ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

放射能と金欲の毒にまみれた、これが日本だ!わたしの国だ!

2014年02月28日 | 日本とわたし
このニュースは一週間前のものです。
読みながら、100トンだの、高濃度汚染だの、2億3000万ベクレルだのという言葉に、なんの驚きも感じなくなってしまっている自分が恐ろしくなりました。
それにしてもこの、3年間に及ぶどうしようもない事態の連続は、この先いったいどうなっていくのでしょう。
ほんの少しでも、改善というものが望めるのでしょうか。
そんな方法や能力が、人間にあるのでしょうか。
なにより、この電力会社に、今後も任せておいていいのでしょうか。

これらのことは、それこそこの3年もの間、毎日毎日考えてきたことです。
わたしのような者でさえ考えるのですから、専門としている方々は、もっともっと考えておられるのでしょう。

とにかく、下記の東京新聞の記事の内容を読む限り、誤って◯◯し過ぎた、◯◯しなかったことが原因であり、
その結果、もたらされたものは、夥しい汚染であり、それはもう、止めようのない、増え続けるだけのものなのに、
けれども海には流れているはずはないと考えている、と言い切ることができるほどの能天気者と無責任者に、

このカオスからの救出を、一手に担わせているのですよ、日本政府は、今だに……。

現場で、文字通り命を削り、犠牲を払いながら作業をしてくださっている方々の生活環境は、少しもマシにならないままに時が過ぎ、
こぎれいな部屋の中で、現場から上がってくる悲鳴を右から左へ聞き流し、何一つ改善しようともしない役員や役人たちは、のうのうと暮らしています。

そして、児童や妊婦の疎開は、今だに始まってもいません……。

こういうニュースを読むたびに、これからあと何日、何週間、何ヵ月、何年、何十年、こんな最低最悪なことが続いていくのかと、本当に心が重くなります。

それと同時に、だからこそ、今、3年も経ってしまった今、この腐った流れと仕方が無いという観念の連鎖を断ち切り、進む方向を変えなければなりません。
わたしたち大人の手と足と、そして心で。


高濃度汚染水100トン漏れ タンク弁開きっぱなし
【東京新聞】2014年2月20日



東京電力は20日、福島第一原発で原子炉を冷却した後の水を貯蔵するボルト締め型タンクの上部から約100トンの処理水が漏れ、周辺敷地に流れ出したと発表した。処理水には1リットル当たり2億ベクレル超と超高濃度の放射性ストロンチウムなどが含まれていた。閉まっているはずのタンクの弁が開きっぱなしになっており、誤って水を入れすぎたのが原因とみられる。
 高濃度の処理水漏れ事故は、昨年4月に止水性能が劣る地下貯水池(漏れ量は不明)で発生。さらに8月にタンク底板の接ぎ目の止水材がずれて300トン、10月にはタンクが傾いているのに水を入れすぎて0.4トンが漏れた。
 東電によると、19日午後11時25分ごろ、巡回中だった下請け企業の作業員が4号機の西側にあるタンク群の一基で、天板の接ぎ目付近から水漏れしているのを見つけた。
 発見の9時間半ほど前には、タンクの水位計がほぼ満水を知らせる警報を発していた。
 この時点ではタンク周辺に水漏れなどの異常は見つからなかったため、東電は現場で実際の水位を確認しないまま水位計の故障と判断し、特段の対策は取らなかったという。
 しかし、実際にはタンクに取り付けられた処理水を受け入れるための二つの弁が開きっぱなしになっており、水位はさらに上昇し、遅くとも深夜には処理水があふれ出すレベルに達していた。
 タンク群の周囲には、コンクリート製の堰(せき)があり、処理水は食い止められるはずだった。しかし、タンクには、天板に降った雨を堰の外に直接排出する雨どいが取り付けられており、これが裏目となって処理水が敷地へ大量漏出した。東電は「近くには排水溝がなく、海への流出はないと考えている」と強調している。


そして、この記事の件についての、詳しい状況説明が、東電の臨時記者会見でありました。
その時の内容を、きーこさんが文字起こししてくださいましたので、ここに併記させていただきます。

↓以下、転載はじめ

「全ベータ2億3000万ベクレル/リットルが100トンこぼれました」東京電力臨時記者会見2/20(文字起こし)

東電の言い分で
およそ、全ベータ2億3000万ベクレル/リットル
セシウム合計1万3100ベクレル/リットル
コバルト、マンガン、アンチモン合計7200ベクレル/リットル
トリチウムの測定はしていないので、不明
の超汚染水が100トン堰の外にこぼれた。でも海へは出ていない。

東電の言い分ですから、漏れた量も、どこまで本当かは分からない。

2014年2月20日 東京電力臨時記者会見
http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/movie-01j.htmlより

原子力立地本部長 尾野


福島第一原子力発電所のH6エリアタンク天板部から、漏えいが発生しまして、その事に対してご説明申し上げたいというふうに考えております。

まず、現在、漏えい水の量というのは、堰外に漏えいした量が、およそ100トンというふうに考えております。
現在、回収作業を進めているというところであります。
また、漏えい自体は、現在すでに停止しているという状況にございます。

それから二点目ですが、漏えいしている範囲、場所について、現状を確認している限りにおきましては、
近くに排水路等もなく、海からも遠い場所という事もございますので、
海への流出は無いというふうに考えてございます。

さらにですね、現在、漏えい水の回収、周辺土壌の回収作業を行っているところで、
図面などを用いてご説明するのがよろしいかと思います。

4ページめをご覧ください。
マップが書いてございますが、当該の場所は、黄色い丸が付いてございます、H6と書いてあるところ。
黄色い丸印のタンクでございます。



このタンクから、天板付近からオーバーフローする形で、漏えいが発生していたということでございます。

5ページめに、漏えいしている付近の範囲の状況、写真など示してございますが、
5ページめは、H6エリアの拡大図ですけれども、矢印のついている先が、漏えいが確認されたタンクです。



そこから水色で示した所に、現在水があるという状況であります。
この周囲の状況などを確認して、溜まっている水については、回収作業を進めているところ。
また、土壌の部分についても、回収作業を進めているところです。


6ページめに、系統図が書いてございます。
漏えいが発生した当時、どのような処置が行われていたのか?ということでございます。



上の方に「RO処理装置」「RO濃縮塩水」という様な、四角が書いてありまして、
その次に「丸P」と書いてあるところがあります。
これがポンプです。

で、ROから、下の方に「Eエリア」と書いてありますが、
「Eエリア」のタンクの方に、水を移送していくという様な作業が行われていました。
丸Pと書いてあるポンプから水を送りだして、矢印に沿って下の方に送られていって、Eエリアに至ると言うのが、本来の予定という事でございます。

ところが何故か、H6エリアの赤丸が付いているタンク、これが当該のタンクですが、
このタンクの方に水が入りまして、オーバーフローしたという状況であります。

このタンクに至ります、バルブの状況を確認しました。
ポンプからくる経路に対して、三つのバルブがございまして、
その三つのバルブのうち、ふたつのバルブが開いていて、一つのバルブが閉まっていた、という事が分かってございます。

三つのバルブがございまして、漏えいが起こった後、状況確認した際に、二つが開いていて一つが閉まっていたという事で、
開いていたバルブを閉じた事によって、そちらへの移送が止まったという状況があります。
ただし、最初のバルブが閉まっている事で、当該タンクに水が供給されたという事は、
これは、なんらか一番頭のバルブに、故障などが生じている可能性があります。
それについては、今後調査を進めてまいります。

戻りまして、2ページめ「概要」と書いてございますけれども、全体の流れをもう一度おさらいします。
2月19日午後11時25分頃、タンクエリアパトロールにおきまして、
H6エリアに設置されている、RO処理水を保有するタンクの上部より水が漏えいしていることを、協力企業作業員さんが発見しました。

現場を確認した結果、タンク上部天板部のフランジ部より、水が漏えいしており、上部天板部から漏えいした水は、雨どいを伝って堰外に出ている、という事を確認しております。
現場確認の結果、当該タンクの受け入れ弁2箇所が、開状態となっていたことから、当該弁を全閉にしたことで、漏えい量が減少。
その後、当該タンクの水位を下げた事で、2月20日午前5時40分に、漏えい停止を確認ということであります。

ここで言います「当該タンクの水位を下げたこと」というのは、どういうことかといいますと、
6ページに戻りまして、赤丸が付いている当該タンクの後ろに、4つ一連のタンクが付いているかと思います。
この一連のタンクとの間は、バルブが付いてまして、バルブが閉まった状態で連結が切ってある、という状態になっています。
この連結バブルを開ける事で、当該タンクに入っている水を、他のタンクの方に「受け持ってもらう」という形にする事で、当該タンクの水位を下げております。
この様な事をする事によって、漏えいが停止しているという事を確認しております。

なお、滴下した箇所につきましては、ビニールで養生し、漏えい水を受けた状態という事であります。

本日(2月20日)午前0時43分に法令に基づく届け出、ということをさせていただいています。

本日(2月20日)午前0時43分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第 62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及 び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断。

ちなみに漏えい量ですが、先ほど申し上げた通り約100トンが、堰外に漏えいしたというふうに考えております。
漏えい水の回収、及び漏えい個所の土壌回収作業は、既に開始しているところです
先ほど申し上げた通り、漏えい範囲を確認したところ、海への流出は無いと考えています。

時系列(文字起こし略)


この間の経緯で、先日の14時からという事でございますが、
水位計のデータが、7ページについているので、それをご覧いただきたいと思います。



これを見ていきますと、青い線で書いてあるのが、水位のデータであります。
大体100%近辺のところ、97.9%と書いてありますが、こちらで、一定でずっと水位が維持されていた。
これは、当該タンクです。
ところが、14時58分と書いてありますが、この手前で水位がやや上がって、ここで、アナイシレーター?が出ているという事で、
先ほど申し上げた通り、周辺の確認、作業の確認、現場周りの確認、という事に動き出したという事であります。

ところがですね、これを見ていきますと、15時手前ぐらいから、水位計が下にポンと落ちて、
※印が書いてありますが、落ちてしまっているという事です。
この落ちてしまっているという事に対して、本来あり得ないような動きであるという事と、
それから、ハンシング?が激しく出ているという事で、
「これは水位計が故障したんであろう」というふうに考えています。
ですので、なにか水位計に異常が起こって、水位計が正しい値を出さなくなっているというような状況であるということが、※印のところからみてとれます。
従って、これはなにか、水位計の側に故障が起こっている状況ではないかと。
ただし、念のため、現場なんかもみていて、現場では特に異常はなかったという事で、
えー、昼間の15時、16時当たりの段階が、過ぎている様な状況であります。
その後、23時の段階のパトロールで気付いた、という様な事であります。


9ページめに、天板のところから雨どいを伝った、という事でご説明しましたが、
天板のまわりに雨どいを設置していましたので、その雨どいを伝って堰の外側に出てきた、という状況を示しています。



後から1枚ほど、写真をお配りしていると思いますが、そちらの方と6ページを、並べてご覧いただきたいと思います。
6ページのところ、当該のタンクの前に、三つのバルブがあります。
現場を見に行った時に、その三つのバルブがどうであったか、ということを示したものです。
写真の並びと、このバルブの並びは、同じというふうに思って下さい。



若干写りが悪くて見にくいかもしれませんが、一番左側のものが写りがいいので、これで説明したいと思います。
これは、閉まっているバルブです。

(一番左の写真)


これを見ますと、バルブを動かすための軸が、金属色で飛び出しているのがわかると思います。
ここのところに、バルブを開閉するためのハンドルをつけて、そして、ハンドルを動かすことによってバルブを開け閉めする、というものでございます。
で、この金属をよく見ると、四角い囲いがしていて、長手方向が横を向いているというのがお分かり頂けるんじゃないかと思います。
この状態が、バルブが閉まっている状態です。

この金属の四角い部分が、長手方向が流れの向き、配管の向きになっている状態だと、バルブが空いている状態という事です。

一番左の写真を見ますと、わかりにくいんですが、これが、長手方向が配管に対して直角になっていますので、このバルブは閉まっている、という事であります。

一方ですね、となりの二つの写真、こちらの方は、印刷の関係で見にくいところがありますが、



「開いている」、というような状態になっておりました。

従いまして、本来であれば、一番頭のバルブが閉まっている訳ですから、この経路に水が流れる筈がないんですけれども、
実際に、この経路を流れないと、このCに入りませんから、ここに水が流れていたと。

流れた理由というのは、先ほど申し上げた通り、「その上流にあるポンプを動かした事による」という事でありますので、
えー、なんらか、この写真で言いますと、一番左の閉まっているバブルが、
バルブの開閉軸の位置からすると、「閉」の位置にあるんですけれども、
なんらかここに故障があるのではないか、というふうに考えて調べているところであります。

現状、以上のようなところまで分かってございますが、引き続き、現場の対応と調査を進めているところですので、
さらに整理できたところが出来たら、情報を提供したいと思っております。
私からは、まずは以上でございます。

ーーー

最初の説明で、尾野さんは、8ページに関してスル―しました。
質問部分から、8ページの内容サンプリング結果に関して、書き出します。



読売新聞:
・そもそも二つの弁はなぜ開いていたのか?
雨どいから検出された濃度と、1月にタンク内の濃縮水の濃度を比べた時に、桁違いに高いんですけど、雨どいの方がですね。これはどういうふうに見たらいいのか?

