ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

もう本当に反吐が出るくらいに下衆い『原発再稼働を企むバカ者ども』

2015年10月31日 | 日本とわたし
ふざけるのもいいかげんにしなさい!

原発が停まっている状態よりも、動かした方が得だよ~。
原発1か所につき1年で5億円、それを5年支払うから25億円が入ってくるよ~。
この交付金は、電気を利用するすべての人が納める「電源開発促進税」から捻出すっからさ、こっちは痛くも痒くもないんだよ~。


という、原発事故の反省も責任もまるで無い、破廉恥な制度がもう始まってるらしい。

こんな制度、大声で廃止させよう!
地元の県も、いい加減に目を醒ましなさい!

最大25億円 原発再稼働で新交付金
【NHKニュースWEB】2015-10-31
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151031/k10010289341000.html

国は、原発が再稼働した場合、地元の県などに対して、新たな交付金を支払う制度を検討していましたが、
その額が、最大で25億円に決まったことが分かりました。
制度はすでに始まっていて、原発が停まっている状態よりも、多くの交付金が地元に支払われる仕組みになりました。
国内の原発は、ことし8月に再稼働した鹿児島県の川内原発を除いて、すべて停止しています。
国は、原発が再稼働した場合、地元の県などに、新たな交付金を支払う制度を検討してきましたが、
31日までに、金額などの具体的な内容を決め、官報に載せました。

それによりますと、再稼働した発電所1か所につき、最大で1年当たり5億円、5年にわたって、総額で25億円が支払われるということです。
制度はすでに始まっていて、地元の県などは、原発が停まっている状態よりも再稼働した場合に、多くの交付金が得られる仕組みになりました。
資源エネルギー庁は、この交付金に充てるため、来年度予算案でおよそ50億円を要求していて、
こうした費用は、電気を利用するすべての人が納める、「電源開発促進税」から捻出されます

川内原発が再稼働した鹿児島県では、新たな交付金の申請に必要な、地域振興計画の作成を始めていて、今年度中に国に提出することにしています。

最期まで原発事故の汚染と未来と子供達の事を心配してた野原千代さんの『原発事故のチョウへの影響の研究』

2015年10月31日 | 日本とわたし
野原千代さんは、琉球大学院生でした。
野原千代さんは、原発事故が起こった時、「それまで縁もゆかりもない福島なのに、気になって仕方がなかった」といいます。
「まるで自分の娘たちがそこに住んでいるように思われ、飛んでいって何が起きているのか、自分の目で確かめたかった」
その想いが、『原発事故のチョウへの影響の研究』にのめり込んだ理由だったそうです。

野原さんは、サンプリングのために、事故後わずか2ヶ月目に、福島県の各地を回りました。
チョウに内部被曝させるため、汚染したカタバミを採集に、郡山や本宮(原発から西へ約60km)に、10日に一度通っていました。
一度行くと3泊し、沖縄に戻ると不在中に草をやってくれていた研究者に負担をかけたくないからと、
到着の夜はそのまま研究室で徹夜し、草をやる。
そんな生活を1年半続けたそうです。
そして研究を重ねた結果を、ジュネーブで開催されたシンポジウム「放射線の遺伝子への影響」で講演し、大反響を呼びました。

確実に、福島で、何かが起こっていると感じた彼女は、チョウの研究を続けながら、
孤立しないで互いに情報を交換できる場所を作ろうと、福島から沖縄への避難者の方々と、その実現に向けて模索していました。



その彼女が、想い半ばで、逝ってしまいました。
その彼女と、2012年に出会ったマコさん。
「事情があって、取材を受けられないから、マコちゃんが独自で、この論文を理解したという形で、この論文を広めてほしい。
説明するから、何でも教えるから聞いて!!」
という強い願いを受け取ったのが初対面だったそうです。

「私が余命1年だったら『余命1年の会』を結成して、命がけの抗議をやろうと思うの。
でも、私は余命1年じゃないから、この被ばくの研究を命がけでしようと思ったの」

でも、野原さんは、10月28日に亡くなられてしまいました。



野原さんのこと、そして『千代さんのこと』というマコさんのメッセージを、ここに紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

原発事故のチョウへの影響、スイスでの講演発表が大反響
【SWI swissinfo.ch・里信邦子】2014-12-03
http://www.swissinfo.ch/jpn/原発事故のチョウへの影響-スイスでの講演発表が大反響/41148962


左は正常なヤマトシジミ、右は翅の矮小化を含む形態異常を起こしたヤマトシジミ

日本で最も繁栄しているチョウ、ヤマトシジミ。
福島第一原発事故の、このチョウへの影響を共同研究した、琉球大学院生の野原千代さんが11月29日、
ジュネーブで開催されたシンポジウム「放射線の遺伝子への影響」で講演し、大反響を呼んだ。
この研究は、2012年の発表当時に、スイスのメディアでも大きく取り上げられている。
野原さんに、研究との関わりや今後など、自分史的な視点も交えながら語ってもらった。


「原発事故が起こったとき、それまで縁もゆかりもない福島なのに、気になって仕方がなかった。
まるで、自分の娘たちがそこに住んでいるように思われ、飛んでいって何が起きているのか、自分の目で確かめたかった」
と、野原さんは振り返る。
結局、この想いが、ヤマトシジミにのめり込んだ理由なのだという。
 
事故後すぐに、ヤマトシジミで、色模様の発生生理学的メカニズムなどを研究していた、琉球大学の大瀧丈二准教授に、
「原発事故のチョウへの影響の研究」を提案し、他の院生とともに、研究グループを結成して取り組んだ。
 
野原さんは、もともと理学畑の人ではない。
それどころか、官庁の監査を行う「公監査」を、愛知大学准教授として教えていた。
その後、環境問題に方向転換して、沖縄に移住。
その矢先に3・11が起こった。
 
最初の研究結果の概要は、以下の点だ。
まず、原発事故後2カ月目の2011年5月、
サンプリングで得た、福島市と本宮市の被曝1世のオスの翅(はね)の大きさが、つくば市などのものより「矮小化」していると確認。
次に、
被曝したチョウを沖縄で育て、その子世代で、原発からの距離が近くなるにつれ、
卵からの蛹化(ようか)と羽化において、多くの日数がかかる「成長遅延」と、「形態異常率の増加」を見ている。

さらに、
子世代の異常個体を親として、孫世代を作り、そこでは、類似の異常が次世代遺伝しただけでなく、
これまでにない(触覚が二股に分かれるなど)、「異常形態の出現」も観察している。


研究グループはまた、沖縄の個体に、外部被曝と福島地方のカタバミ(食草)を与えて内部被曝を行い、
この両方の被曝において、「生存率の低下」、「矮小化」、「形態異常」を観察している。


swissinfo.ch : 
最初に、サンプリングのために福島県に行ったときは、事故後わずか2カ月目です。


野原 : 
確かに、余震などの危険性もありました。
でもとにかく、幼虫で冬を越し被曝した1世を、きちんと採集したかった
チェルノブイリでは、5年後にしか、生物のそうした研究ができていない。
そうはしたくなかった。
特にヤマトシジミは、世代交代が約1カ月と早いので、迅速な観察が望まれたのです。
東京や柏市などとの比較もあり、大瀧先生と私と2人の研究者の計4人で連休明けに各地を回りました。


NGOのインディペンデントWHOが開催したシンポジウムで講演した、野原千代さん


swissinfo.ch : 
チョウの死亡数を数えたり異常形態を見つけたりと、以前の「公監査」とは全く異なる研究。
ギャップを感じましたか?


野原 : 
毎日が必死で、がけっぷちに立たされているような日々。
そんなことを感じる余裕は、正直なところなかった。
内部被曝させるため、汚染したカタバミを採集に、郡山や(原発から西へ約60キロメートルの)本宮に、10日に一度通っていたからです。
沖縄から羽田に飛び、そこから車を走らせて福島県に着き、カタバミのあるところを探し、
同時に、それを宅配便で一日3~4回、沖縄に送ってくれる業者を探しました。
一度行くと3泊し、沖縄に戻ると、私の不在中に草をやってくれていた研究者に負担をかけたくないので、
到着の夜はそのまま、研究室で徹夜し、草をやる

そんな生活を1年半やりました


swissinfo.ch : 
これまでの実験の中で、最も印象に残ったことは?


野原 : 
福島県の福島市、飯舘村、広野町の汚染食草と、山口県宇部市の食草を与えた内部被曝の実験です。
その実験で、羽化したチョウのうち、福島市と飯舘村2カ所のチョウの動きが、山口県の葉を食べて育ったチョウに比べて、明らかにモタモタしている
毎朝、羽化するチョウがすべてそうなのです
大変な衝撃を受けました。
これが、いわゆる「原爆ぶらぶら病」なのかと感じました。

しかし、残念ながら、こうした事態を想定していなかったので、そのような動きの違いを、定量化することはできなかった
ですから、形態異常が見られなかったそれらのチョウは、「正常」なチョウとしてカウントしています

このことから、私は、確実に、福島で何かが起こっていると感じました


swissinfo.ch : 
今進行中の研究や、最近の研究の成果を教えてください。


野原 : 
つい最近まで、研究者の1人の平良渉さんと一緒に、ゲノム解析のためのDNA抽出をやっていました。
鹿児島の、ヤマトシジミのDNA配列は読めたので、今後は彼が中心となって、福島地方のチョウのゲノムとの比較をやっていきます。
ゲノム変異解析研究は、異常形態がゲノムレベルで起こったのかを知る上で、とても大切なのです。

また、つい最近発表した内部被曝の観察結果は、興味深い上、私にとっては、光が一筋さしたような研究になりました。
まず、
沖縄の第1世代(F1)の幼虫に、一方には沖縄の草を、他方には本宮や郡山の草を与えた。
すると、やはり後者のグループ(本宮や郡山の草を与えられた側)の死亡率・異常率は、沖縄グループより高かったのです。

ところが、
第2世代(F2)で、たとえ親のF1に本宮・郡山の草を与えても、F2に沖縄の草を与えたグループ(F1本宮―F2沖縄、F1郡山―F2沖縄)は生存率が高く、
2世代とも沖縄の草を与えたグループ(F1沖縄―F2沖縄)と、ほほ同じ生存率を示しました


つまり、これを人間に適応して考えた場合、
第2世代に汚染されていない食品を与えれば、生存率において問題がなくなる可能性が示唆され
そういう意味で、私には希望が感じられたのです。


swissinfo.ch : 
物理学者や生物学者、そして医者などが多く集まった今回のシンポジウムでも、
この、F2に沖縄の草を与えた場合の生存率の高さは、大きな反響を引き起こしました。


野原 : 
確かに、F2で生存率・正常率が回復したので、反響は大きかった。
しかし、次の二つはきちんと確認したい点です。
一つは、
F1で、本宮や郡山の草を与えた場合の死亡率・異常率は、相変わらず高いということです。
そしてもう一つは、
沖縄の草のお陰で、生存率や正常率は回復したF2でも、ゲノムのレベルで損傷が起こっていないとは言えない点です。

ところで、聴衆の1人が、独自にこうした結果を人間に当てはめ、
「チェルノブイリの第2世代の子供たちが、同じ場所にとどまり、今でも汚染された食品を食べ続けていることは問題だ」と発言しました。

実際、チェルノブイリ事故後に、身体的・精神的問題を抱えた第2世代が苦しみ、
時に自殺したり、または、こうした状態に耐えられない父親たちが家出したり、といった話はよく耳にします。
福島から沖縄に避難した、いわば第1世代の人々も、さまざまな症状を抱え苦しんでおられる。

私は、そうした被曝者が社会に受け入れられることと、彼らがそれぞれの症状に応じた治療相談にのってもらえる拠点が、日本には必要だと思っています。
そこで得られる治療法や情報は、まだ確立していないものや極端な場合は、プラセボ(偽薬)でもいい
とにかく、ベラルーシなどでの経験を学びつつ、孤立しないで、お互いに情報を交換できる場所が必要なのです。

実は今、ヤマトシジミチョウの研究を続けながら、福島から沖縄への避難者の方々と、その実現に向けて模索している最中です。

野原千代さん略歴
琉球大学大学院理工学研究科・海洋自然科学専攻・博士課程前期終了。
元愛知大学准教授、元早稲田大学パブリックサービス研究所客員研究員。国土交通省独立行政法人評価委員、名古屋市、東海市、三重県行政評価委員等歴任。所属学会:日本地方自治研究学会、日本監査学会等。

インディペンデントWHO
今回シンポジウムを開催したのは世界保健機構(WHO)の独立性を求めるNGO、インディペンデントWHO(Independent WHO)。「原子力を推進する国際原子力機関(IAEA)からの圧力により、WHOは低線量被曝に関して世界に正しい情報を与える任務を放棄している」と批判する団体。
低線量被曝が生物や人間に与えるさまざまな影響を研究する世界の専門家によるシンポジウムを2012年に引き続き今年も開催した。
今回のテーマは「放射線の遺伝子への影響」。発表者の中には、ドイツ・クリュンメル原発周辺で白血病にかかる子供の数の増加を明らかにした研究で有名なドイツの物理学者、インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ氏も含まれている。
なお、今年のシンポジウムはジュネーブ市、緑の党などが支援している。




千代さんのこと
【猫とおしゃれとよだれとニュース・おしどりマコ】2015-10-31

http://ch.nicovideo.jp/oshidori/blomaga/ar902744

野原千代さん、という研究者が28日亡くなりました。

琉球大学で、被ばくとヤマトシジミ(蝶)の研究をされていた方です。
初めてお会いしたのは、2012年かなぁ。
「事情があって、取材を受けられないから、マコちゃんが独自でこの論文を理解したという形で、この論文を広めてほしい。
説明するから、何でも教えるから聞いて!!」
というのが初対面。
そんなハードコアな話をしつつ、お腹が空いて、そのまま食べ放題のバイキングに行きました。
何、このアグレッシブな感じ!!

