ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

許しちゃいけない、こんなひとたち!

2015年06月27日 | 日本とわたし
マスコミ懲らしめるには広告収入なくせばいい 自民勉強会 議員らの発言要旨
【東京新聞】2015年6月27日(一部、他の新聞からの引用あり)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015062702000162.html

改憲を目指す自民党若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」が、25日に党本部で開いた初会合での、
報道機関に関する発言の要旨は以下の通り。
主宰する木原稔衆院議員、講師の作家百田尚樹氏の冒頭発言は、メディアに公開された。
その後、百田氏の講演、出席議員による質疑が非公開で行われたが、
発言者がマイクを使ったため、発言の多くは室外まで聞こえていた
 
百田氏:
マスコミの皆さんに言いたい。
公正な報道は当たり前だが、日本の国をいかに良くするかという気持ちを持ってほしい。
反日とか売国とか、日本を陥れるとしか思えない記事が多い。
日本が立派な国になるかということを考えて、記事を書いてほしい。
(ここから講演)
政治家は、国民に対するアピールが下手だ。
難しい法解釈は通じない。
気持ちにいかに訴えるかが大事だ。
集団的自衛権は一般国民には分からない。
自国の兵力では立ち向かえないから、集団的自衛権は必要だ。
侵略戦争はしないということで改憲すべきだ。
攻められた場合は絶対に守るということを書けばいい。

 
大西英男衆院議員(東京16区):
マスコミを懲らしめるには、広告料収入をなくせばいい。
われわれ政治家、まして安倍首相は言えないことだ。
文化人、あるいは民間の方々が、マスコミに広告料を払うなんてとんでもないと、経団連に働きかけてほしい。

 
井上貴博衆院議員(福岡1区):
福岡の青年会議所理事長の時、委員会をつくってマスコミをたたいた。
日本全体でやらなきゃいけないことだが、テレビのスポンサーにならないのが一番こたえることが分かった。
 
百田氏:
本当に難しい。
広告を止めると一般企業も困るところがある。
僕は、新聞の影響は本当はすごくないと思っている。
それよりもテレビ。
広告料ではなく、地上波の既得権をなくしてもらいたい。
自由競争なしに50年も60年も続いている。
自由競争にすれば、テレビ局の状況はかなり変わる。
ここを、総務省にしっかりやってほしい。

 
長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック):
沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは、戦後保守の堕落だった。
沖縄タイムス、琉球新報の牙城の中で、沖縄世論を正しい方向に持っていくために、どのようなことをするか。
左翼勢力に乗っ取られている現状において、何とか知恵をいただきたい。

 
百田氏:
沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。
沖縄県人がどう目を覚ますか。
あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば、目を覚ますはずだが、どうしようもない。
(沖縄の基地負担問題は)根が深い。
苦労も理解できる。


左翼は沖縄に基地があるから、米兵が沖縄の女の子を強姦(ごうかん)すると批判するが、データ的にいうとひどいウソだ。
米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い。









百田尚樹氏に一問一答 「沖縄2紙は嫌い」「つぶれてほしい」
【沖縄タイムス】2015年6月27日  
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121683

作家の百田尚樹氏(59)が、自民党の会合で発言した、米軍普天間飛行場の成り立ちや、沖縄の2紙に対する内容について26日、
沖縄タイムスの電話取材に応じ、発言の真意と持論を説明した。(社会部・聞き手=吉川毅)


―米軍普天間飛行場の成り立ちについての発言は。

「住民が騒音などの精神的に苦痛があり、補償しろと言う。
苦しみは当事者にしか分からないこともあるだろう。
それを踏まえた上で、違和感を覚えると発言した。
なぜかと言えば、住んでいた場所に基地が引っ越してきたわけではない」


―普天間の現状認識は。

「地権者には、膨大な地代が払われている。
六本木ヒルズに住んでいる大金持ちと同じ。
それはメルマガで書いた話だ。
普天間が返還されたら、あっという間にまちは閑散とする。
ぬくぬく暮らしていた地権者も困るはずだ」

「滑走路のそばに小学校があるが、いまだに移転していない。
移転に反対の運動も起きているが、本末転倒。
基地批判のために小学校を置いている。
何がしたいのか分からない」

 
―「沖縄の島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」の発言の真意は。

「絶対あってはならないことで、仮定の話をした。
沖縄の人は中国を歓迎している。
(辺野古の新基地建設反対など)翁長雄志知事が言っていることも意味が分からない。
沖縄の人の総意は何なのか。
中国の危機意識がない人も見受けられる」

 
―沖縄戦について。

「沖縄は戦争で犠牲になったと言うが、東京も大空襲があり、犠牲を払っている。
沖縄だけが犠牲になったわけではない。
大阪も大空襲で多くの人が死んだ」

 
―「沖縄2紙をつぶさないと」の発言について。

「沖縄の新聞をしっかりと読んだことはないが、ネットで読むと、私と歴史認識が違う。
全体の記事の印象から、私が嫌いな新聞だ」

「オフレコに近い発言で、冗談として言った。
公権力、圧力でつぶすとの趣旨ではない。
私も言論人。
言論は自由であるべきだ。
私と意見が違う2紙を誰も読まなくなり、誰も読者がいなくなってつぶれてほしい、という意味での発言だ」


↓以下、自民党の文化芸術懇話会についてのウィキペディアの解説です。

文化芸術懇話会
https://ja.wikipedia.org/wiki/文化芸術懇話会

文化芸術懇話会(ぶんかげいじゅつこんわかい)は、自由民主党に所属する一部の国会議員がつくる勉強会。
代表は木原稔衆議院議員。

概要
同会の準備会合は2015年(平成27年)5月27日、
呼びかけ人の木原稔衆議院議員(自由民主党青年局長)、加藤勝信衆議院議員(内閣官房副長官)、萩生田光一衆議院議員(自由民主党総裁特別補佐)を含む20名ほど、が出席して開かれた。

同会への参加予定者の一人は、
「有名人に、『首相のやっていることは正しい』と発信してもらえば、一気に広まる」と期待を示し、
「憲法改正の国民投票まで見据え、『自民党政権応援団』を増やす狙い」と報じられた。

同年6月25日、自由民主党に所属する若手の国会議員37名が出席して、同党本部で初めての会合が開かれ、発足した。
同会の設立趣意書によれば、芸術家との意見交換を通じて、「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」を目的とする。
月1回のペースで会合を開催する予定とされる。


初回会合
初回の出席者には、安倍晋三内閣総理大臣(自由民主党総裁)に近い議員も多く
同年9月に行われる予定の同党総裁選挙を前に、安倍の無投票再選の機運を高める狙いがあるとされる。

出席者からは、安保法案を批判する報道に関し、
「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」
「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」との声が上がり、
「安全保障関連法案をどうわかりやすく説明したらいいか」との質問や、
「(安保関連法案を違憲とする)憲法学者や元内閣法制局長官に、全く権威はない」との声が出たという。

また、講師として招かれた作家の百田尚樹は、集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について、
「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘し、
「反日とか売国」という表現を使いながら、「日本をおとしめる目的をもって書いているとしか思えないような記事が多い」と指摘すると、
参加議員から「そうだ、そうだ」と賛同の声が上がったという。

さらに百田は、沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たことに対して
「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。
あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」
と主張した。

また、百田はさらに、普天間基地について、
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。そこを選んで住んだのは誰やねん」と述べた他、
戦時中の沖縄について、
「沖縄は本当に被害者やったのか。そうじゃない」などと述べた。

同会代表に就いた木原稔衆議院議員は、会合後、記者団に、
「党所属国会議員として、党や政府が進めようとしていることを後押しするのは当然だ」と強調し、
「政局のための会合ではない」と強調する一方、総裁選は無投票再選が望ましいとの認識を示した。

また、ツイッターにおいて、
「文化芸術懇話会を開催。講師は『永遠の0』百田尚樹さん。
ベストセラー作家から、あらためて言葉の大切さを学びました」と感想を述べた。


構成員
(連絡先を追記しましたので、どんどん意見を伝えてください!)
代表
木原稔(衆議院議員、自由民主党青年局長)(更送されましたが…)

中には、こんなおっさんらもいたわけで、どうしてあの場でニヤニヤ笑いやそうだそうだ!と盛り上がっていただけだったのでしょう…。
加藤勝信(内閣官房副長官)
萩生田光一(自由民主党総裁特別補佐)
薗浦健太郎(外務大臣政務官)

せめて↑上記の3人も、共に更送すべきなんではないでしょうか…。

青山周平  愛知12区 比例復活(清和会)@shuhei_blue http://www.aoyama-shuhei.jp/ 法政大学社会科学
池田佳隆  愛知3区 比例復活(清和会)@ikeda_0620 http://ikeda-yoshitaka.jp/ 慶應義塾大学経営管理研究科 
石川昭政  茨城5区 比例復活(無?)http://ameblo.jp/ishikawa-akimasa/ 國學院大學大学院文学研究科
井上貴博  福岡1区 追加公認(麻生派)http://inoue-dosukoi-takahiro.net/ 獨協大学法学部
大岡敏孝  滋賀1区 (二階派)https://oooka.com/ 早稲田大学政治経済学部
大西英男  東京16区 (清和会)http://onishi-hideo.homepe.net/ 國學院大學法学部
大西宏幸  大阪1区 比例復活(宏池会)http://onishihiroyuki.jp/ 芦屋大学
岡下昌平  大阪17区 比例復活(二階派)http://okashita-shohei.com/ 日本大学
鬼木誠   福岡2区 (石原派)日本会議 http://www.onikidon.com/ 九州大学法学部法律学科 
加藤勝信  岡山5区 (額賀派)日本会議 @katsunobukato http://www.katokatsunobu.net/ 東京大学経済学部
木原稔   熊本1区 (額賀派)日本会議 @kihara_minoru http://kiharaminoru.jp/ 早稲田大学教育学部国語国文学科
熊田裕通  愛知1区 (大島派)@kumadahiromichi http://www.kumada-hiromichi.com/ 神奈川大学法学部法律学科
今野智博  埼玉11区 比例復活(清和会)http://konnotomohiro.jp/ 早稲田大学政治経済学部政治学科
坂井学   神奈川5区 (無)@sakaimanabu_s http://sakaimanabu.com/ 東京大学法学部
佐々木紀  石川2区 (清和会)@hajime24331 http://sasaki-hajime.jp/ 東北大学法学部
白須賀貴樹 千葉13区 (清和会)http://www.shirasuka-takaki.com/ 東京歯科大学歯学部
薗浦健太郎 千葉5区 (麻生派)日本会議 @sonourakentaro https://twitter.com/sonourakentaro 東京大学法学部
高鳥修一  新潟6区 (清和会)日本会議 http://www.takatori.jp/ 早稲田大学法学部
谷川とむ  大阪19区 比例復活(清和会) http://tanigawatom.com/ 大阪大学大学院法学研究科
田畑裕明  富山1区 (清和会)http://www.tabatahiroaki.com/ 獨協大学経済学部経済学科
長尾敬   大阪14区 比例復活(清和会) @takashinagao http://blog.goo.ne.jp/japan-n 立命館大学経営学部経営学科
萩生田光一 東京24区 (清和会)日本会議 http://www.ko-1.jp/ 明治大学商学部
藤原崇   岩手4区 比例復活(清和会)@iwate_fujiwara http://takasi.info/ 明治学院大学法科大学院
星野剛士  神奈川12区 (清和会)@hossys http://t-stars.com/ エルマイラ大学国際関係学科
堀井学   北海道9区 (清和会)https://horiimanabu.jp/ 専修大学商学部
宗清皇一  大阪13区 (無?)http://www.hct.zaq.ne.jp/munekiyo/ 龍谷大学文学部
前田一男  北海道8区 比例復活(清和会)@DonanMaeda http://www.maedakazuo.jp/ 北海道大学工学部
松本洋平  東京19区 (二階派) 日本会議 @matsumoto_yohei http://www012.upp.so-net.ne.jp/yohei/ 慶應義塾大学経済学部
宮川典子  山梨1区 比例復活(麻生派)http://ameblo.jp/mygwnrk/ 慶応義塾大学文学部
宮沢博行  静岡3区 (清和会)@miyazawa_japan http://www.miyazawa-hiroyuki.jp/ 東京大学法学部
武藤貴也  滋賀4区 (麻生派)@takaya_mutou http://mutou-takaya.com/ 京都大学大学院公共政策教育部
簗和生   栃木3区 (清和会)http://www.yanakazuo.jp/ 東京大学大学院経済学研究科
山下貴司  岡山2区 (無?)@YAMASHITA_OK http://yamashita-takashi.jp/ 東京大学法学部
山田賢司  兵庫7区 (麻生派)@Ymd_Knj http://www.yamada-kenji.com/ 神戸大学法学部

参議院議員
滝波宏文  福井県選挙区 (清和会)https://www.takinami.info/ 東京大学法学部
長峯誠   宮崎県選挙区 (清和会)http://www.nagaminemakoto.com/ 早稲田大学政治経済学部政治学科
宮本周司  比例区 (清和会)http://shuji-m.com/ 東京経済大学

法案が通り、初めの自衛隊員が亡くなる前に、自衛隊員に人殺しをさせてしまう前に、私たちが止めるんです!

