかなり長い時間をかけて電話で話し合ってくれたようです。

旦那は今日もやや暗めで「昨日はほんとに悪かった」と、わたしの顔を見ては言うので困りました。
「もういいよ、気にしてないよ」って言えないけど、ニコッと笑って肩を抱くぐらいはできました。
心の中では、(なんで気にしてないよって言ってあげへんの?)と聞くわたしと、(だって気にしてないって言えるほどすっかり気になってないこともないもん)と、グズグズ答えるわたしがいます。

今朝から旦那は、昨日2人で話し合って決めたことを、順序に従ってやってくれました。
それが正しかったか正しくなかったか分からないけれど、2人ともが納得できた、ということが大切でした。

「これでほぼ、いや、とうとう終わるね」と言った後、お互いを見たら、どちらもなんとも寂しそうな目をしていました。
ほんとに残念です。何回心に決めても、なんとも残念な気持ちになります。そういう家でした。



昼過ぎになって、旦那が急に「カスコに行こう!」と誘ってきました。
日本でも営業していると思いますが、会員制の倉庫型のお店です。
そこは、とにかくサイズが大きいか多いか、店の営業者や大家族を抱える親にはもってこいの店なので、
ほぼ2人暮らしのわたし達があまり頻繁に行く所ではなく、今すぐに必要な物も無いのになあと不思議でしたが、
あ、そっか、多分アレかも、と思い当たる節があったので、ついて行くことにしました。

で、やっぱり、旦那は「許しておくれ」のバラの花束を買いに行ったのでした。
ここのバラはこの花の数(2ダースだから24本)で千円ちょっと?!町の花屋さんでは考えられない値段です。
お店の中で、「ごめんなさい」と言いながら渡されました。
好きな色がよく分からないからと、売り場の方に一緒に行きましたが、選んでくれたのが1番きれいでした。
「これって、発表会まで保つかな。保ったら使えるかな」と、ケチ臭い計算をするわたし。
「それとこれとは別」と、ちょっと情けなそうに止める旦那。
2人の周りには、庶民の哀愁が漂っていたことでありましょう。


そして突然ですがこの方、



今年は蟻と蜂の当たり年で、夏の間は超デカサイズの蟻、秋口からは蜜蜂が、キッチンによく遊びに来てくれます。
キッチンを片付けていたら、コーヒーを入れた後のこんな所に、なんだか酔っぱらってるみたいな蜂がいました。
楽しいのか困っているのかよく分からない蜂くん、ちょっと写真を撮らせてもらいますよ。


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気持ちの整理

2008年10月29日 | お家狂想曲
昨夜は、わたしより旦那の方が凹んでいたようです。
いつものように先に寝に行ったはずの旦那が、いつものようにだらだらと寝る支度をしているわたしのところに来て、
「僕はなんでああいうことを言ってしまうのだろう」「許して欲しい」と言ってはベッドに戻り、またやって来ては同じことを言います。
わたしはチビ白髪をチョイチョイ抜きながら(まだやってるかぁ~!)、そういう彼を見るのだけれど、
いかんせん、毛を抜いているのでチョイと涙目になっていて、それがまた旦那を落ち込ませてしまいます。ちゃうのに……。

そんなこんなで、ようやくわたしが寝室に行くと、あの早寝の旦那がまだ起きていて、「ごめん」の連発。
わたしが横に寝ると、改めてまた「僕はなんでああいうことを言うのか」なんて言うので、とうとう悲しくなってしまいました。
あ~あ、せっかく咳とかが治まってきたのに、ここで泣くと鼻水が出て、鼻水が喉を通るとまた咳のもとになって……、
案の定、今朝は目覚めとともにひどい咳き込み。ちぇっ。

昨日、旦那がどうしてあんなにパニックに陥ったのか、それをわたしなりに考えてみました。
あくまでもわたしの想像なので、これが正しいのかどうか分からないけれど。

お世話になっている不動産会社から紹介されたローン会社の担当者A氏。旦那は当初、彼だけにローンの相談をしていました。
こういう場合、いろんな会社のレートを調べて、金利や条件の面で1番いい会社を選ぶんじゃないの、とわたしが言ったところ、
それならと、他にも数名紹介してもらっていた別の会社の担当者B,C,D氏とも交渉を始めたのでした。
それから話はどんどんややっこしくなっていき、各社4通りの、それはそれはトリッキーな提案を旦那は1人で抱えることになり、
それでもまあ、なんとか持ちこたえてこれまでやってきたっていうのが彼の本音なんだと思います。

そして金融業界がとんでもないことになり、我々のローンの頭金の率が家の価格の20%から25%に上げられてしまい、
これではとてもじゃないが無理だと、ほとんど諦めかけていた時、A氏だけが20%でもいけると思うと言ってくれたのでした。