それからずっと千代さんとはいろいろお話しました。

「私が余命1年だったら『余命1年の会』を結成して、命がけの抗議をやろうと思うの。
でも、私は余命1年じゃないから、この被ばくの研究を命がけでしようと思ったの。」
娘たちにもそう話した、とおっしゃってました。

********

でもね、去年、名古屋のホテルで、夜通し喋っていたときにした約束、千代さん覚えてる?
絶対に生き延びよう、って。
どれだけ知ってても調べてても、生き残らなくては意味がないって。
広島の原爆で生き残られた、肥田舜太郎先生みたいに、生き延びて伝えなくちゃダメだって。

********

千代さんも私も仲良しだった、報道ステーションのディレクター岩路さんが自死して、
その後、私がいろいろ調べて、遺書や保険など調べて、その話を千代さんにだけ伝えた夜のことです。
大学で研究がしづらくなって、泣きながら千代さんが岩路さんに電話したり、
TV局で針のむしろだよーと、岩路さんがおしどりを飲みに誘ったり。
千代さんと岩路さんと、私たちとで揃って会ったことは無かったけれど、
お互い仲良しで、泣きたくなったときになぜか頼るのは、原発事故の研究・取材を続ける辛さを共有してたからかもしれません。

で、その岩路さんが自死したあと、絶対に盗聴される心配がないから、と千代さんが外資系の信頼できるホテルを指定して、スパイみたいに待ち合わせた夜。
パジャマとベッドという女子会ぽい雰囲気を出しつつ、話題は超シビア。

自死する、という選択肢がないと、動けないという時期もある、
それはよくわかる、私もそういうときがあったから、
と若い頃の厳しかった時期の話をしてくれた千代さん。

でもね、そういうときに、自死するかしないかは、ちょっとしたタイミングのようなもので、
うまく抜け出せるときもあるの、だから、岩路さんは自死しちゃって今は後悔してると思うな、
と話してた千代さん。

その晩、いろんな話をしながら、ホテルの天井に向かって
「岩路さん、そのへんで聞いてるんでしょ?」と話しかけまくりました。
「約束いっぱいしてたのに、計画いっぱいあったのに、うっかり死んじゃったから後悔してるでしょ? そっちの世界から力貸してよね!!」
と何かあるたびに、岩路さんに文句言って(^^)
千代さんと私は、生き延びようと、何としても生き抜こうと約束したのです。

でも、千代さんまで、そっちの世界に行ってしまった。

********

千代さんの被ばくと蝶の研究は素晴らしく、山本太郎議員が国会での質問にも使っていました。
そのときに、千代さんからレクを受けて(あ、それこそ名古屋のホテルで一晩中聞いたんだった)
山本太郎議員に話をして。

そのときの書き起こしをはっておきます。下記。
https://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/3797

千代さんのFacebookの最後の投稿は、10月14日のもの。
岡山大学の津田敏秀先生が小児甲状腺がんの、論文の報告を海外特派員協会でされた記事をシェアして
「津田先生は、本当に率直、真っ正直な方です」
とコメント。

千代さんも同じだよ! 
いつもいつも、原発事故の汚染と未来と子どもたちのことを心配してた。
「だって原発事故があったのに、なんで、みんなわからないの?
決定的な何かがたくさん出てくるまで、わからないっていうの??」

腎臓がお悪くて、7月8月はお一人で用も足せなくなっていた、と伺ったけれど、
そんなに苦しくても、最後まで、原発事故と子どもたちのことを考え続けた千代さん。

********

千代さんとやりとりしたメールを見直してました。
(こんな作業イヤだなぁ!!)

あ、素敵な写真があった!

今年、バチカンのフランシスコ教皇さまとやりとりをする、という隠密行動をとっていたとき、
なんかお会いするとかなったら大使館通すとか大変みたいでムリそうっすーとメールすると
千代さんが、「大丈夫!うまくいくから!」と驚愕のお写真を送ってくれました。
それは、千代さんのお母さまと先代教皇さまがハグしてる写真!!

「母がクリスチャンで(その関係で私も15歳までは一緒に教会に行ってましたが)
一カ月のイタリア滞在時にたった1人でこれを段どったのです(笑)」

えー?? なんかいけそうな気がしてきた!
とその後、教皇さまに手紙を書き、それを司教さまが届けてくださり、
「原発事故はバベルの塔」と教皇さまが発言した記事になったとき、
千代さんもとても喜んでくれました。

********

被ばくに関する研究を発表する研究者が、千代さんに、
「炎上対策はどうすればいいか聞いて?」という仲介をしたこともありました。

千代さんの回答みつけた。
これは素敵なアドバイスなのでシェアしときますね☆

「炎上…(笑)
炎上させとけばよいのです。ニコニコして、KYのフリ。いちいち気にしない。
反論はすべて論文で。
ネットで反応しない。しても、せいぜい、論文の紹介程度」

********

千代さんとのやりとり、最近のものは、どんどんシビアになってきてました。

「物言えば、唇寒しの世の中で残念です。
学問の自由も何もあったもんじゃないですね。
自死ありすぎだね!(涙)
マコちゃんケンちゃんも大変でしょうが、チームなのでいいね!!
皆で乗り越えられるといいね!」

千代さん、千代さんもチームなのに、千代さんがいなくなると、穴がでかすぎます!!
汚染地域で採集をするたび、汚染されたカタバミの面積を一枚一枚測るたび、
体調が悪くなる、と話していた千代さん。

もちろん、気をつけられる限り、防護してはいたけれど、
でも、若い子にはこの被ばくする作業はさせられない、と話していた千代さん!

そういう話を聞くたび、「余命1年の会」の話を思い出して、命がけで研究をすると言ってたことを思い出して、
でも千代さん、体大切にしてください、生き延びる約束したでしょ??と言ってました。

********

原発事故の取材や研究をしていた私の周りの方々が、これで6人亡くなりました。
みな素晴らしい仕事をしてらした。

思えば、自死を決意した方とか、余命が短いことを知ってる方、命がけの方が、全力で動いてくださってたんだと思います。
千代さんは、自分の命を削りながら研究してらした。

千代さんと話してたことのひとつ。
正義だからといって報われないし、悪人が因果応報ってこともない。
頑張ったって、しょうがないことも多い。ていうかそればかりの気もする。

でも、そんな世の中、イヤじゃんね!!!

たぶん、人はいつでもすぐ死ぬから、生きてる私は動きます。
本当はもっと動きたかった人々を知ってるから。

千代さんの告別式は明日、11月1日です。
海外の研究者からも、千代さんの研究をたたえ、その死を悼むメッセージが続々と届いています。

野原千代って、蝶々みたいなお名前で、優雅で気高くて、あっという間にお空に行ってしまった千代さん。

そっちの世界から力を貸してね。
でも、早すぎるけどね!!
崖っぷち研究所の件はどうすんのさー!
岩路さんが亡くなったときみたいに「約束も計画も宙ぶらりんだよ!」と怒るのが、私1人になってしまうなんておかしいよー。

千代さんは本当に本当に本当に、生き延びてほしかった。
でも、一番そう思ってるのは千代さん自身だよね。
この世の中に、絶対に欠かせない方でした。
貴女がいてくれてよかった。

千代さん、今は苦しくないところにいらっしゃいますように。
千代さんの素晴らしい研究が続くように、広まるように動きます。
そして、千代さんが考えてた、切り捨てられる方が少しでも減る世の中になるよう動きます。
千代さん、本当にありがとう存じました。

2015年10月29日 | ひとりごと



一本の木と同じくらいすてきな詩に ぼくは一度も出会ったことがない
ジョイス・キルマー  (December 6, 1886-July 30, 1918)

自然を愛し戦争に反対したキルマーは、皮肉なことに、第一次世界大戦に歩兵として従軍し、スナイパーに狙撃され、31歳の若さでなくなる。
アメリカ国籍だが、自らは詩的文化の歴史を背景に持つ、アイルランド人として生きた。
詩人ジョイス・キルマーが、この詩を書いたのは1913年で、
ニュージャージーの彼の家の近くにある樫の木に、インスパイアされて書いたものと言う。
キルマーは、第一次世界大戦に従軍し、フランスに赴き陸軍軍曹として戦死した。
4年後、ラスバックが詩に合わせ、曲を書いた。


"Trees"

I think that I shall never see
A poem lovely as a tree.

A tree whose hungry mouth is prest
Against the sweet earth's flowing breast;

A tree that looks at God all day,
And lifts her leafy arms to pray;

A tree that may in summer wear
A nest of robins in her hair;

Upon whose bosom snow has lain;
Who intimately lives with rain.

Poems are made by fools like me,
But only God can make a tree.

(Joyce Kilmer)


『木』

一本の木と同じくらいすてきな詩に
ぼくは一度も出会ったことがない

木はやさしい大地の胸に吸いついて
流れてくる恵みをのがさない

木はずっと天を見上げて
腕をいっぱい広げて祈りつづけている

夏になればツグミたちがきて
巣のアクセサリーで木の頭を飾る

木は雪を深々とかぶったこともあるし
だれよりも雨と仲よく暮らしている

詩はぼくみたいなトンマなやつでも作れるが
木を作るなんてそれは神様にしかできない
(アーサー・ビナード&木坂涼共訳)




なんだか、うちのカエデの爺さんのことのようで、嬉しくなってしまった。



自然は人間を必要としないけれども、人間は自然を必要としている。
なのに、次から次へとぶっ壊していく人たちに、
わたしたちはもう、ストップ!と言わなければならない時がきているのではないかな。

より良い未来やシステムを模索する人たちに→アイスランド『無血の市民革命(鍋とフライパン革命)』

2015年10月29日 | 日本とわたし
この、極めて優れたドキュメンタリー映画を、翻訳し、さらには映画の画面に沿うように字幕を入れてくださったブーゲンビリアさん。
その時の様子を、ご自身のブログ『ブーゲンビリアのティータイム』に書き記していらっしゃいます。
http://bougainvillea330.blog.fc2.com/blog-entry-311.html#comment22

この映画と出会い、最初の10分ぐらいを観ただけで、これはもう絶対にたくさんの人たちに観てもらいたいと思いました。
その際に、時間の無い方のために言葉を書き起こしたかったのですが…以下の理由でなかなか叶わずにいました。

『肩甲骨の痛みがなかなか取れないのですが、そんなことは言っていられない状況なので、伴奏バイト曲の集中初見練習を開始しました。
今日は雨が上がりましたが、気温が高いままの、これはいったい何の季節だ?というような生暖かい空気を、強風がびゅうびゅうとかき回しています。
美しい色づいた葉っぱが、すっかり落ちてしまいませんように。

さて、ぜひこのドキュメンタリー映画を観てください。
本当は、翻訳してくださった文章をすべて、ここに書き写したものと一緒に掲載したいと思い、ずっと保存しているのですが、
体調を崩したり、やっとマシになってきたかと思ったら、100ページ以上の音符を初見読みして、それを今日からのリハーサルで弾かなければなりません。
なので、全く時間が見つけられません。

ひとまずここに掲載しておきます。
Miguel Marquesさんが、今年の7月30日に、ユーチューブの画面に公開してくださったものです。
言葉のひとつひとつに、わたしたちが知らなければならないこと、学ぶべきこと、勇気づけられることがしみこんでいます。
ぜひ、時間を作ってご覧ください』

その後、ひろみさんが、このブーゲンビリアさんのこと、そして、書き起こしをしてくださったShanti Phulaさんのことを教えてくださいました。
この書き起こしは、登場人物の顔写真と映像のタイムラインと共に為されていて、とても分かりやすいものになっています。
わたしも前半の部分を書き起こしましたが、Shanti Phulaさんの書き起こしを、ここに転載させていただきます。
文字の強調をしたい部分が山盛りでしたが、あえて今回はしませんでした。




ポルトガルで高い評価を得ているドキュメンタリー作家/映画監督 ミゲル・マルケス(ミゲル・マルケス)による自主製作映画(2012年)。

この映画を通して、アイスランドの市民革命<鍋とフライパン革命~Pots, Pand and Other Solutions>を、草の根レベルでリードした人たちの思いを知ることができます。

2008年。
経済危機の大打撃を受けたアイスランドでは、経済のみならず政治も崩壊し­、あらゆる社会システムが機能しなくなっていました。
食料配給への長い列。
暴力的なデ­モ。
絶望。

未曾有の危機に瀕した人々は、あらゆるものの本質的な問題に正面から向き合い、
草の根­パワーによって、既存の経済制度、政治制度、民主主義制度を大きく変えていきました。­
まさに無血の市民革命。

彼らの方向感覚・バランス感覚・精神性・知見・方法論を知ることができる本作は、
より­良い未来やシステムを模索する人たちに、知識・知恵・勇気・ひらめき・プラスのパワー­を与えてくれる、言葉の玉手箱

革命そのものにも、この映画にも、この映画を見て、社会システムのあり方や民主主義につ­いて考えることにも、無限の価値があります。

市民革命を経たアイスランドでは今、失業率は劇的に下がり、投資も戻り、経済指標も回­復しています。
本物の民主主義が根付いた社会では、自由な発言ができる社会では、人々­の生活は安定していくものなのです。

