ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

すごく嬉しくて思い出深い旅になるはずだったのに

2020年02月24日 | ひとりごと
タイトルの画像は、この九大の学生さんが一人で作ってくださった感染マップの画像です。


明日の朝早く空港に向かい、日本に旅立ちます。
結局、米国CDCの警戒レベルが2に引き上げられたことから、夫の両親、そして姉一家は、今回の旅行をキャンセルしました。
我々も、長男くんの挙式の前後に日を取って、合計10日あまりの観光をしようと計画していましたが、帰りの飛行機をキャンセルして式が終わり次第こちらに戻ることにしました。
あまりのことにガッカリして落ち込んでいる義母の顔が、電話の向こうから聞こえてくる声だけで十分わかりました。
もちろん一番ガッカリしているのは当事者の長男くんとフィアンセです。
二人は日本とこことで連絡を頻繁に取り合い励まし合いながら、式の準備をコツコツとやって来たのですから。
でも、本当にこればっかりは、相手がウイルスだけにどうしようもありません。

行けなくなった夫の両親が、長男くんとフィアンセに渡すはずだったお祝いと、義母がそれはたくさんの情報を吟味して自分で調合したマスクに吹きかけるハーブオイル、そしてマスクを渡しにわざわざペンシルバニアからやって来てくれました。

おまけに彼らが乗るはずだったファーストクラスの席(わたしたちも同じ飛行機に乗ることになっていました。もちろんわたしたちはエコノミー!でしたが、キャンセルが相次いだからか、エコノミープラスに昇格していました)に、なんとわたしたちが座れるように手続きしてくれたのでした!
いやもうびっくりです。
生まれて初めて、体を横にして寝ながら日本に行くことになりました。
ちゃんと座れるだろうか…あちこちいじって壊さないだろうか…ザ・場違いな二人にならないだろうか…。


このタイミングでのCDCの警戒レベル引き上げは、もしこの人が首相にふさわしい人格と知能と判断力を持ってたら、起こらなかったかもしれないと思うので、記念にこのページの最後に載せておきます。


対策会議に専門家を誰一人呼ばず、集まっても意味の無いお仲間を座らせ、そこで数分かけて報道用の写真を撮らせたら退席。
そのあとはいつも一人何万円もする場所で舌鼓を打ちながら何時間も過ごす首相。
新型肺炎の感染者が続々と増え、死亡者も出てきているというこの最中に、首相たる者がすることでしょうか?
などと呆れ果てていたら、なんと近々ミャンマーに外遊するそうです。
もう帰って来なくていいよって心底思います。
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安倍政府を解散させて、超党派による大連立政権を立ち上がらせることが、新型肺炎の対応改善につながると思う!大げさじゃ無くほんとに。

2020年02月21日 | 日本とわたし
船の中では、最初はたった一人しかいなかったんだよ、新型コロナウイルスの感染者は。
それを杜撰な管理と対応で、感染者を船内だけで621人にまで増やしてしまった。
そのうちの2人は命を奪われてしまった。
彼ら、彼女らは、旅行に行く時は元気だったはず。
なのに、安倍政府の感染対策と管理の大失敗で、健康を、命を奪われてしまった。
民間の検査を使ったら1日で全員の検査ができたと聞いた。
なんという恐ろしい無知と無責任なのだろう。
そして今日、クルーズ船内の対策本部に出入りしていた厚労省の幹部職員が2人、感染していたことがわかった。


こともあろうに安倍政府の元では、感染が発覚すると、感染経路を漏洩しないよう誓約書を書かされるのだそうだ。
危機管理能力が著しく欠けているというのは今や世界でも周知されているが、
情報を隠し、感染者をさらに増やそうとする安倍自民党政府には、もう侮蔑では全く足りない激しい怒りを覚える。

これが日本以外の国の常識です。

もう本当にこの通りだと思う。
野党は本当に頑張っているけど、与党がここまで下劣で無恥であるのに強大な権力を持っているが故に、物事が正しい方向に動いていかない。

******* ******* ******* *******
おまけと言ってはなんですが、この動画の中の松尾人事院給与局長の表情と、その後ろで犬を追い払うような仕草をしながら「帰れ帰れ」と野次っていた茂木大臣の嫌らしさが印象的だったので載せておきます。
これは、今日本中の検事が疑問を呈している、東京高検検事長の定年延長問題についての質疑応答での一場面です。
安倍政権に不利な答弁をした松尾氏が、自分の答弁を撤回させられ、追い払われているまさにその瞬間の表情と、その彼女に向かって口元を隠し、けれども大声で「帰れ!帰れ!」と怒鳴る茂木大臣。
こんなにみっともない、そして無礼な人間ばかりが集まった政権が、1時間でも早く日本の政界から消えることを願って止みません。
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日本に行くのにこんなに悩まなければならないのは、世界最悪最低のウイルス対応やってる安倍政府のせいだ!