尾野:
当該のタンクの手前にある3つのバルブですけど、本来どういう状態にあるべきか?という事で言いますと、
本来は3つとも閉まっている、というのが通常の状態です。
しかしながら、現場を確認したら、3つのうちの2つが開いていたという事であります。
このバルブが最後に操作されたのが何時であって、その時どういう状況にしたか。
その後、このバルブを触るような作業等があったかどうかについては、現在確認をしているところでございます。
ですので、ご質問にお答えするとするならば、本来は閉まっているべきものです。
ただし、この二つが開いていても、一番頭のバルブが閉まっている状態では、水が流れないはずなんですが、
それが流れているという事から、この1個目のバブルにも、なにか機能的な障害が生じている可能性がある、という事でしらべます。

もうひとつの濃度の話ですが、濃度の話は、これは測定したものを示させていただいているという事で、
H6エリアの雨どいの水というのは、タンクの中の水がオーバーフローして出てきたものを、直接殆ど薄まっていない状態で測っていると見ていますので、
濃度が高いという事ではないかと思っております。

読売新聞:
濃度なんですけど、これは雨どいを通っているから、雨どいの中が汚れているから、とかそういう事?

尾野:
そういう捉え方では無くて、タンク内に入っている水そのものが汚れていますから、
オーバーフローしてきたものが雨どいを伝って来たとするならば、
それは、タンク内の水の素性に近いものが出るだろうという事で、濃度が高いという事だと思います。

読売新聞:
そうなった時に、1月の数字に比べて高いというのは?

尾野:
これは、淡水化処理装置の濃縮装置の出口という事ですので、これは要は、今現在、淡水化装置から出ている水ということで、
このタンクに入れた水というのは、このタンクが設置された時に、かなり昔の水ですから
あの、その間の処理の過程が違っていますから、水そのものは、最近の水は、少しキレイ目だという事です。

読売新聞:
じゃあ、過去のものが蓄積されているからという、そういう理解でいいですか?

尾野:
当該のタンクに入れた水そのものを測っているものではありませんから、参考という。


テレビ朝日 松井:
雨どいの汚染水の濃度ですが、改めて、テレビなので、尾野さんの口の方から、全ベータで濃度はいくつだったのか、教えていただけますか?

尾野:
雨どいの水の濃度でございますけれども、
全ベータで言いますと2.3×10の8乗ベクレル/リットルということで、高い濃度のものでございますと。

松井:
あの、わかりやすく何万とか何億とか言っていただけますでしょうか?

尾野:
え……8乗ですから……ちょっとお待ちください。

いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん……、


え、2億3000万ベクレル/リットルということでございます。

松井:
ありがとうございます。
これをベータ換算で、ストロンチウム換算を単純に、「基準の何倍」というような言い方をしてもいいんでしょうか?
「その場合はいくつ」という様な表現が、東京電力としては考えられますか?

尾野:
これはちょっとあの、なかなか申し上げにくいかと思いますけれども、
いわゆる、ストロンチウムの敷地境界外での基準濃度というのはございますけれども、
この水自身がまだ、敷地境界の外に出ているとか、そういうものではございませんので、
ま、中にあるものをそれと比べて何倍、というふうに申し上げるのは、必ずしも正確なものではないかと思っております。
あの、計算していただければわかると思います。
比率自身は、計算すれば出ますが、そういう使い方がいいのかどうかという事はありますので、
この場では、回答は差し控えさせてもらいたいと思います。

松井:
こちらの方で、各報道機関で、仮に外の海に流す量の基準と比較した場合に、という事で、中にあって出ていないという訳ですから、そういう比較でいう場合には構わないと。

尾野:
それは、一般的に公表されている数字の使い方の問題ですから、その使い方が適切かどうかも含めて、という事になろうかと思いますので、

松井:
尾野さんは、全ベータとストロンチウムの場合は、半分で計算するとおっしゃっていたと思うんですが、それでよろしいですか?

尾野:
およそということでいいますと、その位という事でございますけど、
勿論増減等もございますから、厳密ではありませんが、およそそれぐらいという事であります。

松井:
およそ半分でという事ですね、わかりました。


フリーランス 村上:
ここに溜まっている水というのは、いっぺんサリーにかけているんですよね、最初の段階で。
サリーで処理している訳ですよね?
その割に、セシウムの134とかの濃度が、ものすごく高い気がするんですが。

尾野:
そうですね。
あのー、サリ―にかけてございまして、それによってセシウムが減ってございますけど、
もともとの、そのー……タービン建屋の地下に入っていたセシウム濃度というのは、もっとはるかに高い値でしたから、
サリ―、キュリオンで、4桁ぐらい落ちた状態でこれ位という事かと思います。


ー追記ー

2月23日になって(3日経ってから)
「やっぱり側溝にも、2億3000万ベクレルの漏えい水が溜まっていました」
ホームページ上で、「続報5」として何気なく報告していますので、追記します。

H6エリアタンク上部からの水の漏えいについて(続報5)
平成26年2月23日 東京電力株式会社

2月19日に確認された、H6エリアタンク上部からの水の漏えいに関する続報です。

漏えい範囲の確認結果については、既にお知らせしておりますが、淡水化装置エリア(蒸発濃縮装置用タンク設置エリア)の東側から南側にかけての側溝(長さ約55m×幅約30cm×深さ約30cm)にも漏えい水が溜まっていたことを確認しておりましたので、漏えい範囲を訂正させていただきます。

側溝は閉塞されており、他箇所への流出は確認されておりません。
なお、当該箇所の漏えい水については、2月21日に、バキューム車により回収しております。

以上

ーーーー追記ここまでーーーー

↑以上、転載おわり

安定ヨウ素剤を飲んでた福島県立医大医師たちの、偽りの『安全宣言』と狂いっぷり!

2014年02月27日 | 日本とわたし
すけろくちゃんという方が、フライデーに掲載されていたこの記事↓を、部分的に書き起こしして、ツィートしてくださいました。



2011年3月の事故直後。
福島県庁は、県外の医療機関などから、114万錠のヨウ素剤を緊急収集し、各自治体に配ったが、服用については、指示を出すことを躊躇
独自に決定した三春町を除いて、直接、県民に配られることはなかった。
その理由を、県庁関係者は、こう説明する

「汚染に関するデータがなかったこともあるが、医学会の権威の意見が、大きく影響していました」…。
国が所管する放射線医学総合研究所は、3月14日に「指示が出るまで、勝手にヨウ素剤を服用してはいけない」とする文書を発表。

18日には、県の放射線健康リスク管理アドバイザーである山下俊一氏が、
「福島原発から30kmほど西に離れれば、被曝量は(年間限度量の)1ミリシーベルト以下で、ヨウ素剤は不要」と、医大の医師達を前に強調。
同氏は、県民向け講演でも、「子供は外で遊んでいても問題ない」と断言
県立医大も、患者や相談に来た県民に、山下氏たちの意見をそのまま伝え、ヨウ素剤を勧めていなかった

だが、医大内部資料によると、医師たちは、密かにヨウ素剤を飲んでいた

医大は、県から4000錠のヨウ素剤を入手
1号機が水素爆発した3月12日から配り始め、多い所では1000錠単位で、院内の各科に渡していた。
しかも、医療行為を行わない、職員の家族や学生にも配布
資料には、「水に溶かしてすぐに飲むように」と、服用の仕方まで明記
医大職員は言う。
事故が発生してから、病院に来なくなった医師もいて、動揺が広がっていました。
院内の混乱を鎮める為に、上層部が、ヨウ素剤の配布を決めたようです。
しかも、服用を県に進言してない手前、配布については、かん口令が敷かれていました


当時の国の基準によると、ヨウ素剤の服用が助言されるのは、
1歳児の甲状腺被曝線量が、積算で100ミリシーベルトになると予想されてる場合だが、
後に公表された試算値(3月12日~4月24日)では、原発から30km以上離れた伊達市でも、この水準を超えていたことが分かっている。

県立医大の医師達は、なぜ4000錠ものヨウ素剤を、自分達だけで飲んだのか

医大は、院内関係者のヨウ素剤服用は『事実』だとし、こう主張する。
「情報やデータがないなか、医療機関として最後まで現場に残らなくてはいけないという認識のもと、
職員の動揺を抑える目的で、医大教職員と家族への配布に踏み切りました。
学生に配布したのは、不安が広がっていた為です。
かん口令を敷いた理由は、国や県から、服用指示の基準が住民に明確に示されない中、医大が独自の基準を作ってしまうことになるからでした」(広報戦略室)

ヨウ素剤を管理する福島県地域医療課は、当初、事実を確認できないとしていた
だが、入手した資料を提示すると、医大への配布を認め、改めて、当時の課長が次のように説明した。
ヨウ素剤は、福島第一原発から50km圏内にある、各自治体に配備しました。
住民への配布を指示しなかったのは、判断するデータがなく、踏み切れなかったからです。
医大へ配ったのは、(多くの放射線を浴びる)被災地へ出向く医師を、対象としたもの。
医大が、家族や学生にまで配ったものであれば、疑問を感じます


確かに、下手に服用指示を出せば、不安をあおり、情報も少なかったため、判断が難しい局面だった。
だが、ヨウ素剤服用について情報公開請求をした、「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」の郡山代表・武本泰医師は、医大の態度を批判する

「なかには、ヨウ素剤を求めて、医療機関に問い合わせるなど、奔走した母親もいるんです。
県民には安全だといって服用を勧めなかったにもかかわらず、自分たちだけ飲んでいたというのは、同じ医療従事者として許せません。
県も、医大に配布するなら、県民へ服用指示を出すべきだったでしょう


現在までに、75人の福島の子どもたちが、甲状腺がん、もしくはその疑いがあると診断されている

(※フライデー3月7日号・34~35P『安定ヨウ素剤を飲んでいた福島県立医大医師たちの偽りの「安全宣言」』より引用しました)




この連中が考えていた不安というのは、いったいなんだったのか……。
自治体も医師も学者も、人の命を預かる立場の者としての自覚も、責任感もなく、ただただ自己保身に専念。
なんとも悲惨で罪深い行為をし続けた挙げ句、こんなポスターを作っている。



もうこれは、ホラーともいえる狂い様ではないか。

真央ちゃんありがとう!

2014年02月27日 | ひとりごと
あの日からずうっと、真央ちゃんに励まされています。
日本の皆さんは多分、毎日のようにテレビや新聞、そして雑誌などで、彼女のことについて観たり読んだりしておられたのでしょうね。
こちらでは、テレビ画面の中の、ほんの数分間の演技を観られるだけですし、大会が終った後は、何事も無かったように、こちらの選手の話題さえも電波に乗りません。

ソチオリンピックは、21年連れ添っている相方が驚くほど、観ていませんでした。
オリンピックそのものに対する印象が、この3年間でずいぶんと変わってしまったこともひとつの理由でした。
オリンピックが開催されることによって生じる環境破壊や、お金のムダ遣いや、後で必ずお荷物になるような巨大施設。
オリンピックという大会を目指して、それまでの人生をかけて必死で練習をし、努力を重ねている選手の皆さんのことを敬う気持ちにはかわりがありませんけれども、
物事が大きくなればなるほど、利権が複雑に絡み、そのものが目指していたものがすっかりと歪められていくのを目の当たりにしながら、
純粋に、ただただ選手の方々の応援をする、という、4年前までの自分には戻れないでいました。

でも、フィギアだけは観たい。

それで、フィギアのショートプログラムがあった日のハイライト番組を観ようと、テレビの前に座りました。
すでに団体戦があったことも知りませんでした。
真央ちゃんが最初のジャンプを失敗し、その後立て直すことができないままに演技を終了した時、
解説の方が「disaster」という言葉をくり返して言うのを聞きながら、テレビを消しました。
Disaster……大変な不運、災い、思いがけない大きな不幸……。

真央ちゃんは、小さな頃からジャンプが上手な、愛らしい笑顔のフィギアスケーター。

わたしにとって真央ちゃんは、それぐらいの認識しか無かった選手でした。
けれどもあの夜、あの「disaster」という言葉を聞いてから、ネットでいろんなことを調べ、たくさんのことを知りました。
そして翌日、やはりハイライト番組上で、彼女の演技だけは見逃さないと決め、ネットで結果を先に知ることがないよう、ツィッターなどを見ないようにしました。

そしてあの、音楽と舞踏の神となった彼女の、多分一生忘れることはできないであろう演技を観たのです。

魂が揺さぶられました。
言葉にすると単純な表現になってしまうのですが、彼女が表現したかったという人生を、あの数分で観たような気がしました。
美しかったし、哀しかったし、そしてなによりも強かった。
コマ切れの瞬間の写真の中の彼女の眼差しは、キッと何かを見据えているような、とても力強い、そして負けてたまるかという気持ちが現れています。

わたしはこの、自分の息子たちと同じ年頃の若い女性を、心から尊敬し、誇りに思います。
こんな気持ちを持たせてくれたこと、あのような素晴らしい演技を見せてくれたこと、
たくさんの苦しみや悔しさ、辛さを乗り越え、最愛のお母さんとの別れの悲しさも乗り越え、頑張り続けてくれたこと、

わたしはすっかりおばちゃんですが、やっと1年がかりで作り終えた曲を、来月、演奏会で披露します。
演奏前の舞台裏では、いつも決まって「なんで演奏するやなんて考えたんやろ」と、意味不明な後悔をするほど緊張して、逃げ出したくなるのですが、
今回はきっと、あなたのことを思い出して、そんな弱虫な自分の心を叱咤激励すると思います。

本当に本当にありがとう!