私たち1人1人が真実を知る努力をし、考え、そして行動に移していけば、未来は変えら­れる。
未来を明るくしていける。



↓以下、転載はじめ

0:00~

今のシステムってさあ、民主主義からかけ離れちゃってるよね。
政党政治でさ、国は統治されてるけどさ、議会で討論されてることってさ、一般市民にとって良いことがないんだよね。


民主主義の名の下にやってきたけど、システム自体が民主主義じゃないんだよ。


2008年の経済危機の後、ボクたちの政治体制そのものが、どうやら終わりにきちゃったっていう感覚があった。
怒ったり、抗議したり、大騒ぎしたり、そういう「システムを停止させるようなことって必要ないよね」って思ってる人も実は多くて。
やんなきゃならないのは、次にどうするかを考えることだからさ。


ものすっごく重大なことです。
山のような書類があって、お互いに助け合って自分たちのことをやる、もう重大極まりないことです。


アイスランドの大学ってヒドイもんよ。
私は法学を専攻しているけど、大学では税金の還付方法を教わってるわ。
法律家の卵に、いかに税金を払わないようにするかを教えるのよ。
論文、税制、お金、それが今の大学よ。
私たち、おかしな方に向かってるよねって言う人もいるけど、笑われて、バカにされて、聞いてもらえないのよ。

3:08~

教育ってさ、「誰か」が作ってるものなんだ。
政治体制を支えてる人たちは、その「誰かが作った」教育を受けた人たちなんだよ。
ボクはさ、看護士とか、タクシードライバーとか、セールスマンとか、社会の中で実際に働いているような人たちがさ、
体制側にいればいいなと思うんだよ。
だって、国民の大多数は、社会で働いているんだからさ。


戦争ってさ、世界を所有している人たちと、世界を支配している人たちとの間で起こされてるんだよね。
で、残りの人たち、大衆、市民は、場合によっては自分たちのことを、持たざる者、何も言えない者だと思ってるんだ。


NATO会議での一幕です。
私の属する委員会の最後のセッションで、ウィキリークスで明らかになったサイバー犯罪についての報告がありました。
匿名での内部告発、危険な兆候についての報告です。
報告書の責任者が言うには、サイバー犯罪が行われている回線では、戦争が演じられているのだと解するしかなく、
それに対して、「現実の世界大戦を宣戦布告することも可能だった」というのです。
どの回線でそのようなことが行われていたのか、尋ねてみたところ、
「NATOのインターネット回線で、サイバー犯罪を行っているような人たちを怒らせることになるから、答えたくない」と言ったのです。

■管理人より。
8の女性は、NATOの委員会で起きたことを話されています。
あまりにも高度に、政治的・軍事的・犯罪的な内容をはらんでいるので、訳しながら怖くなりました。
 

5:05~

体制崩壊っていうのは、世界の状況によってのみ起こるんじゃなくて、アイスランドの状況によっても起こるんだよね。
ここアイスランドの状況といえばさ、政治の腐敗やら汚職やら、そんなのばっかりさ。


銀行はずっと前に倒産してしまって、ところが(アイスランドは)オランダやイギリスからお金を借りて、アイスランド救済口座に入金しようとしたのよ。
すべてがダメになったら、この(外国からの)借金は全部、アイスランド国民の借金になるのよ。
それはまったく公正じゃない!
考えてみたら、銀行のシステムってあまりにもバカげていて、こんなシステムがこれからもずっと続くなんて考えられないし、
ヨーロッパに常識ってものがあるなら、銀行は全部つぶして、もう一回最初からやり直すはずだと思ったわ。
1(アイスランド)クローナを借りたいのなら、現金を受け取るべきよ、投資にまわすんじゃなくて。

5:58~

体制側はメディアも支配していたのでね、私たちは真実を報道してもらえない状況にありました。
彼らが何を言ったか、何を言わなかったか、そういうことですよ。


何もかも秘密にされてて、本当の数字がどうなのか、まったく分らなかったんだ。
全てにおいて、何をどうすればいいのか、見当もつかなかった。
右派政権が腐敗したときには、もうどこもかしこも腐敗ばっかりで、左派政権になったらもう、お手上げ状態になっちゃったんだよ。

6:34~

4年毎に選挙があって、違う政党に投票できるんだけど、どこに投票しようが、政権を取るとどこも同じになっちゃう。
選挙そのものが機能不全なんだよ。


生身の人間が、食べ物の配給に並んでいるんだよ。
次は自分かも、だよ?
財務大臣は、150億アイスランドクローナを、ケフラビクの小さな銀行に融資したんだ。
そして、その銀行は倒産。
何で財務大臣がそんなことをするんだ?
国民が食料配給の列に並んでるってときに、国民の150億クローナを、ただの民間銀行につぎ込むなんて。
つまり、汚職だよ。

※ Bankrupt Transport Companyの前オーナーだそうです。
日本の破産管財人に近いお仕事かもですが、詳細は不明です。
※ ケフラビクは、アイスランドの首都レイキャビクから西に約50kmに位置する、人口1万人ほどの都市。


7:27~

IMF(国際通貨基金:International Money Fund)ってのは、(アイスランドのためになることではなく)自分らがやりたいことをやるだけの組織だからね、
反対運動ってのは、IMFに抗議するものだったんだけど、IMFに対抗するために作られた新政府は、以前やろうとしていたこととは逆のことをやっているよ。


始めるときは独りっきりさ。
ちょっとエキセントリックに響くけど、そうじゃないんだ。
生活を良くしていくために、自分自身のために闘ってるわけさ。
そうやって始めていくと、同じことを考えていた人たちが、皆集まってくるんだよ。  

政治ってさあ、一つのシステムが数十年続いちゃうと、同じ家系や同じグループばかりに権力が集中しちゃって、変化を嫌うようになるんだよ。
※ Hörður Torfasonさん(ゲイ活動家 歌手 作曲家 詩人)


すべての政党が、同じようにダメだとは言わないわよ。
ただ、政治家は、私たちが考えないように仕向けてくるのよ。

みんな、「政治家に一切合財まかせればいい」って思ってるでしょ。
それはあんまり良い考えじゃあないわ。
ちゃんと自分で考えていかないと、とんでもないことになるもの。

社会や、民主主義や、地域の人たちに関わっていくことを、誰かにまかせてしまうっていうのは、社会に対する裏切りだわ。

まかせたら最後、まかせられた人たちは、マフィア化していくのよ。
もっと権力を得るにはどうすればいいか、そのための資金作り、人材選び、組織作りばかりが、重視されるようになるのよ。

9:33~

2008年の経済崩壊以来、投票者の50%が、他の政党、既存の政党ではないところに投票したい、と思っていたよ。
既存政党にはないものを持った政党に。
投票行動も活発だった。
投票すべきか否か、誰に入れるか。
議会の信用度は、10%もなかったね。
アイスランド人の9%が信用してたかな。
大多数のアイスランド人は、選挙で選ばれた議員が、銀行の負債利子の面倒ばかりみてるって考えてたよ。
ナンセンスだよ、まったく。


一般の消費者として、民主主義の消費者として、ボクらはあんまり良い消費者ではなかったね。
政党政治ってのがどういうものなのか、今までどんなことをしてきたのか、誰しもがみんな、あまりにも忘れやすいんだよ。
政党のことを、サッカーチームみたいにとらえてるもんだから、選挙も何かこう、ファン投票みたいだしさ。
それは絶対にやっちゃいけないことだって、学ぶ必要があると思う。

10:50~

政治家に質問すると、どう答えていいかわからないくせに、ウソをついてまで答えようとするんだよね。
とにかく、適当なことばっかしゃべるのさ。
権力の座に居座るためにね。
政党集会にやってくるのは身内ばかり。
いわゆる利権集団。
これが政治のシステムなんだよ。


善意の人が、善意をもって、善意を成し遂げたいと思って、政党に加入するのを見てきたけどさ、
みんな2-3年もすると、なぜか突然、バカバカしいことばっかりに終始するようになるんだよね。
善政を行う方法はたった一つ、その政党と手を結ぶしかないって、思うようになるからなのさ。

11:44~
自分が政治に携わるなんて、絶対に絶対にないわ。
だって、自分の魂が腐っていくなんてイヤだもの。
この組織のために働く気になったのは、4ヶ月間だけっていう期限付きだったからよ。
それなら参加できるし、普通の人間でいられると思えたわ。

(革命後の)民主主義では、可能な限り直接的に、権力が分配されたのよ。
個々人が、権力に執着しないように考えられたわ。
だから、汚職はほとんど起こらないはずよ。


例えば、6歳から8歳くらいの子どもが10人いるとして、その子たちを1つの部屋に集めて、部屋のテーブルにはチョコレートケーキを置いて、こう言うのさ。
「このケーキはこのままにしておいてね、私は30分ほど部屋を離れるけど」
どうなると思う?

だけど、あなたがそこに腰を下ろして、こう言ったらどうなる?
「ケーキは食べちゃだめよ。そっとしておいてね」

見ていれば、子どもたちは、ケーキに手を出したりはしないさ。

12:57~

何かの病気、例えばガンがあったとして、それをただ一人に与えたら多分死んでしまうけど、
100人で分け合ったら、ちょっとは傷つくとしても死にはしないわ。

権力も同じなのよ。
沢山の人に分配すれば、痛みも少なくなるわ。

権力がとても良いもの、手に入れたいと思うのと同時に、それが疫病のようなもの、欲しくないものと感じられるなら、
組み合わせ的に、とても正しいものになるのよ。

ところが権力は、「強欲」と結びついてしまっていたわ。
最悪の組み合わせよね。

望むのなら、50年ごとに、経済危機に陥ることだってできるわ。
地獄に行って、帰ってきて、また地獄に行って…。

次の世代の人たちを、同じように苦しめることもできるけど、変える事も可能なのよ。
とても根本的な変化でなくてはならないわ。
ある意味では哲学的よ。

それには、賛成するだけではダメなのよ。
新しい人たちが、同じことをするだけだもの。
それじゃ意味ないでしょ?

14:07~

「市民運動(Citizen's Movement)」は、いくつかの草の根グループが、集まって作られたプロジェクトなんだ。

経済危機以来、「選挙による市民政党のようなものを作るべきだ」って考えはじめた草の根のグループがあってさ、
そいつらが結束して、「市民運動(Citizen's Movement)」になったんだよ。

ええと、経済危機が2008年だったから、2009年3月の終わりに、公式にスタートしたんだっけかな。

「市民運動(Citizen's Movement)」では、議論に議論を重ねていったね。
議論の的になったのは、ボクらの共通の政策となるべきものは何か、共通の目標は何か、共通の展望は何か、
どうすればボクたちが、団結していけるのかってこと。
※ Jon Thor Olafsson
市民運動(the Citizens' Movement)メンバー
"The Game of Politics”著者



公正さを求めるために、最初はみんな、ノーと言っていたわ。
政治には関わりたくない、アイスランド議会の議員にはなりたくないって。

私たちは政治を変えたいのであって、政治家になりたいわけではなかったのよ。

社会が、私たちを後押ししてくれたわ。
何かをしろって。
それが市民運動。

市民運動では、色々成果をあげていたけど、だけど結局、選挙が始まったときには十分な時間がなくて、
選挙には勝てたとしても、政策なんてなかったのよ。

市民運動(the Citizens' Movement)には、ピラミッドモデルは採用したくなかったの。
みんなが平等でいるためには、リーダーは必要ないもの。
1人のリーダーがみんなを率いていくなんて、望んでいないの。
1人1人がリーダーであってほしいのよ。

市民運動のメンバーは、多種多様よ。
左寄りの人、右寄りの人、中間の人、無政府主義の人まで。

望めば誰でも、市民運動の運営に参加できるわ。
16人の運営者名簿があったとしたら、男性、女性、男性、女性、となっているわ、平等にしたいから。

すぐにでも運営に参加したいって人が、2人同時にいたときは、コインを投げて決めるのよ。
あるいはまあ、そういうときは女性にするかしらね。
そのほうが簡単だもの。
※ Cilla Ragnarsdottir
市民運動(the Citizens' Movement)メンバー
美術史家
 

17:17~

市民運動(Citizens' Movement)には、3つの方針があってね。

1つ目は、経済危機を引き起こした人たちには、責任をとってもらうこと。

2つ目は、家計を公正に立て直すこと。
記録によると、政府も銀行もこうすると、悪くなるって知っててやっちゃってたんだよね。
腐敗したグループが、分裂したりくっついたりしたのは、失敗だったね。
だけど、是正されていくはずさ。

3つ目は、こんなことが2度と起きないようにすること。
新しい組織を作って、法律を変えるってことさ。

18:25~

(改革を)可能にするコツは、(市民運動の)活動家になることよ。
議会の内側にいるときも、私たちの使命を忘れてはならないの。
そのために、とても重要な取り決めが3つあるのよ。

1つ目は、
国民との合意によるアジェンダによって、私たちは、最長8年間しか存在できないということ。
注)この女性は国会議員らしいので、議員は最長8年しか務めることができない、という意味だと思われます。

2つ目は、
どんな議題についても、市民運動のメンバー同席で、会議をしなくてはならないということ。
市民運動のメンバーに、議題が解決したかどうかを確認してもらって、私たちが何も不正をしていないことが明らかなら、チェックリストを完了させて、解散しなければならないの。
私たちにリーダーはいないの。
そして、それがとても重要なの。
職務を履き違えないで済むし、スポットライトを浴びる「主役」みたいな人がいないから、脇役もいない。
だから、私たちみんなが、人として等しく価値があるって感じることができるのよ。