小さな希望の糸がまだつながっている。ありがたい。
そんな状態のわたし達に、あのオイルタンクの汚染状況の予想以上の悪さを知らされたのでした。

今回の契約破棄をするために、弁護士がわたし達に言ってきたのは、25%でないと貸せないと言ってきた担当者に、その証明になる手紙を書いてもらい、それを送って欲しいということでした。
そこで旦那は、実は20%でもいいと言ってくれている人がひとりいる、と言ったのですが、弁護士はそれはいいからと聞き流したそうです。
とにかく25%の連中から1人選んで、その人に事情を説明した手紙を書いてもらって、ということでした。

こじれてきた場合、向こうの弁護士や不動産会社の人達が、20%でも貸せると言ったA氏を探し出す可能性だってある。
そしたらその時は、A氏はどんな行動に出るだろうか、どんなふうに言うだろうか、それを旦那は恐れているように見えました。
なので、わたしはただ単純に、それならまずわたし達がA氏に正直に話をして、今回の家のことでは申し訳ないことをしたけれど、将来家を買うことになった時には必ずあなたに担当してもらうからと、それで済むか済まないかは別として謝ったらどうかと言いました。
わたしとしては、そういう世界で長年仕事をしている人なのだから、腹を立てたとしても、それなりに理解してもらえると思いました。楽観的過ぎるかもしれませんが。
根回しとか、下準備とか、それから必要に応じた白々しいウソとか、そういうのがとても苦手というか理解できない旦那。
日本で住んでいた時の、何年にも渡っての借家の強欲大家との闘いでは、図書館に通って法律を勉強したり、無料の弁護士相談に通ったりしながら、なんとか1人で切り抜けたわたしです。
根回しも下準備も、それから白々しいウソも、必要に応じてやってきました。
アメリカと日本が違うのか、彼とわたしが違うのか、常識が違うのか、ウソを極端に嫌うクリスチャン的な素地が違うのか、
きっと彼は、そういう根っこの部分で自分自身と闘っているのだと思います。

長い想像になってしまいました。
A氏に対する旦那の思いを弁護士に伝え、A氏に対してわたし達ができることを教えてもらうことにしました。

凹みの深さを変えるには、もっともっとお互いに気持ちを伝え合う必要があります。
わたしももう少し笑顔になって、旦那が話し易い雰囲気を作ってあげなきゃなあと思います。
ここまでうだうだと書かないと分からないわたしに付き合って、ここまでうだうだと読まされたみなさん、ほんとにごめんなさい。

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発表会のプログラム

2008年10月28日 | 音楽とわたし
ここ数年のプログラムには、レターサイズ(A4に近い)の紙いっぱいいっぱいに名前と曲名が載っていました。
聞きに来てくれるお客さんの数も多くなり、できたらきちんとしたホールを借りたいなあと思うようになりました。

こちらに来て知り合った98才のピアニスト、ヘレンが亡くなった時、彼女のメモリアルコンサートに出かけ、ここでできたらいいなあと心から思えるホールに出会いました。
この町の美術館の中にある、吹き抜け天井のすてきなホールです。恐る恐る使用料を尋ねてみました。
何時間借りても500ドル。これは日本のホールよりも安い!大喜びで予約をしました。
それから3年続きでそのホールで発表会を執り行ってきました。

今年もそこを借りようと思い、夏前から11月の2日に予約を入れてありました。
ところが、夏が過ぎて新しい年を始めたら、びっくりするほど生徒の数が減っていました。
引っ越しが何軒か、大学の進学が何人か、高校の進学で忙しくなり過ぎた人が何人か、今の経済問題をもろにかぶった人が何人か、そして大きな病気になってしまった人が何人か、どの人もどうしようもない理由です。

長年やっていると、こういうビックリ年がたまにやってきます。

でも……こうやってプログラムを書いていると、名前の字がとても大きくて、隙間があって、それがなかなか寂しいです。

また、あのホールでやれる年が来るかなあ。
生徒のみんなも、そりゃやっぱりあのホールで弾きたいだろうしなあ。

今年はある生徒さんの家の部屋をお借りします。向こうの方からぜひぜひと言っていただきました。
そこにはまだ真新しいシュタインウェイのグランドピアノもあります。とてもありがたいオファーでした。
今回はどこかの教会でやってみようと、あちこちの教会のピアノをチェックしてみたんですが、やっぱりなかなかいいピアノには出会えませんでした。ギリギリというより、う~ん……と唸りたくなる感じ。
できたら家のピアノよりはいいピアノで発表会をしたい。
そう思いながらも場所を見つけられないでいたわたしに、救いの手を差し伸べてくれた家族に大感謝です。