2015年06月27日 | 日本とわたし
Miyuki Koharaさんとおっしゃる女性の、渋谷ハチ公前でのスピーチです。



こんにちは、ミキといいます、よろしくお願いします。

いきなり戦争だなんて、大袈裟だとか、またか、とか思う人がいると思います。
でも私は、怒り狂ってるわけでも、バカの一つ覚えみたいに反戦を叫んでいるわけでもありません。
たしかに私は怒っているけれど、どうにかそれをぐっとこらえて、怒りをこういう形に変えて、話を聞いてほしくてここにきています。
少しだけ足を止めて、話を聞いてください。

日本は今年、戦後70年を迎えました。
「戦争はいけない」
そんな当たり前のことを訴えることが当たり前になりすぎて、
いつしか日本人にとって、戦争はどこか野蛮な国の人たちが行う、違う世界の出来事となっていったのかもしれません。
そして、戦争は悲しい、泣ける、「物語」になっていきました。
最近はよく、志半ばで亡くなった人の、悲劇のストーリーが映画化されるけれど、あれは美談なんかではありません
日本人がかつて行った侵略戦争で、人々は憎んで殺し、殺される論理のなかにいました。
それは、悲劇以外の何物でもありません
だけど、今の生活とその物語とが、あまりにかけ離れすぎて、
まさか日本人が戦争なんてしないだろうと、いつの間にか私たちは、思い込んでしまいます。

だけど、戦争は、70年前だから起こったんでしょうか。

今の私たちだって、目の前に武装した兵士が現れたら怖いし、突然家族が殺されたら憎しみを抱きます。
ISILの人質殺害事件の時のように、自らの安全や利益のために、自己責任論といって、他人を切り捨てろという世論も生まれます。
今起こっている戦争は決して、「中東だから」「アフリカだから」という理由で起こっているわけではないんです。
それぞれの信じる正しさが違っているだけで、大切な人や自らが攻撃されたとき、恐怖を覚え、憎しみを持つ気持ちにきっと変わりはないはずです。
そうして人々は武器を持ち、自衛のために戦ってきたのでしょう。
今の日本があるのは、別に日本人という種族が優秀だったわけではない。
私たちの持つ、人を憎んだり恨んだり、そういう負の感情を放っておくと、簡単に争いが起こるから、
何百年もかけて、世界の人々は、暴力的な感情との付き合い方や折り合いのつけ方を、
繰り返し反省し、話し合って、ようやくいくつかの約束事として形にしてきた
のではないでしょうか。

その積み重ねの最たるものの一つが、日本国憲法です。

そうやって戦争の恐ろしさを受け継ぎ、平和な世の中を積み重ねていった人々がいたおかげで今、
ちょうど戦争をしない日本に、私たちは生まれてきました。
だから、歴史上の今の日本だけを切り取って、武器を持ちながら戦争に絶対参加しないなんて、
そんな理性的でいられるなんて、簡単に確信を持てません。
一度戦地にいけば、いくらでも戦争のきっかけは生まれ、「やり返せ」と、私たちの感情に訴えてくるはずです。

私たちがすべきことは、その積み重ねを、「時代が変わったから」と言って簡単に捨ててしまうことなんでしょうか。

捨てることは簡単かもしれないけれど、私は、先人たちの思考した歴史を蔑ろにしたくはありません。
むしろそれを生かして、犠牲のない世界を作れる、と信じたいのです。
馬鹿な理想主義者かもしれないけれど、その理想を掲げていたいと思うのです。

戦争に参加するなら、武器を作って売るのなら、人を殺すという自覚と覚悟が必要です。
私には、その責任は、とても重く感じられます。

だけど今、そのことについて、本当によく考えられているでしょうか。
日本だけが、イラク戦争について、検証も反省もしていません
それは、物資の支援だけで、多くの民間人が犠牲になったことについて、自分達には関係ないという、自覚のない参加をしたからじゃないでしょうか。
今、安部政権は、「後方支援」といって、また覚悟のないまま、戦争に参加しようとしています。
自分は本当に悪いところには手をつけていないと思って、その責任の重さに目を背けています
まずは過去から振りかえって、その責任に向き合うべきでしょう。

テロリストたちはどうしてテロリストになったのでしょうか。
彼らの多くは報復を目的としています。
それは戦争が原因だったり、社会への不満があったりします。
日本は、そんな社会作りに荷担していなかったでしょうか。
協力したアメリカの政策に、落ち度はなかったでしょうか。
本当に向き合うべきなのは、テロリストを産み出した今の世の中ではないでしょうか。
テロリストは残酷で、武力に頼っていて、彼らもまた悲劇をもたらします。
だから、私は彼らも許せません。
自分たちの正しさを押し通すために武力を用いる彼らを、私は許せません

だけど、だからこそ、何があっても、もう武器を持って戦争をしてはいけないはずなんです。

9.11以来、対テロ政策として、武力行使が正当化されてきたけれど、
なにがあっても、どの国の人も、アメリカ人兵士の犠牲さえも、許されるべきではない
はずです。
なぜなら、戦争はまた憎しみを産み出し、武力の応酬は何の解決にもなりません
これ以上の連鎖をとめるために、私たちは自ら、その負のサイクルから降りるべきだったのです。

聞きなれた言葉かもしれないけれど聞いてください。

戦争は、人を傷つけます。
子供や未来も傷つけます。
戦争は、町や人を破壊します。
70年間言われ続けた、戦争の恐ろしさを伝える言葉たちに、新鮮さを感じなくなって蔑ろにするようになっていませんか。

どうか想像してみてください。
戦争の恐ろしさと過去の過ちから目をそらし、武力行使を正当化する私たちと、
戦争の恐ろしさを反芻して、学びながら過去を悔いて、武力行使を放棄する私たち。
それぞれの道の先には何が待っているのか
を。

私たちは、かつて後者にいたはずで、そしてこれからも、同じ選択をしていきたいのです。

私は、長い長い紛争で何が傷ついたのか、その一端をこの目で見て知っています。

3年前、生きるために親元を離れて治療をする、アフガニスタンの子供たちに出会い、数か月を共に過ごしました。
アフガニスタンでは、長い紛争によりインフラが破壊され、国内では簡単な治療も受けられない状況にあります。
亡くなる子供も少なくなく、治療をしに来られる子はまだ幸運な方と言えます。
怪我や病気があっても、彼らはとても元気で、尊重されるべき命で、決して可哀そうな存在ではありません。
手足がなくても、顔に火傷を負って差別されても、子供たちは助け合い、大抵のことは自分たちで出来るようになります。
けれど、時間はそうはいきません。
もっと色々な経験ができたはずの時間が、治療やリハビリに費やされています
そして、大切な成長期に親元にいられないことや、恐怖や憎悪の記憶は、彼らの心にしっかりと刻みつけられているのです。
怪我や病は、確実に、彼らの可能性を奪っています
これが、これこそが、報復戦争の結果で、戦争の現実にほかなりません

子供たちがあんな思いを今しているのは、「アフガニスタン人だから」ではなく、憎悪にかられた武力行使のせいでしょう。
それさえなければ、彼らがあんなに苦しむ必要はなかったでしょう。

私が出会った子供たちの人生は、物語でもないし美談でもありません
アフガニスタン人が傷つくことは普通じゃないし、そんなことがあってはならないんです。
彼らがこれ以上傷つくことを私は許せないし、日本人がそれに加担し、私自身がその責任を背負いながら、彼らにまたどう向き合っていけばいいのか分かりません。
だから、こういう現実を見たからこそ尚、私は理想を掲げ続けたいのです。
戦争はなくせるという理想を、掲げ続けたいのです。

その一歩を、日本が、日本こそが踏み出せる、そう信じています。

きっと、一人目の日本人犠牲者が出たら、その憎悪が拡大していくのはあっという間でしょう。
国の政策も、国民の感情も、歯止めがきかなくなります
今、もうすでに、様々な犠牲の上に私自身生きているけれど、これ以上の犠牲の上に生きることを、ここでやめましょう
この法案が通って、初めの自衛隊員が亡くなる前に、または、自衛隊員に人を殺させてしまう前に、
こんなバカげた話し合いを終わりにしましょう


私がこの法案に反対するのは、日本に普通の国になって欲しくないからです。

アフガニスタンには、大切な小さな友人たちがいます。
彼らやその家族を、日本人が、日本人の作った武器が傷つけることに、私は耐えられません。
この国の平和と国民の命を守るために、友人やそのまた友人が戦地で傷つくことに、私は耐えられません。

やられたらやり返す、やられる前にやる。
そんな報復合戦に参加し、これから先も、誰かの犠牲の上に自らの平和が成り立っていくことに、私は耐えられません。

私たちの憲法は、今ある「普通の国」の、その先へ行くことができる、先進的で素晴らしいものだと信じています。
徹底して武力行使をしないことこそが、世界の平和と安全を形作るものだと信じています。

今、実は反対しているのに声を上げていない人が、私の周りにはたくさんいます。
そういう人たちに聞いてもらいたい。
犠牲者が出てからでは遅いんです。
福島の原発事故で、そのことを痛い程、私たちは突きつけられました
法案が通って、人が亡くなった時、
「だからそうだと思っていたんだ」と、「僕の、私の思っていた通りになった」と、優越感に浸るんですか。
反原発を長年訴えてきた先生は、原発事故以降、間に合わなかったと肩を落としていました。
そんなことを、また繰り返すんですか

声を上げるなら今です

SNSでいいね!が増えても、安倍さんに危機感を持たせることはできないでしょう。
彼は、彼の人生における大きな使命を、今全うしようとしているのですから。
私たちも、それに見合うだけのエネルギーを、注がなくてはいけません
国会前に集まってください。
デモで一緒に歩いてください。
想像力の乏しい首相には、実態で反対の姿勢を見せなくては、私たちの意志は伝わりません
忙しいのにわざわざ来るからこそ、意味があるのです。
疲れてるけれど行かなくてはと思う、そのエネルギーに驚くのです。

彼も、私たちと同じ人間ならば、何万、何十万の人が終結したその事実に、向き合わずにはいられないでしょう。
私たちが反対の意思表示にかけた、そのエネルギーを目の当たりにして、無視せずにはいられないでしょう。

憎悪の連鎖を私たち自身が止めましょう
過ちは繰り返さないと、70年前の犠牲者に、私たちは誓ったはずです。

私たちなら止められる
私たちが止めるんです

2015年6月27日
私は戦争法案に反対します

↑以上、スピーチの内容全文おわり

当日の様子です。




こんなに集まった報道陣は、いったい何のために来てたんだろうか…。
一所懸命記事にまとめたけれど、上部から止められたんだろうか…。



戦争法案に反対するハチ公前アピール街宣
https://www.facebook.com/events/669495716487873/

HP
SEALDs

http://sealdsjpn.com

FB
https://www.facebook.com/saspl21

WE ARE SEALDs
NOW, WE STAND UP FOR THE FUTURE

58歳、今秋から学校の先生に初挑戦します!

2015年06月25日 | ひとりごと
なんて寒い夏なんだろう…長袖と分厚い靴下を履いて、部屋にはヒーターを入れた。

なんて暑い夏なんだろう…一気に薄着になり、人様からいただいた古い窓用クーラーを数個、慌てて取り付けた。

なんて蒸し蒸しする夏なんだろう…まるで梅雨のように降り続く雨に、畑の野菜の根も腐り、百歳を超える家のあちらこちらから、加齢臭がじわじわと漂い始めた。

そんな、一体全体どうしたいねん!と、誰かに向かって文句をぶちまけたくてウズウズしていたら…、

やっとやっと来てくれた、乾いた冷やっこい風がそよそよと吹く、六月晴れの毎日。

今月半ばまで続いていた伴奏バイトの疲れがなかなか抜けなくて、心身ともにグダグダしていて、
そんな自分を引きずるようにしてパソコンの前に座っても、キーを叩き始めるとおでこの辺りがモヤモヤとしてきてアウト!
わたしはどうしてしまったんだろう…と心配になったけど、これもまたわたしだと思い切って、自然に任せることにした。

いろいろとたまってしまった事や気持ちをちょっとだけ。

もはやどうしたらいいのかわからなくなったっぽい蚊除けの植物。


イチジクの実に筋が見えてきた!


去年の今頃、死を前にとてもしんどい思いをしていたショーティを、優しく包んでくれた紫陽花。






別の場所の紫陽花も、ポツリポツリと咲き始めた。




今は卒業の季節。
毎年この時期、高校を卒業した子の家では、卒業おめでとうパーティが開かれて、夜中まで結構にぎわっていることが多いのだけども、
こんな大掛かりなのは初めて見た!






近所の人、近所じゃない人、いろんな人がワラワラと集まってくる。




先週の土曜日は、車で西に30分ほど走った所にある町に住む、友だち一家の引っ越しの手伝いに行った。
日本からアメリカへ、そして9年暮らした町から隣町へと、15年の間に大きな引っ越しを2度経験した者としては、少しでも助けになりたい。
友だちも我々同様、大きな家具以外は自分たちで済ませるという引っ越しだったのでなおさらのこと。
どんなにまとめても、そしてそのまとまった物をどんなに運んでも、一向に前に進んでいる気がしないあの恐怖感は、一生忘れることはできない。
時計の針だけがスルスルと進み、二進も三進もいかずに疲れだけがどんどん増して、部屋の隅っこで丸まって寝ている猫をじぃーっと見ながら、猫の手も借りたいほどっていうのはこのことか…などと考えた。
わたしの手は猫の手よりはマシである。
「来なくていい」と何度も言うのを無視して行くと、来てよかった…と心底思える状況が目の前に広がっていた。

彼らのアパートの周りで、おっきな蜘蛛のおっかさんが、一所懸命に卵を守っていた。








翌日の日曜日は父の日で、夫の父親が75歳を迎えた誕生日も近いので、ペンシルバニアとニュージャージーの間にある小さな町のレストランに集合して祝うことになった。
ちょいとイヤな予感がしたので、クィーンズに住む長男くんに、夜中にメールをしてみた。
「明日やけど、どうやって行くつもり?」
「あ、電車で行く」
「じゃ、明日レストランで」
「あっ!」
「え?」
「めっちゃ遠いやん」
「そやから聞いてんねん!」
「まずそっちに行って一緒に行く」
「ほんなら、10時半までに着くようにしてや」
「ほーい」
やれやれ…。

雲ももう見飽きた。


古い建物がいっぱいの町。お、晴れてきた!


なんかいい感じの落書き。


3人のとーちゃん、そしておとうさん、父の日と誕生日おめでとう!