そして3つ目は、
国会議員とか、若者の市民運動なんかも含めて、政界にいた人は、「市民運動:Citizens' Movement」の運営には関われないってことよ。

19:39~

私たちは皆、アマチュアよ。
思うに、そこがいいところなのよ。
私たちは政治家ではないし、政治家のようだとも思っていないわ。

アイスランドの憲法によると、国民は、議員に従うように定められているわ。
ただ従うように。
それは確かよ。

ただし、議員にモノ申すことだけはできる。
市民運動のメンバーが、「それには同意できない、質問したい、議員をコントロールしたい」と言えば、議員はやりたかったようにはできなくなるのよ。

運動が広がっていって、議員の間にも拡散していくのは、当然の成り行きだわ。

ただ、急ごしらえの組織だから、これからどんなふうにやっていくか、まだまだ話し合われていないことが とてもたくさんあるのよ。

いくつかの地方選挙があったわ。
新しい政党が作られて、運営されて、いたるところにやってきたわ。
そう、新しい人たちが、市議や町議になっていったのよ。
※ Margret Tryggvadottir
アイスランド国会のメンバー、出版業



ベストパーティは、相対的に新しい概念だよ。
創立者で、現市長のJon Gnarrが、フェイスブックで「参加したいか?」って聞いてきたんだ。
「もちろん、で、何をしなくちゃならないんだ?」と返したら、
「何もしなくていいさ。なんか面白くなりそうだからさ」
だってさ。

ベストパーティの人間の大半は、アーティスト。
僕たちは、選挙の前から、こんな感じになってたね。
党の人間は皆、ありふれた普通の人たちさ。
政治的背景があってやってる人はいないよ。
だから、何もかもが新鮮だったね。

選挙が終わって一ヶ月後に、自覚したんだ。
ぼくたちが市議会に当選したのは、嵐がおきたからだって。
※ Karl Sigurosson
Chairman of the City of Reykjavik,
Best Party
レイキャビク市議長
ベストパーティ


23:25~

みんなの不満が高じて、民主主義のための団体『ALDA』が作られたんだ。

2008年の、経済危機のときの新政権が、システムを変えていかないことに、ものすごく失望した人たちがいてね、僕も含めてね。

新政権は、IMF(国際通貨基金)の言うことに従って「再調整」し、「再構築」し、そして、以前と全く同じシステムを「再制定」したにすぎなかったからね。

それは、多くの国民が、新政権が、経済的・政治的改革をしてくれるだろう、もっと民意が反映されるようになるだろうと期待してたんだけど、何一つ変わらなかった。

どうすれば僕たちの社会を、もっと民主的にできるのか、観念的なものに留まらない、実践的な民主主義の方法を、見つけ出そうよってことになって、
国際的な視野を持った人たちが、集結して立ち上げたのが『ALDA』。

僕たちには、この実社会で試されたことがある実例が、必要だった。

憲法制定会議を設けるというのは、2009年の「鍋とフライパン革命」要求項目の1つだったから、
『ALDA』はまず、憲法制定会議、あるいは評議会に提案できるグループの立ち上げに、取り組んでいったんだよ。

例えば、選挙で選ばれた議員の中に、一般市民の中から、無作為に抽出した人たちを加えるというのは、『ALDA』のアイデアなんだ。

カナダのブリティッシュ・コロンビア州の「試み」を、導入してみようっていう「試み」さ。
かの州では、一般市民からランダムに抽出した160名が、新しい選挙法を策定していったそうなんだよ。

無作為に選ばれた代表者のほうが、大義と一般市民に忠実だ、という傾向があるんだよね。
特定のグループや、企業の利権のために働くようなことが少ないってこと。
単純に、一般市民なわけだから。

既存の経済システムや政治システムが、どこかしら破綻してるっていう認識は、一般にもかなり浸透してきたと思うよ。

次にやらなくちゃならないのは、フツーの人たちが、社会問題を論ずる場に参加できるような、環境作りをしていくことじゃないかな。
意思決定過程を可視化させるとか、公開討論の場を作るとか、フツーの人たちの考えをシステムに反映させられるような、双方向的なシステムを作るとか。
※ Kristinn Mar Arsalsson
The Democracy Group ALDA


26:33~

本物の民主主義っていうのは、毎月国民投票をするとか、かかる問題について賛成か反対か表明するとか、そういうことじゃないんだよ。
そういうふうにだけやっていくと、民主主義システムそのものが、とんでもなく危険なものになってしまう。

フツーの人たちは、問題の本質は何なのかとか、どこがポイントになるのかとかを確認するっていう、ある意味面倒くさいことをやらなくてもいいから、
テレビや新聞なんかを見て、賛成するか反対するかだけになっちゃう。
今までそうだったよね。

ボクたち「Citizen's Foundation Iceland」は、非営利団体で、目標とするところは、フツーの人たちと政治家をつないでいくってことなんだ。
フツーの人たち、一般市民の言うことを、政治家に聞いてもらうようにするんだよ。

先のレイキャビク地方選挙では、ボクたちは、ウェブサイト「Better Reykjavik」を立ち上げたんだけど、これは成功だったね。
ウェブサイト「Better Reykjavik」には、たくさんの人が参加してくれたし、ボクたち自身も新しい政党を立ち上げたし、
問題の核心を見極めたうえで、誰に投票すべきかを決める一助にもなったからね。

ボクたちの活動の中で特筆すべきは、今まで政治問題というと、複雑すぎて何が何だか理解できないって言われていたところを、
フツーの人たちの生活感覚で、伝えているってところだと思うんだ。

選挙は4年に1回あるけど、それはまあ裏を返せば、ボクたちは4年に1回を除いては、何の意見も言えないってことでもあった。
そうじゃないんだよ。
フツーの人たちが問題をシェアして、解決できるシステムがあって、それがちゃんと機能していて、大勢の人が問題解決に取り組んでいるなら、
大衆(フツーの人たち)よりうまく問題を解決できる個人(政治家)、なんていないんだよ。

知恵は、大衆(フツーの人たち)に備わっているんだ。
フツーの人たちが、積極的に政策決定に参加できる、そうするために、何が問題の核心なのかを理解できる、そんなシステムが必要なんだ。
フツーの人たち自身の生活に、関わってくる問題っていうのはつまり、社会全体の問題ってことだからね。

政策を決定していくためには、話し合う必要があるよね。
優先順位は間違ってないよねって確認しながら。
もしどこか間違っていたとしたら、また話し合いで解決するのさ。
そして、政策を実行するためには、行動計画も必要になってくる。
そこでまた話し合って、調整して、何かしら支障があったらまた話し合って、誰しもが納得するような行動計画にしていくってわけさ。

まあ、現実的には、8割9割の人が賛成する行動計画が作られたのだったら、それはボクたち「Citizens Foundation」の目標が達成されたってことになるね。
※ Gunnar Grimsson
Citizens Foundation
 

30:12~

アイスランドの現行憲法は、デンマークの憲法なんだ。
アイスランドが、共和国として独立したとき(1944年)に与えられた、デンマークの古い憲法なんだよ。
ボクたちにとっては、あくまで一時的な憲法であるはずなんだ。

Constitutional Societyの基本概念は、政府を支配するとかじゃなくて、ボクたち自身の憲法を書きあげていこうとするものなんだ。
この分野は、政治家と学者の専売特許だったからね。

Constitutional Societyは、特定の政治的立場をとらないってことで、早くに一致してね。
だから、(憲法改正について)この修正はOKとか、これはダメとか、意見することはしないんだ。
ボクたちはただ、国民が、憲法について話し合うようになることを望んだわけだけど、これはホントに賢い選択だったと思うよ。

憲法についての意見は、絶え間なくあるんだけど、支配者っていうのは、憲法改正をやりたがらないものだからね。
正しい方向へ向けて、少しだけ背中を押してあげることが求められているのさ。
ボクたちはとても丁重な態度で、ボクたちの方法を押し進めていったんだ。

憲法は、アイスランドの一般市民が作ることになるだろうね。
主権は一般市民にあるんだから、適切ではない憲法があるなら、それはハッキリさせたほうがいいんだよ。
こういった(憲法改正の)プロセスすべてに参加するチャンスが市民に与えられると、降ってわいたみたいに、何千ものコメントが寄せられるようになったんだ。

もちろん、一般市民が興味を示してくれたってことも素晴らしいんだけど、
憲法改正すべき点について、委員会が、市民の意見を真面目に聞くようになったってところも、とても良かったと思うよ。
意見を出す、それに答えるっていうやりとりを見ていくのは、とても喜ばしいことだよね。
※ Dadi Ingolfsson
The Constitutional Siciety
 

32:11~

★Constitutional Council という市民団体で、私たちは、育ちや視点が全く違う人たちと、討論を重ねることにしたの。
人によって、モノの見方ってホントに違うのよね。

解決策は、多数決では決めないことにしたの。
少数派の人たちの意見をきいていったの。
討論に討論を重ねて、フィードバックがあって、矛盾を見つけ出そうとして、
「あなた、さっき言ってたことと相反するわよ」
なんて調子で。

こういうのが、公正な政治なのよ。
平和な社会を欲するなら、あなた自身が変わらなきゃ。
そして、平和に関する問題に、取り組んでいかなきゃ。

すべての抗議に対して、それをリスペクトしつつ、取り組んでいく方法を模索しなくちゃならないの。
反対意見を排除するような人のレベルに落ちないでね。

最初はとても難しかったわ。
私たちは、知識も考えもまとまっていなくて、それらを1つのラインに沿って整理していくなんて、
「何やってるのか分らないわ」って言いながらの作業だったわ。

でも、今は違うの。
私たちは今、フツーの人たちを信頼できているの。

突然、何千もの人たちが、憲法を書くようになったのよ。
それは良いことだった言えるわよね。

私自身は、人権、天然資源、自然権、環境保護 が専門なの。
最も興味をもっている得意分野は、人権と環境保護に関する法律。

私たちは、自然保護に向けて、先進的で抜本的な立場をとろうとしているのよ。
ご存知かしら、アイスランドの美しい自然は、アイスランドのエネルギーに狙いをつけたアメリカの、大きなアルミ会社に破壊され続けていたの。
アイスランドの高原が犠牲にされるなんて、恐ろしい話だわ。
自然そのものが持つ、「自然権」を守ろうとする目的においては、とても根本的なところを押さえている、ボリビアとエクアドルの憲法を参考にしているの。

人間がどのようにして自然を利用するかではなくて、なぜ自然が守られなければならないのかについて、踏み込んでいるの。
そこには、人間が自然から利益を得ようなんて発想がないのよ。

だから、アイスランドの憲法に、『自然は特別な権利を有している、自然は全ての命の源である』って掲げたの。
※ Katrin Oddsdottir
Member of The Constitutional Council,
Lawyer
 

34:34~

★The Constitutional Councilの2番目のグループは、国会、大臣、裁判官といった、システムそのものについて話し合っていったんだ。

国会の権限を増強しよう、大臣や裁判官からもっと独立させよう、としたんだ。
大臣が、裁判官の人選を行っていたから、つながりを断ち切ろうとしたんだよ。
これからは、国会が、裁判官の人選から任命するところまでを、受け持つことになるだろうね。

ボクが参加していた3番目のグループは、選挙の方法、民主主義と外交問題についてをテーマとしていてね。
一番の目玉は、選挙方法についてなんだ。

アイスランドには政党があって、有権者もいるけど、政党にも立候補者にも、何も意見できないんだよ。

政党は、お品書きを手渡すだけ。
美味いか不味いか、いちかばちかのお品書きさ。
そして有権者はみんな、好みの前菜を選ぶことくらいしか、許されていないんだ。

政党も立候補者も選べますよって言われても、裏を返せば、それが選挙(という民主主義システム)の限界でもあるんだ。
※ Lyour Arnason
Member of The Constitutional Council,
Physician,
Movie Maker
  

36:18~

★新しい憲法に提案したのは、国会を通った法律に対して、有権者の10%がノーと言えば、国民投票にかけるという法律なの。
誰しもが、そうなることを望んでいたわ。

次に、有権者の2%の同意があれば、国会に、議案を提出することができるの。
例えばあなたが、動物の権利について審議して欲しければ、有権者の2%の同意があれば、国会では、それを審議しなければならないの。

主権在民/国民主権なわけだから、私たちは、権力を、市民の手に戻そうと努力しているのよ。

モンテスキューの三権分立、いわゆる司法・立法・行政について取り組んだところが、一番の山場だったわ。
富の力をどうするかを考えなきゃならないってことに、とてもたくさんの人が気づいていたの。
例えば、富の力は、メディアを通して、影響力を発揮するわよね。
富の力がどんなふうに、公的な力に作用していくのかについて検証していったわ。
そして、政党は、一定額以上のお金を受け取ってはいけないという条項を付け加えて、誰が誰にお金を渡したのかが、分るようにしていったのよ。

メディアに関しては、メディアのオーナーは、(権力から)独立していなくてはならないし、ガラス張りでなければならないわ。
以前のように、大金持ちが、こっそりメディアを所有して、自分たちの利益代表者が、最も人気があるように見せかけるなんてこと、できなくなったのよ。

このつづきはまた、わたし自身で書き起こしてみようと思います。時間と体力の余裕ができるまで待ってください。

復活中のひとりごと

2015年10月28日 | ひとりごと
採用が本決まりになった後も、なんやかんやと待たされて、一昨日の月曜日がようやく晴れの初出勤となった次男くん。
宿題に出されていた、90秒にまとめた自分自身の紹介ビデオをカバンに入れて、颯爽と出かけて行った。
ほんとのほんとに就職できたんだ。
そうしみじみと思いながら、夫とわたしはその日一日中、なんとなく落ち着かなくて、大丈夫かなあ、いや、多分大丈夫だろうと、考えても仕方がないことを口にしては苦笑い。