今年は甘えさせてもらうことにして、わたしものんびり手をこまねいて待つだけではなく、少しは営業活動もして、
来年はまた、あのホールに場所を移したいと思います。名前がぎっしり載ったプログラムを書くためにも。
ごめんね、みんな
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上を向いて歩こう

2008年10月28日 | お家狂想曲
やはり、予想していた通りこじれてきました。
そりゃそうでしょう。絶対買うって言い張ってたわたし達が、いきなり買わないと言い出したのだから。

立派な約束違反、契約違反です。

待って待って待たされて、もうすっかり嫌気が差してきたところに、周りに手頃で楽そうないい男がごろごろ現れて熟年離婚……。
そんな感じでしょうか。

デイヴにもゴメンと言って、自分の気持ちにもゴメンと言って、心の切替えに時間をかけた今となっては、
家を買うなんてどうして考えてたんだろう、わたし達にそんなことができる経済力なんてまだまだ無いのにとしみじみ反省。
実際に、夏が過ぎて戻ってくるはずの生徒が数人戻って来ず、金融関係で働いている大人の生徒達も戻って来れず、
わたしの生徒の数がもともとの半分近くにまで落ち込んでしまったのは全く予想もしていないことでした。

浮ついたわたし達の行動に散々振り回された人達には、本当に申し訳ないと思うのだけど、
家の価格が更に下がるのは分かっていても、金融業界がここまでメチャクチャになるのは全く想像もしていなかったので、
ローンを組もうとするわたし達とローン会社の担当者との間に生じた、なんとも言えない緊迫感と猜疑心にすっかり怯えてしまい、
そこにオイルタンクの予想通りの汚染問題が発覚してヒュルルル~ッと意欲が萎えてしまいました。

契約に弁護士をつけなければならない規則を散々疎ましがっていたわたしですが、
こうなった今はただただ有り難い存在です。
まったく勝手なもんです。

彼の言いつけ通りに行動したのですが、それでは全く充分な理由にはならないと向こうが拒絶してきたので、明日からまた次の行動を取るべく指導を仰ぎます。
契約破棄はできそうですが、わたし達がすでに払ってある頭金の半額(手付金)の全額を返してもらうための行動です。

さて、これらすべての交渉は、旦那が全部一手に引き受けてくれているのだけれど、
わたしにも事の成り行きを知らせておかないとと思って説明してくれる旦那に、わたしなりの率直な質問をすると、
なぜだか旦那はものすご~くパニクってしまい、怒り出したり、わたしの聞き方が悪いと文句を言ったりします。

う~ん、声が大きい?それとも声色に無意識の責める気持ちがこもってる?それともトンチンカンな質問をしてる?

よく分かりません。よく分からないだけじゃなく、とても辛くなります。
なぜかというと、そういう場合、わたしが英語で話していると、
「そんな下手なワケ分からん英語で言うな、文法が無茶苦茶だ、日本語で言え!」って言われるからです。
なので、しばらく時間を空けて、彼が少し落ち着いてくるのを待ち、日本語でゆっくりわたしの疑問を話します。
すると、それまで分厚い甲羅のような物に覆われていた旦那の心の窓が少し開き、ようやく話を聞いてくれるのです。

これもまた、後になって、あのときゃ大変やったよなあって思い出せる時が来ると思います。
そして、もう少しは、こういう種類の話であっても、声を荒げず、お互いの話を落ち着いて聞けるようになるかもしれません。

やっぱり大きな買い物であっただけに、簡単に断れないですね。当たり前だと思います。
最悪、手付金が全く戻ってこなかったら、わたし達夫婦にとっての人生の勉強代に払ったと思うしかありません。

なかなかタフで気が重い毎日が続きます。
これも人生、これからも人生、まだまだ続くのだから、上を向いて歩きたいです
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鍼師妻の悲哀

2008年10月28日 | ひとりごと
先々週の日曜日に風邪をひいてから、とうとう10日も経ってしまいました
その間、頑固に自分のやり方で治そうと思っていたわたしは、薬はもちろん、旦那に鍼をやってもらうこともないまま……、
一家に一台!なんて言ってたくせに、その日の夫婦の仲良し状況やら、その気になれるタイミングのずれなんかがネックになって、マッサージテーブルの上に寝転がれないでいました。

それで昨日は、どんなことがあってもやると旦那が言い出しました。しかもカッピングをするからと。
カッピングなら好きなので、わたしもどんなことがあってもやってもらおうと決心しました。
カッピングというのは、鍼灸の治療の方法の一つで、吸玉と呼ばれる分厚いガラスでできた器を使います。
今それを写真に撮ろうと、旦那の治療室にコソコソ入って行ったら、「なにしてんの?」と見つかってしまいました。
それで、カッピングの器を写真に撮ろうと思うと言うと、今はこれを使ってるからと、新しいのを出してきました。
それがこれです。




器の厚さが随分薄くなっています。この青いぽっちんはなに?ほんでもってこの黒い怪しげなもんは?