2時間ほどでお開きになり、家に戻ってきた我々は、今度は我が家バージョンの父の日を祝うことに。

なんという堂々とした入道雲よ。


近くにある『PIG and PRINCE』のバーカウンターで、軽い食事をした。










そして週明けの月曜日、わたしは久しぶりの面接を受けた。
前に住んでいた町の、小さな私立の学校の、中学と高校のコーラスの先生になるために。
この学校に通っている生徒たちの何人かが、わたしのピアノの生徒でもあるのだけれど、
その生徒の親から、もう何年も前から、うちの学校の音楽の先生になって欲しいと懇願されていた。
なにやら、音楽の先生に、すご~く不満があるらしい…。
そんなこと言われても、わたしには学校の教師になる免許が無い。
だからずっと、ずっとずっと、その話が話題に上がると断ってきた。
何年か経ち、新しい音楽の先生がやって来て、その先生がまた、前のひどい先生に輪をかけてひどいという。
う~ん…。
ちょうどコーラスの先生がやめて、だからまずコーラスの先生から始めて、んでもっていつかは音楽の先生にみたいな…。
ちょっと校長に尋ねてもいいかしらん?

ということで、コーラスだけならできるかもと、面接を受けることにした。
履歴書と、随分前にインタビューを受けてタウン誌に載った記事と一緒に送った。
58歳の初体験か…悪くないな。
校長との面接を経て、今日また、芸術コーディネーターとの面接を受けた。
大いに気に入ってもらい、オッケーが出た。
免許が無いことも言った。
すると、「音楽を教えられるのは免許ではなく経験ですから」と、にっこり笑って言ってくれた。
教え始めてから今年で早40年。
これまでの経験をうんと活かせたらいいなあ。
中学と高校の生徒たちは、精神的にこんがらがっている時期に入っている子が多いけれども、
無理強いすることなく、音楽を楽しんだり、真剣に取り組んだりできるクラスにしたいなあ。

週に5クラス。
一年のうちの前半は、クリスマスコンサートに向けての準備。
コンサートの後は、あなたの好きなアイディアでやって欲しい。
ちょっくら頑張ってみようと思っている。



昨日の晩は、キツネの、それもかなり大地主的なキツネの嫁入りだった。


20メートルほど先は晴れ。
まるで、庭の水撒きは大変だろうからと、神さんが手伝ってくれているような気がした。

そして夕焼け。


自然はほんとに飽きない。

わたしたちを「たかが衆愚』と見くびっている『日本会議』集団に、そろそろゲンコツを食らわせる時がきた!

2015年06月24日 | 日本とわたし
『日本会議』という集団の名前が、ちらほらと目に付き始めてから、ずいぶんと時間が経ってしまいました。
海外のメディアでは、戦前復興を狙うロビー集団と紹介されていることが多いのですが、
最近特に、この集団の在り方や根回しに近い活動が問題視され始めているにも拘わらず、マスコミにはあまり取り上げられていません。
まあ、マスコミ(特に大手)の体たらくはなにも、この『日本会議』についての無報道っぷりに限ったことではないのですが…。

インターネットで検索すると、山のように情報が出てきます。
↓これはそれらの中のひとつ。
なぜ報道されない?安倍首相も属する極右団体『日本会議』が政治を牛耳ってる
http://matome.naver.jp/odai/2143424055925855801

東京新聞などでは以前、記事として取り上げられていました。
たくさんの記事の中から、少し古いものですが、わたし自身に読み易かったものを、ここに紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

第2次安倍晋三改造内閣 最大右翼組織「日本会議」が占拠
http://tamutamu2014.web.fc2.com/abekaizounihonnkiagi.htm

改憲・超タカ派の「日本会議国会議員懇談会(日本会議議連)から15人」

安倍晋三首相を含め、第2次安倍改造内閣の19人の閣僚のうち15人が、
日本の侵略戦争を正当化する改憲・右翼団体「日本会議」を支援するためにつくられた「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)の所属議員である

超タカ派・改憲勢力が政権中枢に躍り出た形で、まさに「日本会議」内閣である。

2013年2月現在の役員表によると、日本会議議連(289名の国会議員が参加)には、安倍首相と麻生太郎副総理・財務相が特別顧問に就任
高市早苗総務相、菅義偉官房長官、下村博文文部科学相が副会長山谷えり子国家公安委員長が政策審議会長有村治子女性活躍担当相は政策審議会副会長を務めている。
また、衛藤晟一、礒崎陽輔両首相補佐官、加藤勝信官房副長官らも、役員に名を連ねる。

改造内閣で日本会議議連に所属していないのは、太田国交相、小渕経産相、松島法相、西川農相の4人。
もっとも、西川農相と二階自民党総務会長は、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」には名を連ねている
どちらにも所属していないのは、公明党の太田国交相、小渕経産相と松島法相だけ、ということになる。

自民党新役員でも、谷垣禎一幹事長が同顧問稲田朋美政調会長が政策審議会副会長を務め、また茂木敏充選対委員長も議連メンバーである。

日本会議は「憲法改正をめざす国民運動」を進めるとして、各地でフォーラムなどを開催
同議連や地方議員懇談会が、地方議会で、「憲法改正の早期実現」を求める意見書を採択させる先頭にたっている

日本会議のHPを見ると、
私たちは、美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する」と書かれており、
憲法改正、愛国心教育、“自虐的”な歴史教育の是正、戦後レジームからの脱却等々の安倍政権の政策は、すべて日本会議が提言してきたものだ。



日本会議は、
「男らしさや女らしさを否定する男女共同参画条例が各県で制定され、子供や家庭をめぐる環境がますます悪化」しているなどとして、男女共同参画や夫婦別姓に反対
2010年3月の「日本の国柄と家族の絆を守るためストップ!夫婦別姓」と題した集会には、高市、山谷、有村、稲田各氏が参加して意見表明
同11月の集会では、山谷氏が「国民世論を無視している」と、夫婦別姓に反対を表明している。

政治評論家の森田実氏は、
そういうウルトラ右翼の内閣が誕生したわけです。
大メディアは、『安定感のある内閣』だとか『重厚布陣』だとか報じていますが、とんでもない。
こんなアブない内閣はありません」と断じている。

元法大教授の五十嵐仁氏は、
日本会議が安倍政権を裏で操るというより、もはや一体化しているとみるべきです。
内閣に(19人中)15人も入ったのは、自民党が右翼政党に変質したことの証左でもある。
安倍首相をはじめとする日本会議系の右翼議員に党が乗っ取られ、内閣も官邸も占拠された
このままでは国が乗っ取られてしまいます」と、危惧している。

安倍内閣が、憲法破壊と歴史修正を強引に推し進める根源に、これら極右グループの存在があるが、
2014年2月に、米議会調査局がまとめた報告書は、「日本会議」を名指しで警戒
安倍氏は、戦時中の行為について、日本は不当な批判を受けていると議論するグループと連携」とし、
安倍政権の歴史修正の動きとして、2013年12月の安倍首相の靖国参拝を強行した背景に、日本会議の存在があると分析している。

また、海外メディアでは「ナショナリスト組織」(米ニューヨーク・タイムズ)や「ナショナリスト・シンクタンク」(英エコノミスト)などと報じ、国際社会でも危険視されている。

集団的自衛権の行使を容認し、自衛隊法の改正など有事法制を整備して、軍備強化で世界平和に貢献するという方針も、日本会議が目指す「誇りある国づくり」の一環で、
それを着実に進めてきたのが安倍政権であり、改造によって、ますます日本会議が掲げる政策を「実行実現」する内閣になったのである。


日本会議国会議員懇談会に加入する閣僚(2014年9月)

安倍晋三総理
麻生太郎副総理
高市早苗総務相
岸田文雄外相
下村博文文科相
塩崎恭久厚労相
望月義夫環境相
江渡聡徳防衛相
菅義偉官房長官
竹下亘復興相
山谷えり子公安委員長
山口俊一沖縄・北方相
有村治子女性活躍相
甘利明経済再生相
石破茂地方創生相


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政権に巣食う改憲・右翼団体「日本会議」勢力 主張・言動に見る異常
【しんぶん赤旗】2014年9月7日


安倍晋三首相を含む19人の閣僚のうち15人が、改憲・右翼団体「日本会議国会議員懇談会」(日本会議議連)に加盟している第2次安倍改造内閣(本紙6日付)。
その日本会議と、同議連が展開する主張や活動は、どのようなものなのでしょうか―。


侵略戦争を 「正義の戦争」

「諸悪の根源は、東京裁判史観」

日本会議議連の平沼赳夫会長(次世代の党党首)が、日本会議設立10周年のさいに寄せたあいさつ文の言葉です。
戦後、日本がサンフランシスコ条約で受諾し、国際社会復帰の基礎となった極東国際軍事裁判(東京裁判)が下した、日本の侵略戦争に対する断罪を否定しようというのが、日本会議の根本思想です。
 
日本会議は、過去の日本の侵略戦争を「アジア解放」の「正義の戦争」と美化してきた靖国神社への「二十万人参拝運動」を展開
天皇参拝実現に向け、歴代首相に参拝を強く要求してきました。


改憲目指して「愛国心」強制
 
日本会議は、日本国憲法、とりわけ不戦と戦力不保持を定めた憲法9条への攻撃を続け、「国防体制」充実のための改憲を主張
日本会議議連や「靖国」派の地方議員でつくる「日本会議地方議員連盟」が、地方議会で、「憲法改正の早期実現を求める意見書」を採択させる先頭に立っています
3日の内閣改造を受け、「この日が憲法改正運動のスタートとなる」(日本会議大阪のフェイスブック)と、改憲に期待を寄せています。
 
日本会議は、改憲に向けた世論構築のために、「愛国心」教育強化などを求めてきました。
 
女性活躍相に就任した有村治子氏は、昨年の参院選で、日本会議推薦候補として当選。
推薦を受け有村氏は、
戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。そこから始めていかなければいけない」(日本会議の月刊誌『日本の息吹』13年6月号)などと、
天皇中心の「日本の国柄」を、教育に持ち込む狙いを語っています


「慰安婦」記述教科書を攻撃
 
日本会議は、南京大虐殺や旧日本軍「慰安婦」問題での教科書の記述などを指して、
「わが国の歴史を悪しざまに断罪する自虐的な歴史教育」(「日本会議がめざすもの」=同会議ウェブサイト)などと攻撃しています。
 
通常国会で、「慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認め公式に謝罪した「河野談話」(1993年)の、検証や見直しを政府に求めたのは、
山田宏議員(当時=日本維新の会所属、現・次世代の党幹事長)ら、日本会議議連所属の国会議員です。
 
今回入閣した山谷えり子国家公安委員長は12年5月、「慰安婦」記念碑を設置した米東部ニュージャージー州パリセーズパーク市を訪問し、同市市長らに記念碑撤去を求める行動に及んでいます。


「男女共同参画」に反対
 
男女の社会的差別をなくす「ジェンダーフリー」の運動や教育が、世界で広がっていますが、これを否定しているのも日本会議です。
 
日本会議議連所属議員らも、「性差別」の廃止をうたう政府や各県の「男女共同参画」の動きまで、「男らしさや女らしさを否定する」ものと批判
10年3月に、「日本の国柄と家族の絆を守るためストップ!夫婦別姓」と題して開いた集会には、
今回初入閣した高市早苗総務相や、山谷、有村両氏のほか、自民党政調会長に就任した稲田朋美氏が参加しました。

↑以上、転載おわり


で、その自由民主あらため日本会議党は、
集団的自衛権の行使容認などを含む『安全保障関連法案』が、
「法案が複雑でうまく国民に説明できていない。ビラを使って理解を得たい」などと言って、
「平和安全法制の整備」と題した100万枚のビラを作り、街頭などで配ることにしたらしいです。

そのビラなんですが、こんな大ウソがつ~らつらと並べられています。

「国民の命と平和な暮らしを守る大切な法律です。
『スキのない構え』でさらに抑止力を高めます。
戦争に巻き込まれることも徴兵制も、決してありません」

いやもう、超がつくお粗末な答弁しかできない連中の思いつくことに、またまたお金が湯水のように使われたんだなあと、深いため息が出るばかり…。
そのデタラメとウソつきっぷりを、きっちり断罪してくださったものがこれ。


http://got.angry.jp/panf/


そしてさらに、『日本会議』が発行した『押しつけ憲法』デマビラと、それを添削してくださった元自衛艦の泥憲和さんの添削ビラと記事をここに。

『日本会議』版


『泥憲和』版


【火の粉を払う】
ツイッターにこんなコメントが届いた。
「捨て垢、大変失礼いたします。
(中略)こちらの添削チラシから誠に勝手ながら引用させていただいた所、日本会議支持と見られる改憲派ネトウヨに絡まれて困っています。
ひとつお力添えを願えたら嬉しいのですが」

日本会議の「押しつけ憲法」デマビラにつけた解説のことだ(写真上)。
 
ツッコミを入れていったら、もとの文章で残ったのは「マッカーサー」と「軍事占領中」だけ、というひどい代物だった。
 
コメント欄を見たら「GHQに添削されてんだから押しつけ憲法だ」というようなコメントがわらわらと。
要望だからコメントを書き込んできた。

コメント
「誤解が多いので指摘する。
GHQが憲法制定に介入したのは草案レベルまで。
憲法本体の審議に介入していない。
審議して内容を改めることもできたのに、国会の多数派はそうしなかった。
国民が憲法の内容を支持していたからだ。
憲法を公布して1年か2年後に、国民投票を実施するようマッカーサーが勧めているが、政府は無視した。
国民の意思で憲法が定着するのを避けたのだ。
国民投票しておけばよかったのに」

 
相談を持ちかけてきた捨て垢さんへのコメント
「日本国憲法には、自由民権運動の伝統が結実しています。
マッカーサー草案は彼の案ではなく、鈴木安蔵の案が下敷きで、鈴木案のベースは自由民権の植木枝盛憲法草案です。
憲法は、支配層には「押付け」ですね。
民衆にとっては、ファッショに奪われた人権を「取り戻した」といえます 。

支配層がマッカーサー草案を丸呑みした原因は、主体性の欠如です。
主体性の欠如は、無謀な戦争に至った要因でもあります。
責任を押し付けあう。
誰も決断しない。
声の大きい者に従う。
勇気が欠如したエリートたちが、空気に乗って、ズルズルと戦争に向かいました。
みんな腰抜けですわ。

主体性の有無がドイツとの違いです。
ドイツ憲法も、占領軍の関与で作られましたが、ドイツ国内に押付け論は存在しません。
占領軍と緊張関係を保ちつつ、ドイツ自身が憲法を作る意思を持って、主体的に取り組んだからです。
結果的に、占領軍の案に似たものになったのですが。