2020年02月21日 | ひとりごと
来週の月曜日の早朝に出発します。

新型コロナウイルスの日本国内の感染者数は、現在728人、死者3名、
安倍自民党政府の極めてお粗末で無責任な感染管理のせいで、日本国内に大変な感染被害が広がっています。
政府は保身のためなら平然とウソをつき、事実を述べようとする者の口を塞ぎ、さらにウソを強要するということを繰り返してきました。
今回のこの感染に関してだけはきちんと正直に、その結果がどんなに政府にとって痛手になることでも事実を報告する、なんて事をするはずはないと思うのです。
それに加えて、インターネット記事やこちらでの報道を見るにつけ、不安はどんどん大きく膨らむばかり。

ということもあって、80歳ペアの夫の両親の訪日を辞めさせるべきかどうか、息子である夫とその姉は、何度も話し合ってきました。
米国CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は今日、「新型コロナウイルスが日本で広がっているが感染経路が不明」だとして、日本への渡航に際しては、咳などをしている人から離れるよう、各自で充分に注意するように」と発表しました。
今のところ注意のレベルは3段階のうち最も低いレベル1で、渡航の中止や延期の勧告までには至っていません。
でもこの注意レベルが突然上がり、渡航中止になってしまう可能性が全く無いとも言えません。
本当にどうすることが一番賢明なのか…。
もしこの旅行が長男くんの結婚式のためで無かったら、もちろんとっととキャンセルしていたでしょう。
ああ悩ましい…。

なんてことを書いていたら今、義父から電話がかかってきました。
ドキドキしながら横で聞いていたら、荷物をできるだけ少なくしたいので、向こうで洗濯する場所が見つかるかどうか、という質問でした。
はあ〜義父は腹が据わっているというかなんというか…。

さて今日は、夫が自分で考えた英語版と日本語版の、披露宴での挨拶文の校正をしました。
ずっと自分は挨拶とかは大の苦手であがり症だから、人前で話すのが平気なまうみがするべきだ、などと文句を言っていた夫ですが、なんのなんの、とても良い挨拶文でした。
日本語の方も(ローマ字表記ですが)なかなかの出来で、きっと出席させるみなさんにも楽しんでもらえると思います。

今週の土曜日の午前中でわたしの仕事も終わるのですが、生徒や親御さんからは、
「まうみ、旅行楽しんで来てね。息子さんの結婚おめでとう」の後に、「必ず無事に帰って来てね」と言われる今回の旅…。

安倍政府のクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客に対する対応は、国際的な批判を浴びています。
この新型肺炎の特徴として、高齢者の方が重症化しやすいというものがありました。
このクルーズ船には高齢者の乗客が大勢乗っていました。
その二つのことを知っていながら、専門家を交えて対策を練ることもせず、脅威を軽視し、感染防止に最適な環境を整えることもしませんでした。
そして先日から始まった乗客の下船は、問診と検温をしただけで、念のための隔離は一切行われていません。
乗客の中には、もう一度検査をして欲しいと頼んだり、隔離を希望した人がいたようですが、それも聞き入れられず、各自公共交通機関を使って自宅に戻ったそうです。
それを聞いた夫は、深いため息をついたまま何も言いませんでした。
症状が無く、検査をした時には陰性であっても、後で陽性に変わる可能性があるウイルスなので、どの国でも一定期間隔離することが必至であると認めているのに、
問診と検温だけで自由に移動をさせた政府の対応は、当事者である乗客はもちろん、その家族の不安を増長させ、濃厚接触者を増やしてしまうことにつながったのです。

義母は全員の分のマスクを、そしてマスクにスプレーするための(感染予防に適するオイルを調合した)エッセンシャルオイルを、夫は体の免疫力を高める漢方薬を調合したパウダーを作り、それらを持ち歩くつもりです。

何せ、こんな非常識なことを堂々と言う議員の党が与党で、今や独裁体制に突入しようとしている国を訪れようというのですから。

この自民党議員は、今回のオペレーションの最優先目的は、3700名の乗客乗員を入国させないことだった。これには成功した!と言うのです。
730名近くの感染者と2名の犠牲者を出してしまった事の反省と謝罪の気持ちなど、ひとかけらも見えません。
長々と続いた一強政治が、一つの党を肥大させ、腐敗させ、そのために国が崩れてきたことを、この新型コロナウイルス騒動で目の当たりにしているのだと思います。

とにかく、わたしたちは出発します。
土曜日の朝には、わたしたちの留守の間、家猫の空と海の世話を担当してくれる甥っ子が、シアトルからこちらに来てくれることになっています。
全てが無事に済み、みんなが全員無事に戻ってこれるよう、八百万の神さまにお願いしようと思います。
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ダイヤモンド・プリンセス号に乗船した感染症専門医、岩田氏の報告を読んで

2020年02月20日 | 日本とわたし
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号から救出され、2箇所のアメリカ軍基地の施設で2週間隔離されることになっていた400人近くの乗客の中に、新たに14人の方が陽性反応が出ました。
移動中に行われたウイルス検査の結果でした。

19日より、このクルーズ船から一部の乗客の方々を船外に解放する作業が始まっています。
その数443人。
船内だけの検疫で本当に充分なのでしょうか?


という悲惨な状況を自身の目で確かめた岩田氏の報告です。

この動画を観ました。
ものすごくショックを受けました。

この動画は、世界各国のメディアが取り上げ報道されました。
日本ではどうだったんでしょうか?
残念ながらもうこの動画は観ることができません。
岩田氏が自ら、6時間ほど前に削除したからです。

船内の感染症対策はとても充分だとは言えず、不適切な部分があちこちに見られた。
新型肺炎という疫病に対し政府が楽観的である。
専門家の意見が尊重されず、感染対策が徹底されていない。
これでは感染者が続々と増えていくことも仕方がない。