帰ってきた次男くんは、このまま金星にでも飛んで行きそうなぐらいに興奮していて、残業してたのは自分だけで、会社には誰も居なかったからと、会社の様子をビデオに撮ったものを見せてくれた。
いやあ、実に広々として、自由で、創造に携わる仕事にふさわしい、アイディアにあふれている場所で、眺めているだけで楽しくなるような空間だった。
ほんとに良かったね。
何度も悩んで、悔しい思いもして、自分で自分を鼓舞したり慰めたり叱咤激励したりして、それでもきっとと信じてきた27才。
その様子を、すぐそばで見守ることしかできなくて…ごめんね。
最初の3ヶ月をなんとか乗り越えることができたら、また次の3ヶ月。
君なら大丈夫と、わたしたちはとても安心している。


起きているだけで辛くて、外には一歩も出なかった週末が明け、昨日は伴奏バイトの楽譜を取りに、高校に行ってきた。
その帰りに、たまりにたまった用事をひとつずつ済ませようと車を走らせていたら、町の木々がすっかり紅葉していることに気がついた。
カメラを持たずに出たので、だから画像はあまりくっきりしないけれども、曇り空の紅葉を携帯のカメラで撮っておくことにした。

 











 



体調を崩して行けなかった月曜日の整骨治療、珍しく雨降りになった水曜日の今日、その第3回目を受けに行った。
何やら、循環が変化してきているので、あちこちにその影響が出ているらしい。
整骨の前に、背中をマッサージしてくれるのだけれども、それがどこもかしこも痛いのなんの。
うつ伏せになったわたしが、痛たたたた!と言っても、くぅ~っと言っても、プロレスラーのようにマットをダンダンと叩いてギブアップの仕草をしても、
マッサージをしている青年は、ただただ無言、思いっきりの無視なのである。
さすがチャイナタウン。ここはもうアメリカなんかではないのだ。同情や優しい言葉を期待してはいけないのだ。
そして今日は、足の歪みも調整してもらった。
同じく肉揉みは痛かったけれど、もう何も言わないことにした。
それにしても、わたしのこのぶっとい足を持ち上げて、ぶらぶらと揺らす役は、さぞかし大変だろうと思う。
今日も何度も何度も、「リラックスして」「私を信じて」と言われてしまった。
ヨガのクラスの最後に、マットの上でシャバーサナ『しかばねのポーズ』をしている時に、「あなたはちゃんとリラックスができてない」と言われてびっくりしたことがある。
本人は、思いっきりリラックスしているつもりだったのだから。
これでリラックスできてないんだったら、いったいどうやったらリラックスできてるってことになるん?などと、グズグズ思ったりした。
もしかしたら、あれからもう何年も経っているのに、わたしは未だにリラックスすることができないのかもしれない…とほほ。

その点、この方たちのリラックスっぷりといったらもう、天然&天才!


ラブラブ❤️


珍しくちょっとやる気ポーズの海ちゃん。




これなら、もしかしたらあの、『安倍政治を許さない』と組み合わせられるかな?ななちゃんみたいに。

岩上さん、田中さん、マコさんに、応援するぞ!の気持ちとお金を寄付をしよう!

2015年10月27日 | 日本とわたし
毎日欠かさず参考にさせていただいている記者さんたちの記事。
大手の新聞社、そしてNHKに失望してからは、独立メディアの記者さんたちの渾身の取材を元に、いろいろ学ばせていただいています。

実はずっとずっと、このことについて書きたかったのですが、きっとわたしと同じような思いを持つ人が増えてくるはずだと、楽観していたこともあり、
あえて取り上げて書かずにいたのですが、いよいよ大変なことになっている様子を聞き、これ以上黙っていることができなくなりました。

田中龍作さんも岩上安身さんも、私財をなげうってまでして、スタッフと共に現場に駆けつけ、わたしたちが知るべき真実を取材し続けてくださっています。 
昨日の記事のマコさんとケンさんは、本業があるにもかかわらず、精力的な取材や会議への出席を続け、さらに大学での学びも加えられました。
このことに有するエネルギー、時間、そして費用は、わたしのような者が想像するだけでも、とてつもなく大きなものであろうと思います。

今、日本は、小さな町や村の中にまで、何かしら窮屈な空気が蔓延し始めています。
昨日の記事にも書きましたが、小学生が書いた作文にまで、政権批判が含まれているからと、書き直しが命じられ、
命じられた小学生は、周りの人に迷惑がかかるといけないと、当たり障りのない内容に変え、自分の考えを入れない文章に書き直したそうです。

自分の考えを入れない。
自分の考えを言わない。

この考え方、感じ方は、どんな小さな物事においても、とても恐ろしい、危険なものです。
誰かの考えを読んで、聞いて、異議を唱えるということは、そこに議論につながる対話が存在するなら全く問題はありません。
けれども、たった一人の、あるいは数人の人間から、内容に「政権批判がある」という指摘があっただけで、
その指摘を受けた人や学校や会社や店が、その作品や文章や態度と『政権批判』の関係を熟考もせず、作者や発言者ときちんと話し合うこともなく、
条件反射的に、ああそうですねとばかりに、書き直しや撤去や入館拒否や削除を要請するという幼稚さと浅はかさを、
わたしたちは、またか、というふうに聞き流していてはいけないと思います。
こんなことの繰り返しが、恐ろしい独裁の成長を促してしまうのです。

政権を監視し、物言うことは、わたしたち主権者の仕事です。
こんなつまらない圧力などに、怯んでいる場合ではありません。
反撃を開始しなければなりません。

政治的中立という言葉は、政権に批判的な意見を、公の場から排除するために、もっぱら用いられます。
騙されないようにしましょう。

政治的中立とは、政権から距離を保つことであって、政権の意向を慮ることではありません。
萎縮しないようにしましょう。

政治的中立とは、自主規制、黙ること黙らせることではなく、政権から距離をとって、独立して思考・行動することです。
わたしたち市民の仕事は、自分の思いを書き、声に出し、伝えていくことです。


そのわたしたちの大きな助けをしてくださっている、独立メディアの方々の、大変に困難な経済状況を支えることも、わたしたち市民の仕事だと思います。


▪️田中龍作さん


独裁に抗するには、真実を明らかにしていく他ありません。
真実を見届けるため、現場にいくには、想像以上に費用がかかります。
田中龍作の取材活動に、何卒お力を貸してください。
1円からでも10円からでも、有難く頂戴致します。

↓その田中さんの記事です。
「アメリカ強欲資本」に吸い取られる日本国民の老後
http://tanakaryusaku.jp/2015/10/00012241


ずさんで悪質な年金運用を厳しく追及する山井和則議員。=21日、衆院会館 写真;筆者=

「もう老後はない。30年間掛けてきた年金は、米金融資本に捧げたんだろうか?」

厚労省の答弁を聞くと、誰しもが思うだろう。

きょう、国会内で、民主党が、厚労省と日本年金機構から「消えた年金」について、ヒアリングした。

老後を支える公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が、大きな運用損を出しているのではないか、と巷間言われてきた。

きょうのヒアリングで、厚労省年金局の担当者は、10兆円の運用損(7~9月期)を出したことを認めた


厚労省年金局の官僚は「10兆円の運用損失」について答弁すると、苦悶の表情を浮かべた。
そして、気を失ったように、しばらく机にうつ伏した。=21日、衆院会館 写真;筆者=


ところが、厚労省(塩崎恭也厚労相)は、これを奇貨として、国民の老後を米金融資本に捧げる道に踏み出した

利回りの高い、海外の『低格付け債』への投資を始めるというのだ。

『海外の低格付け債』は「ジャンク(がらくた)債」と呼ばれ、将来、デフォルト(債務不履行)となる危険性がある

虎の子の年金が、掛け捨てとなる恐れがあるのだ。
このため、投資不適格とされてきた

山井和則議員が、
「これまで年金積立金は、ジャンク債に投資してこなかったが…」と質した。

厚労官僚からは、ア然とした答弁が返ってきた。
「これまで、投資不適格なものには制限をかけてきたが、制限を外したうえで柔軟に運用してもらうと言うのだ。
ものは言いようというが、限度がある。

ハイリスク、ハイリターンを狙おうというのだろうが、投資(年金)が返って来なくなったら、どうするつもりなのだろうか?


「強欲ゴールドマン・サックス(GS)は諸悪の根源だ」。
人々は、プラカードを掲げて、GS本社にデモをかけた。=2011年、ウォール街 写真:筆者=


海外の、低格付け債権の運用を任せる受託機関の一覧表を見て、納得がいった。
ゴールドマン・サックスがあるのだ。

ゴールドマン・サックスは、99%の人々の資産を搾り取る、米強欲資本の総本山とも言える。

2011年には、ウォール街の公園を占拠(オキュパイ)していた人々が、ゴールドマン・サックス本社にデモをかけた。
玄関前に座り込んだデモ参加者は、ほぼ全員が、NY市警に逮捕された

ゴールドマン・サックスに代表される米金融資本が、TPPで本当に狙うのは、日本国民の個人資産(簡保と年金)だ。
農産物ではない

簡保は医療の自由化により、いずれ彼らの手におちる。
年金もセッティングされた。


↑以上、転載おわり


▪️岩上安身さん(率いるIWJさん)
毎日欠かさず、これは絶対に1日では読みきれない!と根を上げるほどの、すごい量の情報が満載のメールが送られてきます。
そのメールの中に、悲痛な叫びが繰り返されるようになりました。
現在、大変な危機を抱えているからです。
詳しい事情をここに転載させていたきますので、どうか、どうか、支援や応援をお願いします。

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

おはようございます。
IWJの原です。

連日ご案内をさせていただいていますが、IWJは、8月に新しい期が始まって早々、赤字に転落してしまいました。

安保法制や改正派遣法、マイナンバー法など、今国会では、重要法案が山ほど上程され、次々と強行可決。
TPPは、「大筋合意したした」との発表と、御用報道。
IWJは、それらのテーマについて、NHKを筆頭とする大政翼賛メディアとは一線を画して、全力で真実のみを報じてきました
その努力を認めていただけたのか、会員数も5700人と、一時は過去最高に到達しました。

慢性的に人員不足だったスタッフ数も増やし、報道量も増やしたのですが、
やはり人件費の増大や、活動が増えた分の諸経費、そして、買い増しした機材費が重くのしかかり、
結果、今期、赤字のスタートとなってしまったのです。

それでも、まだまだ報じなければならないことがたくさんあるんだけどなぁ…と、忸怩たる思いがあります。
このままでは、せっかくIWJに入ってもらい、仕事を覚えてもらったのに、スタッフ数の削減も検討しなければならず…となれば、もう一段、報道量を下げなければなりません

お願いします! 

最低でも、今の報道量、配信規模をキープさせてください! 
どうか、まだ、無料サポーターのままの方は、IWJの定額会員にご登録いただき、IWJの取材活動をご支援ください!
会員登録したけど、会費の支払いをお忘れの方、思い出して、ぜひ、ご納付して、会員として視聴・購読を再開してください!

ご提案があります!

月払いですと、どうしても会費を納め忘れる、ということがありえます。
そこで、年払いにしていただけましたら、会費は2ヶ月分もおトクになりますし、毎月のお振込の手間も振り込み手数料もかからなくなります!
我々からしても、IWJの経営が安定してきますので、とても助かります!

また、口座自動お引き落としのお手続きも、ぜひ、お勧めします!
最初の頃は、そうした手続きを認めてくれなかった金融機関も、IWJの社歴が一年、一年積み重なり、認めてくれるところが増えてきました

小さな会社が起業して、金融機関の目から見て信用力のないところから、信用を獲得してお取引を拡大していくというのは、並々ならぬ努力と辛抱、苦労が必要です。
ここまでお取り扱い機関を増やすまでに、経営者の岩上さんと担当スタッフは、大変な苦労をしてきました
ぜひ、ご利用いただけると、その苦労も報われます!
よろしくお願いします!

なお、一般会員の方は、これを機に、ぜひともサポート会員に切り替えをご検討いただけますよう、よろしくお願いします!
アーカイブの検索システムの再構築、リフォームもコツコツ手がけており、今期中には、随分、使い勝手が良くなるはずです。
言い換えると、IWJの限られたリソース(人材、資金)を、一般的には目に見えにくい、このアーカイブのシステムの改良に注ぎ込んでいるのです。

このアーカイブを使う資格があるのは、サポート会員の皆様です!
せっかくアーカイブの使い勝手を良くしても、サポート会員の皆様が増えて実感していただけないともったいない限りです!
ぜひ、サポート会員に、思いきってお切り替えください!


※ IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php


腰の引けた既存大手メディアとは、一線を画したIWJを、どうかよろしくお願いいたします! 
また、現状の8月の赤字、予想される9月の赤字分は、皆様にお助けいただけるよう、緊急のご寄付・カンパをお願いをさせていただきたいと存じます!

「この夏から秋にかけて、そういえば、IWJは頑張っていたよなあ」とお感じになった方々は、
ぜひ、このピンチに、救援のカンパをお寄せいただければと思います!

どうかよろしくお願いします!

これから年に一回の大イベント、饗宴のシーズンであり、すでに準備に入っています。
スタッフは増えたとはいえ、もうみんなフル回転です!
人員削減なんて考えられない、考えたくもない状態!
ぜひ、お力添えください!


※ カンパもお願いしています!
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 また、日刊ガイドをご覧いただいているサポーターのみなさんの中にも、「IWJ会員になりたいけど、会員申込の仕方がわからない…」という方がいらっしゃると思います! 「やってみたけど、うまく登録できなかった…」という方も。その場合、IWJスタッフが丁寧にご説明いたしますので、遠慮なくお問い合わせください!

