ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

7年ぶりの再会

2023年06月23日 | 友達とわたし
まず最初に、先日生検に出された限りなく怪しい出来物は良性だったことをお伝えする。
まったく、わたしの体には、限りなく怪しい姿をした良性ブツが多すぎる…。

6月特有の、清々しさが朝から晩まで居座ってくれる天候が続いた週末に、うちからちょうど1時間ぐらい離れた大学街に住む、夫のペンシルバニア大学時代のルームメイト(夫婦ともども)に会いに行った。
二人ともに超エリートで、特大企業の役員(そして彼はとても過酷な癌からのサバイバーでもある)と建築家のカップルで、彼女がデザインした(わたし的には夢のような)お部屋がこちら。









と、ここまでは前回(といっても7年も前だったらしい…コロナ禍の3年がどんなに大きな破壊力だったかを思い知る)と同様で、今回は新たにこれ↓が増築されていた。


いわゆるお外キッチン。
天井のスレートは開閉可能な全天候型。アレクサに呼びかけると開いたり閉じたりしてくれる。
夫の左側の横長の暖炉からは、怪しくも優雅な火が立ち上がる。
この空間が気持ち良すぎて、1年の半分以上はここで料理をして食べているのだそうな。
わかる気がする。

この丸いのが気になって仕方がない。

鉄板のように見えるがそうではなく、別の金属でできていて、だいたい1000℃ぐらいまで熱くなるそうだ。
火を入れて温度をあげていく。


調理開始!




家の中のキッチンでは、栄養はもちろん彩りや食感までにこだわりを持って作られた惣菜が並ぶ。






いやもう、どれもこれもが超〜美味しくてたまらない。
鶏のもも肉がハンパなくジューシーで柔らかで、こんなの今まで食べたことがない。恐るべき1000℃鉄板もどき。

食事は友人夫婦、そして近所に住むお母さんとの5人でいただいた。
台湾人のお母さんはわたしの母と同い年で、老齢に入ってから3回も癌にかかり、常に果敢に挑んでは乗り越えてきた人。
背筋がピンと伸び、普段から努めて歩くようにしているという彼女の足取りはとてもしっかりしている。
彼女は日本語が堪能である。
日本の占領下に置かれていた台湾で、家の内外で日本語のみを話すようにされていたからだ。
彼女の父親や叔父は、その当時役所のお偉方だったので、日本語を話すモデル家族に認定された。
日本から酷い目に遭ったという認識は持っていなかったと言う。
酷い目に遭ったというならそれは中国で、同じ占領でも内容や待遇は全く違ったのだそうだ。
もちろん、そんな思いを持つ人ばかりではないのだけれど、わたしの身近に、日本の占領によって実際に辛い思いをしたという人がいないことに救われる。
彼女はこちらに移ってから栄養学を学び、栄養士としてしばらく働いたのだけど、それまでの間にバイトで働いていた図書館の仕事の方が性に合っていることがわかり、もう一度司書の資格を取るべく学校に入り直したのだそうだ。
そして同じ図書館で30年近く司書として働いた。
凛として、けれども可愛くて、出来ればずうっと話を聞いていたくなる人だ。

観葉植物や盆栽も、その一々がユニークで美しい。


彼女の専門は建築だけど、ランドスケープの才能にも魅せられる。







おまけ写真は罠にかかったグラウンドホッグくん。

うちにも時々出没する、この憎可愛いやつは、ありとあらゆる努力をして、我々が丹精込めて育てた野菜をパクパク食べる。
この後彼は、車で遠いところまで運ばれて放されたそうな。
夫が、野生動物を捕らえて放してやる場合は、川を越えなければならないと言う。
そうしないと、かなり遠くまで行っても戻ってくるのだそうだ。
グラウンドホッグ、ウサギ、シマリス、リス、スカンク、キツネ、シカ、アライグマ…共存できるに越したことはないのだけれど、やっぱり育てた花や野菜を見ごろ食べごろにパクパク食べられちゃうと頭にくる。