実態:
誰が感染してもおかしくない。
レッドゾーン(感染のリスクがある場所)とグリーンゾーン(感染のリスクがない場所)がごちゃ混ぜになっていた。
PPE(防護服)を着ている人と背広を着ている人が同じ空間を歩き回っている。
患者も船内を歩いて行き来している、
PPEを着た人が手袋をつけたままでスマホをいじっている。
日常診療のノリで対応しているので、患者との接触をできるだけ少なくするという感染対応にそぐわない。
汚いところでつけていたマスクやPPEを、きれいなところでは脱いだり外したりしなければならないのにそれが徹底されていない。
医療者は入っているが、感染症の専門家が常駐していない。
感染対策の基本がきちんと守られていない。
厚生省やDMATのメンバーも感染している。

対策:
レッドゾーンとグリーンゾーンを分ける。
本部を船の外に出す。
CDC(疾病管理予防センター)を、2009年に新型インフルエンザが起きた時に作っておくべきだった。
専門家会議のような会議をする人ではなくて、実務をする人を招聘すべき。
アフリカのエボラ対策を経験した人も若手で4、5人いるから、そういう人がチームを作って現場に入っていれば、何をどうすればいいかはあっという間にわかったはず。
現状頑張っているね、で追認する形ではダメ。

要約:
エボラもSARSも怖くなかったが…ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思った。
我々がこういう感染症のミッションに出る時は、必ず自分たち医療従事者の身を守るっていうのが大前提。
自分たちの感染のリスクをほったらかしにして、患者さんとか一般の方々に立ち向かうっていうのはご法度。ルール違反。
レッドゾーンでだけPPEをキチッとつけて、それを安全に脱ぐということを遵守して初めて、自らの安全が守れる。
自らの安全が保障できない時に、を守れないときに、他の方の安全なんか守れない。
アフリカや中国なんかに比べても全然酷い感染対策をしているし、シエラレオネなんかの方がよっぽどマシだった。
日本にCDC(疾病管理予防センター)がないとは言え、まさかここまで酷いとは思っていなかった。
院内感染が起きているかどうかは、発熱のオンセットを記録してカーブをつくっていく統計手法、エピカーブというのがあるが、そのデータを全然とっていない。
院内感染がどんどん起きていても、それにまったく気づかなければ、対応すらできない。
専門家もいない。
ぐちゃぐちゃな状態になったままにいる。
これは日本の失敗なわけだが、これを隠すともっと失敗。
確かにまずい対応であることがバレるのは恥ずかしいことかもしれないが、これを隠蔽するともっと恥ずかしい。
ダイヤモンド・プリンセスの中の方々、それから、DMATやDPAT(災害派遣精神医療チーム:Disaster Psychiatric Assistance Team)や厚労省の方、あるいは検疫所の方が、もっとちゃんとプロフェッショナルなプロテクションを受けて、安全に仕事ができるように、
そのためにもこの悲惨な現実を知っていただきたいという思いで、この動画をあげた。





こんな緊急事態に襲われている時に、

そして極めつけはやはりこの人。

日本は今、これほどに恐ろしくおぞましいことを平気でする政府に取り憑かれてしまっているということなのでしょうか。
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東京五輪に取り憑かれ、人の命を蔑ろにした安倍政府の大罪

2020年02月17日 | 日本とわたし
上の写真は、今年の1月24日から1週間、北京の日本大使館のホームページに載せられていた、安倍首相の中国向けの祝辞です。
祝辞の中で安倍首相は、
「春節やオリンピック・パラリンピックなどの機会を通じて、多くの中国の皆さまが訪日されることを楽しみにしています」
と言っています。

1月24日というと、中国ではすでに新型コロナウイルスが猛威をふるい、その様子が大きく報道されていましたし、感染による死者が二桁に達していたのです。
もちろんネット上には非難の声が相次ぎ、外務省はそれを受けて30日に削除しました。

その1週間に、というか今現在までに、中国からやって来られた観光客の数はどれぐらいだったのでしょうか?
例えば日本航空の場合は、2月6日から運休や減便を始めていますが、大阪在住の弟は、つい最近もいつものように、中国からの観光客でにぎわっていると言います。

とにかく、安倍政府の危機管理能力は極めてお粗末で、能力だけでなくやる気も無い、まるで普段と変わりがないと言ってもいいくらいの体たらく。
なのに一部のメディアを除いて、特にNHKなどは、その政府の態度を追及することもなく、向こうが言ったことを何の批判も加えずに報じています。

安倍総理は専門家を誰一人招かず、1月30日から2月13日までの間、専門家を誰一人交えないままの会議を9回行ったようですが、
その9回もたった10分が4回、15分が5回、一体何が話し合われるのかという、もしかしたら写真撮影だけのためだったのかと思えるほどの無意味なものでした。
会議の後には会食に出かけ、そちらでは3時間もの時間を過ごす
ここまで無責任で空っぽの首相がこれまでにいたでしょうか?

日本なら誤魔化せた棄民政治も、外国の人たちが混じったのですからそう上手くはいきません。
昨日救出された(こちらの報道でははっきりと『救助』という言葉が使われていました)400人の米国人のうち40人が感染をしていて、その重症度は公表されていません。
感染してしまった40人はもちろん、退避専用機には乗ることは許されず、日本に残り治療を受けるそうです。
米国に続き、他の国々もそれぞれに、自国民の救出を決定しました。
日本の乗客、そして乗務員の人たちは、一体どうなるのでしょう?
無策無能の極みだと、軽蔑と憤怒の気持ちを込めた厳しい視線が、国際社会から日本に向けて注がれています。
もちろんそれは、安倍総理と日本政府に向けられたものですが…。
安倍総理のこれまでのいい加減な態度を野放しにし、どんどんとその酷さが助長してしまったツケを払うのは誰なんでしょう?
安倍政府はなぜ、乗客を降ろさずに、船内で感染がじわじわと広がるままに放置していたのか、
なぜもっと早急に検査をして、感染者と非感染者が接触しないような処置を取らなかったのか、
安倍政府にとって、東京オリンピック・パラリンピックの開催にとってダメージにならないようにすることが、1番大事なことだったからではないか?
海外での報道はそう伝えています。
わたしは本当に腹を立てています。
人の命を何だと思っているのかと。
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母へ