※ お問い合わせはこちら!
office@iwj.co.jp


■ IWJの頼みの綱、「TVUパック」の維持費にご協力ください

また、IWJのUstream中継は、テレビなどの回線とは違い、微弱な電波をポケットWi-fiでキャッチして行っているため、
現場の電波状況によっては、映像や音声が途中で途切れてしまい、ご視聴中の皆様にご不便をかけてしまうことが多々あります。
以前は、始終、電波が途切れたと、お叱りを受けていたものでした。

そうした電波の問題を解決すべく、僕らは機材を改善し、電波を取るためのテクニックの向上につとめてきましたが、それでも難しい現場があります。
その問題を解決すべく、導入したのが、「TVUパック」という、無線によるポータブルタイプの映像伝送システムです。
このTVUパックを使用すると、微弱な電波しか届かない場所でも、回線を何本も束ねて配信することができます

この機器は、素晴らしい優れものなのですが、国内の業者は製造しておらず、値段が当時、約300万円もして
経営者の岩上さんは、「清水の舞台から飛び降りるような覚悟」で決断して、導入した経緯があります。

このTVUパックのソフトウェアと、回線の更新期限が迫っているのですが、
これから先、2年間にわたり新たに使用するには、ソフトウェアの更新と回線契約料、およびメンテナンス費として、合計198万円が必要なのです!。
僕のような人間には、一生かかっても貯金できないであろう大金であり、もちろん、現在のIWJの赤字財政状況からしても「超」がつく大金です! 

一時は、「もうTVUパックパックの更新、諦めるしかないのか、こいつに随分助けられてきたのになぁ」と、僕などは諦めモードでしょぼくれていました。

が、この数日、皆さんからご寄付・カンパが寄せられ始め、おかげでさまで、ひょっとしたら続けられるかも?? と、少し明るい兆しが見えてきました
もちろん、まだまだ希望額には届きませんが、どうか引き続き、ご支援のカンパをよろしくお願いします!

【TVUパックの写真とカンパのお願いページはこちら!】
http://iwj.co.jp/wj/open/tvu

IWJは、「ニュースの産直メディア」として、デモや抗議行動、院内集会、シンポジウムなどの現場で発せられる市民の声を、
可能な限りダイレクトに、綺麗な映像と音声で中継したい
と考えています。
そのためには、このTVUパックの力がどうしても必要です。

僕も、現場で、何度となく助けられてきました。
特に、原発や米軍基地は、その危険性から過疎地に作られることが多く、ネットの電波もどうしても弱くなりがちです。
IWJがこの先、市民の声を中継・配信していくためには、しっかりとした財政的基盤が必要です。
どうか、IWJの定額会員にご登録いただき、私たちの取材活動をお支えください!

※ 会員登録はこちら!
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※ ご寄付・カンパもどうぞお願いいたします!
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▪️おしどりマコさん

ご祝儀口座を作ってみました☆

*ゆうちょ銀行
〈郵便局からの場合〉
記号:10160
番号:14850881

〈銀行からの場合〉
店名:ゼロイチハチ
店番:018

*普通預金
口座番号:1485088
口座名:おしどり


全国からのタニマチのご祝儀をお待ちしております(^^)
そして、お名前とご住所も、教えて頂けると嬉しいです。
こちらにお願いいたします↓
oshidori-goyoyaku☆hotmail.co.jp
(☆を@に変えてコピー&ペーストでお使いください)

オニのカクラン

2015年10月26日 | ひとりごと
鬼のカクラァ~ン!
風邪ひいた…。
というか、風邪だったと思う。



土曜日の明け方に、いきなり目が覚めた。
喉と鼻の奥が焼けるように痛くて、息をするのにも難儀した。

まだ真っ暗な中、トホホ~とよたよたしながら洗面所まで行き、とりあえず喉につっかえてる痰を吐き出してみると、

真っ赤っか…。

こんな急に、なんでやね~ん!



生徒がひとりだけ来る予定になってたので、ひとまずゾンビ状態から人間に戻れるよう、必死になってあれこれやってみた。

金曜日の夕方から、左肩の肩甲骨辺りが痛んで痛んで、じっとしていても動いていても、マッサージしてもツボ押ししても、痛いったらありゃしない。
だから夫に、鍼を打ってもらって寝た。
そして起きたらこの始末。
今度は、風邪をこじらせないための鍼を、追加で打ってもらった。

つい先日、いや、もしかしたら金曜日だったか、夫とふたりでランチを食べている時に、
「あのさ~、わたしって風邪ひかんようになったと思わん?なんかいろいろ気をつけてるから強なったんかな」
なんて言ってたのに…。

意地でも寝込んでたまるかと、とりあえず起きて、空ちゃん海ちゃんと一緒に過ごした。


まんまる目玉の空ちゃん。




カメラを向けるとむっつりするか、寝たふりする海ちゃん。





さて、1ヶ月の整骨体験が始まってから、2週間が過ぎた。
最初の治療が終わった時、豆とナッツと卵とコーヒー、それから辛いもの酸っぱいものを食べてはいけないと言われ、ひぇ~っと叫んだのも束の間、
へバーデン結節の治療では評判が高い先生から、今度は甘いもの(フルーツを含む)、カフェイン、お酒を断つよう言われてしまった…。

思いっきり食欲が失せ、楽しみも無くなり、かなり暗かったのだろう…。
夫がいきなり、こんなご馳走を作ってくれた。

ビーツとカリフラワーの素焼き。ビーツの甘さが心にしみる…。


んでもって、ピリピリしないカレー。



土曜と日曜は、だからもう、これでもかというほどダラダラ過ごした。
読むために残してある記事がどんどんたまってきたけれど、読むことすらしんどくて、とてもではないが記事を書いたりなどできなかった。
いろんなことを知らせたい、覚えたい、学びたいと、ついつい焦ってしまうので、ここはもう腹を決めて休むことにした。

今日はおかげさまで、ぼちぼち復活。
ものすご~く良いお天気で、夫は何度も外に出たらと誘ってきたけれど、やっぱりまだそこまでには至っていない。



でも、寝汗をかいたので、シーツや枕カバー、布団カバーを洗い、そして2階と1階に掃除機をかけた。
多分明日からはもっと元気。

小学生の卒業文集にまで『自主規制』?政治的中立の曲解や自主規制を押し付ける奴らなんかに負けるもんか!

2015年10月25日 | 日本とわたし
おしどりマコさんが学んでいる放送大学。
つい先日、単位認定試験において、『日本美術史』の試験文章の一部が「現政権への批判を含む」として、大学側が担当教官の同意もなく、5行を削除した、という問題が発生しました。
そのことについて、おしどりマコさんが、詳しく取材をしてくださいました。
もし、マコさんが学生でなかったら、この件についてここまで詳しく知ることはできなかったと思います。
ありがとうございます、マコさん!


放送大学:政権批判を自主規制① 「政治的中立とは、政権から距離を保つこと」
http://oshidori-makoken.com/?p=1762

3行まとめ

・放送大学が、単位認定試験において、「日本美術史」の試験文章が一部「現政権への批判を含む」とし、大学側が担当教官の同意なく5行を削除した。

・放送大学側は、「放送法に抵触する」ことが理由と説明していたが、放送大学側の措置こそ、学問の自由、検閲の禁止の憲法には抵触しないのか
(筆者は放送大学に在籍しているため、学生番号を書き、放送大学学長にこの内容を質問状を速達で郵送した。)

・文章を削除された東京大学、佐藤康宏教授に取材をした後、放送大学学長の説明が公表されたが、佐藤教授に取材した事実と異なっていた
(放送大学側の佐藤教授への説明・措置について、発表された文章は疑義がある。
佐藤教授に、大学側からのメール、FAXの日付を確認させて頂いた)



放送大学:政権批判を自主規制② 筆者(まうみ注・おしどりマコさん)が学長に出した速達
http://oshidori-makoken.com/?p=1768

岡部洋一放送大学学長さま

お忙しいところ、突然の手紙を失礼いたします。

おしどりマコ(吉岡雅子)と申します。
よしもと所属の芸人ですが、2011年3月以降、原発事故の取材を始め、現在はフォトジャーナリズム誌DAYS JAPANの編集委員などもやっております。
原発事故以降、自分の不勉強さを痛感し、今年度から放送大学に入り、統計学、行政法、環境法、市民自治などを履修しております。
学生番号は○○○です。
現場だけでなく様々な事象、学問を学ぶ重要さを痛感しております。

岡部学長、このたびの、日本美術史の試験問題で、現政権の批判を含むとして問題文の一部を削除した大学側の措置について、ご説明をして頂けないでしょうか。

新聞記事には、「放送大学は一般の大学と違い、放送法を順守する義務がある。…今回は放送法に照らし公平さを欠くと判断して削除した」とありますが、
憲法23条学問の自由、憲法21条言論の自由と検閲の禁止に抵触するのではないでしょうか。

学問的な議論の中に、政権批判が含まれることもあります。
それは、現政権でも過去の政権でも同様に、議論対象になるものだと思います。
それを放送法を理由に削除、というのは、理解できないのです。

政治学の中で、現政権を批判することを規制すれば、学問的な議論はできないでしょう。
しかし、それは政治学に限らず、どの学問も同様だと思います。
日本美術史の中に、国策に沿うものがあり、それを現在と照らし合わせ評価することも、歴史を学ぶ意義だと考えます。
そして、その研究者の見識が正しいのか正しくないのか、それを判断することも、学ぶ意義だと思います。
原発事故後の取材を通して知ったことは、様々な研究者の見識・真逆の意見がある事象、現在進行形・議論対象の事象に、
一方的な見解を上から押し付けることこそが、状態を悪化させる圧力だということです。

申し訳ありませんが、全ての研究者がみな、正しい見識をお持ちだとは思いません。
我々学生は、判断する自由、学ぶ自由、そして責任があると思います。
それを、大学側が、一方的な判断で文章を削除するというのは、その自由を奪うことにつながります。

私は、今年度から放送大学で学び、そしてそれを、取材など自分の仕事に反映することに意欲を持っておりました。
そして、放送大学で学ぶことに誇りを持ち、周囲にも、この大学で働きながら学ぶことを勧めておりました。
しかし、今回の放送大学の対応は、このような大学ではとても学ぶことなどできない、と思わせるものでした。

記事には副学長のコメントしかありませんでしたので、岡部学長のご説明、大学側としての正式なご説明を要望いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2015年10月21日

岡部洋一放送大学学長

おしどりマコ(吉岡雅子)

DAYS JAPAN http://www.daysjapan.net/
おしどり http://oshidori-makoken.com/

【学生番号】 筆者の署名
【学生番号】 ケンパルの署名「この内容に同意いたします」




放送大学:政権批判を自主規制③ 学長説明は不誠実、副学長は一億総活躍国民会議構成員
http://oshidori-makoken.com/?p=1766

3行まとめ

・10月23日、放送大学、岡部洋一学長が、文章削除に関する経緯の説明を公表。

・東京大学、佐藤康宏教授は、その説明には同意できない、とのこと。

・試験問題を採用したあと、政権批判を含む、と一方的に「不適切なため」削除の通告をした宮本みち子副学長は、一億総活躍国民会議の有識者構成員に選ばれていた




主任講師であり、試験問題を作成した東京大学・佐藤康宏教授の同意を得ずに、削除された文章部分


この文章の後、美術史の中で、戦争と芸術家についての例が挙げられている。

村山知義、柳瀬正夢、小林多喜二、津田青楓、藤田嗣治、国芳康雄、松本竣介などについての解説があり、
文章の中のいくつかの人名に下線がひかれ、そのうち誤っているものを選択する設問であった。






放送大学の来生新(きすぎ・しん)副学長のコメントは下記である。


http://mainichi.jp/select/news/20151020k0000m040166000c.html


しかし、朝日新聞の報道によると、放送法を所管する総務省は「法に触れない」との立場で、「過剰な規制」と指摘しているという。

放送大学、政権批判の問題文削除 作問者「過剰な規制」
2015年10月21日

単位認定試験の問題に、安倍政権を批判した文章が含まれたのは不適切だったとして、
放送大学が、学内サイトに掲載する際に、該当部分を削除していた。
大学側は、「放送法により、政治的に公平でなければならない」と説明する。
だが、総務省は「法に触れない」との立場で、作問した教授も「過剰な規制」と指摘する。

http://digital.asahi.com/articles/ASHBN3S91HBNUTIL01D.html?rm=637

(この放送法に抵触するかどうかについての部分は、放送大学と総務省に、筆者も取材を継続している)

放送大学の講義は、TV放送、ラジオ放送をしているが、試験問題は学生に紙で配布され、回収される。
そして、その後、放送大学のサイトで、試験問題と回答が掲載されるが、これは放送大学の学生しか閲覧できない。

このような性質の試験問題にまで、果たして放送法が適用されるのであろうか??