これは一昨日夫が撮った写真。
整備されていない野原は、彼らにとっては居心地がいいのかもしれない😭。


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イボものがたり

2023年06月14日 | ひとりごと
ずうっとずうっと行かねばならぬと思い続けてきた皮膚科の病院。
加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍、いわゆる老人性イボが、わたしの上半身に多発している。

『脂漏性角化症(老人性イボ)』
色・褐色調から黒色
大きさ・直径数mmから2~3cmくらいで、ややもり上がっている
通常は掻痒(かゆみ)や疼痛(痛み)はない

と言われているが、わたしの場合は、出現する際と大きくなる際にたまらなく痒くなる。
悪性化してガンになることは無いし、人に移すこともないのだそうだが、できたものは絶対に消えないらしい。
人に移すといえば、強烈に思い出すことがある。
父方の祖父がちょくちょく家に遊びに来てくれたのだけど、一緒にお風呂に入った時は決まって、祖父が「い〜ぼ〜は〜し〜わ〜た〜れ〜♪」と楽しそうに歌いながら、自分のイボをチョイとつまみ、それを幼い弟やわたしの体にくっつける仕草をした。
わたしたちはきゃっきゃっと笑いながらその手から逃げようとして、狭い浴槽の中でお湯をジャバジャバと波立たせた。
わたしも弟も若い頃からイボが多かった。
もしかしたらあれは本当に、イボの橋渡しの歌だったのかもしれない。

わたしの顔の右側の頬骨のすぐ横には、もう10年来のイボがスクスクと育っている。
胸の周りに集中している濃い色のイボも、ハッと気がつくと倍増してたりサイズが大きくなったりしている。
でもまあそういう体質なのだし、連中は姿形こそ醜いものの、タチの悪いやつらではないのだから、ともに仲良くやっていこうと思っていたのだが、1箇所だけそう言ってはいられなさそうなブツが、しかもたとえ医者であろうとも、先生、ちょっと診てくださいとは言い辛い場所に出現した。
それを、気になりつつも放置して早4年。
コロナ禍もあったりして余計に遅れてしまったのだけど、その間に大きくなったり小さくなったりしながら数が増えていった。

なのでどうしても腕が良いと評判の、経験豊かな、そして何が何でも女性の皮膚科の医師に診てもらう必要があった。
そして今日、ようやくその日が来て、シャワーを浴びて全身を清潔にしてから出掛けた。
大人気のC医師の待合室には、老若男女がぎっしり座っていて、新患の手続きをしているわたしをジロリと睨む人も少なからずいた。
予約の時間を少し過ぎた頃に名前を呼んでもらい、緊張しながら診察室に入る。
歯科医院のような物々しい機械や設備品は無く、診察台と大きなライトがあるだけのシンプルな部屋で、結局40分待たされた。
長いのだ、患者一人一人にかける時間が。
そして入ってきたC医師。
いやあ、聞きしに勝るパワーに押されっぱなしのわたし。
どこが気になる?何を聞きたい?やってほしいことは何?
服をずらしたりめくったりして、わたしの作品たちの一つ一つをジィッと見極めては、はい、これは良性、これも大丈夫と、早口で答えていくC医師と、それを速記でメモする助手さん二人。
「よかったね、全部ただの脂漏性角化症だから、除去したかったらいつでもできるよ。ただ、保険は使えないから実費になるし、取ってもまた再発するし、多少の傷痕も残ると思うから、まあまた考えてきてちょうだい」
と言って白衣を翻して診察室から出ようとする彼女を、
「待ってください!実はもう1箇所、どうしても診ていただきたいものがあるんです!」と引き留めた。
「実は、あの、えっと、診てもらうのが申し訳ないのですが、ここに…」と言って指差すと、
「なーに言ってんの!そんなこと気にしないでいいの!わたしは医者よ!あなたの医者よ!どこだって診るわよ、あなたが気になるんなら何だってするわよ!」と、ガシガシと近づいてきた。
「じゃあ、うつ伏せに寝て、下着下ろして」
そうなのだ、そのブツは、こともあろうにお尻の、それも穴のすぐ横に村を作っているのだ。
助手さんたちとC医師が、よく診られるようにとしりこぶたを左右に引っ張り、その村人たちを診た瞬間、「うーん…」と無言になった。
何この静けさ、めっちゃ嫌な空気じゃないか、これ?
「まうみ、ちょっとこれは他のと違うかもしれない。なので検体に出すからちょっと切り取るね」と言って、C医師だけ部屋から出て行った。
戻ってくるなりチクリと麻酔の注射を打たれ、切り取られたのだけど、部屋にはいつの間にか2人の医師と2人の助手がいるではないか。
しかもC医師ともう一人の医師が、低い声でボソボソ話し合っている。
専門用語だらけで、というか専門用語だけを使って何かを確認し合っているようなのだけど、声のトーンがやけに暗い。
よりにもよって、こんな場所から厄介なことが起こっていたりしたら泣くぞ、わたしは😭
とりあえずバンドエイドを貼ってもらって家に戻ったのだけど、今まで夫には内緒にしてたから、張り替えを頼み辛い。
とにかく医者に診てもらうことができた。
あとは寝て待つっきゃない。
どうか恐ろしいことになりませんように!