2020年02月17日 | 家族とわたし
何年も前から、ずっと足の不調を訴えていた母が、先日の12日にとうとう手術を受けた。
いろんな病院のいろんな科の医者に診てもらい、詳しい検査を受けても、どこにも問題が見つからず、自律神経の問題か、もしくは心的なものではないかと言われ続けてきた。
インターネットを使って話している間のほとんどが、痛みや痺れ、そして歩行困難についての愚痴話になって、辟易することもしばしばだったけど、
帰省した際に必ずと言っていいほどに出かけるパークゴルフでは、本当に足が痛いの?と聞きたくなるほどにスタスタとコースを歩いたりするので、弟とわたしはこっそりと「やっぱり気の病かも」などと陰口を叩いたりした。

母は老いを認めたくない人だ。
実際もうあと数年もしたら米寿を迎えるというのに、肌の張りが良く、実年齢には絶対に見えない。
だから気持ちも若いのか、そんな自分が老人のようにヨタヨタと歩くことしかできないくらいなら生きていても仕方がない、などと罰当たりなことを言う。
いえいえおかあさん、あなたは立派な正真正銘の後期高齢者ですよと、心の中でブツブツ呟くわたしなのだけど、
車の運転だって見事だし、かなり難しい車庫入れだってスルッとこなす彼女にとって、わたしたちのように歩けないということが本当に受け入れ難いことなのだろう。
などと言っているわたしなど、掃除機をかけ終わった瞬間に腰が伸びずにヨタヨタしたり、猫トイレの掃除を終えて立ち上がろうとしたらよろけたり、先が思いやられる今日この頃なのだ。
でもまあ、60を3つも超えたらこんなもんじゃないかと思う。
とりあえず健康オタクの夫がうるさいし、わたし自身も必要だと思っているので、YMCAに通って運動はしているんだけど。

話がそれた。
今年に入り、またまた体調が悪くなり、それがようやく治ったと思ったら今度は酷い咳風邪にかかってしまい、母に連絡を取らずに日が経ってしまった。
母は、2月末に東京で行われる初孫の結婚式も、こんな年老いた惨めな姿(本人だけがそう思っている)を誰にも見られたくないという理由で出席を断っていた。
いずれにせよ、母の体調もあまり良くなかったし、寒い季節に東京まで出かけるのは大変だろうと思い、まあしょうがないなと思っていた。
でももしかしたら、母は心の奥底で、せっかくの初孫の晴れ舞台を見に行けない自分のことを、無意識に責めていたのかもしれない。
そして行けない理由を確固としたものにするために、足の不自由さを解決するには手術しかないと決め、何が何でも手術を施してくれる医者を見つけようとしたのかもしれない。
なんて勝手な妄想をつらつら並べてみたけれど、本当の事は誰にもわからない。
今わたしにできることは、3時間に渡る大きな手術を果敢に受け、颯爽と歩ける日を夢見てリハビリに挑戦する母を、ただただ応援することだ。

いよいよ手術の時間が近づいた日の夜(時差が14時間あるので)に電話をかけると、手術のための最終検査や準備、それから術後の過ごし方のレクチャーで大忙しだった母は、もうすでにクタクタで「疲れた」を連発していたが、ずっと長い間望んでいたことが叶うからか、少々興奮気味の声で「心配せんでええよ」と言っていた。

ネット電話を切ってから、なぜか胸が苦しくなり、なぜわたしはこんな遠くに離れたまま、母の手を握り「大丈夫、わたしがついてるからね」と声をかけてやれないのだろうと思ったりした。
夫が何か話しかけても上の空で、「そんなに心配なのか?」と言われたりした。
彼女の手術が始まる時間から終わる時間までずっと、無事に終わりますようにと祈った。
夜中に義父から電話がかかり、「無事終わって元気に寝てる」と聞き、元気に寝てるって…とクスッと笑った。

病院は完全看護で、スタッフのみなさんもお医者さんがとても親切で頼りになるからと、弱っている自分を見られることを極端に嫌う母は、これ幸いにと誰の見舞いも断っている。
義父でさえ、今度行くのは退院の時ぐらいなどと、冗談か本気かわからないことを言っている。
わたしも絶対に来るなと言われたけど、ちょうど4日ほど京都に滞在するので、命令を無視して押しかけようと思っている。

などと考えていたら、今朝まだ窓の外が真っ暗な早い時間に、突然ネット電話の呼び出し音が鳴った。
慌てて取ると、向こうからテレビの音声が聞こえてきた。
何かいけないことが起こったのかと一瞬ドキンとしたけれど、その日常そのものののんびりしたテレビの声を聞いてひとまず安心した。
何度も「もしもし」と呼びかけたのだけど、母には聞こえなかったみたいで、「あー」という母らしき声が一度聞こえただけで終わってしまった。
いずれにせよ母は無事で、そのことをわたしに伝えたかったのだなと思い、胸が熱くなった。

