ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「逃げても地獄、突っ込んでも地獄。これが特攻ですよ」元特攻隊員の証言

2014年05月14日 | 日本とわたし


歴史を直視しない、ヒトラーさながらの男

トチ狂った安倍は、『カミカゼ特攻』を、ユネスコの世界記憶遺産に登録することにも、前のめりだという。
安倍がご執心なのは、鹿児島の知覧特攻平和会館が保存する、特攻隊員の遺書などの資料だ。

信じられない発想だが、こんな安倍ベッタリのメディアのせいか、最近の若者は、特攻隊員の遺書を読むと、
「国を守ろうとする使命感を感じた」
「自分にはできないことをしたすごい人たち」
などと言い、時には涙を流すという。

こうした『特攻美化』を、元隊員たちはどう思っているか。
4月30日付の朝日新聞で、ある特攻の生き残り隊員が、「志願じゃない。強制ですよ」と証言していた。
特攻隊員に選ばれて、失神する仲間もいれば、逃げ出して憲兵に捕まり、自殺した人もいたという。

当事者の元特攻隊員が、
「逃げても地獄、突っ込んでも地獄。これが特攻ですよ」と訴えているのに、

安倍たちは「お国への忠誠心」をでっち上げ、暗黒の戦前・戦中を美化しようとする


「この確信犯的発想は、ナチスの手法そのもので……(以下、略)」

↑以上、書き起こしおわり


以前、元特攻隊員の方が、いろいろと当時の話をしておられたビデオを観たことがあります。

その番組の、元特攻隊員の方々の証言を、文字起こししてくださっていた方がいらっしゃいました。
そこから少し抜粋して、ここに載せさせていただきます。

「振武寮」に隔離された元陸軍 特攻隊員の証言など
http://d.hatena.ne.jp/dj19/20090420/p1

陸軍では、特攻隊員として出撃したが、何らかの要因により、攻撃に至らずに帰還した特攻隊員を、
死んだはずの軍神が生きていてはおかしい、ということで、人目につかないよう秘密裏に、『振武寮(しんぶりょう)』(福岡市薬院)に隔離した。


「お前たち命が惜しくて帰ってきたのか。
そんな死ぬの嫌か。
卑怯者だとか、死んだ連中に申し訳ないと思わないかとか、そういことを毎日毎日言う訳です。
おまえら人間のクズだと」

「お前ら1人帰ってきたために、何人もの(アメリカ軍の)兵隊が助かっとる、言うんです。
なんで死んでこなかったのかと言われた。
理由のいかんを問わず、お前ら国賊だ、言うて」

「振武寮に入ったらビックリしましたね。
周り見たらもう、出撃して死んだと思っていた奴らが、ごろごろしとったんですね。
ここは、特別攻撃隊の収容所かと思いましたね。
そのときの参謀の態度も、非常に腹が立ちましてね。
腕組みして、長靴履いた足をバーンと、こういう(机の上に足をのせる)格好でだしましてね。
ふんぞり返って、貴様らなんで帰ってきた。
飛行機が具合悪かったんでございます。
悪かったのはお前らの腕前だろ」



紙が配られ、特攻隊員になることを『熱望する』『希望する』『希望せず』の、3つの文字のいづれかに○を付けて、提出するよう言われたという。

「『希望せず』に○を付けた者でも、特攻隊になってるの者がおりましたから。
そんなもん、形式的なものだけであって、希望するもしないも全部ひっくるめて、特攻隊を指名したんじゃないでしょうかね。
こんなんがおりました。
オレは希望せずなんだよなぁ~、言うて、しかしやっぱり指名されてしまったわ、というのがおりました」

「軍としては、飛行機の良いのができたら、まず戦闘部隊ですよ。
特攻隊じゃなくて戦闘部隊。
飛行団というのがいっぱいありまして、飛行戦隊、そういうところに良いのがある。
戦闘部隊というのが、天皇直結の部隊だからね。
同じ死ぬのでも、天皇直結に死ぬのだから。まさか、天皇直結の部隊に、ボロクソの飛行機やれないですよ」

「私の立場はね、特攻隊がみんな行って、みんな突っ込んでくれるという前提で、仕事をしてたんですよ。
だから私の方では、そんなにたくさん帰ってくるとはね、夢にも考えなかったです。
帰ってきて、みんなに言わないほうがいいわけですよね。
おれは途中で帰ってきた、なんてね。
結果的に(振武寮は)、隔離所になるわけですよ」

「多くの隊員を出撃させたので、恨みに思われるのは仕方ないし、遺族からも反感を買っているので、
いつ報復されるかわからないと、夜も安心して寝ることができなかった。
80歳までは、自己防衛のために、ピストルに実弾を込めて持ち歩き、家では軍刀を手離さなかったんです」


↑以上、引用おわり




心も思想もなくした予科練

無職 加藤 敦美(京都府 85)