いつも買っては最後まで食べきれずに腐らせてしまうイチゴ。
今回はなんちゃってイチゴアイスを作ることにした。

ジップロックの袋に入れて手でグイグイと潰し、そこにお砂糖を少々とヨーグルトを加えてさらにグチュグチュして凍らせるだけ。
多分美味しいと思う😅



お箸でマンゴーを喰らうのはわたしだけ?

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ともだちっていいな

2023年06月10日 | 友達とわたし
親友Aの大事な家族、チャウチャウのウィリーくん。
ここ最近いろいろと健康被害が出てきて病院通いしている。
同じ名前だからか、余計に親しみがわいている夫が、漢方で治療に加わった。
良くなるといいなあ。

このモコモコがたまらん。

やきもちを焼いて擦り寄ってきたオディールは、真っ黒ででっかいプードル。

ゲイシャ(白銀色の鯉)も元気。

混ざりっ気なしのジャスミンの花茶。

親友Aはいつも、何か楽しいことや嬉しいことがあると、花火みたいな勢いのある字で手紙を書いて送ってきてくれる。
来週は彼女がずっと前からイチオシしてた皮膚科の先生に、わたしの身体中に居座っているイボイボ各種を診てもらいに行く。
そのC医師は70歳で、けれど診察室ではクレイジーかつパワフルで、トランプ(元大統領)が大っっっっ嫌いな女性で、だからきっとまうみと気が合うはずだと、もうかれこれ5年以上は勧められていた。
それでやっと重い腰を上げて診察予約を取ろうと思ったら、もう新患は取らないことにしたのでと、きっぱり断られてしまった。
それは困る、絶対に困る。
なので今回はズルをして、C医師に向けて書いた熱々のラブレターを、ちょうど診察の予約を取ってあったAに渡してもらうことにした。
わたしも診てもらえることが決まって、いよいよ来週に診察を受ける。
どうか困ったチャンが見つかりませんように。


庭の花が綺麗に咲いたからと、ほんとは先週渡すつもりで用意してくれていたらしい。
だからちょいと花の端々がくるまり始めてるけど、美しい心と優しい思いが嬉しくて、しばらくじっと眺めていた。
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まだまだ続く

2023年06月08日 | ひとりごと
今日で2日目。
なんだこの世界は?!と思わずにはいられない空気が、わたしたちをすっぽりと包み込んでしまった。

ケベック州を中心に、今も燃え続けている山火事は、今日の時点で400箇所以上だそうだ。
現場に立ち込めている煙の量を想像しただけで喉が詰まる。
1000キロ以上も離れているニューヨークシティの空気の汚染度が、世界主要都市の中で最悪レベルに達し、健康に有害だということで、幼児や高齢者、そして持病がある人は、屋内で過ごすようにとの呼びかけがあった。
もちろんここも同じ。