起きてから、遠く離れていてもできることが無いかと思い巡らせているうちに、母が昔、目の見えないおじいさん(赤の他人さん)のために、本を朗読したカセットテープを送り続けていたことを思い出した。
母の部屋は個室でテレビもあるし、体に繋がれた何本もの管が外された後は本も読めるようになるだろう。
けれども目を閉じながら話が聞けるっていうのもいいんじゃないかな。
さっそく本箱の前に立ち、どの本にしようか散々迷い、本当なら外国のミステリーものが好きな母だけど、まだ痛み止めと睡眠薬が無いと眠れないようなので、うんと軽いものから始めることにした。
録音したものをLINEで母に送った。
まだ既読にはなっていない。
喜んでくれたらいいな。

追伸
音読っていうのは本当に久しぶりで、今はもうすっかりおっさんになった息子たちに絵本を読んでいた頃から数えると、実に30年ぶりのことだ。
実際にやってみるとなかなか難しいもので、感情を込めすぎたり読み間違えたり、読むときには全然気にせずスルリと読めてしまう四文字熟語につと引っ掛かったり…。
録音してから聞いてみると、なんかリズムが悪くて聞き辛かったり早すぎたり遅すぎたり…。
朗読って奥が深いなあ。
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日本を「気味が悪くて行きたくない国」に貶めた、安倍政権とIOCの「無能無策」

2020年02月15日 | 日本とわたし
昨日の新型コロナウイルスの続きです。
今わたし、毎日起きている間中、日本の状況を調べています。
息子と彼の婚約者が東京のど真ん中の、しかも観光客が大勢訪れる場所で結婚式を挙げることになっていて、
その挙式と披露宴に参加するべく、夫の両親、14歳の娘がいる姉家族共々、日本を訪れることになっているからです。
みんな健康で若かったらここまで心配しなくてもいいんですが、80歳の義父は癌治療の真っ最中ですし、義母も持病を抱えています。
孫息子の、それもとても伝統的な日本の挙式に参列することを大変楽しみにしている両親に、今回はやはり見送った方がいいのではと言うべきかどうか…。
息子たちもきっと、とてもがっかりするでしょうし。
そんなこんなの、かなり個人的な問題なのですが、毎日悶々としながら過ごしているわけです。
で、やはりTwitterで目に止まったものを、また列挙させていただきます。

******* ******* ******* *******

いきなり、こんな厳しい記事が目に入りました。
そりゃそうでしょう。
各地で行事のキャンセルが続く中、意味不明の自信に基づいた(?)、ただただヤルヤル宣言をしているのですから。

友人のsarahちゃんが、こんなツイートをしていました。
その通りだと思います。
いまだに指定感染症止まり、しかも湖北省しばりの体制では、治療を受けられないままの人が続出してしまいます。

海外での報道も毎日続いていて、どんどんその量は増えてきている感じがします。
世界保健機構(WHO)は、新型コロナウイルスによる新たな感染が、中国国外で劇的に増加していない、との見方を示した。
ただし、横浜港に停泊中のクルーズ船は除くとしている。
これは、13日の会見で述べたもの。

マイク・ライアンWHO広報官:
感染が確認された国の数に変更はない。
ダイヤモンド・プリンセスの事例を除き、中国国外で劇的に感染が増えたとの報告は受けていない。
これが現在の状況だ。
私たちは今も、各国政府に対し、感染拡大に備える必要があると伝え続けている。
横浜港で隔離されているクルーズ船だが、これまでに218人の感染が確認され、中国国外において最もCOVID-19感染が広がっている場所となっている。

13日、ダイヤモンド・プリンセス船内から、さらに44人の感染が確認された。
日本政府は14日、一部の高齢者の下船を(finallyという言葉を使っていました。長い時間を経てついに、という意味の単語です)認める方針だ。


楽しみにしていらっしゃった方が大勢おられたでしょうし、関係者のみなさんの無念は計り知れませんが、正しい判断だと思います。

なのに東京都と政府は、マラソンとオリンピックは何が何でもやるつもりのようです。

昨日までに確認された感染者の方々の事情が少しずつわかってきました。

でも政府はまだこの状態。

だからこんな気持ちになるのもわかります。

それにほとんどのマスコミも加担している?!

これが【速報】扱いで報道されるなんて、もうこちらの友人知人には恥ずかしくて申し訳なくて言えません、こんなこと。

こういうことを数年かけて粛々と行ってきた政権ですから…。

それに引き替えお隣の国韓国では、

そして中国からの観光客が多いマカオでは、

さらに最も大変な状況にある中国からは、

まだこんな状況が続いているのに、です。

政府はこの後に及んでもまだ、労働者の「休業補償」について何の方針も出していません。
 
感染症の専門家の方々を交えた会議も行われていませんでした。

感染症に対する予算を上げるようにとの、前々からの提案も無視しまくっていましたし。

それどころか、こんなどさくさ紛れの節操がないことまで…。

参考までに。


SCMP NEWSの報道。


というわけで、やはりこの、郷原弁護士の提言が、この今の日本の危機的状況を打開する名案だと思うのです。
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みんな、よく手を洗い、よく食べ、よく寝よう!そして少しでもおかしいと思ったら、学校も会社も即休もう!#新型肺炎

2020年02月14日 | 日本とわたし
新型コロナウイルス…。
中国から続々発信されてくる情報を追いながら、どうか日本には広がらないで欲しいと、
そういう願いはすごく利己的で申し訳ないと思いつつ、東京での息子の結婚式が近づいてくる中、高齢の義父母を連れて渡日するべきかどうか悶々としています。
現在の政府が、これまでの日本政治の歴史上最悪であることから、まともな対策も対応も為されないだろうし、対処もできないだろうことは明白だからです。
洪水や台風の被害が何度起きても、宴会していたり私邸でくつろいでいたりする、国民のことなど全く眼中に入っていない首相を筆頭に、今回もやはり最悪の危機対応…。