祖父と父は戦前、旧満州(中国東北部)への権益拡大の国策でつくられた、南満州鉄道(満鉄)の社員だった。
私は、旧満州国と関東軍と満鉄が、中国侵略を進める中で成長した。
日本の子どもは、天皇の命令一つで死ぬように育てられ、命は自分のものではなく、死ねば靖国神社の神と化すと教えられた。
命令されて死ぬより、命令される前に命を捧げる忠義が美しいと感じた私は、中学生の時、海軍飛行予科練習生(予科練)に志願した。
それは、特攻隊への道だった。

郷里の神社であった、入隊者を送る神事を覚えている。
私たちは、既に靖国の神になったかのように扱われ、周りから隔離された。
入隊すると、上官に散々なぐられ罵倒され、心も思想もなくし、私は人間ではなくなった。
消耗品だった。
2等兵は「犬にも劣る」とされた。

訓練中に敗戦を迎えた。

最近、映画化もされた『永遠の0』という本を読んだ。
消耗品だった私たちを、立派とほめていると思った。
かつての国家神道の中心施設で、A級戦犯を合祀する靖国を参拝し、英霊に哀悼の誠を捧げると言った、安倍晋三首相の倫理と同じと感じた。

私は、予科練時代を呼び覚まされ、ぞっとした。
老いた私たちに代わり、また若い人たちが、戦場に連れ込まれようとしている。

私は必死で願う。
行くな、行ってはならぬ、地獄だぞ!

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9 コメント

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国民投票、5%でも10%でも (sarah)
2014-05-15 20:46:15
わずか数十年前に、この気が遠くなるような犠牲を払ったばかりなのに。

一つの漫画にこんなに過剰反応して、心にやましいことがあるんじゃないの?
なんて思っていたのですが・・・。

こちらのコメント欄を見て、愕然としました。
日本は「いつか来た道」を歩き始めてしまったようです。
先の戦争で犠牲になった多くの方々に申し訳ないです。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2549.html
返信する
sarahちゃんへ (まうみ)
2014-05-16 10:19:09
もう、歯止めがきかないというか、やりたいことは全部できると思っているのだと思います。
だから、どんなに些細なことでも、自分たちにとって不都合なことは攻撃する。
まあ、あの漫画には、健康だけではなく、社会の仕組み、政府の在り方についても、ガンガン描いているので、些細なことでは全く無いのですけれども。

ああ、また、やっぱりそんなことをコソコソと!
なにかやってるだろうとは思っていましたが。
たった今、ツィートで流しました。
ほんと、許せない!
返信する
Unknown (Unknown)
2017-07-31 07:51:24
取り敢えず。
朝日新聞以外のソースもお願いします。

朝日新聞は太平洋戦争に至る世論を扇動した
新聞なのですから。
今はもう、朝日新聞がソースと言うだけで信用できません。
返信する
世界記憶遺産 (ビックリ)
2019-08-08 01:33:00
世界記憶遺産ってw

これさすがに赤旗かなんかですよね、って思ったら大新聞の朝日新聞?w

いつもこんな調子だっけ、しばらく取ってないからこんな新聞だって忘れてたw
返信する
Unknownさん、ビックリさんへ (まうみ)
2019-11-11 07:11:36
「世界記憶遺産」・コトバンクより

「ユネスコが主催する世界遺産事業の一つで、〈世界の記憶〉ともいう。
後世に伝えるべき歴史的文書などの保存を奨励し、デジタル化などを通じて、世界の人々のアクセスが可能となることによって、世界的観点から歴史的文書の重要性を認識することを目指している。

過酷な戦争体験を自ら発信しておられる方々の気持ちに思いを馳せるたび胸が痛みます。
戦争は人殺しを正当化する非行です。
そのことを訴え続けていかないといけないと思います。
返信する
Unknown (Unknown)
2020-08-07 21:53:51
特攻隊を英雄視しやすくなった最大の要因は、社会人としての心構えです。
返信する
Unknownさんへ (まうみ)
2020-08-10 10:15:52
すみません、おっしゃっている意味がよくわかりません。
返信する
Unknown (じんさん)
2022-12-07 20:42:02
「暴支膺懲」

戦前の朝日新聞の見出しですわ。

国民を死地に追い立てた新聞がよう言うわ。
返信する
じんさんへ (まうみ)
2023-02-21 23:01:51
返事がこんなにも遅くなって本当に申し訳ありませんでした!

「暴支膺懲」
わたしはこの言葉を読むことすらできなかったので調べました。
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/1374

朝日のみならず、当時も大新聞だった社がこぞって煽ったのですね。
戦争が起こる前は、どこの国でも起こるのだと、ここアメリカでも体験しました。
ただしアメリカは他所を破壊するだけで、自国の空からは何も落ちてきませんが。
今の日本が大戦前のそれに刻々と近づいているような気がして恐ろしくてなりません。
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