放送法第4条とは

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html


しかし、日本国憲法には、学問の自由言論の自由を保証し、検閲の禁止も書かれている。

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
第二十三条  学問の自由は、これを保障する。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html


佐藤教授の思い

戦争に翻弄された芸術家の歴史を、いまいちど、自分自身の問題としてとらえてほしいという学生への想いを伝えるために、再放送している講義ではなく、試験問題の文章に盛り込んだ。

政治的中立とは、政権から距離を保つことであって、政権の意向を慮ることではない。

政治的中立とは、自主規制、黙ること黙らせることではなく、政権から距離をとって、独立して思考・行動することである。




放送大学のサイト上に掲載された、岡部洋一学長の説明文

単位認定試験問題に関する件について
2015年10月23日・放送大学長

放送大学は、誰もが学べる大学として、昭和58年に設置以来、皆様の身近な放送による通信制大学として、
テレビ、ラジオ、インターネットを通じた教育の充実に努めてきました。
本学としては、科目を担当する教員の、学問の自由を基本に、大学運営に取り組んでまいりました。

このたび、平成27年度第1学期単位認定試験の、「日本美術史(’14)」 試験問題を、本学学生のみが閲覧できるキャンパスネットワークホームページ に公表するに際して、
本学がその一部を削除したことに関連して、担当の客員教授が辞任した経緯を取り上げる、各種報道がありました。
本学がこのような措置を講じるに至った経緯につき、本学学生や本学の教育に関心をお持ちの皆様に、その趣旨が十分に説明できておらず、
ご心配をいただいていると思いますので、改めて、ここにご説明したいと考えます。

放送大学の授業は、主として、放送授業と面接授業で構成されています。
このうち放送授業は、放送による授業と、印刷教材の併用により学習し、
単位認定試験に合格することによって、所定の単位を与えることとしております。

放送大学は、大学であると同時に、放送法の適用を受ける放送事業者である、放送大学学園により設置されており、
放送大学が行う放送は、放送法の規制を受け、同法第4条の規定に基づき、
政治的に公平であること、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること等が求められています。

同法の直接の規制を受けるのは、放送大学が行う、放送による授業です。
本学においては、放送による授業と、印刷教材、及び単位認定試験の相互の補完関係、
及び一体性に鑑みて、単位認定試験についても、公平性、公正性の確保が必要、と考えてきました。

平成27年度第1学期単位認定試験において、試験が実施された「日本美術 史(’14)」は、
本学教養学部「人間と文化コース」の専門科目であり、同科目の試験問題は、担当の客員教授が作成し、同コース専任教員による校正を経た上で、出題されています。
今回公表に際し、その一部を削除した問いは、第二次世界大戦の戦前・戦中期の、美術に関する問題でした。
同問題の導入部分において、設問の主旨と直接関係のない、多様な意見が存在する事柄について、担当の客員教授の考えのみが述べられており、
このことについて、本学としては、不適切と考えました。
本学では、試験実施後、キャンパスネットワークホームページに試験問題を公表するに際し、
このよう な本学の考え方を、同教授にお伝えしましたが、残念ながらご理解をいただけず、
本学の責任において、一部削除した上で、公表することとしました。

本学の今回の対応は、単位認定試験問題としての適切性の観点から、講じた措置であります。
放送大学は、学問の自由が基本である大学であり、個々の授業科目の内容について、学問の自由を前提としつつ、公平性、公正性が確保できるよう、努めてきたところです。
また、授業科目の中では、現代社会において、様々な意見が存在する解決困難な課題に関しても、取り扱ってきています。
放送大学が、今後とも、我が国における生涯学習の中核的な大学として、
本学学生や、本学の教育に関心をお持ちの皆様の、ご期待に応えられるよう努めてまいりたいと決意しておりますので、
皆様方のご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。


以上↑の学長説明の中で、佐藤康宏教授が同意できない、としている部分は以下である。



佐藤康宏教授によると

「試験問題の公開に先立って、その訂正を大学から求められたり依頼されたことはありません

受講生の疑義を伝えるメールには、もし訂正などあれば連絡を、という文面でした。

その次は、いきなり一方的に削除を告げる、宮本副学長からの通告です。

大学としては削除の措置に決定したという通知であって、それは理解を求めたといわれても同意できないです。」



試験問題の文章削除の時系列



一方的な「不適切なため削除」の通告を受け、佐藤教授が抗議



宮本みち子副学長から面談の申し入れ



① 学生(一名)の疑義から、採点処理は必要かという事務的なやりとりがあったあと、突然一方的に文章削除の通告

②「不適切なため削除」には納得がいかないと抗議するも、大学側の削除のまま公開される。

③ 試験問題は、放送大学試験委員会委員長宮本みち子氏の名前で了承して使用したにも関わらず

現政権の批判は認められない、放送法第4条に抵触すると宮本みち子副学長から一方的な削除の通告がくる。




ちなみに、この一連の取材の途中の10月21日に、宮本みち子副学長が、

安倍首相が座長の「一億総活躍国民会議」の有識者の構成員
ということが発表された。


佐藤康宏教授の試験文章が、政権礼賛であれば削除対象になっただろうか、という疑問は残る



放送法を所管する総務省は、「放送法には触れない」とコメントしている。

単なる自主規制である。

佐藤教授は、

「今後とも、放送法の過剰解釈によって、教員の『不適切』な言行をいつでも好きなように取り締まる、という宣言ではないでしょうか。

政治的中立という言葉は、政権に批判的な意見を、公の場から排除するために、もっぱら用いられ、
迎合的な立場が、これによって批判されることはまずないと思います」
と語った。

******* ******* *******

この自主規制について、ひとつのエピソードが載せられている。

卒業文集の書き直し

筆者(まうみ注・マコさんはDAYS JAPANの編集委員でもある)は、DAYS JAPAN2月号に、ある小学生の卒業文集用の作文を掲載した。

将来の夢、という題のその作文は、
「国会議員になりたいという夢ができた、それは6年生のときに起きた2つの政策が原因だ」と。

日本が武器を輸出できるようになってしまったことを憂い、その議論があまり国民に知られることがなく閣議決定していたことを驚く。

そして、「一生けん命勉強して、国会議員になって、『平和な国』と永久に誇れる国に変えていきたい」と結ぶ作文である。

しかし、DAYS JAPAN掲載後、筆者のもとに連絡がくる。

この作文は政権批判を含む、として書き直しを命じられたという。

ご両親は小学生を支持したが、小学生は書き直す決断をした。
担任の先生は良い先生なこと、作文を褒めてくれた先生が後で大変なのではないか、など考えたという。

後日、あらためて、小学生からの手紙にはこうあった。
「自分の考えを入れない作文に書き直しました」
卒業文集の作文は、林間学校などの思い出をつづるものになっていた。

小学生の母親はこう話す。

「たかだか小学生の作文に、『政治批判を含む』とはどういうことでしょうか。
大きくなったら安倍総理みたいになりたい、積極的平和のために自衛隊に入りたい、などと書けば、
書き直しは命じられなかったのではないでしょうか」


当該の小学校の教育委員会は、この件を関知していなかった。
小学校内での自主規制であった。


筆者は、教育現場で、政権批判を自主規制する事例を取材したのは、これで2例目である。
政権礼賛を自主規制する事例はあるのだろうか
もし、そういう事例があれば、取材をしてみたいと思う。


ここでもう一度、佐藤教授の試験問題から削除された文章を。


「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」

******* ******* *******


近頃、政権批判を規制する動きが、日本のあちこちで発生しています。
長野市の権堂アーケードの七夕の垂れ幕。
東京都美術館の、安倍政権を批判した作品の撤去。
北海道の高校での、教員の机に置かれた『安倍政治を許さない』のクリアファイル。
そして挙句の果てには、小学生の卒業文集…。

こんな目につくもの以外のあちこちで、いろんな規制や制止が発生しています。

『No.9(憲法九条)』と書かれた小さなタグや缶バッジをつけている市民は、
国会本館や議員会館に入ろうとすると、 警備員らに制止されます。
主義主張が異なる個人の間などでの口論などトラブルを防止する
セキュリティー確保の観点からご協力をいただいている

のだそうです。

なめんなよ!

主義主張が異なったら口論になって、トラブルを起こす?

主義主張が異なるところに議論が生まれるんじゃないんですか?
そうやって、どんどんと考えを出し合って、話し合っていくところに、民主主義が育っていくんじゃないんですか?
それともなに?
わたしたち市民には、そういう能力も知力も無いとでも思ってるんですか?
そんじゃそこらの議員よりも、いや、特に脳みそスッカラカンの誰かさんたちよりも、よっぽどマシな議論ができると思いますよ。

「政治的中立とは、自主規制、黙ること黙らせることではなく、
政権から距離をとって、独立して思考・行動することである」


だから、

「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」
などと言いながら、過去を振り返って後悔しないよう、表現の自由を抑圧し、情報をコントロールしようとする者たちに、断固物申そうではありませんか!

「もうどうしようもないか」という崖っぷちに立っているのは原子力産業!トドメを刺すのはわたしたち!

2015年10月22日 | 日本とわたし
守田さんの講演会が、24日尾道市で、25日広島市で、行われます。
原発が、何事も無かったかのように、ひとつ、またひとつと、再稼働され始めてしまっている今日この頃、
「もうどうしようもないか」と落胆していらっしゃる方、いらっしゃいませんか?
守田さんは、決してそんなことで落胆しなくていいということを、世界の政治・経済の動き、国民の運動などを交えながら話してくださると思います。

元気と希望がふつふつと、心の中にわいてきますよ。
ぜひぜひ、おすすめです!


没落しゆく原子力産業-稼動反対運動と原発災害対策の強化が問われている!
2015年10月22日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/7d1a410718fce6c69a97167b7564322b
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3215fa5a4303c892636ad4a4f6e60066

守田です。
24日土曜日、25日日曜日と、広島県の尾道市、広島市で、連続講演をしてきます。

尾道市での講演のタイトルは「福島原発の今!」
主催は、今回も「フクシマから考える一歩の会」。
もう何回呼んでいただいでしょうか。
今年も、7月後半にも呼んでいただいたのですが、わずか3ヶ月で、またお招きいただきました。
さきほど、主催者の一人の大住元さんが、案内を僕のFacebookのタイムラインにもアップして下さいましたので、引用します。

***

川内原発1号機に続き2号機が、10月15日に稼働されました。
愛媛県伊方原発も、規制委員会の審査を終え、伊方町議会も愛媛県議会も、再稼働賛成の議決をしました。
島根原発についても、同じように、再稼働を目指しています。
「もうどうしようもないか」と落胆するのですが、守田さんは決してそうではないことを、世界の政治・経済の動き、国民の運動から話されます。
福島原発の様子、健康被害の広がり、汚染水や放置されている廃棄物処理、帰還政策などについてもお話いただき、私たちの暮らしをどうするか。
ベトナムやトルコの原発を巡る動きと、戦争法にも触れていただきます。
きっと、希望と勇気をいただけるでしょう。
是非、ご都合付けてご参加ください。

***

そうですね、再稼働が強行された上に、伊方・高浜も続きそうなことが報道されると、
確かに、「もうどうしようもないか」と思えてきます。
しかし、これは、なかなか肝心なところをつかんで報道してくれないマスコミのせいでもあるし、政府による世論操作のせいでもあります。

現実は全く逆です!
「もうどうしようもないか」という、崖っぷちに立っているのは、世界の原子力村の人々であり、原子力産業なのです
尾道市でも広島市でも、これを強調したいです。

端的に言いましょう。
東芝は、粉飾決算問題でガタガタです。
粉飾決算の大元は、原発事業への無理な投資の焦げ付きによる、巨額の赤字
経団連会長を出すなど、日本のリーディングカンパニーだった会社が、崩れ落ちようとしているのです。
これは、相当に深刻な事態です。
東芝の粉飾決算は、2006年に、市場価格3000億円以下だった米ウェスチングハウス社を、なんと6200億円で買い取ったことが原因
リーマンショックを被った2008年に、早くも不正会計を開始しています

もちろん、これを、営業の挽回によって克服しようとしたのですが、あまりに大きな打撃となったのが福島原発事故でした。
理由は、福島原発の2、3、5、6号機が、東芝製の沸騰水型原発であったことにあります。
この時期、東芝は、アメリカに初の原発輸出を行いつつありました
サウステキサスプロジェクトと言う名で、沸騰水型の原子炉2基の建設が進行中でしたが、これがとん挫
共同出資していた東電が、引き上げたこともあって、中止に追い込まれてしまいました
さらに、日本の原発が次々停まってしまい、再稼働ができなくなりました
これらのことにより、東芝には、定期的に入っていた巨額の点検料も入らなくなりました

これに対し東芝経営陣は、現場に、一方的に矛盾を転嫁して、無理な営業目標の達成を強いて凌ごうとしたのですが、
そんなことができるわけもなく、ますます粉飾決算が構造化。
ついに耐えきれなくなった現場からのリークで、事態が露見したのでした。

このようにみてくると、この問題には、原発に入れ込み過ぎた東芝の、大いなる失敗が横たわっていることが分かります。
しかも、あまりに根が深く、健全再建の道が見えないため、すでにメインバンクが見放しつつあると言う情報すらあります
無理な投資を重ねた末に、福島原発事故を起こすことによって、東芝という巨大企業が沈みつつあるのです。

これに対して、もう一つの大きな原発メーカーが、三菱重工です。
加圧水型原発のメーカーです。
東芝製の沸騰水型が信頼を失い、再稼働がおぼつかないことに対し、沸騰水型よりも安全だと宣言して、再稼働に向けて走っています
すでに、強引に動かされた川内原発も、これに続こうとしている伊方、高浜原発も、同じ三菱重工製加圧水型原発です。
さらにもう一つ、僕が反対運動に関わっているトルコにも、三菱重工製の原発が輸出されようとしていますが、
この三菱重工製の原発も、実は今、「もうどうしようもないか」というところに立ちつつあるのです。

加圧水型原発は、構造的に、「蒸気発生器」というところに大きな欠陥を抱えています
炉内を、150気圧300度の温水となって回している一次冷却水の熱を、細いパイプを隔てて、二次冷却水に伝える装置です。
そうすると、二次冷却水が沸騰し、発電タービンを回すことになるので、「蒸気発生器」と呼ばれるのですが、
この細管の破断が、度々起こっているのです。
これが、技術的にクリアできない