GHQに抵抗する気なら出来ました。
ろくに抵抗しなかった腰抜けが、後から「押しつけだ」と騒いだ。
内容抜きの議論です。
戦後70年近くも国民が支持してきたのに、何をいまさら。
憲法が押し付けなら安保も同じ。
再軍備もそう。
改憲論だって、もとは米国生まれですよ。

改憲論者は、『押付け安保』や『押付け再軍備』ハンタイと騒ぎません。
なぜなら、それがアメリカの意向に沿うものだから。
結局、力の強い者、声の大きい者に付き従っているだけのことです。
主観的にはそう思っていないだろうけれどね。
戦前のエリートもそうでした。

沢山押し寄せているネトウヨですが、どこかで聞きかじった理屈をしたり顔で繰り返しているだけ。
国益論や安全保障論、外交論のすべてにわたって、内容的には護憲論が圧倒しています。
政治的力関係では残念ながら負けてるね。
逆転しないとね。
がんばりましょう」



この泥さんには、わたしはいつも励まされています。
そして、たくさんのことを教えてもらいました。
彼のことを、東京新聞が記事にまとめています。
昨年の7月28日付の記事です。

「集団的自衛権は他人のけんかを買うこと。逆恨みされますよ」

神戸市の街頭での泥憲和(どろのりかず)さん(60)=兵庫県姫路市=の「叫び」が、インターネット上で広がっている。
4月にがんで余命一年と宣告された元自衛官。
集団的自衛権の行使容認が閣議決定される前日の6月30日、マイクを握った。

初対面の若者たちに交じり、解釈改憲反対のビラ配りを手伝っていた。
聞こえてくる演説を、「分かりにくい」ともどかしく感じた。
話が途切れた時、たまらず「ちょっとしゃべらせて」と、頼み込んだ。

「私は元自衛官で、防空ミサイル部隊に所属していました」
「自衛隊の仕事は日本を守ること。見も知らぬ国に行って殺し殺されるのが仕事なわけない」

5分余りで話し終わると、自民党支持者を名乗る中年男性が、「あんたの話はよう分かった。説得力あるわ」と寄ってきた。

フェイスブックに全文を載せると、瞬く間に、賛同する人たちが転載を繰り返し、ネット上に広がった。
離れて暮らす長男から、「おやじ、ほめられすぎ」と冷やかされた。

泥さんが自衛隊に入ったのは1969年。
6年間働き、故郷の姫路市に戻って、皮革加工の仕事を始めた。
被差別出身の仕事仲間と付き合いを深める中で、両親や親類と縁遠くなった。

差別感情が強く残っている現実に直面し、被差別の解放運動に関わり始めた。
その延長で、平和運動にも携わる。
自衛隊を違憲と考える仲間たちに、合憲という自分の意見を納得してもらうため、勉強を続けてきた。
自衛隊は「専守防衛」
自衛官時代に、国民を守り憲法に従うという役割を教わった」。

神戸での街頭演説は、これまでの活動の到達点でもある。

2009年12月、京都朝鮮初級学校に対する街宣活動が起きた。
「日本からたたき出せ」「スパイの子ども」。
ネットで知った泥さんは、ヘイトスピーチと呼ばれる差別的な発言をするデモに憤り、現場で反対の声を上げる「カウンター」活動も始めた。

憎悪がむき出しとなる社会と歩調を合わせるように、政府は、戦争放棄の憲法を解釈でねじ曲げようとする
がんの宣告を受けたのを機に仕事を辞め、講演会など表舞台にも立つようになった。

「ヘイトスピーチをする人を蹴散らすことはできるかもしれない」。
中心人物を孤立させ、社会的に包囲することが、自分の役割と感じている。

「その間に、多くの人が良識を発揮してほしい。日本国民のピースマインドは、ばかにできませんよ」

「あれだけの原発事故を経験した日本が、このトルコの地に原発を建てようとしている事を思うと悲しくなる」

2015年06月24日 | 日本とわたし
守田さんから、続々とメールが届きます。
豊富な知識、行動力、希望を失わない強さ、そして弱者を思いやる温かさが、彼の文章の中にはこめられています。
講演会場の最前列に陣取り、守田さんの生声で発せられる言葉の一言一句を聞き逃すまいと、必死にメモを取る自分の姿を想像しながら、今日もここに紹介させていただきます。


守田さんも深く関わっておられる兵庫県篠山市では、原子力災害対策の進展が見られました。
それもこれも、篠山市の酒井市長ご自身が、原子力災害対策検討委員会という、自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成されている会の提言を真摯に受け取られたからです。

独自に安定ヨウ素剤を事前配布する
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていく

けれども、酒井市長はまた、
避難計画については、国においても県においても定めておらず市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われます」
ともおっしゃっています。

このように危険極まりない巨大な施設を、日本は50以上、研究施設と銘打たれたものを含めるとさらにもっと多くの数を、抱えさせられてしまいました。

そして甚大な事故を起こし、何一つまともな解決も為されないまま、国土はもちろんのこと、地球を恐ろしい放射能で汚し続けています。
なのに輸出ですと?
守田さんはそのことについて、こんなふうに書かれています。

「原子力産業は風前の灯火となっている。
それでは困る、なんとか生き延びたい思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けている。
その大きな柱が原発輸出。

日本では今、すべての原発が停まっている。
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない。
私たちも日常生活で何も困っていない。

原発など、もともといらなかったから。
むしろ電気は余っている。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきた。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上している。
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないから。

ウランがまったく売れない。
経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまう。
この状況を打開するために行われようとしているのが原発輸出。

とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ運転員も含めた技術の維持ができない。
だから海外で原発を作り、運転したい。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るため。

日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい。

それが今、安倍政権が遮二無二進めていること。
これは本質的には、びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだ。


そしてもうひとつ、その原発を押し付けられようとしているトルコのシノップ市民の方の言葉を。

「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」

↓以下、転載はじめ

守田です。

当面する講演のお知らせです。
まずこの間、僕が力を注いできた原発災害対策について、6月28日に京都市龍谷大学深草キャンパスでお話します。
13時開場、13時半開会です。

福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」
https://www.facebook.com/events/839804416103316

今回は篠山市での原子力災害対策の進展を踏まえてお話したいと思います。
これまでもお伝えしてきたように、僕は兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会に参加し、他の委員のみなさんとともに、
原発事故が起こった時に篠山市民がどのように身を守るのかの対策を練ってきました
その中で、6月17日に、篠山市の酒井市長に、委員会の総意として提言書を提出しました。
前々から準備されてきたことですが、これを受けて篠山市は今秋から、
独自に安定ヨウ素剤を事前配布することを決めるとともに、
事故が起きたら「とっとと逃げる」ための具体的な方策を、さらに積み上げていくことを決めました。

安定ヨウ素剤の事前配布が行われれば、原子力規制庁が求めている5キロ圏内以外で、全国初の試みになります。
ぜひ、この動きが他の市町村にも拡大していけばいいなと思っています。
この日の様子を記した市長日記と神戸新聞の記事をご覧下さい。

安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
【篠山市ホームページ】2015年06月18日
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/mayor/diary/post-826.html



安定ヨウ素剤配布へ(市長日記)
更新日:2015年06月18日

昨日、6月17日、篠山市の原子力災害対策検討委員会から「提言」を受けました。
この委員会は自治会、消防団、医師会、原子力の専門家、市民などで構成され、熱心に議論されてきました。
提言の内容は
(1)市民が避難する計画の策定
(2)安定ヨウ素剤の事前配布
(3)事故の際の対策本部の設置による市民への情報提供や勧告
(4)日頃からの災害全般に対する備えの強化
などとなっています。

万一の事故の場合、何より大切なのは「とっとと逃げる」こと
そして逃げる時には「(甲状腺の内部被ばくを防ぐため)安定ヨウ素剤を服用」するということです。
避難計画については、国においても県においても定めておらず市民が完全に避難できる方法などあり得ないとも思われますが、
どこにどのように避難すべきなのかのガイドラインは示したいと考えます。

又、安定ヨウ素剤については、昨年3月に5万人分を、市役所や診療所に備蓄しているのですが、
いざという時に、市民に行き届けられません
そこで、特に服用が必要な成長期にある子どもや希望者を中心に、事前配布の準備をすすめたいと考えます。

篠山市は福井の原発から約50キロの距離になりますが、
安定ヨウ素剤の事前配布は、30キロ圏外では全国で初めてとなるとのことです。


安定ヨウ素剤、今秋から事前配布へ 篠山市
【神戸新聞】2015年6月17日
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008131412.shtml



安全を確保するためには、原発を再稼働させないことがもちろん大事です。
しかし原発は止まっていても、燃料プールがある限り、過酷事故を起こす可能性があり続けます
プールが損傷し、水が抜けて冷却ができなくなれば、燃料が溶けだして、もの凄い放射能が飛び出してきます
また、全国の燃料プールが、つめつめの猛烈に危険な状態になっているので、地震などの大きな揺れで燃料が接近した場合に、臨界爆発が発生する可能性もあります

その意味で、原子力災害対策は、全国に17000トンもある燃料棒のすべてが安全な状態に移されるまで必須のものです。
そのために、篠山市での取り組みを含めて、この間考察してきたことをお話しますので、ぜひご参加下さい。

これと共に、6月27日に京都府向日市で、7月4日に大阪府の新大阪で、世界の原発の動向とトルコへの原発輸出問題についてお話します。

・向日市
日時:
6月27日 9:30より
場所:
寺戸公民館(阪急向日駅から300メートル)

・新大阪
日時:
7月4日 14:30 - 16:30
場所:
市民交流センターひがしよどがわ403号室(JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)




原発産業は、世界的にも斜陽を深めています
今、世界の原発の「平均年齢」は、なんと30歳!
国によっては、30年が使用期限とされてきたところもあります。
多くが老朽化していて、廃炉に向かいつつあるのです。

なぜこれほど「平均年齢」が高いのか
答えは明白。
スリーマイル島、チェルノブイリと続いた深刻な原発事故以降、世界各地で原発建設を許さない市民の力が増して、建設がストップされてきたからです。
このため原子力産業は風前の灯火となっています。
それでは困るなんとか生き延びたいと思う世界の原子力村が、さまざまに延命策を考え続けています。
その大きな柱が原発輸出です。

日本では今、すべての原発が停まっています
停まっていながら、電力の不足などまったく起こっていない
私たちも日常生活で何も困っていません。
なぜでしょうか。
この答えも明白です。
実は、原発などもともといらなかったからです。
むしろ電気は余っているのです。
それをどう過剰に使わせるかが課題となってきたのです。
だから今、リニア新幹線などという、ものすごく電気を使用するプロジェクトまでが浮上しています
電気の使い先を見つけないと、原発に未来がないからです。

それだけではありません。
日本の原発は今、平均で、4年1カ月も停まっているのです。
世界で最大の出力を誇っていた柏崎刈羽原発3号機・4号機などは7年10カ月、さらに2号機は7年11カ月も停まっています
確実に8年を越えます
8年も停めていたプラントに未来はありません

この事実こそが、世界の原子力村にとって強烈な脅威なのです。

一つに、ウランがまったく売れない
二つに、経済大国日本が、こんなに長期に原発が停まっていることが分かれば、原発の不必要性が世界中に知れわたってしまうからです。

この状況を打開するために行われようとしているのが、原発輸出です。

とくに、原発が平均で4年以上も停まっている日本にとっては、そうでもしなければ、運転員も含めた技術の維持ができないからこそ、海外で原発を作り、運転したいのです。
ウランの需要を、こじ開けるようにして作るためでもあります。

しかし一方で、
日本の原発がもう何年も動いていない事実を世界に知られないためにも、
また原発輸出を進めるためにも、
なんとか一つの原発でも再稼働させたい

それが今、安倍政権が遮二無二進めていることですが、
これは本質的には、滅びつつある世界の原子力村の断末魔の叫びなのだということを、しっかりとみておく必要があります。

その上で私たちが押さえるべきことは、
自国でも危険性が明らかであるがゆえに動かすことのできない危険な原発を、
この国から輸出することなど、けして道義的に許されることではない
、ということです。

僕はとくにトルコに関わっていますが、日本から原発を輸出しようとしているシノップという町は、とても美しい漁場です。
同時に、トルコの方たちのリゾート地でもあり、多くの方に憩いを提供してきている素晴らしい町です。
こんなところに、けして原発など作らせてはなりません。

さらに、エルドアン政権はとても暴力的です。
デモに対して警官隊にガス銃を乱射させ、2013年には10人近い人々が殺されてすらいます。
その一人は、買い物に来ていただけの10代の少年でした。

ぜひ講演を通じて、こうしたトルコの事情を知ってください。
マスコミではなかなか流れない貴重な情報です。

トルコの方たちは、原発建設を止めるために、懸命に行動しています
この4月27日にも、チェルノブイリ原発事故29年に際して、シノップに4万4千人もの人が集まりました。
トルコの方たちの奮闘は、トルコに原発を作らせないためだけでなく、世界の原子力村の延命策に立ちふさがる行為でもあります。
その意味で、トルコの方たちの奮闘は、私たちの未来をも照らしてくれる行動です。
だからこそ、トルコと日本の民衆の強い結びつきで、なんとしても原発輸出を止め、延命策にふたをし、原子力の灯を消していきたいと思います。
核のない未来の展望がそこにあります


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/134a.htm



トルコのプナールさんからのメッセージと「緑の新聞」の記事です

シノップで4万人が「日本は原発を輸出しないで!」と叫んだ!

日本政府がトルコ政府と契約をして、原発を輸出する予定のシノップ市で、4万人が集まって、
「原発反対!」
「日本は原発を輸出しないで!」と叫びました
(4月25日)。

日本人のみなさまにお知らせです。
(Pınar Demircan)



「原発に通行権はない!」 ― シノップで4万人の叫び(プナール・デミルジャン)
【トルコ「緑の新聞」 】2015.4.25

トルコを含めヨーロッパで、何百万人もの健康に爪痕を残した史上最悪の災害、チェルノブイリ原発事故の追悼記念集会が、
29年後の今日、シノップで行なわれ、4万人が参加した。



40年間、反原発闘争をくり広げ、国民が反対しているにもかかわらず、
政府、官僚が協定に調印し、原発建設を強行するなら、国民は道に出て列を作り、これに反抗する。
この国に住む人々に、原発は必要ないのだ!