↓このサイトを見つけました。
とても良いので、みなさんにも。

浅田真央 LAST DANCE(ラストダンス)
http://www.asahi.com/olympics/sochi2014/lastdance/

少しばかり、引用します。

五輪史上、6種類のトリプルジャンプを着氷した、初の女子選手になった。

「うれしかったです。うれし泣きと笑顔と、同じ意味だと思います」

「自分の中で最高の演技ができ、たくさんの方に恩返しができました」

「最後は覚悟を決めて、『よしっ』と思えた。SPのようになっても、とにかく跳ぶという気持ちを持った」

跳べない恐怖心から無理な食事制限もした。

「自分が目指していたのはきょうのような演技。この4年間は良かったと思う。その気持ちは、どんどん強くなるんじゃないかなと思っています」
 
演技を終えると一瞬涙を見せたが、すぐに泣きやんで、スタンドに向かってほほえんだ。
 
「笑顔を忘れないでいればがんばれる。つらいことがあっても笑顔を忘れない」

ジュニアで難しいジャンプを跳んでいた選手が、そのままシニアでも活躍できるとは限らない。
体形の変化という壁にぶつかるからだ。
彼女も例外ではなかった。

ジャンプが跳びにくくなり、失敗を恐れて、助走スピードを落としてしまう。
すると、一層ジャンプが跳べなくなるという、悪循環に陥り始めた。
練習リンクで、涙を流しながら滑ったこともある。
思うように技が決まらない苦労から、試合で良かった場合も悪かった場合も、感極まってしまう。

「一からやり直す」
ソチ五輪へ向け、崩れてきたジャンプを、根底から作り変えると決めた。
10~11年シーズンから、新たに、佐藤信夫コーチに師事した。

ジャンプは、1回転の練習からやり直した。
「わかってんのか」「今はやめておけ」と、信夫コーチの鋭い声や、「もうわかったんです!」という浅田の高い声がリンクに響いた。
泣きながら練習することもあった。

「修行僧のようだ」と周囲をうならせた猛練習で、生まれ変わった彼女。
浅田真央が、ソチ五輪のフリーで表現したテーマは、「今までの人生」。


■真央ちゃんの言葉より

もう演技中に笑顔なんて出ません。

スケートが好き、スケートが楽しいという気持ち、それだけは忘れたくない。

がんばれば結果はついてくる。
満足はしてません。
満足してしまったら、そこで終わりになりますから。

失敗する自分の姿を人に見せるのは悔しいけど、そういう状態でも試合に出たことに意味があります。

子ども向けのメッセージ、何て書いたらいいかな。
「やればできる」かな。
今の真央に言われたくないよって言われるかもしれないですよね。
「日進月歩」にしておきます。

練習で出来ていないものが出来るはずがなかった。
ジャンプがほとんど跳べないのに勝てるはずないです。

ジャンプを一からやり直しています。
6種類すべてのジャンプをやっと跳べるようになってきたところです。(2010年11月)

少しずつ大人の滑りができるようになってきました。
まだ伸びしろはあります。

「真央だよ」と叫びましたが、やすらかな顔をしたお母さんは、やはり目を開くことはありませんでした。(2011年12月)

一番近くにいるような感じがしました。(母を無くしてから初の大会で)2011年12月25日

(トリプルアクセルは)跳ぶことで私自身を強く持てるもの。
ないと全体のモチベーションが下がってしまいます。

毎日、自分のやるべきことをやっていけば、間に合うんじゃないかなと思います。(2012年9月)

滑ることが好き。
喜びを味わいたいから。

目指してるものに近づきたいなら、目の前の試合で結果が出ないことは仕方ないと、受け入れようとしました。

ちっちゃな子どもたちに夢を与えられるスケーターになりたい、というのがずっと変わらない目標です。

スケートから離れたいなと思ったこともありました。
練習で出来なくてショックでどうしようと思うときもあります。

たくさんの励ましをもらって、覚悟を決めて、「よし」と思えました。(2014年2月)








はっきり言うてあの時どの党がやってても大差無し。この路線を変えん限り、日本は破滅に向かっていく!

2014年02月25日 | 日本とわたし
昨日の朝、このビデオに出会いました。
その内容は、もうこれまで、ここでも何度も取り上げて書いてきたことがほとんどでしたけれども、
アメリカの核特殊部隊の、放射線量の空中測定のやり方が、具体的に伝えられていて、
わたしはずっと、いったいどうして、あのような汚染マップを作成することができるのかに興味があったので、そこの部分だけでも記事に書こうかと思っていました。

ところが、観ているうちに、あの未曾有の事故が起こった後の、まず国民の、人の命や健康を守ろうとしなかった官僚や政府の実態を、再度思い出されてきて、
これはやはり、文字起こしをして、ピンぼけでもなんでも、画面を写した映像と一緒に記事にしようという考えに変わり、起こし始めました。

あっという間に2時間3時間が経っていき、夜中になっても終らないので、あともう少しというところで中断し、今朝また続きをしようとパソコンをつけたら……、

またやってしまっていたのです……保存せずにパソコンを消したので、すべてが消えてしまっていました。

わかりやすいように、読みやすいようにと、段落や括り方を工夫して、何時間もかけて起こした文字と、
少しでもきれいな画像になるよう、いろんな角度やモードで撮った写真が、みんないっしょに……ぐわぁ~ん……。

いったいこんなことを何回したら、わたしは学習するのでしょうか……。

ということで、朝からドド~ンと落ち込みましたが、こんな時こそ深呼吸してスマイル♪
気を取り直して、どなたかが、この動画について書いておられないかを調べてみました。

いらっしゃいました!
ありがたいです!
竹下雅敏さんとおっしゃる方が、端的に、そしてとても美しい映像とともに、この動画をまとめてくださっていました。

感謝とともに、ここに転載させていただきます。
(動画はDaily Motionのものなので、ここには載せられません。この青い部分をクリックして、別の画面でご覧ください)

↓以下転載はじめ

隠蔽か黙殺か ~封印された汚染マップ~
【テレメンタリー(2014年2月16日)】Daily Motion 14/2/19



文字データはこちらから転載させていただきました。 

東日本大震災の直後、アメリカが下したある決断-それは、核テロや原発事故へ対応するスペシャリスト「核特殊部隊」を日本に派遣すること……。

カート・キャンベル国務次官補(当時) 
「アメリカは、絶望的な大惨事になる可能性も考えました。政府は汚染状況がどれくらい危険かを確かめようとしたのです」

核特殊部隊の切り札は、空中測定システム『AMS』。
上空から地上の放射線量を実測
し、広範囲に汚染状況を分析できる。

ジョン・ルース駐日米大使(当時) 
「目的は、出来る限り最高の情報を得て、日本が危険に対処する手助けをすること」

その当時、日本はまだ、人海戦術による陸上モニタリングに頼っていた。


事故発生から6日後に行われた、福島第一原発周辺の陸上モニタリング結果……これでは、汚染状況を点でしか把握できない。

班目原子力安全委員会委員長(当時)
「ほんとにポツンポツンとあるだけなんです。場所によっても全然値も違いますし、全体として本当にどうなっているんだろう……」




来日した部隊は、上空からの測定で、地上1mの高さの放射線量を算出。
測定値と地理情報をあわせ、汚染マップを作成
した。

今中哲二助教 
「NNSA(特殊部隊)は、とにかく福島の上空をバーッとヘリコプターや飛行機で飛ぶわけですよね…」

福島第一原発から半径45kmの地域を、およそ40時間以上飛行。放射能汚染の全容を把握していた。

今中氏 
「浪江から飯舘、福島のほうへ汚染が広がったのが分かります」

完成した汚染マップ。
北西方向に30km以上、1時間当たり、125μSvを越える汚染地域が広がっていた。


汚染状況を予測する『SPEEDI』の公表遅れが問題となったが、SPEEDIは、あくまで予測値である。
『AMS』が決定的に違うのは、これは実際に測ったデータだったということ。

班目氏
「(AMSは)まさに実測値ですから、SPEEDIを使って予測するより、はるかに信頼性が高いので、これをもとに色々な決定をすべきじゃないかと思ったくらい」

しかし情報は公表されず、わざわざ放射線量の高い福島県北西部に避難してしまった人も多い。




3人の子どもと、浪江町から避難した被災者。
汚染された食べ物による、内部被曝を心配する。

山に入って、椎茸とかそういうものをとって食べてました。水も山の引っ張り水とかだったし…」
WBC検査の結果、高校生の長男から、微量のセシウムが検出された。
更に甲状腺からも……。
のどのエコー検査で、(のう胞が)3つか4つ見つかった
んですけど……『なんで俺ばっかりでるんだ』って言ってたのは覚えてますけど……」

政府も他人事ですよね。
(汚染マップの情報を)言ってくれれば、もうちょっと正しい判断ができたんじゃないかなって思います
けど…」


だが、この汚染マップの存在が取り沙汰されるのは、事故から1年以上も経ってからの事。
なぜ、汚染マップは封印されてしまったのか?

福島第一原発事故以来、日増しに募るアメリカの危機感……。
3月14には、1号機に続き、3号機でも水素爆発。
日本では、情報不足が、混乱に拍車をかけていた。

その頃アメリカでは、情報収集のため緊急招集された、核特殊部隊の精鋭33人が、およそ8トンの機材を積み日本に向け出発。
17日には、被害状況の測定にとりかかった。


-ちょうどその日、アメリカで、独自の避難勧告が発令される。

カーニー報道官 
福島第一原発から半径80km圏内にいるアメリカ人に対して、避難をするよう勧告する」




アメリカが、半径80km圏内の避難指示を出したのに対し、
日本はまだ、半径20km圏内を避難範囲としていた。
汚染マップを見ると、避難対象から外れている場所でも、放射線量が高い地域がある。


ラスト・デミング氏 
「ホスト国と異なる発表をするのはやりにくいものでしたが、日本はアメリカと違う判断をしていたので……」

カート・キャンベル氏 
「日本よりも避難範囲が広かった理由は、アメリカが慎重であったからです。
ごく短い期間ですが、日米間には緊張した空気がありました」

避難指示にあたって、アメリカでは、『AMS』の実測データが重要な役割を果たす。

ケビン・メア氏 
「どこまで汚染されているかを、出来るだけ早く測りたかった。
50マイル(80km)の避難区域で十分か、もっと縮小すべきかを判断する時に、もちろんそういう情報も使っていました」




NRCの電話会議録でも、汚染マップを有効活用したことが伺える。

汚染が集中しているのは、現場から北西方向であることが分かりました。
約20kmを越えて、帯状に、4日間で10mSv近くに達したり、それを越える地域があります。
80km圏内の人を避難させる我々の提案は、正しい決断でしたね」

独自データをもとに、米軍の撤退も検討された。

マイケル・マレン氏 
「同盟国の支持だけでは済まされなかった。多くの部下も、放射能にさらされる危険がありました

キャンベル氏 
撤退案は、確かに検討しました。しかし、オバマ大統領と大統領補佐官が、米軍に断固として『撤退するな』と命じたのです」

もし、日本が同盟国でなければ、全米軍が国外退去していた可能性もあったという。






DOEポネマン副長官 
AMSによる最初の調査を行い、情報収集しています。すべて、日本政府と情報共有しながら進めています

DOEのAMSのデータはこちら▸http://energy.gov/downloads/us-doennsa-response-2011-fukushima-incident-data-and-documentation