実演して見せてもらいました。青いぽっちん部分に差し込んで、ワインの空気抜きのような感じで器の中の空気を吸い込みます。




体内に悪いものがあればあるほど、吸い口の皮膚に黒ずんだ痕が残り、それが紫になり赤っぽくなればほぼ完治。

などと、真剣に説明してくれている旦那の声を聞きながら、
フフン、ほんじゃ、お腹吸って真っ黒になったら、これがほんまの腹黒?!なんちゃって、などと想像するわたし……

話を昨日に戻します。
時間がきて、マッサージテーブルにいざ上らんとしているわたしに、
「やっぱりカッピングより鍼にする」とあっさり言いやがった旦那。「ええぇ~っ
トホホなことに、わたし、今だに鍼が苦手なんであります。
鍼を打ってもらって10分も経てば、なんともいえない心地良い気分になることが重々分かっていても、
あの尖ったのを刺されると思うと……目にも見えないほどの(髪の毛よりも細い)物なのにね。
しかも、ほとんどの場合、刺さったのが分からないってのも体験済みなのに……。

ブツブツ文句を言いながら、しょうがなく寝っ転がったまな板の上の鯉のわたし。
そのわたしに、旦那のとどめの一発。
「今日はちょっと面白いことする」
目の前真っ暗です。面白いことをする→けったいなとこに刺されることになる場合が多いのであります。

で、昨日刺されたけったいな場所はどこだったかというと、
両脇の少し下(こしょばいがな)&喉元&そこより5センチ下&そしてまた5センチ下、でありました。
旦那は「ウヒヒ、ぜ~んぶ今まで刺したことないとこやった」とかなり嬉しそう。わたしゃ人体実験か?

正直な感想を言うと、なんとも気持ちの良いうとうと気分になり、午後から夜にかけてどんどんスッキリ感が増し、
こりゃ明日から絶好調かも~とかなり期待しましたが、案の定、好転反応とやらがやってきて、今日もなかなかしんどいです。
今日もう一回治療を受けたら明日はかなり期待できる、とのこと。
生徒の発表会も間近に迫ってきたので、わたしもここはひとつ大人になって、鍼師の言うことに従おうと思います
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ハロウィーンパーティ

2008年10月27日 | ひとりごと


こちらに来て8回目のハロウィーンがやってきます。
わたし達にとって初めてのパーティに招待してくれたのは、元生徒さんの、大きな建物専門の不動産業を営んでいるスコット氏。
なので、今年はあの「Trick or Treat!」と元気な声で言いながらやって来る子供達に会えません。ちょっと残念です。

「ハロウィーンパーティに招待されたんだ~」と言うと、必ずこう言われます。「コスチューム、もう考えた?」
そやった……コスチューム……すっぴんで行くわけにはいかんのやった。え?すっぴんで充分ハロウィーンっぽいって?ムム

さてさて、旦那はうんうん考えた末、合気道の袴と道着にし~よぉっと、すっかり決定モードでルンルンです
彼は日本で10年、こちらに移ってからも5年修行に励んでおりまして、黒帯二段、師の免許も持っています。
パーティで調子に乗って、いきなりそばにいる人に技をかけたりしやしないか、ちょっと心配です

んで、わたし……どうしたらいいでしょう。ピアノも弾いてねって言われてるしなあ……。なにかいいアイディアありますか


ウィキペディアより



ケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていた。
これらから身を守る為に仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていた。
601年に法王1世が宣教師にケルト人へキリスト教改宗の策として、
「ケルト人の信仰法である木の伐採は行わずに、木の真上にはキリストの神様がいてそのために木を信仰し続けなさい。と広めなさい」と言ったのがいまのハロウィンになったきっかけでもある。

家族の墓地にお参りし、そこで蝋燭をつけるという地方もある。
墓地全体が、大きなランタンのように明々と輝く。日本のお盆の迎え火、送り火にも似ているかもしれない。
ただ、これに合わせて欧米では、放火事件などが頻発する。

これに因み、31日の夜、カボチャをくりぬいた中に蝋燭を立てて「ジャック・オー・ランタン」(お化け蕪)を作り、
魔女やお化けに仮装した子供達が「トリック・オア・トリート(Trick or treat. お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と唱えて近くの家を1軒ずつ訪ねる。
家庭では、蕪の菓子を作り、子供たちは貰ったお菓子を持ち寄り、ハロウィン・パーティーを開いたりする。
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