イスタンブールからも1000人が参加した、シノップでの反原発集会は、80を超える民間団体と市民のサポートで巨大になった。
シノップ県反原発プラットフォームと公務員労働組合連合のよびかけで、市の中心で始まったデモ行進の列は、シノップ・ウールムムジュ広場へと続いた。
地元の漁師たちも、「シノップに原発はいらない」と書かれたポスターを漁船に吊るして、デモに参加した。
民家や小売店の窓でも、同じポスターが目に留まった。



停電が一日中続いた3月31日の翌日、シノップ原発建設へ向けた協定が調印された
この停電の原因は、「電力の過剰供給」だったことが、のちにエネルギー大臣の話で明らかになったのだが、
エネルギーの過剰供給があるにもかかわらず、さらなるエネルギー創出のため、政府が原発建設を申請したことに、私たちは戸惑いを隠せなかった。

協定への調印がなされた直後に、アックユで原発建設の起工式が行なわれ、すぐに原発の宣伝広告が世間に出回った。
この広告に子供を起用したことに、国民はとくに強く反発し、撤廃を求めた
業界団体は、広告の撤廃を、法的に申請せざるをえなくなった
しかし政府は、原発建設に必死になっているため、広告を撤廃するどころか、
4月23日「子供の日」に、首相の椅子に座る子供たちの耳に囁き、「原発建設は必要だ」と言わせた

その結果、4万人が、「原発にNO! 原発に通行権はない!」と叫ぶため、25日シノップに向かうこととなった。

チェルノブイリ事故の29周年追悼のため、シノップと同様のデモが明日26日、
イスタンブール、アンカラ、メルシンなど多くの県と、アックユ原発から90km離れたキプロスで行なわれる。
未来と、健康な次世代を願うすべての人に参加してほしい。


シノップ観光地図とプナールさん

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★シノップ市は、黒海沿岸の美しい町で、農漁業がさかんです(人口57000人)。
原発建設には大多数の住民が反対しており、地元の合意は得られていません
しかし4月1日、トルコ国会は、シノップ原発についての日本との契約締結を承認しました

三菱とアレバが、原発4基を建設。
17年に着工予定とされています。
シノップの人々は、
「あれだけの原発事故を経験した日本が、この地に原発を建てようとしていることを思うと悲しくなる」といっています。

●トルコへの原発輸出と反対運動の現状 ― ことばが通じなくても、原発のない未来のために、私たちは共に闘える(アスリハン・テューマー)
http://www.nonukesasiaforum.org/jp/123a.htm もご覧ください

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なお、私たちがもう一つ踏まえなくてはならないのは、
原子力の灯が消えても、膨大な放射性廃棄物が残ってしまうことです。
この核のゴミをどうするのかも、これからの私たちの大きな課題です。
私たちが警戒しなければならないのは、とんでもない無法で酷い処理が行われつつあることです。
この点で注目すべき学習会が、27日の午後に岡山で行われるので、僕も向日市での講演を終え次第、かけつけて参加するつもりです。
その情報も記しておきます。

-「核のゴミ」について考える市民勉強会- 
HKB47勉強会IN岡山 
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」
講師は沢田嵐さんです。
13時から、岡山コンベンションセンター407会議室にて


以下、詳細な案内を記しておきます。
ぜひそれぞれの企画にご参加下さい!

*****

*京都府向日市(6月27日)

「世界の原発の動向と健康問題」講演会・意見交流の後、第4回総会を開催
日時:
6月27日午前9時半~12時ごろ
場所:
向日市寺戸公民館
講師:
守田敏也
主催:
原発をなくす向日市民の会
連絡先:
事務局筒井 075-931-3788

***

*岡山市(6月27日)

「核のゴミ」について考える市民勉強会(HKB47 勉強会 IN 岡山)
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」

日時:
2015年6月27日(土)午後1時半~5時(開場1時)
場所:
岡山コンベンションセンター407会議室(定員50名)
岡山市北区駅元町14-1 ?086-214-1000(代表)
講師:
沢田嵐氏 (ブログ”あざらしサラダ”管理人&「市民放射能測定センター」(Cラボ)ボランティアスタッフ)
※「HKB47」は、沢田氏が管理人を務める情報共有コミュニティの名称です。
ゲスト:
庭山由紀氏(元群馬県桐生市市議)
参加費:
500円(施設、機器使用料)(当日受付)

【資料】
「日本が”核のゴミ捨て場”になる日-震災がれき問題の実像」(沢田嵐著、旬報社)

***

*京都市・龍谷大学深草キャンパス(6月28日)

「福島原発事故から4年 守田敏也さんに学ぶ「原発事故・避難計画」」
日時:
2015年6月28日(日曜日)午後1時 開場 / 1時半 開会 / 4時半 終了
場所:
龍谷大学深草キャンパス22号館2階201教室
講師:
守田敏也氏(フリージャーナリスト)
主催:
原発を考える伏見フォーラム
連絡先:
ふしみ原発ゼロパレードの会事務局
TEL:
075-604-2133 [ 京都南法律事務所 ・溝江 ]

***

*大阪府 新大阪(7月4日)

「日本はトルコに原発を輸出しないで! ― 4万人の市民の叫び ―」
日時:
2015年7月4日 午後2時開場 2時半~4時半
場所:
市民交流センターひがしよどがわ 403号室 (JR新大阪駅東口より北へ徒歩3分)
講師:
守田敏也氏 (フリージャーナリスト)
参加費:
700円
主催:
No Nukes Asia Forum Japan <連絡先>080-6174-8358
協力:
COA-NET

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守田敏也 MORITA TOSHIYA
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90

人を殺すのも人に殺されるのもイヤ!そんなことを押し付けようとしている者たちをやっつけよう!

2015年06月21日 | 日本とわたし
おとなもがんばってる。


そして若者たちもがんばってる。


寂聴さんも…背骨の圧迫骨折や胆嚢がんなどで、昨年5月からほとんど寝たきりなのに、それを押し切って駆け付けてくださった。


瀬戸内寂聴です。
満93歳になりました。
今日、たくさんの方が集まっていらっしゃったが、私よりお年寄りの方はいらっしゃらないのではないか。
去年一年病気をして、ほとんど寝たきりだった。
完全に治ったわけではないが、最近のこの状態には寝ていられない。
病気で死ぬか、けがをして死ぬか分からないが、どうせ死ぬならばこちらへきて、みなさんに、
「このままでは日本はだめだよ。日本はどんどん怖いことになっているぞ」
ということを申し上げて死にたいと思った。

私はどこにも属していない。
だれにも話していない。
ただ自分一人でやってきた。
もし私が死んでも、あくまでも自己責任だ、そういう気持ちで来た。
だから怖いものなしです。
何でも言って良いと思う。

私は1922年、大正11年の生まれだから、戦争の真っ只中に青春を過ごした。
前の戦争が実にひどくって大変かということを、身にしみて感じている。
私は終戦を北京で迎え、負けたと知ったときは殺されると思った。
帰ってきたら、ふるさとの徳島は焼け野原で、そこから考えたのは、
それまでの教育で、この戦争は天皇陛下のため、日本の将来のため、東洋平和のため、と教えられたが、
戦争に良い戦争は絶対にない。
すべて人殺しです。
殺さなければ殺される。
それは人間の一番悪いことだ。
二度と起こしちゃならない。

しかし、最近の日本の状況を見ていると、なんだか怖い戦争にどんどん近づいていくような気がいたします。
せめて死ぬ前にここへ来て、そういう気持ちを訴えたいと思った。
どうか、ここに集まった方は、私と同じような気持ちだと思うが、
その気持ちを他の人たちにも伝えて、特に若い人たちに伝えて、
若い人の将来が幸せになるような方向に進んでほしいと思います。



今週土曜日に、
『戦争法案に反対するハチ公前アピール街宣』があります。



そしてその前日の金曜日には、こんな女の子が発起人となったデモが札幌で行われます。


19歳フリーター、デモ初企画 戦争怖くてふるえる 26日札幌
【北海道新聞】 2015年6月23日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150623-00010001-doshin-hok

デモのビラを手にススキノの交差点に立つ高塚愛鳥さん。
26日はデモ行進後、ここでマイクを握る

「戦争は怖い。イヤだ。許せない。むかつく…。」
 
19歳、フリーター。
音楽とおしゃれが好きで、政治には関心がなかった。
そんな女の子が発起人となって26日、安全保障関連法案に反対するデモが札幌で行われる。
呼びかけたのは札幌市中央区の高塚愛鳥(まお)さん。
「戦争は怖い。イヤだ。許せない。むかつく…。若い世代が、自分たちの言葉で、反対の声を上げたい」と力を込める。

デモの名は「戦争したくなくてふるえる」

若者に人気の歌手西野カナさんの曲の「会いたくて震える」という歌詞にかけた。

<戦争が始まったら自由が奪われる。バカな政治家たちに自由で楽しいあたし達の暮らしを奪われてたまるか!>

インターネット上のデモの告知には、自身の写真とともに、そんなメッセージを載せた。

「人一倍怖がりで、戦争は特に怖い」と話す。
幼稚園の時、戦争を扱ったアニメ映画「火垂(ほた)るの墓」を見て、夜眠れずにベッドの中で震えた。
高校の修学旅行で訪れた広島では、原爆資料館の展示を直視できなかった。

中学時代、熱心な教師の影響で、貧しいアフリカの子供を助ける仕事がしたいと夢見た。
でも、高校時代は茶髪にピアス、短いスカートで、遊んでばかりいた。


「車いすの人権活動家」介助
昨年、半年で大学を中退し、札幌ススキノの飲食店などで働いた。
今春、語学留学したフィリピンでは、児童養護施設で子供たちと遊ぶボランティアをした。
全盲の父は娘の顔を見たことがなく、子供のころはよく顔をさすってくれた。
そのせいか、人と触れ合う仕事がしたいと、今は「車いすの人権活動家」として知られる安積遊歩(あさか・ゆうほ)さん(59)=札幌市西区=を介助するアルバイトをしている。

戦争は怖い、イヤだと思いつつ、デモでは何も変わらないと思っていた。
友達と街を歩いてデモと出くわしても、「うるさい」と思った。
それでも、もし戦争になったら、駆り出されるのは自分たちの世代。
無関心で遊んでばかりいていいのか―。
少しずつ考え始めた。


今月中旬、若者が「円山公園」でデモをすると知った。
(札幌の)円山なら行こうかなと思ったら、京都の円山だった。
その話を安積さんにすると、だったら自分でしたらいいと言われた。
「誰かがやんなきゃ誰もしない、何も変わらない」
その日のうちに安保法案についてネットで調べ、若い友人たちにデモの企画をネットでぶち上げた。

行動力には自信がある。
デモは許可が必要と知り、翌日、警察署に申請した。
遊び仲間や大学生らに共感の輪が広がり、ネットの交流サイト、フェイスブックでは、デモへの「いいね!」が5日間で千を超えた。


ススキノまで行進
デモは26日、午後5時半に、大通西8丁目集合
ススキノまで行進する。
事前申し込みなしで誰でも参加できるが、特に若い人たちに来てほしいと願っている。
「ススキノで遊んでる友達とか、飲み会サークルの大学生とか、あんまり関心なさそうな若者にこそ、法案の怖さを知ってほしい。反対の声を伝えたい」と話す。
「だって、自分たちの未来にかかわる問題なんだから」



なぜ今、市井の人たちが本気で踏ん張らなければならないか。
気がつくことができないように、内密に、慎重に、いかにも正しいことであるように見せかけて行動している団体や人々が存在しているからです。

昨年の8月15日に、『憲法を考える映画』の中の『ごまめのはぎしり』というブログに、こんなタイトルの記事が掲載されました。

「消される戦争の跡」と日本会議の正体

記事には、その当時行われた撤去や後援拒否や、さらには入選取り消しや会場の貸し出し拒否などについて書かれています。

少しだけ抜粋します。

◾️消される戦争の跡『説明板、突然の撤去」体験者ら危機感
大和海軍航空隊大和基地の跡地であることを説明する説明板が、設置した天理市によって撤去された。
理由は?
朝鮮人労働者や慰安所の女性が、強制連行されたという記述に「根拠がない」などとして、市に抗議の声が寄せられていたからで、
市長は、
「国全体で議論されている中、市の公式見解と受け止められるのは適当でない」という見解を出した。


◾️『戦跡』の大半放置・開発 / 戦争遺跡3万カ所 保護わずか216件
碑や説明板を撤去するなど、戦争の加害記述の『自重』も重なり、地域から戦争の記憶が消えていく。

・群馬県
県立公園内の朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑の撤去を、管理する市民団体に求めた。
理由は?
「存在自体が論争の対象となり、憩いの場である公園にふさわしくなくなった」(大沢正明知事)

・長崎県
平和公園内に計画した韓国人原爆犠牲者慰霊碑の建設が保留。
理由は?
「強制労働と虐待」などの文言に「平和公園が政治目的に利用される」などの抗議が市に相次いだため。

・埼玉県
平和資料館(東松山市)で展示されている年表から「慰安婦」「南京」の文字を削除。

・大阪国際平和センター
加害の歴史を大幅縮小する方向。


◾️戦争資料5040点さまよう
都の平和記念館の建設構想が頓挫。
『自虐的展示』『戦争正当化』など、都議会の議論が平行線


◾️市民主催の憲法講座を、国立市教委が『政権批判』のチラシを理由に後援せず
理由は?
予定されていた講座『憲法とわたしたち』のチラシの文言に、
「安倍内閣が憲法違反の法律を次々と成立させていることは周知の事実で(中略)、徹底的に批判すべきでありましょう」という記述があり、
違憲の判決のない現段階では、後援にふさわしくないと説明した。
「閣議決定にさまざまな意見があることは承知している。だが、違憲との最高裁判所が確定するなどしていない今の段階で、市教委として後援は難しい。