日本に留まる事を決めたアメリカは、自国民を守るためにも、日本への情報提供を続けた。

ラスト・デミング氏 
私たちが得た情報は、出来る限り日本に提供していました。アメリカ側としては、まったくダブルスタンダードはありませんでした」

グレゴリー・ヤツコ(元NRC委員長) 
私たちが焦点を当てたのは、出来る限りの情報を提供することです。AMSのデータもありました

測定前に打診を受けた日本政府の対応が、こう残されている。
日本政府は、AMSの測定を含む、エネルギー省放射線プログラムチームの支援を受け入れた

カート・キャンベル氏 
「これは、日米共同の決断でした。原発周辺の状況を把握するために専門家が必要だと、日米両政府が判断したのです」



番組が入手した内部文書(3月18日のメール)によると、AMSのデータは、翌日には、外務省を通じて、原子力安全・保安院に送られた。

(メール)
「訪日中のアメリカエネルギー省の行った、モニタリングの結果をまとめた資料が、在京米大使より送付されてきました」

資料は、文科省にも届けられた(3月20日のメール)。
しかし……。

カート・キャンベル氏 
「危機レベルが極めて高いのに、日本の対応はすべてを否定するというものでした」

データ提供後も、日本では……。

枝野会見(3月21日)
大気中の放射性物質の濃度について、詳細も文科省から報告をさせていただいているが、全く人体に影響を与えるようなレベルのものではない

汚染マップが、活用されることはなかった……

田坂広志氏
「実測の技術……航空機で実測していくという技術は、日本に比べて数段進んでいますね。
ですから、これくらい迅速に、データをとるわけです。
堂々と活用するという考え方を、本来ならとるべきだろうと思います」

今中哲二氏
「それに基づいて、その汚染地域の人たちに対して、警告なり避難指示を出したりすることが、もっと早くできたはずだと」






情報を受け取っていた保安院は、こう弁明する。

「データを全部、一元的に管理して公表するのは、文科省の役割……。
こういう海外のところについては、どうするかというのは、必ずしも明確でなかった」

一方の文科省は……。

文科大臣(当時)
「文科省の立場でいくと、地上でのモニタリング担当ということでありまして……保安院の方へ(モニタリング結果は)送られているということですから……」

責任を押し付けあう、保安院と文科省。
官邸に助言をおこなう、原子力安全委員会にもデータが届けられたが……。

Q.(原子力安全委員会の)委員長のお立場で、「なぜこの地図を使って避難しないんだ?」と、一言いうことは出来なかったのか?

班目氏
避難をするかしないかということに関しては、避難指示を出すのは政府の仕事で、安全委員会はそこまでは言えないというか……」

国会事故調査委員会は、縦割り行政の結果、情報が止まったと結論付けた。

“文科省は、このデータを、自らが所管するモニタリングのデータでないとし、官邸に伝達しなかった”
“保安院においても、官邸に送付した形跡は認められない”
(国会事故調査報告書より)






カート・キャンベル氏 
「私個人は、そのデータを、駐米日本大使藤崎氏に渡しましたし、大使に渡された情報は、すべて総理に渡ったと思います

実は、アメリカは、測定直後からホームページで、汚染マップを公開している。

ケビン・メア氏 
「おかしいでしょ。
一番重要な問題があった時に、どういう情報があるか(官邸が)知らないという立場であるのは、ちょっとおかしいと思いますよね。
菅政権のやり方、あんまりうまくいってなかったと、はっきり感じました」

しかし……。

枝野氏(議会答弁) 
なぜ、官邸に報告があがらなかったのかについては、厳しく経産省内・保安院に問い正しているところで……」

完全否定する官邸サイド。
だが、国会事故調の元委員は……。

野村修也氏
「どう考えても、この情報というのは、いろんなところから耳に届いていたんじゃないかと思われる。
国というのは、そんなに情報に疎いわけではなくて、やっぱり国家の中枢は、情報はきちっと取れなければいけない」




核特殊部隊のデータは、測定をサポートした防衛省にも入っていた。

Q. その話(AMSの測定について)は、北澤元大臣のもとにも入っていましたか?

北澤俊美(元防衛大臣) 
もちろん入っています。防衛省は(米軍と)一緒に仕事をしてたから、情報を早く入手できる」

Q. 初めて(AMSの)結果をご覧になった時はどういう風に思いました?

北澤氏 
「大変な事態だってことは、我々もすぐ認識しました。活用したらどうかというのは、防衛省側の考えだった」

封印された汚染マップ……官邸サイドは、その情報が届かなかった、と主張した。
だが、当時の菅政権の主要閣僚は、こう断言する。

Q.(AMSのデータを)活用したほうがいいと、官邸に伝えたか?

北澤氏「それは、情報として、(官邸の)原子力災害本部へは、どんどん出してましたから……」

Q. モニタリングの結果を、官邸が知らないということは?

北澤氏ありえない。私はそれはないと思いますよ

Q. それは早い段階で?

北澤氏「うん」

Q. それくらい重要なデータということ?

北澤氏「そう。……それは官邸が知らないことはないと思う」


番組が、情報開示請求をして入手した、日米首脳の電話会談の記録。

オバマ大統領
「エネルギー省から専門家を派遣している。彼らはアメリカでもっともよい人材であり、日本の対策本部と協力している」

核特殊部隊の派遣は、オバマ氏から菅氏へ、直接伝えられていた。
公表されなかった背景を、関係者たちは、

キャンベル氏 
「日本政府は、パニックを引き起こすことを恐れて、アメリカとは少し異なる立場をとったと思います」

北澤氏 
「特に放射能の高い所に避難指示を出すとなると、多分混乱を起こすと、その地域に過重な恐怖感を与えると……そういう考えがあったのでは……」

菅元総理とは、数ヶ月に渡り書面や電話で交渉したが、インタビューは実現しなかった。
しかし、官邸の原子力災害対策本部にいた福山氏は、汚染マップの存在を覚えている。




福山哲郎氏 
3月20日前後だったと思いますが、アメリカの航空モニタリングで、こんな結果だというのを、A3版の非常に大きな資料として、
東北全体の地図があって、モニタリングで色分けされているような資料をもらった記憶があります」

Q. それは総理とも共有されていた?

福山氏 
当然です。
当時は、官房長官と総理は、ずっと一緒にいたと言っても過言ではないくらい……まあ、官邸では共有しています」

Q. 国内での公表は出来なかったのか?

福山氏 
「アメリカの測定値を日本が公表する……それはアメリカの持っているものですから……」

外務省の内部文書には、こんな記述(3月24日)が記されていた。
“在京米国大使館から外務省に対し、本件モニタリング結果は公開されており、日本側での公開も可能である旨の連絡あり”
 



アメリカの測定で、高濃度汚染が確認された飯舘村に、5月末まで留まってしまったある親子

 
「後から子どもたちの部屋の線量を測ったら、高かったんです。分からなくていてしまったので、仕方ないです」

娘の甲状腺に、2センチほどの膿胞がみつかった。


「長女には、結局言ってないです……『大丈夫だったよ』としか……。
(汚染マップが)どこで止まってしまったのか、止めたのは誰なのかって言いたいところです。
悔しいというか、怒りというか、ちゃんとご存知の方はいたんですね



政府が、汚染の激しい福島県北西部の一部を、計画的避難区域に指定したのは、核特殊部隊の測定から1ヶ月以上が経った、4月下旬。
ほぼ、全住民の退去が終ったのが、7月……。
時計の針は、もう巻き戻せない……。

原発をやめたければやめられる国にすらなれず、新たなウソ神話で破滅に向かう…どこまでアホなん?

2014年02月23日 | 日本とわたし
『原発ホワイトアウト』の、登場人物のモデルとなった新潟県知事の泉田氏。
彼のインタビュー記事から、引用させてもらいます。

◆メルトダウンしない前提の“安全基準”は、非常に危険だ!!

――『原発ホワイトアウト』を書いた現職官僚が,懸念しているのは、
外国に比べて甘い安全基準のまま、原発再稼働に突き進めば、結局、再びメルトダウンが起こってしまうということですが。

泉田:
それは同感です。
例えば、ヨーロッパの原発は、「メルトダウンは起きる」という前提で設計されている
核燃料の冷却に失敗をすれば、溶けて下に落ちるわけです。
福島原発事故では、落ちたときに何の対処もしていないから、結果として、大量の放射能を放出してしまった。
そこで欧州では「コアキャッチャー」という設備を設置して、メルトダウンした場合に、燃料が流れ込むようにしているわけです。

米国は、9・11テロの後に、規定を設け、いざというときに、部隊が緊急展開して、冷却できるシステムを持っている
ソフトか、ハードで対応するのかの違いはあれど、「メルトダウンは起きる」との前提で考えているのが、世界の潮流です。

ところが、日本の技術委員会の議論を聞いていると、「メルトダウンが起きる」という前提の議論をしていないのです。
メルトダウンがいかに起きないのかを、必死で説明している
これは、第二の安全神話を作るのにほかならないし、政府全体で原発輸出をしたら、製造物責任を問われる事態を招きかねない
「メルトダウンは起きる」という前提で議論をしてもらわないと、本当に困るという意味で、
『原発ホワイトアウト』で言われているリアリティには同感です。


↑以上、引用おわり

どうしようというのでしょうか。
いったいどこへ向かおうとしているのでしょうか。
自分たちで自分たちのことを考え、決め、行動するということができない者たちに、長年の間に渡り、政治をさせ続けてしまったツケを、
今わたしたちは、払わされているのでしょうか。

原発は、すべての裏の闇とつながっています。
TPPは、単なる貿易協定ではありません。
そういう名前で誤摩化そうとしているのです。
TPPは、はっきり言って、軍事協定です。
どんな軍事協定か。
それは、中国を包囲し、圧力をかけ、いざという時には、アメリカを中心とした加盟国協賛の攻撃を加えるというものです。

そのためにはまず、軍を持たないでいる日本に持たさなければなりません。
さらに、米軍は、日本のみならず、韓国やフィリピンからも、撤退しようとしています。
ちまちまとあちこちに散らばらせるのではなく、サイパンに、巨大な軍のベースを置き、戦争となったら、日本、韓国、フィリピン、それぞれの自国の軍を派遣させる。
有事(これはもうほぼ中国を指していますが)の際は一緒に戦え、ということです。

そして、その指令を完ぺきに、邪魔のひとつも入らずに下すためにはまず、その国々の法律が機能しなくなる状態を予め作っておかなければなりません。
原発ももちろん、その一環を担っています。

すべては秘密裏に、どの国の議員も蚊帳の外に追い出したまま、その裏社会の商人などによる世界支配は、粛々と進められています。
本当に巧妙に、ありとあらゆる物事に絡ませながら、グローバルなどという言葉で誤摩化しているのです。

巨大企業、巨大金融……巨大という冠詞がつきそうな組織や企業には、いくつもの顔があります。
邪悪なものを隠すために、良いことをたくさんします。
わたしたちはもうそろそろ、誤摩化されていることに、気がつかなければなりません。
そうしないと、世界が壊れてしまいます。


ジャーナリスト神保哲生氏による、時事問題を扱う番組『ビデオニュース・ドットコム』より

↓以下、転載はじめ

自民党が原発をやめられない理由
2014年02月15日

安倍政権は、一体全体どんな展望があって、再び原発推進に舵を切ろうとしているのだろうか

東京都知事選で、自民党が推す舛添要一氏が、脱原発を主張していた宇都宮・細川両候補に勝利したことで、
安倍政権は、懸案だった原発再稼働へ向けて、動き出した
事実上、原発推進を謳ったエネルギー基本計画の策定作業も、速やかに進めるという。

当初、政府は、2030年代末までに原発ゼロを謳った、民主党政権のエネルギー基本計画を破棄し、
原発を重要なベース電源と位置づけた、新たなエネルギー基本計画を、1月中に閣議決定する予定だった。
しかし、原発ゼロを掲げる小泉純一郎元首相の後押しを受けた、細川護煕元首相の都知事選出馬で、にわかに原発問題が注目を集め始めたと見るや、
選挙後まで閣議決定を先延ばしにしてまで、原発が都知事選の争点となることを避けてきた経緯がある。

選挙から一夜明けた、10日の予算委員会で早速、安倍首相は、
エネルギーの「ベストミックス」を目指した、エネルギー基本計画の策定を進める意向を示した。
ベストミックスというのは、経産省が考え出した霞ヶ関文学で、
要するに、これからも原発を継続することの意思表明に他ならない。