タイトルの写真は、今日のニューヨークタイムズの第一面に載った写真です。
同紙は2月5日からこれまでに、4本の記事を配信しています。
この船に米国人の乗客が乗っているから、とても関心が高いです。
さて、このカジノクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの検疫についての良い記事を見つけました。
上昌広氏の記事を紹介します。
記事より部分的に抜粋します。
・この船の乗客2666人のうち、1385人は日本以外の55の国と地域の住民。
・12日現在、174人の感染が判明。検査した492人の35%を占める。
・乗務員は1045人。
・英国人夫妻「まるで監獄にいるようだ」
・台湾人親子「80代の父親に呼吸器症状が出たが発熱がないのを理由にウイルス検査を行わなかった」
・船内は感染させるプラントみたいになっている。
・NYTは「(クルーズ船は)中国以外で最も感染者が多い場所」であり、停留を続けることが感染を拡大させると指摘している。
・日本には検疫法があるが、感染の感染のおそれがあるものを水際で停留させるという検疫の方法は明治以来変わらない。
・感染症には潜伏期間がある。
・新型コロナウイルスは平均5.2日、最長24日間という報告もある。
・潜伏期間は無症状だから、検疫は素通りする。
・飛行機だろうが、船舶だろうが、潜伏期がある以上、状況は同じだ。大航海時代なら兎も角、現代の検疫には限界がある。社会状況が変われば、検疫の在り方も変わらねばならない。
・クルーズ船は西欧で発達した文化だで、これまでにも様々な集団感染を繰り返し経験し、試行錯誤を繰り返してきており、経験の蓄積において日本とは彼我の差がある。
・ダイヤモンド・プリンセス号の検疫は史上最大のもので、経験に乏しい日本は従来と同じ方法で検疫を強行してしまい、その結果が歴史に残る集団船内感染。
・水際対策に意味があるのは、国内で感染が広まっていない場合に限られ、もし、すでに国内で流行していたら、水際対策は意味がない。
・満員電車による通勤・通学が常態化している日本では、新型コロナウイルスが一気に拡がる。
・国立感染症研究所感染症情報センターの研究者たちは、2008年に鉄道を介した新型インフルエンザの拡散をシミュレーションし、首都圏の鉄道に1人の新型インフルエンザ感染者が乗れば、5日目に700人、10日目には12万人に拡大すると予想している。
・厚労省関係者「中国に対して渡航・入国禁止等の厳しい措置をとれない政府、与党に対する批判から目をそらす役割で、隔離や消毒をパフォーマンスしているようにも思われます」
・中国への渡航歴や濃厚接触に関わらず、希望者すべてにウイルス検査を受ける機会を提供すること。
・厚労省が最優先すべきは、検査体制の整備で、既にウイルス検査のシステムは、スイスの製薬企業ロシュや米疾病予防管理センター(CDC)が確立し、海外にも導出しているので、その気になれば、すぐに国内に導入できる。
・厚労省と国立感染症研究所の内輪の都合が優先されている。
・今回の新型コロナウイルスの流行では、検査だけでなく、治療薬やワクチンの開発も、国立感染症研究所が担当する。巨額の税金が研究開発費として投じられるだろう。
・安倍政権は、民間に競争させず、国立の研究機関に独占的に業務を委託した。「国民の命より、官僚の都合を優先した」と言われても仕方がない。
・新型コロナウイルス対策の迷走の責任は厚生労働省にあると考えている。
・ダイヤモンド・プリンセス号の検疫失敗は、医学の歴史に残る事件。
・厚労省は、十分な情報を収集せず、大した覚悟もないまま停留を指示してしまった。

以下は自分でツイートやリツイートした記事です。
たくさんですみません。でも、知るべきことだと思いました。


さて、日本国内でも、感染経路不明の罹患者が複数名発表されました。

検査キットが無い。現状では難しい。そう言っていた菅官房長官。
けれども本当の理由は?

日本の現状


これは事実なんでしょうか?


マレーシア、素晴らしい!
日本もどんどん見習って、休みづらい風潮をこの機会に変えよう!


この事態を受けて、今一番しなければならないことは、無駄に感染を広げないための対応です。


この人たちは、もう狂っているとしか思えません。
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米国『アカデミー賞を目醒めさせた韓国映画「パラサイト」』事情