今日の庭の水やりはだから、重装備でやらなくてはならなかった。
マスクはこのタイプ。
外に出た途端、目がチクチクするので、できたらゴーグルもつけたかったのだけど、見つからなかったのでメガネで我慢した。

2軒向こうの家の屋根や木々が、霞んではっきり見えない。

お昼間の太陽なのに真っ赤っか。

この状態はあと数日続くらしい。

うちの家猫2匹は野生味にあふれているので、こういう日はきっと外に出たがらないか、出てもすぐに戻ってくるだろうと思っていたのが甘かった。
空も海も出たり入ったりを繰り返していたが、どちらかというと外に居る方が長かった。
明日は拗ねようが何しようが、1日家の中で過ごさせるようにしないと。


つい先日、わたしの大いなる勘違いがもとで知り合ったMさんという素敵な女性と、1時間半にわたって話を聞いたり聞いてもらったりした。
最近わたしは非常に鬱々とした毎日を暮らしていて、鬱々だけならまだ良かったのだけど、それが沸々になり、もう少しで爆発するところだった。
まあ、爆発するといってもたかが知れているのだが、それでも今までとは少し違うと感じたのは、「もうダメかもしれない」という言葉が書かれた短冊が、払いのけても払いのけても戻ってくるハエのように、わたしの心にしつこくまとわりついていたからだ。
それをMさんは、その1時間半の間に、ものの見事に、「まだイケるかもしれない、いや、イケるだろう」という言葉に変えてくれた。
あまりにプライベート過ぎるので、ここで詳しいことは話せないけど、ほんと、人の心というのはおもろいもんやわーと、ちょっと呆れてちょっと切なくてちょっと可笑しい気持ちで、Mさんの言葉を心の引出しに仕舞っているところ。

よい塩梅に乾いてきた芍薬さんたち。
通り過ぎるたびに、吸い込むだけで全身がうっとりとしてしまう香りがする。
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米国『初めての経験その1とその2』

2023年06月07日 | 米国○○事情
その1:
カナダ東部で、5月末から相次いで発生している山火事の煙が、とうとうここニュージャージーまで到達した。
距離にして1,000km以上離れているのだが、空全体が薄茶色に染まっている。
今日の午後3時ぐらいまではなんともなかったのに、本当に不思議だ。
何より臭いがすごい。
まさにあの臭いだ。
大津時代にボヤを出し、とうとうわたしの人生もこれまでか!と観念しかけた時に散々嗅いだあの臭い!
燃えた煙の臭いというのは、本当に強烈だ。
情け容赦なく鼻の穴、口、そして目や耳にまで入り込んでくる。

ここでこんなだったら現場はどんなだろうと、想像しただけでも絶句してしまう。
西海岸のカリフォルニアでは、こんな煙被害が毎年のように起こっているのだなあと、その大変さを初めて理解できたような気がする。
この距離に到達する間に薄まっているにせよ、煙による目の炎症や呼吸器系の疾患を悪化させる可能性があるからと、大気汚染警報が発出され、屋外での活動を控えるようにとのこと。
1日も早く鎮火することを祈るばかり。

マンハッタン

モントリオール

オタワ



その2:
いつも利用している楽譜専門のネット販売で売り切れていたので、今回はAmazonで注文したブラームスの練習曲集が届いた。
そしたらなんと、このブラームスさん、表紙に非常に匂いのきつい洗剤のようなものをまとってやって来た。
同時に注文した物の中に洗剤など無かったし、箱の中のどの製品にも付着していない。
一体なんで楽譜に?
もちろん即座に取り替えをしてもらうことにして、これは明日Whole Foodsに持って行って返品する。



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