政権中枢を含め、原発推進が主流を占める自民党内にあって、一貫して脱原発を提唱し続けている、衆議院議員の河野太郎氏は、
そもそも現在のエネルギー基本計画の原案では、自民党の選挙公約に違反していることを指摘する。
自民党は、政権に返り咲いた2012年の衆院選で、原発をあくまで「過渡期の電源」と位置づけ、できるだけそれを減らしていくことを約束していた
今になって原発を、「重要なベース電源」とするのは、公約違反になるというわけだ。

河野氏が代表を務める、自民党脱原発派のエネルギー政策議員連盟は、政府のエネルギー基本計画の原案に対抗する形で、

原発の新増設・更新は行わず、核燃料サイクルも廃止して、「40年廃炉」を徹底することで、
緩やかに脱原発を実現するための提言を策定し、政府と自民党に提出している。

しかし河野氏は、自民党内では、実際に脱原発の声をあげられる議員の数は、党所属国会議員409人中、せいぜい50人前後ではないかという。
電力会社やその関連会社電気事業連合会経団連、そして、電力会社に依存する企業群や関連団体などから成る「原子力ムラ」は、
脱原発を主張する議員に対して、激しいロビー活動を仕掛けている
多くの若手議員から、「原子力村から脅された」となどの相談を受けているが、
本心では原発をやめるべきだと考えている議員の多くが、こうしたロビー活動のために身動きが取れなくなっている実態があると指摘する。

原子力ムラは、政治家にとって命綱となる選挙を、物心両面で支えている
パーティ券の購入や、政治献金などを通じた政治活動の支援も、電力会社本体はもとより、関連会社、下請け、関連団体などを通じて、幅広く行っている。
原発の再稼働を容認しないと発言した途端に、議員の集票や、資金集めに支障が出てくるといっても過言ではないほどの影響力がある、と河野氏は言う。
特に、やる気のある新人や若手議員は、選挙での支持基盤が脆弱なため、
電力会社から「次の選挙では支援しない」と言われれば、政治生命の危機に陥るような議員が大勢いるのが実情だ、というのだ。

そのような与党内の党内事情と同時に、もう一つ、日本が原発をやめられない明確な理由がある、と河野氏は指摘する。
使用済み核燃料の最終処分場を持たず、また核兵器を持たない日本は、原発から出るプルトニウムなどの、核のゴミを処理する方法がない
そのため、日本の原発政策は、一度発電に使った使用済み核燃料を、再処理して再び燃料として再利用する、「核燃料サイクル」と呼ばれる遠大な計画が、その根底にある。
それがないと、日本の原発政策は、経済的にも、国際的にも、正当化できなくなってしまうのだ。

ところが、実際には、核燃料サイクル事業は、高速増殖炉「もんじゅ」の相次ぐ事故やトラブルで、何兆円もの国費を投入しながら、
まったく動いていないばかりか、2050年までは実現できないとの見通しを、政府自身が出す体たらく
にある。

問題は、日本が核燃料サイクル事業を放棄した瞬間に、
電力会社が資産として計上している、膨大な量の使用済み核燃料がすべてゴミになってしまい、電力会社の経営状況が悪化してしまう
ことだ。
東京電力などは、債務超過に陥り、経営が破綻してしまう。

また、中間貯蔵を条件に、青森県六ヵ所村に保管してある使用済核燃料も、
燃料の再処理をしないのであれば、各電力会社が、それぞれ自分の出したゴミを引き取らなければならなくなってしまう
元々、そういう条件で、青森県に置かせて貰っているのだ。
しかし、日本中の原発に併設された、使用済み核燃料プールは、既に70%以上が満杯状態にあり、どこもそれを引き取るだけの余裕はない
また、原発の近くに、使用済み核燃料を保管することのリスクがいかに大きいかは、
今回、福島第一原発事故の際に、稼働していなかった4号機がどうなったかを見れば明らかだ。

河野氏が指摘するように、日本が原発をやめられない理由は、実は非常に単純明快だが、
問題は、日本という国に、この問題を解決するガバナビリティ、つまり、自らを統治する能力がないようなのだ。
民主党政権も、この2つの問題に、明確な解を出せなかったために、脱原発を目指しながら、最終的に策定した計画は、
「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」のような、やや意味不明なものになってしまった。
民主党よりも更に、物心両面で、原子力ムラへの依存度の高い自民党では、
「やめたければ原発をやめられる国」になれる見込みが、ほとんど持てそうもない、と言っていいだろう。

河野氏が率いるエネルギー政策議員連盟は、今回、政府と自民党に提出した提言のなかで、
最終処分場問題の解決には、明解な答えを出せる状態にないことを前提に、

(1)核燃料サイクルを廃止し、使用済み核燃料はゴミとして扱う
(2)それが理由で経営が悪化する電力会社に対しては、国が送電網を買い上げることで、公的支援を注入する(そうすることで、自動的に、発送電分離が進む)
(3)各原発が、六ヵ所村から引き取った使用済み核燃料は、最終処分場問題が解決するまでの間、サイト内にドライキャスク(乾式)貯蔵法によって保管することで、
地震や津波などで、使用済み燃料プールが損傷して、大惨事が起きるような危険な状態を回避すること


などを政府に申し入れている。

現在、政府が公表している新しいエネルギー基本計画は、あくまで原案であり、自民党内や国会での議論はこれからだ。
河野氏は、選挙公約に違反している部分については、党内議論の過程で徹底的に反対し、変えさせていきたいと抱負を述べるが、
果たして自民党に、それを受け入れる能力があるか。
注目したい。

本心で原発を推進したいのならいざ知らず、実はやめたいのにやめられないのだとしたら、やめられる状態を作っていくしかない
なぜ自民党は原発をやめられないのか、どんな党内事情があるのか、やめるためにはどうすればいいのかなどを、
ゲストの河野太郎氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が、議論した。

↑以上、転載おわり

世にもトホホなNHK会長の『二人羽織』

2014年02月23日 | 日本とわたし
はじめにこの写真を見た時に、合成のパロディ写真だと思いました。
公共放送の長として、放送法〝放送の『不偏不党』・『政治的公平』・『公平&公正』〟について全く理解出来てない彼を、
せめてこのようなバカげた写真を作ることで、揶揄しようとしたのだと。

ところがところが……なんのこっちゃない、ほんまの、現実の姿やったんですね。
そのことを知り、唖然としてしまいました。
みっともないにも程があります。


植草一秀氏のブログ『知られざる真実』より

↓以下、引用はじめ

籾井勝人氏 二人羽織を放映しない不公正なNHK
2014年2月22日 (土)
2月20日、衆議院予算委員会で、NHK問題が集中審議の議題とされた。

NHK会長に就任した籾井勝人氏が、参考人として招致され、NHK放送のあり方について、厳しい追及が行なわれた。

放送法は、放送の『不偏不党』・『政治的公平』・『公平&公正』を要請しており、

NHKは公共放送として、これらの要請を満たす放送を、実現する責務を担っている。

ところが、NHK会長に就任した籾井勝人氏は、
特定秘密保護法について、市民の間には反対意見が多く、NHKの報道姿勢が政府寄りであるとの指摘があることについて、

「一応(法案が)通ったので、もう言ってもしょうがないんじゃないか」
「あまりカッカする必要はない」


と述べた。

また、国際放送に触れ、

「尖閣や竹島という領土問題は、明確に日本の立場を主張するのは当然のことだ。
政府が右と言っているものを、われわれが左と言うわけにはいかない」


とも発言した。

従軍慰安婦を巡る問題については、

「戦時中だからいいとか悪いとかいうつもりは毛頭無いが、この問題はどこの国にもあったこと」
「韓国だけにあったと思っているのか。戦争地域にはどこでもあったと思っている。
ドイツやフランスにはなかったと言えるのか。ヨーロッパはどこでもあった。なぜオランダには今も飾り窓があるのか」
「慰安婦そのものは、今のモラルでは悪い。だが、従軍慰安婦は、そのときの現実としてあったこと」
「会長の職はさておき、韓国は、日本だけが強制連行をしたみたいなことを言うからややこしい。
お金をよこせ、補償しろと言っているわけだが、日韓条約ですべて解決していることをなぜ蒸し返すのか。おかしい」

などと述べた。

籾井氏が、NHK会長の職務を遂行する資格を保持しないことは、明白である。

国会は、籾井氏の更迭を迫る良識を示すべきだ。



(時事通信社)

この、籾井氏の国会での答弁模様は、「二人羽織」と呼ばれている。

「二人羽織」とは、寄席や宴会の余興などで演じられる芸のひとつで、
袖に手を通さずに羽織を着た人の後ろから、もう一人が羽織の中に入って袖に手を通し、前の人に物を食べさせたりするものである。

『月刊FACTA』2014年3月号に掲載された記事

「『二人羽織』籾井NHK会長の因果」

は、次のように記述した。

「1月31日、衆院予算委員会で、民主党の原口一博元総務相の質問責めに、
天を仰ぐ籾井勝人NHK会長の前に、手が3本? 
いや、ペンと紙を握るのは、本人の手ではない。
「二人羽織」さながら、背後から、懸命にメモを差し入れる、NHK職員の手なのだ。
このケッサク写真1枚で、いまや世界の笑い者。
「政府が右と言うことを、左と言うわけにはいかない」との籾井の答弁が、英エコノミスト誌に「私の国は右か左か」と痛烈に皮肉られた」



国会で質問を受けても、自分の言葉で答弁することができないのだ。

後ろに控えるNHK職員が、質問の内容を聞き取ると、想定問答の答弁原稿を籾井氏に渡し、
また、ささやき女将よろしく、後ろから、答弁の言葉をささやいて、その言葉通りに答弁を行っているのだ。

この姿を見るだけで、こんな人にNHKを仕切ってもらいたくないと、すべての放送受信者が考える。
「醜態」とはこのことを言うのだろう。
恐らく、籾井勝人氏自身が、こんな恥晒しの毎日は、勘弁してもらいたいと思っているに違いない。

そうであるなら、一日でも早く、自分から、NHK会長辞任の意思を、表明するべきである。
それが、日本国中の放送受信者の利益に適合する行動である。

2月20日の集中審議の模様は、NHKが中継放送をした。
NHK問題の核心は、
NHK放送が放送の不偏不党、政治的公平、公平・公正な放送に反しているのではないかとの疑念である。

籾井勝人氏は、用意された原稿にあるとおりに、
「放送の不偏不党、政治的公平、公平・公正の原則に沿って、適切にNHKの放送事業を執り行ってゆく」
と繰り返した。

ところが、傑作なのは、この国会中継を行っているNHK放送そのものが、まさに、放送の公平・公正に反していたことだ。

テレビ放送の場合、重要なのがカメラワークである。
証人喚問を受けている証人が追及され、核心に迫る質問を浴びせられたときなど、カメラは証人をズームアップして画面に大写しにする。
悪い印象を作る際には、話し手を、下から映し出すことなども、カメラワークとして用いられる

2月20日のNHK中継放送では、
籾井会長に後ろから資料が手渡しされる場面
籾井会長が後ろを振り返り、随行のNHK職員のささやきを懸命に聞き込む場面などの映像が、
徹底してカットされていた


これが、放送の公平・公正に反する行為である。

通常の参考人招致の場合、カメラは参考人を捉えたままである。
NHKのカメラワークは、籾井勝人氏の「二人羽織」を可能な限り捉えないように「徹底配慮」したものだった。

籾井会長が「公平・公正な放送」と繰り返す、その映像を放映するNHKが、「公平・公正」でない行為を示していたのである。

大雪にあぶり出された『ボンクラ』どもの無責任&無能っぷり!その2

2014年02月20日 | 日本とわたし
【大雪災害】「白い恐怖」に背を向けた、首相官邸の主・安倍総理の優雅なるウィークエンド
【IWJ Independent Web Journal】より

バレンタインデーに雪が降ることを、一部の新聞は、「白い週末」という見出しで伝えていた。
だが、あいにくと今年のバレンタインデーは、そんなロマンチックな週末にはならなかった。
「白い悪魔」「白い恐怖」に見舞われた週末、と呼び直すのがふさわしい。

2月14日(金)から、15日(土)、16日(日)の週末、関東甲信越は、記録的な大雪に見舞われ、
関東・甲信越・東海から東北・北海道にかけて、広い範囲で、甚大な被害をもたらした。

予想を遥かに超えた積雪により、各主要道路、私鉄各線は、数日間にわたりストップし、物流は壊滅。
車や電車は立ち往生し、中に、何千人もの人が何日も取り残される事態となった。
雪で陸路が遮断された限界集落などでは、各地で数千世帯が孤立した。
未曾有の雪害である。


降雪がおさまったのは、明けて17日(月)になってから
自衛隊や地元土建会社、各自治体の職員や、国交省事務所などによる、懸命な除雪作業が行われ、徐々に道路・鉄道網が復旧し、
数日ぶりに、帰宅の途につく人の朗報が相次いだ。