◾️埼玉県で、市民デモを詠った俳句の入選が取り消され、公民館誌から外される。



などなど、これらは東京新聞や朝日新聞に報道されたからわかったことで、日本中でこのようなことは起こっているのではないでしょうか。
このブログの筆者は、こんなふうにおっしゃっています。

「公務員として憲法を尊重し擁護しなければならない」という義務はないがしろにして、
憲法違反の決定が最高裁で確定しない限り憲法違反と批判できない、と言っているかのような答えです。

ここで問題にしたいのは、こうした戦争を記録して言い伝えていくという動きに対して、
あるいは政府の憲法違反を批判したり、秘密保護法など戦争体制準備の動きに反対する動きに対して、
自治体が妨害したり、それまで続いていた後援を取り消したり、会場を貸さないと言ったりという動きが多いことです。

自治体に働きかけて、こうした市民運動を妨害して止めさせようとする組織的な動きがあるのではないか、
そもそもそうした動きは、「二度と戦争を起こしてはならない」「憲法を守っていこう」という動きに対して、どのような意図をもって妨害しているのか、
と考えて思い至ったことがありました。

7月31日の東京新聞と8月1日の朝日新聞に、「日本会議」という組織についての詳しい記事が相次いで載りました。

7月31日の東京新聞
「日本最大の右派組織(結成97年・会員数3万5千人)日本会議を検証」
「役員に安倍首相、麻生副総理」
「女性蔑視、ツイッター物議…、地方議連のメンバー」
「改憲 歴史修正主義 伝統的家族観」
「国旗国歌法、改正教育基本法 首相の政治信条と重なる」


朝日新聞8月1日第1面記事
「『改憲を』19県議会自民主導」
「意見書・請願『日本会議』提唱」


朝日新聞8月1日第6面記事
「地方から改憲の声 演出」
「日本会議が案文 議員ら呼応」
「自民、国会発議めざしムードづくり」
「『真正保守』掲げる・安倍首相と重なる思想」


つまり、安倍さんが作りたい国の形と憲法(自民党憲法草案)が、
この右派組織日本会議が作る案文や国民向けの宣伝にあらわれている
ということです。

そして、そこに組織された地方議員を使って、改憲の意見書や請願を議会に出させたり、
自治体に圧力をかけて、
「二度と戦争を起こしてはならない」「憲法を守って人権を大切にしていこう」とか、
「権力者の暴走に歯止めをかけよう」あるいは「戦争できる国にしていこうとする動きを止めよう」といった市民の運動を妨害し、
力を持たないようにしようと組織的に動いている
のです。

こうした動きは、一貫して安倍さんがとり続けている「論議をしない」という点でも一致しています
教育を国民のものから権力の都合のいいものにし、メディアを権力の都合のいいものにし、そして市民が声を上げ批判的な意見をあげることを潰していく。
それはかつて、昭和30年代に、岸首相らがせっせと取り組んだことであり、また、かつて戦争への道へ国民を追いやった手法でもありました。


このまま行くと、もう少しで「戦争に反対する」と言うことさえ、口に出すのがはばかられる世の中に着々となりつつあるような気がします。




このような記事が書かれてから、もうすぐ1年が経ちます。
ここにきてやっと、気づき始めた人がひとり、またひとりと増えてきました。
アジカンの後藤くんのように、もうずっと前からはっきりと声を上げてくれている人がいて、本当に心強いです。

アジカン後藤が「どうやって早く安倍政権を終わらせるかを考えている」と…桑田圭祐とは違う本気度
【LITERA】2015.6.18
http://lite-ra.com/2015/06/post-1199.html

戦争のできる国づくりをめざして、今国会では、強引に安保法制を成立させようとしている安倍政権。
こうした動きに危機感を覚え、最近は、安倍批判や護憲発言をする芸能人や作家、アーティストが少しずつ増えてきている。
 
途中で腰砕けになったものの、紅白で政権を揶揄するパフォーマンスを見せたサザンオールスターズ・桑田佳祐
ラジオで「安倍はバカ」発言をした爆笑問題の太田光
作家では、『宰相A』(新潮社)で、積極的平和主義の本質を暴露した田中慎弥
「戦前、戦中のような時代がやってくる」と、警告を発した中村文則
さらには、「安倍首相の右翼的な動きが恐ろしい」と発言した蛭子能収など……。
 
そんななかでも、かなり踏み込んだ安倍批判を繰り広げるミュージシャンがいる。
先日、最新アルバム『Wonder Future』を発売したばかりのASIAN KUNG-FU GENERATION、略してアジカンの後藤正文である。
「Rolling Stone日本版」(セブン&アイ出版)2015年7月号の彼のソロインタビューで、インタビュアーによる、
「今、どんなことにピンと来ていますか?」といった質問に対し、後藤はこんな発言をしたのだ。

「どうやったら早く安倍政権が終わるかっていうことを考えていますね」
そして、
「最悪のタイミングで、最悪の人が総理大臣になっていると思います」と、安倍のことを一刀両断。
 
後藤は、昨年9月のイベントでも、ステージ上で「クソ安倍」と叫び、話題となったことがあるが、その危機感と怒りを持ち続けていたようだ。
 
しかし、後藤は、サザン桑田のように、ミュージシャン的なノリでこのような言葉を発したわけではなさそうだ。
彼のなかには、安倍批判だけでなく、その政治手法への危機感、安倍を支持する社会の空気への問題意識がある
同インタビューの中で、彼はこんな発言をしている。

「世の中の一般的な人たちって、大きな変革がものすごく好きなの。
破滅願望と似ていて、『何か起きねぇかな』みたいな想いの裏返しですよね。
すごいリーダーが現れて、俺たちの社会をバラ色にしてくれるんじゃないかっていうような。
そういう願望が、安倍(晋三)さんとか橋下(徹)さんみたいな人の登場を担保しているわけなんですよ。
だけど、みんなの願望と実情が上手く噛み合うことはない。
だから、大きな破局みたいな変革があったら困るんだけども、
そういうのを俺たちが内心期待しちゃっているところが、現状を呼び込んでいて」


「同時に“強いリーダーみたいな人は、やっぱりいないんだな”って思いもあって。
あとは時間的な辛抱のなさとかが、その次のもっと深い無関心を呼び込んでしまっている」


救世主のような強いリーダーを求める一方、すぐに結果を出せなければ、世論は手の平返しで批判を強める。
そして、その次には、政治不信・政治への無関心が、国民の間に広がっていく。
まさに、投票率が下がり続けている今の日本の状況だ。
 
また、社会システムの改革には、ゆっくりと丁寧な議論が必要である。
しかし、今は大事な改革案にも関わらず、あまりにも拙速に事が進んでいる。


「性急な変革みたいなことは、あんまりないほうがいいと思ってる。
社会のシステムっていうのは、ベストな形がなくて、常にベターと思わしきものを選んでいくしかないでしょ。
何がベターかは人によって違うから、ぶつかり合うわけで。
どのへんがいちばん良さそうなのかは、調整し続けなきゃいけないわけですよね。
もちろん直すべきところは山積みでしょうけど」

「そういう改革はいつでも、常にあるべきですよね。
そのために、政治家は議論を続けているわけで。
だけど、社会のシステムがガラッと変わるような変化が起きてしまうと、不安定になる人がたくさん現れますよね」

 
丁寧な対話と議論を重んじる後藤の考えは、現政権よりもよっぽど“大人”ではないだろうか? 
ロックミュージシャンよりも、内閣総理大臣のほうが、はるかに“サーチ&デストロイ!”な思想をもっているという2015年の日本は、恐ろしいばかりだ。
 
そして、彼は“格差社会”についても語っていく。
後藤自身、ロスジェネ世代であり、かつて「さよならロストジェネレイション」という楽曲も発表しているが、
そんな彼にとって、格差問題は常に考えるべきテーマであり続けている。
 
「生まれながらにしてチャンスが不平等だということに関しては憤ってる。
金持ちの家のヤツだけが高等な教育を受けられるなんて、不平等だよ。
金がなくて高校に行けない子たちがいるんだよ。
そういうのを解消するのが、政治の役割じゃないの?」

「たった数パーセントのヤツらが社会的な富を寡占するのが、本当に正しい競争かよ?とは思う。
そんなに金を持ってたって、『そこまで美味いもん、もうないだろ』って(笑)」

「みんな、同じ給料にしようとか言ってるわけじゃないよ。
儲かっているヤツは社会に奉仕する義務があるんじゃないか?っていうだけで。
大きな資産を持っていたり、突出した才能を世の中に認められている人間は、世の中に還元していかないといけないと思うんだよね」

 
後藤の主張しているこの考えは、“ノブレス・オブリージュ”と呼ばれ、欧米では当然の感覚。
富裕層によるチャリティ活動や寄付などが多いのは、この考えからくるものである。

彼自身、ささやかながら、この考えを実践している。
毎年、「NANO-MUGEN FES.」という音楽フェスを主催し、周囲のミュージシャンを自分たちのファンに紹介するのも、音楽業界を底上げするための試みだし、
「THE FUTURE TIMES」という無料配布の新聞をつくり、社会問題についての啓蒙活動を行っているのも、まさしくその一環だ。
 
ここまで紹介してきたように、単なるパフォーマンスではなく、深刻な危機感から社会的発言を行っている後藤だが、
インタビュー中で彼自身、「『アジカンのメガネがうるせぇこと言ってるな』で終わってしまうから」と自嘲している通り、
このような芸能人・文化人の発言には、「大した知識もないくせに」といった批判が飛び交う。
 
後藤正文もまさにそのひとり。
彼がなにかを発信するたびに、ネットを中心に批判が飛び交っている。
 
だが、彼らのような芸能人・文化人が、自らの主張を発信することの何がいけないのだろうか? 
歴史を振り返れば、ボブ・ディランやジョン・レノンのメッセージが、ベトナム反戦運動を大きなうねりにしたし、
サム・クックやマーヴィン・ゲイの歌なしでは、公民権運動は成功しなかっただろう。
 
そういった力を信じ、批判を覚悟で自らの意見を主張する後藤正文を、当サイトは断固支持したい
そして、彼の音楽を聴く若い世代が、彼の言葉にも耳を傾け、政治について、社会について考えるきっかけになることを、切に願っている
(新田 樹)

フリーマーケットとバッハとジャズと御詠歌と

2015年06月16日 | ひとりごと
コンサートのための伴奏バイトで大忙しの1ヶ月の間にも、週末になると必ず、どこかに出かけておりました。
先週の日曜日は、『FLOWERS FOR EVERYTHING』というサイトを立ち上げたまなっちゃんの初出店を応援しにブルックリンに。

ブルックリンはとても大きな街で、いろんな顔を持っています。
ここはすご~くワイルド!










「我々はもう、互いに殺しあうのをやめなければならない」のメッセージとともに。




どうやらココがマーケットっぽい。


この日用意された花々の様子を、まなっちゃんのサイトから。












お手伝いに来てくださった友人さんと、売れ行きについて思案中。


頑張る若者トリオ。


なんともあたたかで優しい彼女のアレンジが、とぉ~っても好きなわたし。
大勢の人たちに愛されるお花屋さんになって欲しいと、心から思います。

屋台もあったりして。


通りの角を曲がった所では青空市も。


バンドの名前がズラリと書かれたボード。


出入り自由の無料バンドコンサート。


浴衣姿の手拭い販売。


カラカラに晴れた夏日になりました。


最近、多分疲れ過ぎているからか、日差しを浴びるとすぐにヘロヘロになってしまいます。
この日も息が荒くなり、そそくさと同じくブルックリンに住む友人宅に移動しました。

なんかほんとにワイルド。


どの通りからも、マンハッタンのビル街がスコーンと見えます。


高速に乗って20分ほど走ると、


閑静な住宅街に着きました。


海ちゃん、久しぶり~!


裏庭は夏の真っ盛り。


なぜかとっても日本風なご近所。


最近、合気道のお稽古に通い始めたのだそうな。


黒帯持ちの夫は、習ったばかりの技を披露する海くんを、目を細めて眺めておりました。



先週はずっと、ああ暑い…という日が続き、
人間が暑いのだから、この毛皮をまとった方々はもっと暑い…。
どうして君はいつも、上半身と下半身の向きが違うのか…。


おぉ~い、君の頭はどこいった~!


へ?


二階の洗濯室にある、最近のお気に入りスポット。家にアルモンデ仕様の猫ベンチ。





そして先週の土曜日は、歩美ちゃんの『お祈りウォーク』仲間のジョージさんの会社が主催する『CHELSEA MUSIC FESTIVAL』に出かけました。

やっぱりカラカラの快晴。
美味しいコーヒーを求めてさまよい歩く歩美ちゃんと夫とわたし。
待ち時間が30分と聞いて諦めたホテル。


でもそのすぐ後に、『ART OF COFFEE』というお店を見つけ、めっちゃ美味しいコーヒーにありつけました。

マンハッタンのチェルシーも、すっかり夏模様。
  

  

巨大なアパートメント。


ったく…また写真撮ってんのか…と内心夫は思っているに違いない。


Canoe Studiosがあるビルディングの入り口。


どんどんと進んで行くと、


窓越しに対岸のニュージャージーがパノラマに見える、すてきな空間。




Artistic DirectorsのMelindaとKen夫妻の楽しいスピーチを聞きながら、


ちょいと膝元も撮ってみる。


休憩中にどんどん日が暮れて、




素晴らしい夕焼けを見ることができました。


バッハとジャズ、と銘打ったコンサートは、世界初公開の作品なども組み入れられた、とっても興味深いものでした。
弦もピアノもそしてドラマーも、素晴らしい演奏者揃いで、しかも音響が信じられないほどに奥深く繊細で、どんな楽器のどんな表現も心地良く、大満足でした。
また来年も絶対に行くぞ!