2020年02月11日 | 米国○○事情
昨日アカデミー賞の発表を観た。
「パラサイト 半地下の家族」の受賞をライブで喜びたかったからだ。

わたしが韓国ドラマや映画のファンになったのは還暦あたりからだから、かなり奥手だと言える。
それまでは、う〜ん、ここで言うのは恥ずかしいんだけど、昭和のど真ん中生まれのわたしの頭の片隅に、当時の社会に蔓延っていた偏見の根っこが残っていたので、
巷で韓国ドラマのファンが続々と増えてきても、自分は多分観ようと思わないし、ハマるようなことは無いだろうと思い込んでいた。
ところが、日本で1ヶ月近く滞在するというワガママ帰省を始めた3年前の夏に、留守番をさせられてた夫が突如、ある韓国ドラマにハマった。
帰宅早々「絶対に面白いからまうみも観て!」と強力に勧められたのだけど、韓国ドラマの上に字幕が英語で、はじめの1分だけで頭がクラクラしてしまい、観るのを止めた。
それからしばらくの間、やっぱりわたしには無理と思って観ずに過ごしていたのだが、観始めるとその面白さ、役者の演技力のすごさに驚いて、あれよあれよという間にハマってしまった。
だけど、たった一言二言の短い台詞なのに、英語字幕の文字数の多いことったらもう…。
訳してもらっておいて文句を言うのは申し訳ないのだけれど、ネイティブの夫でさえも読みきれない時があるほどなのだ。
そんなだから、わたしが読み終わることができる文章は多分全体の15%ぐらいで、後のはもうそれまでの話の流れと拾い集めた単語と想像力で、わかったような気になるしかない。
なのに次の話が観たくて仕方がない。
うわ〜どうなっちゃったんだわたし?
いやいや、どうなっちゃったんだ?は初老のオバちゃんだけではなかった。
映画やドラマの質にはめっぽう煩くてピッキーな英語人の夫までもが、わたし同様にどんどんハマっていったのにはびっくりした。
こうして、Netflixで始まった我々の韓国ドラマ&映画鑑賞は、有料のサイトVIKIにまで手を伸ばし、今や二人で厳選したドラマを一緒に観る、というのが日課になった。
そうこうしているうちに日本語字幕があるものが見つかり、それを英訳と邦訳で一緒に観ることになった。
夫はリビングのソファに座り、ノート型パソコンからテレビに繋ぎ、テレビ画面で英語字幕に設定して観る。
わたしはコネクティングルーム(今大流行でしょ?このネーミング)の自分のパソコン画面で、日本語字幕で観る。
聞こえてくるのは韓国語なので、夫側のテレビの音声だけを使い、「いっせ〜の〜でホイ!」というかけ声(これはバイリンガルの夫の役目)に合わせて、それぞれの開始ボタンをクリックする。
タイミングはビデオの左右に表示される秒に合わせるのだけど、テレビの音声とわたしの方の画面の口パクが微妙にズレても、速攻的確に直せる技も身に付いた。

とにかく、長々と書いてしまったけど、そんなこんなでいろんなドラマや映画に魅了され、それと共に今までほとんど知らなかった韓国がとても身近になった。
もちろんドラマや映画と現実は違う。
違うけど繋がっている。
もっと繋がりたくなって、とうとう韓国語を学び始めた。
だから今はドラマや映画だけではなく、韓国という国、韓国人のファンになったと言えるかもしれない。

そんなこんなの経緯を経てのアカデミー賞だったので、ポン・ジュノ監督と彼の作品、そして役者たちの演技がアカデミー賞のどこまで食い込むのかが観たくて、テレビの前でワクワクしながら座っていた。

結果は想像以上、脚本、監督、国際長編映画、作品の4つの部門でオスカーを獲った。
アカデミー賞では初めての、英語圏以外の作品の受賞となった。

丁世均(チョン・セギュン)首相の祝辞:
「韓国社会の差別を超える始まりになることを願う」
「ポン・ジュノ監督のオスカー賞4冠王を通じて、韓国社会に存在している1インチ、それ以上の差別と境界の壁を、ともに乗り越える新しい始まりになることを祈願する」

文在寅(ムン・ジェイン)大統領の祝電:
「韓国映画『パラサイト』のアカデミー賞、作品賞、監督賞、脚本賞、国際映画賞など、4冠王受賞を国民とともに祝する」
「ポン監督やキャスト、スタッフの皆さんが誇らしい。困難を乗り切っている国民たちに誇りと勇気を与え、特別に感謝申し上げる」

宣政佑さんという方が連続ツイートしておられた内容に感銘を受けたので、ここで紹介させてもらおうと思う。
*宣政佑(Seon、Jeong-U)@mirugi_jp:韓国・日本・その他で漫画アニメ関連を書く仕事等。台湾『CCC創作集』13号寄稿。2019年度「第25回韓国出版評論賞」評論優秀賞受賞

これ↓が第一通目。

以下、書き起こし:(所々、句読点、行替え、文字の強調をさせていただいた)
またしても韓国映画の発展は、韓国が国を挙げて文化を支援したからという言説が、日本に登場
映画ではないし自治体傘下の頃だから、厳密には国ではないが、その後、国傘下になった漫画支援機関出身として言うが、韓国で、文化が、国支援の「お陰で」発展した事実はない
むしろ、国の弾圧や、操ろうとする逆境に打ち勝ってきたと言える。
何しろすぐ最近の、朴槿恵大統領の時期の、「文化芸術界ブラックリスト事件」があったばっかりじゃないか。

『パラサイト』の制作会社の、CJの元副会長イミギョンさんだって、そもそもサムスン財閥家の人なのに、朴槿恵に嫌われ一時追い出されていた訳だし。
財閥でさえも例外でなかったのだから、映画監督、俳優だって当然対象で、ポン・ジュノもソン・ガンホも勿論入っていた
なのに、「国が支援したから韓国映画が発展した」って?
笑わせるな。
監督も俳優も、映画人の誰もが、国の抑圧や社会の不条理にモノを言い、反対し、声を挙げることをやめなかったからこそ、韓国映画は発展したのだ。

私の立場は、国の支援を否定したり、全く必要ないと考える訳ではないが(だから機関にも勤めたのだし)、
それでもまるで、国の支援が韓国文化の発展にとって何か重要な要素であるかのように言われる事は、全く認めない
それは、私の尊敬する全ての文化人への侮辱だし、いつもその方々から、国の規制や審議に苦しみ、悩む姿を見てきた、聞いてきた身としても、怒りを禁じ得ることが出来ないからだ。