政府が本格的に動き出したのは、18日(火)になってからである。

14日から開いていた「関係省庁災害対策会議」に、初めて安倍晋三総理が参加。
「豪雪非常災害対策本部」に格上げし、自衛隊の大幅な強化や、ライフラインの復旧、今後、孤立による凍死などの犠牲者を出さないことなどが、対応策として示された。

被害が出始めてから、4日も過ぎてからである

14日以降、大雪による直接的な負傷者は365人、死者は、交通事故を除き8県で19人にも上っている。

※東日本各地で記録的な大雪、死者も(CNN 2月18日)


雪の重みで倒壊した、屋根の下敷きになったケースのほか、立ち往生した車内で、一酸化中毒や凍死で亡くなったり、帰宅途中に凍死したケースなどがある。
もし、十分な注意喚起がなされ、適切な情報が伝えられていたら、防ぎ得た死だったのではないだろうか。

我々は、15日深夜から、SNSを中心に、情報収集を開始した。
すると、各地での被害報告にまじり、適切な情報を発信するべき「政府」と「メディア」の、明らかな不作為が浮かび上がった
以下、検証してきたい。


記事目次
遅きに失した政府の対応
きっかけは気象庁の予報の外れ
届けられていた被害状況
官邸は沈黙
遅れに遅れた「非常災害対策本部」の設置
暴風雪の週末、安倍総理は何をしていたのか
地元・山口県の豪雨災害では迅速対応した安倍政権
明暗分かれた各県の対応
山梨県への除雪車派遣で迅速対応した新潟県・泉田裕彦知事
「政権交代の時には」自民党関係者がくり返す言葉



■遅きに失した政府の対応

菅官房長官は18日、民主党から、「記録的な大雪への政府の初動が遅かったのではないか」との批判に対し、閣議後の記者会見で、
14日の午後12時半に、関係省庁による災害警戒会議、16日と17日に、関係省庁による災害対策会議を開くとともに、
古屋防災担当大臣が、山梨県側と、テレビ会議を行ったこと、さらに自衛隊が、15日には活動を始めている。
首相の指示で、古屋圭司防災相がしっかり対応している
」などと反論した。

しかし、実際に被害に遭った多くの国民は、この説明に違和感を抱くだろう。
14日から15・16日と、政府・官邸からの情報発信は、ほぼ皆無だったからだ。


■きっかけは気象庁の予報の外れ

14日12時30分、迫る大雪に備え、内閣府で、関係省庁災害警戒会議が開かれた。
この会議は、古屋圭司防災担当大臣が中心となった会議で、安倍総理は出席していない
ネット上では、一部の安倍支持者の間で、14日の時点から、安倍総理が陣頭に立ってリーダーシップを発揮していたかのような主張がみられるが、それは事実と異なる

14日の首相動静によると、この会議が行われていた昼間は、安倍総理は官邸と国会を行き来し、基本的には、官邸で様々な人間と会っている
内閣府には移動していない
また、この会議の配席図をみても、安倍総理の席はもちろんどこにもない

この会議で気象庁は、太平洋側を中心に、強風・大雪となるおそれがあるとして、積雪予想を出している。
その資料を見ると、当初気象庁は、15日午前6時までに、最も多いところで50センチの降雪、と見積もっていた。

しかし実際には、山梨県甲府市で、15日午前4時には、積雪量は100センチを突破。
関東甲信越各地で、予想を大きく上回る積雪となった。


【会議資料】
http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/140214-2kisya.pdf

14日時点での気象庁の予報ミスが、その後の政府や関係各省、自治体の対応の遅れにつながった可能性は否めないが、責任をすべて予報ミスのせいにはできない
15日土曜日のうちに、降雪量が凄まじいものになっていたこは、誰でも気づき得たことである。

百歩譲って、14日金曜日には、官邸での予定がぎっしり埋まっていたとしても、翌日には豪雪対策に乗りだすことはできたし、そうすべきだった。
だが、もっとも被害が甚大だった15日には、政府では、災害警戒・対策会議は開かれていない

官邸も、官邸の主である安倍総理も、週末を襲った「白い恐怖」から背を向け続けた
この時、安倍総理はひたすら私邸にこもり、16日の夜には、支援者とともに高級天ぷらを食べ、その後、官邸に向かうこともなく私邸に帰っていたのだ。


■届けられていた被害状況

15日時点で、各地の被害状況などの情報が、官邸に届けられなかったのかといえば、そんなことはありえない。
我々が、Twitterで、 @iwakamiyasumiと、@iwj_sokuhouで情報の集約を呼びかけ、収集した限りでも、
15日深夜から16日朝にかけて、立ち往生した車や電車からのSOSの声、ライフラインが切断された家屋に閉じ込められた方からの悲鳴など、
救助を求める通報が止まなかった。


各自治体の役場、警察、消防には、助けを求める多くの電話がひっきりなしに鳴り続け、パンク寸前だった

実際に、16日日曜日に開かれた「関係省庁対策会議」では、
気象庁からは、予想を遥かに上回る積雪の報告、
国交省からは、死者・負傷者数、通行止めとなった道路や鉄道の状況、車や電車の立ち往生などの被害状況も、報告されている。


さらに防衛省からは、15日から16日にかけて、各県から自衛隊の災害派遣の要請があり、出動した旨も報告されているのだ。

資料を見ると、最初に要請があったのが山梨県で、15日の11時20分
続いて新潟県、長野県、福島県が、明けて16日10時20分には東京都も、派遣要請を出している


この時点で、今回の雪害が、日本各地の都道県にまたがる未曾有の事態で、多くの国民の命に関わる逼迫した状況であることが、誰の目にも明らかだった
しかし、政府は対応を怠った。
国民に向け、注意喚起や、適切な情報提供をしなかった
のだ。

14日の「警戒会議」に続き、この16日の「対策会議」にも、安倍総理は出席していない
資料に含まれている配席表を見ても、明らかである。

【会議資料】
http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/140216-2kisya.pdf

16日時点で、この会議で収集した情報を、メディアや広報を使い、広く国民に周知させることもできたはずだ。
しかし、そうした対応を行った形跡はなく、Twitter上でも、「政府は一体何をしているのか!?」「自衛隊は出動しているのか!?」という声が上がり続けた。

断っておくが、我々は、自衛隊を非難したいのではない。
自衛隊には、何も非はない。
多くの国民が、15日時点で、自衛隊が出動したことすら知らなかったのだ。
国民に対して、何もアナウンスしなかった政府、とりわけ、リーダーシップの欠如した官邸の責任こそが、追及されるべき
である。

本来であれば、15日、16日の時点で、被害情報をまとめ、速やかに国民に警報を発するとともに、
「立ち往生者への避難所への誘導」を、ラジオを使って呼びかけたり、
「車での立ち往生の際の一酸化炭素中毒の危険性」や、
「夜間の急激な冷え込みによる凍死の危険性」などを、繰り返し注意喚起することができたはずだ。

 
実際には、こうした緊急時の注意喚起の呼びかけを繰り返したのは、もっぱら民間人だった。


■官邸は沈黙

こうした災害に際し、各自治体、各省庁からあがってくる情報を集約し、即時に対策を講ずる役割を担う首相官邸は、
この14日金曜日から17日月曜日の4日間にかけて、どのように動いたのか。

驚くべきことに、官邸は(少なくとも国民に対して)、一切の情報発信、対応を行っていない。

首相官邸のHPを見ると、新着情報には、2月15日に、「安倍総理は羽生結弦選手へお祝いの電話をかけました」とするリリースが出ているだけで、
17日の「安倍総理はアメリカ合衆国のエド・ロイス下院外交委員長一行による表敬を受けました」とするリリースまで、何も発信していない。

平時における民間企業の週末のごとく、非常時だというのに、官邸は、総理以下広報スタッフに至るまで、のんびりと休みをとっていたとしか考えられない
それどころか、週が明けても、17日月曜日には、雪害については何もアナウンスがなく、
雪害に関するリリースを出しているのは、2月18日火曜日の、「総理指示(豪雪による災害に関して)」が初めて
である。

また、Twitter上には、首相官邸のアカウントとは別に、官邸からの災害情報を専門に届ける @Kantei_Saigai というアカウントが存在する。
フォロワー数は、96万人を超えているが、それだけ災害時の、官邸からの情報発信を信頼し、重要視している証拠である。
しかし、この官邸の災害アカウントも、ほとんど沈黙した

首相官邸(災害情報) @Kantei_Saigai
【防災】
政府は、毎年1月17日を「防災とボランティアの日」、1月15~21日までを「防災とボランティア週間」として、
「防災とボランティアのつどい」など様々な行事を実施。
詳しくはこちら⇒ http://twme.jp/pmo/01LX
2014年1月15日11:16pm


↑このツイートを最後に、今回の雪害について発信したのは、2月17日月曜日になってからである。
肝心要の時に、まったく機能しなかったのだ。

首相官邸(災害情報)@Kantei_Saigai
雪害についての最新の情報は、内閣府防災のツイッターで随時お知らせしています。
http://twme.jp/pmo/01NF
被害状況についてはこちら⇒http://twme.jp/pmo/01NG
2014年2月16日9:46pm


一番事態が切迫した、14日~16日にかけては、1ツイートも情報発信を行なっていない。
一体、何のための災害アカウントなのか。
被害が出始めた15日未明には、既に、このアカウントに対し、情報発信や救援を求める声、災害対策本部の設置を求めるツイートが、数多く届いていた。
少なくとも、16日日曜日には、内閣府の対策会議が開かれ、情報がある程度集約されているのだから、それに基づいた何らかの情報発信は、可能なはずである。
一体なぜ、この災害アカウントが機能しなかったのか、理解に苦しむ。

首相官邸のFacebookも同様である。
この雪害について、初めてコメントを投稿したのは、週が明けて17日月曜日になってから。
それを見ると、
「政府は、降雪前の14日から、関係府省が集まり、事前対策の確認等を行い、
被害発生後においては、警察や消防が、救助や交通誘導などの初動対応に当たるとともに、
国土交通省と自治体などが協力して、懸命の除雪作業を行っています。
15日からは、災害派遣された自衛隊が、物資輸送や除雪などを行っており、
今後とも、関係府省が一体となり、一刻も早い解決に向けて、取り組んでいきます」などとある。

政府は、実は、14日の時点から対策に乗り出していたのですよ、と主張したいのだろう。
であるならばなぜ、14日・15日・16日の時点で、被災者へ向けて、具体的な防災情報や避難情報を発信しなかったのか、理解に苦しむ。
アリバイ作りのコメントと、批判されても仕方がない
先述したように、14日の時点の会議に、あたかも安倍総理が出席していたのではないか、というような「誤解」が一部に生じたのも、このあたりにあるのではないか。


■遅れに遅れた「非常災害対策本部」の設置

官邸が、まるで情報発信を行わず、政府の動きも鈍かった理由の一つに、「非常災害特別本部」が、18日火曜日に至るまで設置されなかったことがあげられる。

「非常災害対策本部」とは、内閣総理大臣が、「非常災害が発生した場合に、応急対策を推進する必要があると認めるとき」に臨時で設置することができる。
「非常災害対策本部」は過去、豪雨、台風、噴火、地震など、各県にまたがる広域的な災害時に、頻繁に設置されている。

総理大臣が官邸に詰め、対策本部を設置したとなれば、政府も本格的な対策に乗り出し、メディアの報道もより深刻度を増すことで、被害をより抑えられることができただろう。
一番必要な時に、対策本部を設置できなかった罪は重い

15日土曜日の午前には、時事通信が、「関東甲信、記録的大雪=甲府1メートル超、東北も警戒―低気圧北上、交通混乱続く」と題する記事を発信し、
「甲府市の、同日午前9時の積雪は、1メートル14センチと、1894年の観測開始以来最多を記録し、1998年1月の従来記録49センチの2倍を超えた」と報じている。


■暴風雪の週末、安倍総理は何をしていたのか

安倍総理の動静を、正確にふり返ってみたい。

予想を遥かに超えた雪害に見舞われていた15日、安倍総理は、
官邸で午後2時35分、ソチ冬季五輪のフィギュアスケート男子で、金メダルを獲得した羽生結弦選手を電話で祝福し、
午後2時54分には、東京・富ケ谷の私邸に帰っている。

内閣府でも、ようやく対策会議に乗り出した16日には、安倍総理は、
午前中から夕方までを私邸で過ごし、
午後5時49分には、東京・赤坂の高級天ぷら料理店「楽亭」で支援者らと会食し、
午後8時5分には、官邸に立ち寄ることなく帰宅している。


もちろんこの間にも、安倍総理のTwitterアカウント @AbeShinzoや、Facebookには、
被害の深刻な状況や、対策本部設置を訴える声、何らかの情報発信をして欲しいという要望が、数えきれないほど寄せられている。