あ、そうそう、演奏会の休憩中にもらった香りのサンプル。
いろんな香りが配合されたそれを嗅いでいると、なんとも懐かしい光景が蘇ってきました。
それは…、
御詠歌を歌っている7才のわたしなのでした。
薄暗い部屋の畳の上に、仲間で詠み合うために置かれた御詠歌の本。
絶対音感を駆使して、お坊さんの節回しを即座に聞き取り、得意げに大きな声で歌うわたしは、その場の人気者でした。
いつしかお坊さんのすぐ隣に座り、引導役を引き受けたわたしはますます得意になり、御詠歌を歌う時間が待ち遠しくてなりませんでした。
その時の高揚感、大好きなおばあちゃんを失った喪失感、いろんな思いが混ざったその部屋の空気の匂いが、そのサンプルの中にほのかに混じっていたのかもしれません。

いやはや、それにしても、香りというものと記憶のつながりの深さは、51年という年月をも、ヒョイっと飛び越えてしまうほどのものなのですね。



そして日曜日。
今日こそは何が何でもダラダラするぞ!を決行いたしました。

遊びに来てくれたユージンくんとアリーナちゃん。


大好きな友だちのジャンとサラは、双子ちゃんたちのおとうさんとおかあさん。
彼らと会うといつも、ああ、ほんとに良い家族だなあとしみじみ思います。

その晩は、冷凍庫にどれほど留まっていたのか不明の、誰が買ったのかも不明の牛肉を、夫がバーベキューしてくれました。







夏休みに入った生徒たちが、両親の出身国に長期滞在で帰ったり、キャンプに参加したりし始めたので、ぼちぼちとレッスンが減り始めました。
こちらに移って間もない頃は、これが家計に大きく響きいろいろと大変でしたが、子育ても終わり大きな出費は家のローンだけという今は、
少なくなった分は節約して凌いでいけば良いと腹をくくれば、それはそれはのんびりと過ごせる季節です。
畑もまだ中途半端だし、地下室もゴチャゴチャしたままだし、創りかけの曲も放ったらかしだし、
頭と体を休めたり動かしたりしながら、夏仕様の時間をゆっくりと過ごそうと思います。

こんな違憲法律を作らせてしまったら違憲判決には4年もかかる→4年も待てない→次の選挙で政権を倒そう!

2015年06月15日 | 日本とわたし
長い長い間が空いてしまいました。
先週の木曜日までは、心身ともに多忙極まる毎日が続いていて、物理的にパソコンの前に座る時間が全くとれなかったのですが、
コンサートが無事終わり、よっしゃ~また書くぞぉ~!と意気込んでいたつもりが、あまりの疲労感&次から次へとやってくる予定が重なって…、

今日まで全く書けないまま、時間がスルスルと過ぎていってしまいました。
その間の出来事を読みながら、特に感じたのは、政治家の劣化の凄まじさでした。

「『言っている意味があまりよくわからない』というのが率直なところだ」と、本物の低脳っぷりを堂々と自白した菅官房長官、



「今回の法案は憲法の範囲内であるという認識に至った」のみならず、
「現在の憲法をいかにこの(安保)法案に適応させていけばいいのか」と、



憲法より自分らの法案の方がエライんだぜ~!という、それこそ公務員としてあるまじき、というか、思いっきり違反なことを言い切った中谷防衛大臣、
「そもそも判断の最高の権威は最高裁」などと言って、彼らの大好きな『砂川裁判』を引っ張り出してきて、トンチンカンな持論を展開したばかりか、
「自衛の措置が何であるかを考え抜くのは憲法学者でなく政治家だ」「学者の言う通りにしたら平和が保たれたか」などと言い放った高村副総裁などなど。

これを墓穴掘りと言わずに何と言うのか…。
いいよいいよ、もっと掘って掘って!ここ掘れワンワン!そこ掘れワンワン!

先日14日の集会には、老若男女大勢の方々が参加されたのを読み聞きしながら、やっとここにきて何かが動き出したという感じがして、なんともいえない嬉しさがじわじわとこみ上げてきました。

そして今日、これまでの顛末を非常にわかりやすく語ってくださった、小林節・慶應義塾大学名誉教授と長谷部恭男・早稲田大学教授の会見の様子が書かれた記事を見つけました。
とてもすばらしいものですので、ぜひみなさんにもと思い、ここに紹介させていただきます。

安保法制に「違憲訴訟を準備」 小林節氏・長谷部恭男氏が安倍政権を批判(会見詳報)
【THE HUFFINGTON POST】2015年06月15日
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/15/national-security-law-unconstitutional_n_7584650.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

安倍政権が、今国会で成立を目指す安全保障関連法案について、6月4日の衆院憲法審査会で、憲法違反との認識を示した長谷部恭男・早稲田大学教授と、小林節・慶應義塾大学名誉教授が、
15日に、東京の日本外国特派員協会と日本記者クラブで会見し、集団的自衛権は明白な憲法違反であるとして、安倍政権の姿勢を強く批判した。

弁護士でもある小林氏は、法案が成立して施行された場合、他の弁護士らと弁護団を結成し、ただちに違憲性を問う訴訟を起こすために準備していることを明らかにした。
長谷部氏も、憲法上「重大な欠陥を含む」として、与党に法案の撤回を求めた

小林氏と長谷部氏の日本記者クラブでの講演内容は以下の通り。



◾️「日本が第二の戦争経済破綻国になる」

小林:
巨視的に見た場合、今の安倍内閣は、憲法を無視した政治を行おうとする以上、これは独裁の始まりなんです。
本当に心配しています。
自民党の方たちと不毛な議論を30年近く続けておりますが、いまだに「憲法って何?」ということについて、自民党の方々が納得して下さらない
世界の非常識のような議論が続いております。

憲法とは、権力を持たない主権者、国民が、権力担当者、すなわち政治家や公務員という、本来的に不完全な人間に課した制約です。

しかし、自民の勉強会に行くと、毎回「どうして憲法は我々政治家だけを対象にしているのか」と、非常に不愉快そうに言われる

「じゃあ、一般国民は憲法守らなくていいのかよ」「やっぱりみんな守るんだ」と、自分たちが守らないといけないというところが抜けちゃう
そこで、彼らの好きな権力者への「協力」、という言葉が入ってくるわけです。
権力者は、「俺は真面目にやってるよ。おい、そこの非国民、協力が足りないな」となる。

憲法ってそういうものじゃない。
ジョージ・ワシントンが王様を倒して、初めて民主国家をつくった時、それまで神の秩序を詐称していた王様と違い、
初めて一般人が権力を持った以上、権力者特有の法規が必要だと、憲法を作った。
それから時間がたっているじゃないかとよく言われます。
時間が経っても刑法、民法はなくならない
人間の本質は変わらないんです。
こういうレベルの議論に付き合わされて、本当にイライラしておりました

今問題になっているのは、権力者が従わざるを得ない憲法です。
9条の1項は「国際紛争を解決する手段として」の戦争、すなわち1928年のパリ不戦条約以来の国際法上の慣用句として、侵略戦争のみ放棄していて、自衛戦争は放棄していない
もう一つの根拠は、自民党の大好きな砂川判決にも出てくるように、独立主権国家としてある以上、自然権(条文の不要な固有の権利)としての自衛権がある
これは、9条があったって誰も否定はしない
しかし9条の2項で、「交戦権を行使できない」と言われている

軍隊というのは、戦争に勝つことが最優先ですから、大量破壊、大量殺人など、普通に考えたら犯罪です。
例外的に、戦場で、どさくさ紛れに強盗、強姦すると、軍法で裁かれる。
だから軍法会議という、大量殺人と大量破壊を問題にしない法廷が、特別につくられる
だけど、日本国憲法は76条2項で、軍法会議も禁止している
つまり、軍隊を持つことは許されていないんですよ。
だから、我が国の領域、領海の中で、警察や海保で担えないほどの力が襲ってきた場合、自衛隊が対応する
自衛隊は警察予備隊として発足しましたから、法的には第2警察なんです。
ということは、「専守防衛」と自然に出てくるじゃないですか。

我が国は憲法上、軍隊と称するものを出すことができない
海上自衛隊を外に出したら、交戦権はないし軍法会議はない
国際法的には、ただの海賊です。
捕まったら刑事処分を受けてしまう。
当然の帰結として、我が国は海外へ兵隊を出せない
集団的自衛権というのは要するに、ヤクザ映画で見る、組同士の出入りで、傘下の組が四の五の言わずに馳せ参じる関係です。
その瞬間から、我が国の軍事組織が海の外に出て行くと、憲法違反になる。
だから、専守防衛というがんじがらめの中で、我が国は、他国防衛のために海外派兵を本質とする集団的自衛権は、そもそも行使できない

自民党の方々はよく、「持っていて行使できないのはおかしい」と言いますね。
全然おかしくない
国際法上、集団的自衛権があることは、私も否定しません。
だけど日本が行使しようとすると、日本の公務員、今は自衛隊が担当するしかない。
任官の際に、「日本国憲法以下の法令を遵守」と宣誓しているんですよ。
だから憲法上行使できない
自民党の政治家とか、あとから賛成と表明した3人の有名な憲法学者もいましたが、論争が1年前に始まった時に超えている議論ですよね。
バカの壁ってやつです
人間同士の論争は発展性があるが、壁との論争は発展性がない
辛いですよね。
壁を蹴飛ばすか、こちらが狂うしかない

新安保法制は、法的にも政治的にも経済的にも、愚策です。
歴史を見ると、戦がない時代がないのと同様に、終わらない戦もない。
そういうときに、争いを「止める男」が必要です。
強くて両方ににらみがきく
まさに日本がそうじゃないですか。
中東でもアメリカでも、「気のいい人々」と思われている。
その立場を維持すべきなのに、なんでアメリカ軍の二軍にならなきゃいけないんですか
その途端に、日本はイスラム教グループの天敵に加わってしまって、ニューヨークやパリやマドリードで起きたテロが東京で起こると、むしろ真面目に考えたほうがいい。
日本は第三者でいるべきだと思います。
これは政治的な愚かさです。

「切れ目のない防衛」とよく言われます。
「尖閣諸島が危ない」のは自民党の売り
中国がいろんな手で来るから、日本も海保で対応するけど、腕力的にかなわなくて自衛隊が対応するとき、手続き的にタイムギャップが生じる。
かつて日本の自衛艦が、中国にミサイル照射の電波を当てられて、右往左往しましたよね。
これは、「撃たれたから撃つ」という武器使用基準があるからですが、今は、撃ち返そうと思ったときはもう敵はいなくなっている

海保が自衛隊にバトンタッチするときにタイムギャップができるのは、単に法律の不備です。
安倍さんは「運用で直す」と逃げているが、運用で直るなら憲法に触れる必要ないじゃないですか。
「撃たれたら撃つ」は、大臣訓令で決まっている
つまり法律でも政令でもない
そこをすっ飛ばして、「アメリカの二軍になるために世界に転戦する」というのは、つながってませんよ。

また、「予算は増やさない」と言っています。
世界中で出口のない戦争をしまくっているアメリカに付き合ったら、日本が手薄になります
日本の経済力、技術力、マンパワー、持てる全能力を専守防衛に集中すれば、少なくとも日本は侵されない
日本が侵されなければ、日本は紛争の原因にならない
南シナ海なんてベトナム、フィリピン、中国の問題ですよ。
それに、300以上の米軍基地に日本の領土を明け渡し、何千億円と費用をかけて置かせてあげている
それはアメリカのためだけど、日米安保条約という契約がある以上、襲われたら助けてくれなきゃおかしい
それをいちいちアメリカに確認しに行くから、「じゃあ条件は?」と言われる
やることやって放っておけばいい
アメリカは、第2次大戦直後は、世界最大の経済大国だったけど、ずっと戦争し続けて金がなくなった。
戦争経済で疲弊したアメリカに肩代わりを頼まれて、日本が第二の戦争経済破綻国になることは目に見えている
こういうことを平気で考える政治家は、愚かだと思います。

今回、1年間議論を見ていて、本当に政治が劣化したと思います。
2014年5月15日の安保法制懇の報告書から、1年あったわけですよ。
その間、安倍総理から、「丁寧に説明する」という言葉だけは出たけど、丁寧に説明されたという実感は一度もありません。
説明を求めると、全然関係ないことをとうとうとしゃべる
ディベートに応じているふりをして応じないテクニックは、気をつけないとこちらが怒り出してしまう
本当に卑怯な手だと思います。
天下国家を司る人の器ではないとはっきり思います。

砂川事件の解釈も珍妙です。
あそこで問われたのは、在日米軍基地の合憲性です。
アメリカの集団的自衛権を行使して、日本に駐留することの合憲性であって、日本の集団的自衛権なんかどこも問われていない
根拠とする発想自体がそもそもおかしい
もし高村さんの言うことが常識だったら、私もそのように習ったし、そう教えてきましたよね。
ああいう解釈を、この歳になって初めて知りました。

「統治行為論」の引用の仕方も、非常に珍妙であります。
統治行為論は、戦争と平和は一度引き金を引いてしまうと後戻りできない特別な行為だから、選挙で選ばれていない15人の裁判官で決めることはできない
むしろ、選挙で選ばれた国会議員と、互選された総理から決めてくれということです。
法的な判断はできるけどしないで、国会と内閣の法判断に一時的に委ねる
最終的には、主権者が選挙で決めるということになっているんです。
しかし高村さんの話だと、最終的に委ねられたことになってしまう
こちらも馬鹿らしいと言ってしまえばそれまでだけど、黙ってしまえばまかり通ってしまう

長谷部先生の指摘に腹が立った政治家は、「学者は字面に拘泥する」と言われる。
当たり前じゃないですか。
法治主義、法支配は、人間は不完全だから、前もって議論して言葉に約束をまとめてあるんです。
その言葉を政治家が勝手に無視しようとしたとき、言葉の専門家が「ちょっとお待ちください」と、問われたから言ったんですよ。
それを言われたら我々、いる意味ないですよ。
法治主義とか法の支配がなくなってしまうんです。
高村弁護士に、ぜひそのことはお伝えしたい。

後方支援というのは、後ろから合体するという話
後方支援だから安全だ、弾が飛んできたら中止する
どうするんですか。
捜索やめて帰ってくるんですか。
野戦病院の治療を中断するんですか。
宿舎の給食を中止するんですか。
私が米軍だったら撃ちますよ。
「ふざけるな、続けろ」と。