幾つか補足。
韓国政府が映画支援をしていることは事実
だが、「支援していること」と「そのお陰で発展」は違う次元の話
少なくない数の韓国の文化関係の人は、「お陰」には同意していない。私も。
また、支援が必要な部分もある
必要だが商業的ではなく、そのままだと消える文化など。アーカイブもそう。
漫画において、私が勤めた分野もアーカイブ。

映画では、特に韓国映像資料院の仕事は、リスペクトの価値あり
アーカイブは特に重要で、国の支援が必要な代表的な分野だと思う。

繰り返すが、私は、国の支援を拒否すべきとか、全否定したい訳では無い
ただ、その「お陰」で韓国映画が発展したという言説は、色んな逆境の中、本当に頑張ってきた人たちへの侮辱になる、と言いたい訳。

また、別に、少数の映画人の特別な成果とも思わない
多分、ポン・ジュノ監督やソン・ガンホなど俳優も、そんなことは微塵も思わないだろう
つまりこれは、そんな間違った政府の圧力などに曲げることなく、批判的映画をも作り続けた映画人や、
それを見て評価し、観客数という数値で支持してくれた韓国の映画観客たちのお陰、と言うべきものである。
それを、国の支援とか言われることに全く同意しないってだけの話だ。

それに、色んな逆境や苦労の中頑張った映画人は、日本にもいるだろう。
そもそも、『パラサイト』と同じく、社会の分断と階級の問題を描き、カンヌでパルム・ドールを受賞した『万引き家族』は、つい二年前の作品ではないか
『パラサイト』で、日本メディアが「韓国の貧困」を語り始めてるみたいだが、まずは自国の映画を評価し、自国の貧困問題について考える方が先ではないか、とも思う。
とにかく、日本には素晴らしい映画文化が存在していたし、今もあると思う
上記の韓国映像資料院のシネマテークでは、ちょうど10年前、仲代達矢さんを招き、黒澤明特別展を開いたことがある。
あの時、仲代さんのトークがあり、終わった後、サインを求める列が出来た。
私もその列に並んでいたが、必ずしも年長のファンたちだけではなかった。
男女問わず若いファンが大勢並んだ。
他国の名作をリスペクトし、そこから学ぼうという姿勢は、その国の文化が健康である証拠でもある。
韓国の映画ファンは、何十年前の名作のベテラン俳優に十分なリスペクトを持ち、普通にそれらの作品が好きになるくらいの懐を持つ
国の支援などではなく、そこが韓国映画の力の源なのである。

今回や前の受賞スピーチでも、ポン監督は、アメリカなど他国の先達の監督たちへの感謝の言葉を忘れなかった
その態度を言っているのである。
あと、イミギョン副会長をそんなに強調するつもりはなかったのに、誤解する反応もあるようだ。
勿論、イ副会長が言うならば、自分の階級に与しない『パラサイト』のような映画を制作し、その過程で内容にはまったく関与しなかった事は、称賛すべきだろう。
だが、そこに留まるだけの話だ。
それ以上のことではない。
むしろそれは、財閥にもその程度の感覚を持たせることの出来る、民衆の力であろう。
韓国の民は、ある程度以上の特権は認めようとしない
もし韓国文化の強さというものがあるのだとしたら、私は、まさにそこだと思っている
それは、歴史上ずっとそうであった側面もあるのだ。(ここでその話はしないが。)

******* ******* ******* *******

おまけ
今年の冬は小春日和みたいな日と北風びゅうびゅうな日が交互にやってくる。
今夜はびゅうびゅうの日だった。
そういう時は鍋に限る。
つくね団子を作る準備中。

やっぱり団子作り過ぎた…。


家族を呼ぶ寸前に山ほどの菊菜を投入。
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安倍さん、モリカケでうまくいった時間稼ぎはもう通用しません!一生のお願いです、もう観念して政治家辞めてください!

2020年02月08日 | 日本とわたし
記事に書きたいことが多過ぎて、こんなん書けるわけないやん!というのが正直なところです。
すみません。
その点、140文字でサクサクっと発言できるツイッターはやはり便利なので、ついついそちらに手が行ってしまいます。
そこで、ここ2日の間にツイートしたものを載せて、わたしが今何を考えているのかをお伝えしたいと思います。

■コロナウイルスの感染に対する対策対応が後手後手になっていることについて。


■新型肺炎が蔓延する恐れが出てきた今、先頭に立って活躍していなければならないはずの加計学園が、まるで何もしていないことについて。


■「桜を見る会」前夜の夕食会をめぐる安倍首相の答弁が、全く説明になっていないことについて。


■さらには、「桜を見る会」問題における公文書管理について、まるで答えられない地方創生相を任命した安倍総理の責任について。


■これまで安倍政権に有利な判決を出してきた検察官の定年を、法を破ってまで延長させたことについて。


■伊方原発の3号機燃料プールが、43分間も冷却停止になっていたのに、それを隠してたばかりか、やっと伝えた時にもウソをついたことについて。


■北方領土も拉致被害者救済も、まるで解決の道がつかないまま、ずっと騙されていることについて。

■日本経済が冗談でも大袈裟でもなく、消費増税のせいでものすごいことになってしまっていることについて。


■原発事故汚染土を、全国の道路や農地に使おうと、省令を作ろうとしていることについて。


■厚労省の大坪審議官が、公務中の滞在先を、和泉補佐官とのスイートルームにしていたことについて。
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