もし本人が、つぶさにチェックできなかったにしても、秘書や広報スタッフは、こうした声を確認できたはずである。
彼らの中に、総理に進言する人間はいなかったのだろうか。
それとも、安倍総理の取り巻きは、そろいもそろって、何千人もの人間が雪の中で孤立していた時に、何の危機感も抱かず、のんびりとした週末を過ごしていて、
総理に進言することを、誰も思いつかなかったのだろうか


実際には、15日土曜日の夕方には、山梨選出の国会議員たちが、超党派で、政府に対策を訴え始めている
15日15時37分には、みんなの党・中島かつひと議員が、政府に対し、緊急対策を実施するよう要請し、
それに対し、菅官房長官から、「しっかり対応します」との返答を受けていたことを、18時41分にTwitterで報告している。
当然、この15日夕方時点で、菅官房長官から安倍総理に対し、報告がいくはずである。

中島かつひと(衆議院議員) @KatsuNakajima

先ほど、政府(内閣官房長官宛)に山梨県内の歴史的豪雪に対する緊急対策についての要請書を提出いたしました。
特に山岳地域ではライフラインの崩壊が生じ、巡回診療、連絡方法の寸断により、命の危険に晒されています。
緊急的に速やかに、山梨県内の積雪寒冷対策を実施するよう強く要請しました。
2014年2月15日 1:37 AM

中島かつひと(衆議院議員) @KatsuNakajima

内閣官房長官から「しっかり対応します」と連絡頂きました。
2014年2月15日 4:41 AM


また、自民党の宮川典子議員 @norikomiyaも、古屋防災担当大臣にコンタクトを取ったことを、23時24分にTwitterで報告している。
このように、山梨選出の議員から、再三にわたり、政府中枢に強い要請が行われているのである。
 
さらに、前述したように、菅官房長官は、18日火曜日の会見で、「首相の指示で、古屋圭司防災相がしっかり対応している」と語っており、
首相官邸のFacebookでも、政府は14日からしっかり対応している、と強調している。
まるで、安倍総理も、14日から対応を練っていたかのような言い振りである。

にわかに信じがたいが、それが仮に事実であるならば、
安倍総理は、被害の深刻な状況を把握しながら、自身のTwitterやFacebook、首相官邸を通しての情報発信をことごとく怠り、
非常災害対策本部の設置を遅らせてしまったということになる

そうなると、「知らなかった」ではすまされない。
「不作為」というレベルを超えて、安倍総理は、深刻な事態を知っていながら、拱手傍観していたことになる


■地元・山口県の豪雨災害では迅速対応した安倍政権

安倍政権は、14日の時点から「しっかり対応している」と、週が明けてから、繰り返し弁明している。
しかし、こうしてを振り返ると、今回の雪害対応が、「しっかり対応」とは、とても言いがたいものであることがわかる。

では、安倍総理という人物は、もともと非常時に反応できない人物なのだろうか

山梨県内の、ある自民党関係者A氏は、私の取材にこう答えた。

「恨みは残ります。
安倍総理はもともと、災害が起きた時に、反応の鈍い人物なのかといえば、そうではない。
昨年の夏、参院選後、総理の地元の山口県では、たいへんな豪雨に見舞われました。
この時には、安倍総理本人も、山口県選出の議員たちも、すぐにお国入りして、災害対策にあたっているんです。
今回の対応とは大違いです」


参院選後の昨年7月28日、山口、島根両県を、記録的な豪雨が襲った。
山口県内では死者2人、行方不明者1人、負傷者10人、家屋被害計1437棟などの被害が出た。
この豪雨災害に対する安倍政権の対応は、めざましいものであった

まず、今回の雪害では、まったく情報発信や注意喚起を行わなかった、首相官邸の災害アカウントが、
この時は7月28日、豪雨当日に、「最大級の警戒」を促すツイートをしている。
官邸がこの時点で、災害対策に乗り出していたことが分かる。

首相官邸(災害情報)@Kantei_Saigai

【大雨】
気象庁によると、山口県と島根県では、これまでに経験したことのないような大雨となっているところがあります。
この地域の方は、最大級の警戒をしてください。
2013年7月28日 2:57 AM
 
また安倍総理も、この時は、豪雨被害の2日後に、被災者に対するお見舞いのコメントを、自らのTwitter、Facebookで投稿している。
ちなみに、今回の雪害で、安倍総理が、SNS上でコメントを発信したのは、災害から4日後の18日のことである。
災害対策、情報発信の点で明らかに、山口・島根の豪雨と、今回の雪害とでは、差がみられる。

安倍晋三@AbeShinzo

先日の集中豪雨で、被害を受けられた島根県、山口県の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
また、お亡くなりになられた被害者の方のご冥福を、衷心よりお祈り申し上げます。... http://fb.me/LTlJsB2X
2013年7月30日 5:49 AM

安倍晋三@AbeShinzo

本日、豪雪非常災害対策本部の会議を行いました。
孤立状態の解消をさらに加速化させ、日常生活を一刻も早く取り戻していただくよう全力を尽くします。... http://fb.me/2GBczIFjo
2014年2月18日 4:40 AM




死者の数を数えて災害規模を比較するのは、必ずしも適切ではないかもしれないが、この山口・島根両県の豪雨での死者は2人。
今回の雪害では、現時点でも20人を数える。
単純比較しても、10倍の規模であり、被害も一都八県と、きわめて広域にわたる。
雪崩や建物の倒壊だけでなく、物流への影響や、農作物への被害をあわせると、どれほどの被害に成るかわからない。
大規模災害であることは間違いない。

前出の、山梨県内の自民党関係者A氏は、ご本人も自民党員であり、家族は代々、自民党を支持し、親族の中には、自民党選出の県議もいるという一族の一人だが、
今回の安倍総理の対応には、強い怒りを隠さない。

安倍総理がやりたいことは、戦争準備だけなんだとよくわかった
自分の地元山口にだけは手厚く、他県では、これほどの災害に見舞われようとも、こんなに冷淡でいられる
信じられない!
自民党の支持者でも皆、怒っています
山梨選出の12人の議員のうち、8人が今、自民党です。
前回の衆院選で、我々は新人3人を送り込んだ。
だが、その新人の動きが鈍い。
この点も不満です
山梨の北部は、もともと故・金丸信さんの地元で、いまだに北部は、金丸さんの関係者の影響下にあります。
旧経世会系が強い。
一方、山梨の南部は、富士急ハイランドの経営者の堀内光雄さんの地元で、宏池会が強い。
安倍総理が属する清和会は、山梨では弱い。
だから冷淡だったのではと、もっぱらです」

Aさんはそう語り、今回の安倍政権の対応に、自民山梨県連内部でも、怒りの声があがっていることを繰り返した

安倍総理は、昨年の山口・島根の豪雨災害の時、集中被害から1週間後の8月4日、自ら被災地に赴き、被害の様子を視察し、被災者の声を聞いている
単純な被害の大きさで言えば、遥かに深刻な今回の雪害で、安倍総理は、被災地を訪問するかどうか。
注目が集まっている。


■明暗分かれた各県の対応

今回の雪害は、他県にまたがる、広範囲で深刻な被害に見舞われた。
特徴的なのは、各地方自治体によって、その対応に差がみられたことだ。

先に紹介した、政府・官邸・安倍総理の不作為に、批判が集まっているのとは対照的に、
災害発生時から迅速に対応し、その手腕が評価されているのが、新潟県の泉田裕彦知事だ。


■山梨県への除雪車派遣で迅速対応した新潟県・泉田裕彦知事

16日、雪害に慣れている県職員を、被害甚大な山梨県へ派遣することを、自身のTwitterで発表。
17日に第一陣として、大型除雪車10台、5チームを派遣し、18日朝から、山梨県内の、孤立地区へ通じる道路で、作業を始めた

新潟県が、豪雪災害で他県に職員を派遣したのは初めてで、本来、県の財政制度等では想定されていないにも関わらず、緊急性を重視した英断といえる。
また18日には、さらに埼玉県からの派遣要請を受け、職員と機材の派遣を発表した。

泉田裕彦@IzumidaHirohiko

本日、職員を山梨県へ派遣しました。
豪雪被害のお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い事態の改善を、祈念しています。
2014年2月16日 7:54 AM

泉田裕彦@IzumidaHirohiko

【豪雪】
新潟県から、第一陣として10台5チームが、山梨県入りです。
孤立地区へ通じる道路から、作業開始予定です。
2014年2月17日 12:30 AM

泉田裕彦@IzumidaHirohiko

【豪雪】
埼玉県秩父の孤立地区への道路除雪に対して、上田知事から支援要請がありました。
まず、職員派遣を行います。
調整を急いで、オペレーターと機材投入の予定です。
2014年2月17日 10:10 P
M


▲新潟県から派遣された除雪車



■「政権交代の時には」自民党関係者がくり返す言葉

この行為によって、SNS上では、泉田知事に、越後の上杉謙信のイメージが重ねられ、甲州のライバル・武田信玄に、塩を送った故事が持ちだされ、
山梨県内では、上杉謙信、田中角栄に並べられて持ち上げられるという、リスペクトぶりである。
安倍総理の不評ぶりとは好対照である。

前出の、山梨県の自民党員であるAさんは、「次の政権交代では」という言葉を何回も用いて、こう語っていた。

「次の政権交代の時には、仕事のできない議員はおとします。
安倍総理の仕打ちも忘れない。
恨みは残りますよ。
もう私たちは、次の『政権交代』の時に向かって、動き出しますから」

くり返すが、これは、与党の自民党の関係者の言葉である。
安倍総理は、よく噛み締めた方がよいだろう。
「災害と政治」というテーマについては、稿を改めて、レポートする。
(取材協力:佐々木隼也 / 取材・文:岩上安身)

大雪にあぶり出された『ボンクラ』どもの無責任&無能っぷり!その1

2014年02月20日 | 日本とわたし
大雪対策に胸を張る舛添都知事に三多摩地区の住民から「公約違反」の声

関東甲信地方を襲った大雪の被害が、いまだに深刻だ。
東京・多摩地域では、18日になっても、JR青梅線(青梅―奥多摩間)や国道の交通は絶たれ、孤立状態を強いられている。
舛添要一都知事(65)は、万全の手を打ったと胸を張ったが、地元住民からは、「公約違反」との声が漏れ出した。

東京西部に位置する青梅市や奥多摩町、檜原村は、1メートルを超える積雪に見舞われ、国道411号線のトンネルは塞がれ、各所で雪崩が発生した。
奥多摩町や檜原村では、200世帯約360人が孤立し、舛添氏は、16日昼に、自衛隊に災害派遣を要請した。
18日に会見した舛添氏は、
「(16日は)休日でしたが、すぐにホットラインを通じて、自衛隊に出動要請した。知事就任してすぐに、危機管理体制を発動できるとは思わなかった」と胸を張ってみせた。
ただ、自衛隊は派遣されたものの、人数が50人弱と少なく、除雪作業は進んでいない。
そもそも、青梅市中心部でも、まだ多くの雪が残り、日常生活に支障をきたしている。

青梅市の30代会社員は、
市内の体育館やバス停、駐車場の屋根は、雪の重みで潰れ、奥多摩周辺は、大震災の被災地のような状況です。
舛添氏は、8日の大雪時にも、『大したことはない。1日で終わる』と話していたが、都心と三多摩地区は全く環境が異なる。現場を見てほしい
」と怒りの声をあげる。

三多摩地区とは、東京の23区と小笠原諸島などの、島しょ部を除いたエリアの総称で、
選挙中の舛添氏は「これまでの都知事は、三多摩地区を軽視してきた。東京23区だけが東京じゃない」と訴え、票を集めた。
知事就任時も、現場主義を掲げ、都庁のイスに座っていることは少ないとも話していたが、
今回は、被災写真をチェックしただけで、現場へ足は運んでいない

「やはり、東京は23区だけじゃないか。結局、選挙のパフォーマンスか」と、三多摩地区の住民が、裏切られた思いにかられるのは無理もない。



大雪“無策”で都民激怒! 舛添知事の口だけ「防災意識」

8都県で19人が死亡した、記録的な大雪が降る中、東京・赤坂で、高級天ぷら料理を食べていた安倍首相に、怒りの声が殺到している。
ツイッター上では、「国民が大雪で大変なのに、暖かい場所で天ぷら食って、平和ボケかいな…」という書き込みも見られるが、
大雪被害のさなかに司令塔がボンクラだったのは、政府だけじゃない
舛添要一・東京都知事も同じだ。

都内では、雪が降り始めた14日から、4日経った18日も、桧原村や奥多摩町、青梅市の一部地区で、約400世帯、計約800人の孤立状態が続いていた。
都は、16日午前中に、自衛隊に災害派遣要請をしたとはいえ、舛添は都知事選で、「防災世界一の東京」「現場主義」を、声高に訴えていた。
当然、真っ先に登庁して、自ら災害対策の陣頭指揮に当たるのがスジだろう。