その象徴が、三菱重工が、アメリカのサンオフレノ原発に部品輸出して、2010年と2011年に据え付けた、最新型の蒸気発生器でした。
このうちの一つが、わずか2年も経たないうちに事故を起こし、点検の結果、ともに著しく劣化していることが発覚したのです。
これに対して、周辺住民が、粘り強い廃炉要求の運動をする中で、アメリカ原子力規制庁は、サンオノフレ原発の改修の展望がないと判断
なんと、廃炉が決まってしまったのです。

このため三菱重工は、原発所有者のサウスサウザンドエナジー社から、なんと9800億円の損害賠償訴訟を受けています
これ自体が、三菱の経営にとって、死活を制する問題ですが、
同時にこのことは、三菱重工が今もってなお、蒸気発生器の致命的欠陥を克服できていないことを、内外に明らかにしました。
問題が知れ渡ると、もう世界のどこでも、東芝のみならず三菱の原発も売れなくなります
もちろん、国内での新規建設も望めない
ようするに、二大メーカーが、「どうしようもない」状態に陥っているのです。

既に述べたように、今行なわれている、三菱重工製の原発の再稼働強行や、強引な輸出への動きは、
ほとんど死滅しかかっている原子力産業を、なんとか生き延びさせようとさせるためのもの
です。
日本政府にとって、これ以上、原発の再稼働を引き延ばすわけにはいかない
なぜか。
実は、日本の原発はこれまで、平均でほぼ4年4カ月も停まっています
それなのに、日本は電気が足りている
何ら困っていない
それどころか、この体制下で、株価の大幅な上昇さえありました
原発などまったくいらないのだということが、内外に、どんどん分かってきてしまいました!
だからこそ、強引にも、「原発ゼロ状態」を「無くす」必要があったのでした。


二つ目に、原発そのものが、これ以上停めておくと動かなくなることです。
平均で4年以上といいましたが、世界最大の出力を誇る柏崎刈羽原発等、すでに8年以上も停まっています
おそよ、あらゆる機械の常識からいって、これほど動かしてなければ、もう機械としてダメなのです。
だから今、動かし始めないと、すべての原発が、技術的にも動かせなくなってしまう
さらに、これではウランが売れないし、メーカーも点検料も入らないので、
原子力産業全体が、「もうどうしようもない」状態に陥りつつあります

事実、ウラン濃縮会社の世界4大メーカーの一つ、アメリカのユーゼックが、2014年3月に倒産してしまいました。
ちなみに東芝は、ここにも投資していました
このままでは、原子力村の斜陽が、さらに続いていく。
これらから、再稼働と原発輸出を強行することで、なんとか「どうしようもない」状態を打破し、
延命の道を探ろうとしているのが、原子力産業
です。

ここに表れているのは、私たち日本民衆の、力の大幅な増大です。
福島原発事故を契機に、本当にたくさんの人が、覚醒しました
覚醒して、どんどんデモを始めた
スタンディングをはじめた
全国で毎週、毎週、集会が行われてきました
それがもう、4年も続いています。
こんなことは、これまでの、この国の歴史になかったことです。
このため、国会では野党を完全に蹴散らしてきた与党が、原発の再稼働をなかなかできなかったのです。
昨年末の総選挙の時に、与党が配ったパンフレットなど、原発の「げ」の字も書いてなかった
再稼働は、避け続けられてきたのです。
しかし、時間的余裕がないがゆえに、今日、再稼働が行われていますが、
こうした政府の姿勢は、攻勢とはまったく言えません
このままでは死滅するがゆえに、再稼働に踏み切ったのでしかないのです。

だから、私たちが、これまでの運動を継続し、政府と対決していけば、必ず矛盾が露呈し、この流れを止めることができます
何せ、二大メーカーである東芝と三菱重工が、ボロボロなのです。
むしろ私たちは、東電だけでなく、東芝の粉飾決算問題=経済犯罪を追及し、
三菱重工の原発の危険性を、世界に広く訴える中で、さらに原子力村を追い詰めていきましょう。
そのことは大いに可能です。

ただし、楽観ばかりできない重大なことがあります。
このままでは死滅するからと、なりふりかまわぬ再稼働に、政府と電力会社、メーカーが走り出したため、
原発事故のリスクが大きく高まっている
ことです。
とくに川内原発は、欠陥のある蒸気発生器を付けたまま、再稼働しています。
欠陥は、1号機にも2号機にもあります
1号機は、新型に交換しました。
しかし新型は、アメリカでは2年も持たなかった欠陥製品です。
これに対して2号機は、交換予定を中止して、古い蒸気発生器のままに動かしました
そもそも、交換を予定していたのだから、現行の蒸気発生器はポンコツなのです。
しかし、新型も危ないがゆえに、交換できなかったのです。
だから、新型の蒸気発生器を付けている1号機も、旧型のままの2号機も、ともに危ない
どちらがより危ないのかは、おそらく三菱重工自身が分かっていないでしょう。

なりふりかまわぬ再稼働の強行だからこそ、事故リスクはいや増しています
これに対しては、民衆の側から、原子力災害対策を逞しく作り上げていく以外に、対抗手段はありません
ぜひとも各地で、このことに取り組んで欲しいのです。
そもそも原発は、燃料プールに核燃料が入っている限り、動いてなくても危険ですから、それだけでも原子力災害対策は必要です。
同時に、原子力災害対策に真剣に取り組むと、原発の是非をいったん横において、原発がどれだけの危険性を抱えているのかを、あらゆる場で討論することができます
討論の結果、放射線被曝から身を守る力を、身に着けられます

世界の原子力産業も、同じことが言えます。
完全な斜陽状態です。
しかし、それでもまだ、原子力村が生き延びようとしているので、世界中で、悲惨な原子力災害が発生する可能性が、高まっています
その上に、イラク・シリアをめぐる戦闘の激化で、原発が戦火に巻き込まれる可能性すら拡大しています
だからこそ、世界のどこでも、原子力災害対策を民衆の側から積み上げ、放射能からの身の守り方を身に着ける必要性があるのです。

このような状況にかんがみて、今回、新著『原発からの命の守り方』を書き上げたので、ぜひこれを各地で活用していただきたいです。
それこそが、戦争に反対することと並ぶ、平和を守るための重要行動だと、僕は思います。
幸いにして、出版社である海象社さんが、懸命に努力して下さり、
出版が、今回の講演会に、ぎりぎりで間に合うことになりましたので、24日尾道の会場で、新著の初売りをします!
広島会場でも売らせていただきます。

ちなみに尾道市では、「福島原発の今」に即しつつ、現在広がっている健康被害について、詳しくお話します。
内部被曝のメカニズムについて、また、これに対してどう対抗すれば良いのかについて、きちんとお話したいと思います。
同時に、これまで尾道であまりお話できてこなかった、原子力災害対策についても触れ、
時間の許す限り、汚染水問題、帰還問題、そして戦争法などにも触れたいです。

広島市では、こうした中での、トルコの方たちの原発反対運動への取り組みについても、じっくりお話します。
僕は、原発大国のトルコに、原発を日本から輸出することが道義的に許せないので、
日本人としての責任にかけて、この問題に関わってきました
しかし、最近思うことは、トルコの方の頑張りで輸出が停まったら、日本の原子力産業の息の根が止まり、
その分早く、私たちが、核の悪夢から解放される
ということです。
まさに、「情けは人のためならず」…。
トルコの方たちに一生懸命に連帯することは、私たちの幸せにも直結することなのです。
この点について、トルコの様子を交えて、詳しくお話します。

尾道、広島方面の方、ぜひ会場にお越しください。
また、ぜひとも『原発からの命の守り方』を、お買い求めください!


以下、集会案内を貼り付けておきます。

*****

■尾道市
『福島の今 守田敏也講演会』

■日時:
10月24日(土)午後2時~4時

■場所:
図書館大会議室 (室内に子どもスペース設けます)

■参加費:
無料

■主催:
フクシマから考える一歩の会

*****

■広島市
グローバリゼーション講座
『日本が原発輸出するトルコ訪問報告』~トルコ市民4万人の声を聞こう~

■講師:
守田敏也さん(フリー・ジャーナリスト)

■日時:
2015年10月25日(日)14:00~16:30

■場所:
ゆいぽーと(広島市男女共同参画推進センター)5階研修室4
(広島市中区大手町5-6-9、電話:082‐248‐3320、鷹野橋電停から3分)

■参加費:
500円(学生無料)
 
Globalization Watch Hiroshima

■連絡先: 
〒733-0815広島市西区己斐上4-17-15

■TEL&Fax:
082-271-0854、090-6835-8391(渡田)

■ホームページ:
http://globalwatch.o.oo7.jp/

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守田敏也 MORITA Toshiya
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キリがあることを祈る日々

2015年10月22日 | お家狂想曲
こちらでの暮らしがもう15年以上にもなってくると、日本での暮らしの細かなことを、あまりよく覚えていない。
いやこれは、年月の問題ではなくて、もしかしたら記憶力の問題なのかもしれない。
日本でもきっと、いい加減な業者に泣かされている人はいるのだと思う。
日本で家を持ったことが無いので、そういう経験をするチャンスも無かった。
けれども、いくらなんでも、これはきっとその中でも横綱級ではないかと思う。
自慢じゃないけど…。

去年の10月から始まった、2階のちっちゃな浴室の改装工事は、予想をはるかに超えた困難の連続で、髪の毛が全部白髪になってしまうのではないか、と思うくらいに大変だった。
それでもとりあえず、1月17日に書いた『お風呂場狂想曲エピローグ』で、一息ついたつもりでいた。
でもまあ、その後にもまだ、あれやこれやとあって、結局ケビンは、最後までちゃんと仕事を終えないまま家に来なくなり、
我々ももう、心底疲れ果てていたので、もういいやと思うことにして、とりあえず浴室を使い始めた。

深い浴槽はやっぱり気持ちがいいし、前みたいに、100年以上もの間に染み付いてきた、床板の尿の匂いに悩まされることも無くなった。
換気扇がついたので、凍えるような寒い夜に、窓をうっすら開ける必要も無くなった。

でも、その後も水の問題が何かしらあって、修理を頼まなければならないことが続いた。
さらに、台所とピアノの部屋の天井の隅っこが、だんだんと膨らんできた。
もうほんとに、考えるのも想像するのもイヤだったわたしたちは、見て見ぬふりをし続けた。

そして、ある夏の日に、


いよいよ膨らみが大きくなって、ひび割れてきた。
これはもう無視している場合ではない。
無視していてはいけない。

それで夫が天井を割り、前の配管工ではなく、たくさんの人が推薦してる配管工に見てもらうことにした。
人気者の配管工は、だからなかなか予定が取れず、散々待たされたけど、見てすぐに、
「これ、本当に工事やったの?」と聞いてきて、「もしやったのなら、なんでこんな古いパイプのままなのか理解できない」と言った。

それはわたしたちも大いに同感で、あの工事はまず、浴槽の排水を良くすることが第一の目的だったのだ。
だから、そのことをしつこく、工事中に頼み続けていた。
とにかく水はけを良くして欲しいと。

見積もりと工事の日はまた別で、わたしたちはまたまた、長い長い待ち時間を過ごさなければならなかった。
その頃には、わたしは訴える気満々で、いつそのことをケビンとトム(配管工)に伝えようかと、悶々と考えていた。
でも夫は、すべてのことが解決してから、かかった費用をきちんと出して、それを持って裁判所に行くと言う。
それもそうだなと納得して、とりあえず怒りの気持ちを鎮めることにした。

菅を新しくしてもらい、




ピアノの部屋の天井裏のパイプもチェックしてもらい、こちらは多分問題は無いだろうということで、一件落着と思いきや、

どういうわけか、ピアノの部屋の水漏れが止まらない。


でも、いつでもというのではなくて時々なので、原因がつかめず余計に厄介。
また来てもらうことになった。

そのためにまた待って、調べてもらったけれども、パイプではなくてコーキングだろうという結論になった。
それで、夫が、コーキングならと、とりあえずやってくれたのだけど、やっぱり水漏れは発生する。
それも、灰色の板の真ん中あたりから、ポトポトと落ちてくる。
本棚のちょうど真上なので、本はまだピアノの上に積んだまま。
今日もまた、別の、今度はコーキングを主にやってる80歳のおじいさんが、状況を見にやって来た。


こんなことをあれこれやっているうちに、今度はシャワーのヘッドから水がポトポト落ち始めた。
はじめはポト…ポト…ポト…とのんびりしていたが、今ではほとんど合間なく落ちてきて、2時間もするとパケツ一杯になってしまう。


工事が終わって8ヶ月経つと、蛇口から水漏れするのか?
この修理もまた、来週末まで待たされる。
蛇口からの水量を30%抑える水栓を使ってるような倹約家?のわたしには、このポトポトは心苦しい。


そして今日、またまた新たな水漏れが!
洗面器の床下に、大きな水溜りを発見!(写真は拭いた後)


そこにはトイレットペーパーを入れたカゴが置いてあったので、ペーパーも水を吸ってボトボト。
原因は?と、扉を開けてみると、
この部分の締め付けが緩かったのか、それともパッキンがいい加減なのか、金属とプラスチックの接合部分から水が漏れていた。


このパイプを通すために切ったんだろうけど、他人の持ち物の板を、よくもまあここまで適当に切れるもんだと思いませんか?

ああ、またふつふつと怒りが湧き上がってきてしまった。
いかんいかん…。

そして最後に、部屋の中が湿気たからか、壁のペンキがうっすらと溶けて、下部のタイルに筋をつけているのを見つけてしまった…。




もうほんとにかんべんしてほしい…。