2年前の2018年4月、アメリカ、イギリス、フランスの3カ国が、シリアにミサイル攻撃をしました。
その時の理由は、シリア政府軍がダマスカス東部で化学兵器を使用した疑いがあるというものでした。
けれども、この時も、民間人を巻き込むかもしれない武力介入を避けるための外交努力をせず、国際安保理決議を経たものでもなかったのです。
ただ、この攻撃はシリア政府軍による化学兵器の使用防止を目的に、攻撃対象を関連施設のみに絞り、攻撃予告から1週間近く過ぎてから行われました。
けれども、内戦が続くシリアの子どもたちはずっと、恐ろしい思いをしながら暮らしています。
その時に作られたビデオです。
Save The Children - #SaveSyriasChildren. VIDEO
当時、このビデオをTwitterで観た時、頭の上から落ちてくる爆弾の音や、地面で炸裂したガスの臭いに怯えるこの子の心を想像して、たまらない気持ちになりました。
そして思いました。
わたしの人生の中で、見上げた空から爆弾が落ちてくるようなことはただの一度も無かったと。
もしそんな経験があったなら、そんな経験をした人なら、軽々と爆弾を落とそうなどとは思わないでしょう。
そんな経験をしなくても、人の心を持っているなら、爆弾を落とす前に、なんとか話し合って解決しようと努力するでしょう。
爆弾を一方的に落として解決できることなんて一つもありません。
国を背負って他国の人を殺めたら、その殺された人の国の人の激しい憎しみを買い、何倍にも膨れ上がった殺し合いが始まるだけなのです。
これはもうずっとずっと続いてきたことです。
国の長に限って学ばない、今だけ金だけ自分だけという人が多いので、いつまで経っても戦争の無い世界は実現しません。
一体全体、どうしてこんなバカバカしい殺し合いを始めようとするのか。
何か、どんなちっちゃなことでもいい、自分にできることは無いのか。
そんなことをずっと考えていたら、こんな記事を見つけました。
今、世界中の人たちが、あるハッシュタグをつけて、イランの美しい建造物の写真をTwitterに投稿しています。
これは、トランプ大統領が、
「イランが米軍基地などを攻撃した場合、イランやイラン文化において、とても重要な場所を含む52カ所を標的にする」とツイートしたことがきっかけ。
ハッシュタグ「 #IranianCulturalSites(イランの文化財)」が生まれ、人々は「イランの美しい文化財を攻撃するな」と、各国から写真を投稿しています。
なぜ52箇所なのか。
それは、イランで1979年に起きた米大使館占拠事件で、人質となった人の数が52人だったからです。
けれどもこの考え方がどんなに意味が無く無謀で愚かなことか。
そもそも、文化財を攻撃することは「戦争犯罪」なのです。
というか、文化財さえ守ればそれでいいのか?
いいえ、戦争そのものが犯罪であるとわたしは思います。
合法的な殺人なんて狂気は、この世に存在してはいけないのです。
もうこれ以上、子どもたちの頭に、爆弾を落とさないでください。
ビデオの最後に流れる言葉を、よく考えてください。
「ここで起きていないからといって、起きていないという意味じゃない」
世界の、どこの子どもも、空を怖がらないで見上げられる毎日を作ってあげたいです。
だから今、イランの美しい文化財のみならず、その地で暮らしている市民を攻撃するな!と声を上げなければと思います。