ところが、大雪が降った15日、翌16日ともに、登庁した形跡はない
選挙前は散々つぶやいていた、ネット上の発言も見当たらなかった。
「三多摩地域の発展なくして東京の発展なし」と張り切っていたから、てっきり桧原村に視察に出掛けたのかと思いきや、
「知事? 来ていませんよ。応援の都職員は2人来ていますが」(村総務課)というからガッカリだ。

こうした舛添の姿勢に、都民はカンカン。
都のホームページにある、知事の活動を伝えるフェイスブックは、
トップとしての自覚があるのでしょうか?
奥多摩、青梅市は災害レベルの降雪です。早くなんとかしろよ!
舛添さん、大雪の件はなにか行動されてますか?>…など、
都知事としての資質を疑問視するコメントであふれている。

「舛添知事は、都知事選投開票日(9日)の夜に、電話出演したテレビ番組で、キャスターから、
<大雪というのも東京にとっては災害ですよね>と問われた際、
1日で終わる話ですから>と、軽く受け流していました。

これには、口蹄疫対策の不手際で非難を浴びた、あの東国原元宮崎県知事にさえ、
<おいおい。こういう認識で大丈夫なのか>と、ツイッターでツッコまれていました」(都政担当記者)

猪瀬直樹前知事も、昨年10月に、伊豆大島の土石流災害が起きた際、すぐに現場に行かずにジョギングして、都民のヒンシュクを買っていた。
舛添知事は先週末、どこで何をしていたのか。
都に確認すると、総務課~報道課~秘書課と、窓口をたらい回しされた揚げ句、「公務はなかったので分かりません」(秘書課)と回答した。

公表すると何かマズイことでもあるのか。
やはり、「現場主義」は口先だけ
これじゃあ「防災世界一」どころか、「日本一」すら怪しい

「『一本化』?『ノーサイド』?我々に必要なのは、徹底的な対話と意見の摺り合わせ」想田和弘氏

2014年02月19日 | 日本とわたし
まだそんなことをうだうだと考えてんのか?
などと言わんといてください。

ずっと考えてるんです。
なんでかっていうと、あの数週間、ほんまのほんまに悩ましかったからです。
なんであんなことになったんか、なんであんなことにしかならんかったんか……。
けども、もう終ってしもたんやから、もう気持ちを入れ替えて前に進まなあかんねんな。

いったい、こういうパターンを、これまでの3年近く、何回繰り返してきたのやら……。
これって、どないしたら、もうちょっとマシな結果を出せるようになるんやろ。
それを悶々と考えてるうちにまた……バタバタと慌てて必死でなんとかしようとしても間に合わず……気を取り直して……の堂々巡り。

あかんでこれでは。
どないもこないも、前に進んでる実感がわいてけえへんのです。

『一本化』の次は『ノーサイド』……。

どっちの言葉にも、めっちゃ違和感ありまくりで、全然腑に落ちんかったんです。

けど今夜、監督の見解とアイディアを読んで納得しました。
『徹底的な対話と意見の擦り合わせ』
そうや!これや!と思いました。

またまた私事で申し訳ないんですけども、米国人の旦那と暮らし始めて、一番はじめに言われたことが、
「あんたは、適当にしゃべってる時はええけれども、シリアスなことで話し合うのは下手やね」でした。

話してる件を、その時その場で、とにかくまとめようとする。
まとまらんかったら、どんどん気分を害する。
気分が悪なったら、捨て鉢な台詞を吐いて(例えば「もうええわ!」みたいな)その場から去ろうとする。
人の意見を聞いてるようなふりしてるけど、聞いてる間にやってることは、自分は次に何を言うて相手を負かそうか考えてる。

まったくその通り!やったので、反論できませんでした。

相手の考えを聞き、それを自分の中で十分に咀嚼し、どう思うかを自身に問う。
その場その時に、結論が出なくても、話せてよかったと思える。
また後で、何度も何度も、互いに擦り合せられるまで、同じ件について話す。

そういう練習を、無意識のうちに、旦那はわたしにさせてくれてると思います。
まだまだ上手になった、とは到底言えないけれども、20年前よりはマシになったんとちゃうかな、と思てます。

前置きが長なってしまいました。

映画作家・想田和弘の『観察する日々』より、想田監督の、今回の都知事選についての見解を紹介します。
転載にあたり、文字の強調はわたし個人の意思で行いました。

↓以下、転載はじめ

第13回 都知事選を終えて:脱原発派・リベラル派の共闘のために

相田和弘

都知事選が終わった。

宇都宮健児氏に加えて、細川護煕氏が立候補したことにより、脱原発派の一本化論の是非が、激しく論じられた選挙だった。
それを巡る議論や諍いは、選挙が終わった後でも、依然として続いている。
そこで交わされている刺々しい言葉を眺めるかぎり、その有様は、「ノーサイド」という状況にはほど遠く、
宇都宮氏を支援した人々と、細川氏を支援した人々の亀裂は、修復していないようにみえる。

僕は当初から、本連載(第12回)やポリタスなどで、今回の一本化の動きに対する違和感を表明してきた。
だから、僕が一本化というアイデアそのものに否定的なのではないか、と誤解されることも多い。

しかし、はっきりと申し上げておく。
選挙で勝つためには、主張の似ている候補者の一本化は、絶対に必要なのだ、と。
だが、今回はどう考えても、時間的にも技術的にも土台無理だったのだ、と。

よく考えてみて欲しい。

宇都宮氏も、細川氏も、それぞれユニークな人生を生きてきた、強烈な個性を持つ大人だ。
それぞれ、人生史も、考え方も、人脈も異なる
彼らが一本化という、いわば「結婚」をするためには、
まずは当然、お二人が顔を合わせ、それぞれの考えや目指すところを知り、話し合い、意見を摺り合わせるという作業が必要になる。
よく考えれば当然ではないか?

それなのに、今回は、周りの親戚やら同僚やらが勝手に、二人へお見合い写真を押し付けて、
「脱原発のためには、この人と明日結婚してくれ、結婚しないと勝てない」と迫ったようなものだ。
特に宇都宮氏からしたら、「お前が細川家の籍へ入れ」と、一方的に告げられたようなもので、
とても「はい、そうですか」と納得できるようなものではなかった。

アメリカの大統領選挙では、民主党と共和党は、それぞれの党内で、予備選挙というのを行う。
党としての候補者を「一本化」するために、まずは党内で選挙をするのだ。

その予備選挙にかける手間と、時間とお金のかけ方が半端ではない。
少なくとも、日本の政党の総裁や代表の、選挙の比ではない。

4年に1回の大統領選がある年に入ると、1月くらいから6月くらいまで、実に半年という時間をかけて、各州で、順次、予備選挙や党員集会を行っていく。
そのたびに候補者は、現地入りして選挙運動をし、テレビ討論会で、侃々諤々の議論をする。
メディアもその様子を盛んに報じる。


各州での投票結果が出るたびに、脱落していく候補者が出るから、州を移動し、選挙戦が深まるにつれて、だんだんと候補者は絞られていく。
最終的には、20回以上討論会を重ねて、その死闘をようやく勝ち抜いた者が、晴れて本選の候補者となる
「一本化」には、凄まじい政治的エネルギーと、時間とコストがかかっているのである。
まあ、都知事選と大統領選を比べるのは無理があるかもしれないが、日本人も少しは見習った方がよいのではないか。

ところが、一本化論者の中心的存在だった鎌田慧氏は、選挙が終わった後、朝日新聞への寄稿でこう綴った。

「せっかく、二人の元首相が、「原発を認めたのは無知だった。間違いだった」と、公衆の面前で重大な告白をしても、
宇都宮氏を推す共産、社民の陣営は、かつての小泉政治を批判して聞く耳をもたず、共倒れとなった。
日本の政治の未成熟さだった」
(2月11日、朝日新聞デジタル)


しかし、「日本の政治の未成熟さ」を示していたのは、本当に宇都宮陣営の態度だったのだろうか? 
民主的手続きや、対話のプロセスを素っ飛ばしても、「一本化」が簡単にできるはずだと思い込んでいたことこそが、未成熟さを示しているのではないか?

僕はこう書きながら、劇作家の平田オリザ氏が常々、
「日本には、会話はあるけど対話がない」と言っているのを思い出した。
平田氏の定義では、
対話は、自分とは異なる価値観を持つ「他者」との話し合いを指し、
会話は、内輪で行うおしゃべりを指す。

平田氏いわく、
日本人の多くは お互いを「分かり合える存在」だと考え、
「人間はそれぞれ、違う考え方を持っている」という前提に立たない
ので、
良くも悪くも、「対話」を通じて他者と向き合おうという、姿勢や習慣が弱いというのである。

今回の一本化論議では、日本人の癖が、悪い方に出たように思う。

つまり、「同じ脱原発派同士なんだから、分かり合えるでしょ?」という前提のもと、
分かり合おうとする努力や、手続きや対話を怠ったのではないか。
いや、そもそも、分かり合うための作業をする時間など、物理的になかったのにもかかわらず、
「今は非常時だから」という、火事場泥棒のような論理を持ち出して、無理矢理「分かってくれよ」と、結婚を強要しようとしたのではないか。


とはいえ、本稿の目的は、一本化論者を責めることではない

僕は、将来の選挙に向けて、みなさんに提案をしたいのだ。

脱原発派・リベラル派が勝つために、今度こそ、候補者の一本化を目指そう、と。
そしてそのために、脱原発派・リベラル派といえども、最初からは分かり合えないのだということを前提に、
時間をかけて対話し、手続きを踏み、みんなが納得できるような候補者を立てよう
、と。 

具体的にはそれをどう実現するのか?

一番望ましいのは、小さな党の合併を進めて、大きな脱原発・リベラル政党を作り上げ、その中で予備選挙をすることであろう。
しかし、党の「結婚」を進めていくには、それこそ気の遠くなるような対話と、摺り合わせのプロセスが必要だし、時間がかかることも承知している。
本来ならば、喫緊の課題だが、残念ながら、すぐに実現するとは考えにくい。

では、政党間ではどうか?

これまでにも、政党間での「選挙協力」はなされてきたが、それをもっとオープンに進めるのはどうか。
例えば、選挙で共闘できそうな政党が、それぞれの候補者を立て、その候補者間でディベートをし、議論を深め、超党派的な予備選挙をする。
その予備選挙の結果には、参加した政党はしたがい、本選挙では、みんなで一人の候補者を支援する。

どうだろう。
難しいだろうか?

「脱原発のため」というわけではないが、大阪では、なかなか興味深い試みが立ち上がっている

ジャーナリストの今井一さん、市民グループ「見張り番」代表の松浦米子さん、弁護士の辻公雄さんら市民有志が、
「真っ当な大阪市長候補を立てる会」を立ち上げたのである。
ただし、今度の「出直し選」に、慌てて候補を立てるのではなく、2015年秋の選挙に向けて、「真っ当な候補者」を準備していこう、という趣旨だ。
会では、次のような手続きで、候補者の選定を進めていくという。

1)さまざまな個人、グループに参加を呼びかけた上で、各人が「この人を立てたい」というプレゼンを行う。

2)3/2(日)13時~大阪市中央会館にてプレゼン。

3)今回の市長選挙投票日(3月23日か30日)に、プレゼンで支持された人に、みんなで直接会ってやりとりする場を設ける。

4)できれば4月中に、担ぐべき人物を決める。

5)顔と名前を売り込むための活動を、早々に展開。


こうした市民の試みが、今後成果を出せるのかどうかは、もちろん未知数だ。
だが、選挙の直前になって、「これじゃ分裂する!一本化しろ!」と慌てることを避けるためには、
これまでとは違うやり方を、腰を据えて試してみなければなるまい

いずれにせよ、脱原発派・リベラル派が、分裂せずに共闘するためには、
「一本化せよ」「ノーサイドだ」と叫ぶだけでは、全く不十分
である。
私たちには、徹底的な対話と、意見の摺り合わせが必要なのだ。
そういうプロセスを経て初めて、私たちはようやく「小異を捨てて大同につく」ことができるし、
本当の意味での「ノーサイド」を宣言できる
のである。

小学生でもわかる『てんぷら総理』のスカタン度!ど~ん!

2014年02月18日 | 日本とわたし
ぼうごなつこさんのブログ『まんがイラスト ぼうごなつこ』より

小学生でもわかる憲法入門




最近とみにやりたい放題の度合いが増している安倍総理。
今回の大雪被害に対する対応のお粗末さを象徴する、新たな名称『てんぷら総理』。
 



被害はまだまだ現在進行形です。