4年後ぐらいに、最高裁の違憲判決が下るのを待っていても始まらない。
与党は3割の票で、7割の議席を取って自信満々なんです。
逆に、反対側に3割の票を与えて、政権交代させれば反省する。
民主党が非常にだらしないことは認めますが、連立政権だっていいじゃないですか。
野党の政治家に賢くなっていただいて、政権交代して、できていなければ廃案でおしまいだし、できていたら廃止する手続きをすればいい。
まだ望みはあると思います。




◾️「自民党の議論は国民を愚弄している」

長谷部:
まず集団的自衛権行使の違憲性の問題ですが、2014年7月1日の閣議決定は、合憲性を基礎づけようとする論理が破綻しているし、自衛隊の活動範囲についての法的安定性を大きく揺るがすものです。
日本の安全保障に貢献するかも極めて疑わしい

9条で武力行使が認められるのは、個別的自衛権の行使のみです。
これは政府の憲法解釈です。
1954年の自衛隊創設以来、変わることなく維持されてきました。
集団的自衛権行使は典型的な違憲行為であり、憲法9条を改正する以外ありえない
これも、政府によって繰り返し表明されてきた立場です。

政府の憲法解釈には、「論理的整合性を保つには、従来の論理の基本的枠内にあることが求められる」としております。
「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」という要件は、
個別的自衛権の行使のみが認められるという従来の論拠に基づき、集団的自衛権も限定的に認められるかのようにみせかけるものであります。

しかし、自国を防衛するための個別的自衛権と、他国を防衛するための集団的自衛権は、本質を異にする
前者のみが許されるとする論拠が、後者も許されるという論拠になるはずがない
また、法的安定性については、この閣議決定は何ら語ることはない
ホルムズ海峡の機雷掃海が許されるかどうかで、連立与党の間で見解が分かれている。
集団的自衛権の行使について、明確な見解が存在しないことは明らかです。

「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」

この文言は、いかにも限定的に見えますが、地球の裏側まで自衛隊を派遣して武力行使をさせようという政府の意図の間には、常人の理解を変えた異様な乖離があり
この文言が持つはずの限定的な役割は、否定されていると考えざるを得ません

機雷掃海活動を超える武力の行使についても、時の政権で必要と判断されるのであれば、行使されないという法的論拠はありません
安倍首相は「あれはしない」「これもしない」と言っていますが、それは彼が現在そのつもりであるというだけで、
明日になって、来年になって、考えを変えればそれまでの話、歯止めは存在しない

いかにも限定的な先ほどの文言も、武力行使を限定する役割は果たさない
とすると、従前の基本的枠内に入っているはずもない

砂川事件の最高裁判決を根拠に、集団的自衛権は合憲との主張もあるが、問題とされたのは日米安全保障条約の合憲性でして、
この条約は、日本の個別的自衛権と、アメリカの集団的自衛権の組み合わせで日本を防衛しようとするものです。
日本が集団的自衛権を行使しうるか否かは、まったく争点になっておりません。
「わが国が、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」
この文言が現れる判決文の段落は、
「憲法九条は、わが国がその平和と安全を維持するために他国に安全保障を求めることを、何ら禁ずるものではない」、そういう結論で締めくくられてあります。
この結論を引き出すために、日本には自衛権があると指摘しているにとどまります。
最高裁判決の先例としての価値は、いかなる具体的争点になされた判決か、それに即して決まるもので、
砂川判決から集団的自衛権の行使が合憲であるとの結論が導かれるとの主張は、法律学の基本原則に衝突する考え方です。

例えば、妻と自動車で出かけようとした夫が、車のキーを忘れたことに気づき、奥さんに「キーを取ってきて」と言ったら、奥さんは家中のありとあらゆる鍵をすべて持ってきた。
夫は「いやー、僕の言葉通り、なんの区別をすることもなく、すべての鍵を持ってきてくれた。ありがとう」と感謝するでしょうか。

自民党が今言っているのはそれと同じ議論で、国民を愚弄していると私は思います。

自民党の政治家の方々は、最高裁がある種の統治行為論を取ったことにも、救いを求めているように見えますが、
これは個別の紛争を決められた手続きのもと、限られた証拠のみに基づいて裁く裁判所が、国家の存立に関わる問題について、政治部門に判断を示すべきか否かにとどまります。
最高裁が回答を示すべきかの問題と、当該国家行為の法律が意見が合憲か、はレベルが違います
仮に、最高裁が違憲と言わないからといって、政治部門が違憲の法律を作っていいということにはなりません

6月9日に内閣官房、内閣法制局が公表した、合憲性を示す文書がありますが、2014年7月の閣議決定の内容をそのまま示しただけです。
反論できないことをむしろ如実に示しただけではないか。
だからこそ、藁にもすがる思いで砂川判決を持ち出してきたのかもしれませんが、藁はしょせん藁、それで浮かんでいるわけにはいきません

外国との武力行使の一体化の問題ですが、
後方支援には、従来の戦闘地域、非戦闘地域の区別は廃止され、自衛隊は弾薬の供与、発進準備中の航空機の給油も新たにできるようになりました
これがなぜ、外国の武力行使との一体化ではないのか
より一般的には、従来、4つの要素、他国の活動の現況、自衛隊の活動の具体的内容、活動場所、密接性の4要素(大森4要素)が総合的に判断されるものとしてきました。
ただ、たとえば、現場指揮官がその都度、その場で行うのは至難の技
だから、戦闘地域と非戦闘地域を区別して、一律の判断ができるよう区分しようという配慮にもとづいています
「現に戦闘行為が行われている現場では実施しない」という条件では、刻々と変化する戦闘の状況に対応して、一体化が起こったか起こらないのか、その判断を適切に行えるはずがない
具体的な状況によっては、外国軍隊の武力行使の一体化につながる恐れが極めて高い

6月11日の憲法審査会で、私に対するいわれのない批判にコメントしておきたい。
私が、
「武力行使の一体化」の問題について、戦闘地域と非戦闘地域の区分が、憲法9条の直接の要請と誤解しており、それは私が安全保障を熟知していないことに由来する、という批判です。
しかし私は、
「戦闘地域と非戦闘地域の区分が憲法9条の直接の要請」と述べたことはありません。
だから私は、
「この区分を廃止すると、武力行使の一体化をもたらす恐れが極めて強い」と、もってまわった言い回しをいたしました。
この批判は、自民党、公明党に属する複数の議員によってなされております
これらの議員は、私の発言を素直に解釈すれば思いつくはずのない解釈を押し付けた、私が従来の政府見解を誤解したといういわれのない批判をしている
しかもそのうち公明党の議員は「私が熟知していない」つまり素人だからだ、という指摘も加えております

仮に私が安全保障の素人なら、自民党は特定秘密保護法案という、安全保障に不可欠な歯車の参考人として、私という素人を呼んだことになります
明らかな人選ミスです。
法案に賛成した参考人は、私を含めて2人。
この法律の制定に重大な欠陥があったことは明らかで、ただちにこの法律を廃止し、ゼロから作り直したほうがいいかと思います。
今の与党の政治家は、参考人が都合のいいことを言った時は「専門家」、都合の悪いことを言った時は「素人だ」と侮蔑の言葉を投げつけます

閣議決定は、「我が国を取り巻く安全保障環境の変化が厳しくなっている」ということですが、
その内容としてあげられているのは、パワーバランスの変化や技術革新など、極めて抽象的なものにとどまっています。
より深刻な方向に変化しているのであれば、限られた我が国の防衛力を、地球全体に拡散するのは愚の骨頂
日本の安全保障に、アメリカがさらにコミットしてくれるのではないかという思いが語られることもあります。
しかし、日米安保条約第5条が規定する通り、アメリカの憲法上の規定と手続きに従って、条約上の義務を果たすにとどまります
具体的な武力行使について、アメリカ憲法は、連邦議会の承認を条件としていることを忘れるべきではありません
いざというとき、アメリカが日本を助けてくれる確実な保証はありません
集団的自衛権の行使を容認することが抑止力を高め、安全保障に寄与すると言われることもございます。
我が国が抑止力を高めれば、相手は軍事力を強化します
安全保障が悪化する可能性も、少なくとも同じ程度はあるのではないでしょうか。

こうした数多くの重大と言える欠陥を含む安全保障関連法案は、ただちに撤回されるべきと考えております。


◾️「違憲行為で平和が傷つけられた」訴訟を準備

これに先立ち、日本外国特派員協会での会見では、外国人記者らの質問に答えた。
主なやりとりは以下の通り。

──政府は新しい憲法解釈の具体的な例示をしない。
なぜなのか。
考えられるシナリオはあるのか。
新しい憲法解釈を支持する著名学者は、日本会議にみんな属している。
影響力をどう見ているか。


長谷部:
具体例は簡単には思いつきません。
政府側が果たして具体例を想定しているかどうかもわかりません。
例えばホルムズ海峡の件は、イランとアメリカは友好的な関係に向かいつつあり、封鎖されることも考えにくい。
むしろ政府は、集団的自衛権の行使自体が目的ではないか、と考えています。

小林:
日本会議には知り合いがたくさんいますが、彼らに共通する思いは、第2次大戦で負けたことが受け入れがたい
その前の日本に戻したい
彼らの憲法改正は明治憲法と同じですし、今回も、明治憲法下の5大軍事大国となって世界に進軍したい
そういう思いを共有する人々が集まっていて、自民党の中に広く根を張っていて、よく見ると明治憲法下でエスタブリッシュだった人の子孫が多い。
そうすると意味がわかるでしょ?


──自民党の反応について感想を。
山東派会長の山東昭子氏は、長谷部氏を選んだ人を処罰すべきだといった趣旨の発言をした
高村正彦副総裁は、「憲法学者の言う通りにしていたら、日本の平和と安全が保たれたか、極めて疑わしい」と話した。


長谷部:
私が証言した日の憲法審査会のメインテーマは、立憲主義だった。
事務局が私を選び、自民党が受け入れたと伺っています。
ですから、立憲主義の専門家として呼ばれたので、その人間がたまたま、9条について発言したのがけしからんというのが山東さんの発言趣旨だろうと思いますが、
質問があれば私は思っていることを述べるだけ。
今回の安全保障関連法案は、日本の安全をむしろ危うくすると思っています。
安全を守りたいのであれば、学者の意見に耳を傾けるべきでしょう。


──日米防衛ガイドラインについて。
すでにこのガイドラインを通して日本は約束をしており、その約束を果たすために法整備をしている。
約束してしまったので、万が一うまくいかない場合、日米関係の悪化は考えられるか。


長谷部:
まず、できるかできないかわからないことを先に約束するのは、リスキーな戦略だったと考えます。
ガイドラインの内容は、日米安保条約の枠をはみ出しているとの指摘も非常に強くあります。
従って、この法制が成立しなければ、日米間の関係が悪化することはあるかもしれませんが、
それは、日米間で、もともと無理な約束をしたことが原因です。

小林:
私は悪くならないと思います。
日本とアメリカの官僚は頭がいいから、ガイドラインに法的拘束力がないことを知っている
勝手に夢を語り合って、ガイドラインの上に法律があり、その上に条約があり、憲法がある。
あ、やっぱりダメだった、で済むんじゃないですか


──違憲という意見は出されても、与党は数の力で強行採決するかもしれない。
もしそうなった場合、どのような法的手段で対抗できるか。
実際に法廷訴訟は可能か。
訴訟が起きたとしても、判決が出るまでの間はどうなるのか。
最高裁の判決は、一票の格差を巡っても「違憲状態」とは言うが、選挙無効というは判決はなかなか出さない。


長谷部:
最近、最高裁は変化しつつあるので、今までと違う態度をとる可能性はある、と私は思っています。
ただ他方、裁判所に頼りすぎるのもよくない。
まず次の国政選挙で新しい政府を成立させ、いったん成立したこれらの法律を撤回することを考えるべきだと思う。

小林:
弁護団の一員として、訴訟の準備をしています
法律が有効になった瞬間から、今まで日本になかった戦争の危険、海外で戦争する危険が具体化するんです。
平和に生きる権利が、憲法前文と9条で保証されているならば、︎今は海外派兵できないから守られているけど、
法律が施行された瞬間から、「違憲立法で平和に生きる権利が傷つけられた」という訴訟を準備しています
ただ、かなり技術的には難しい。
その次の段階は、具体的に海外派兵の命令が下った時、部隊の一員が逃げ出して懲戒処分を受けたとき、その処分は違憲だと訴える
いちばん悲劇的なのは、実際に海外派兵で死んだ人がいた場合、遺族が「違憲な戦争で家族が殺された」という訴訟
この準備を我々はすでに始めております。


──自民党の高村副総裁は、「自衛の措置が何であるか考えるのは、憲法学者ではなく我々政治家だ」と話した。
日本の裁判では、違反を犯した人の違反行為の訴訟をしないと、違憲という判断を取れない。
しかも、このような安全保障に関わるものは「統治行為論」として、裁判所が介入しないという判断も過去に出ています。
日本では、誰が違憲ということを決める立場にいるのか。
なぜ日本は、訴追されないと、明らかな憲法違反が指摘できないのか。


長谷部:
日本において、内閣法制局が、この種の問題について違憲、合憲の判断を下しています
従来は一貫して、内閣法制局は、「集団的自衛権は違憲だ」と何度も言い続けてきたので、こうした法律は提案されることはなかった
しかし、今の内閣のもとで、内閣法制局はプレッシャーに負け、解釈を変えた
そこに問題があると考えています。

2番目の質問についてですが、日本はアメリカと同じシステムを取っています。
従って、裁判の解決にとって必要な限りでしか、裁判所は法令の合憲性、違憲性の判断を下しません。
ドイツでは、憲法裁判所がありますが、ドイツも扱う事件の圧倒的多数は、やはり事後的な、実際の事件を前提として、法令の合憲性に判断を下すケースです。

小林:
高村副総裁が勝手に引用している判決(「砂川事件」判決)が、実は全てを物語っている
戦争は国の存続に関わる大問題ですから、選挙で選ばれていない最高裁の15人の裁判官で決めるわけにいかない
これはアメリカ、フランスの先例に学んだんです。
だから、一時的には、選挙で選ばれた国会と内閣が決める
だけど最終的には主権者、国民が決めるって言ってるんです。
だから、ああいう、狂ってしまった政治は、次の選挙で倒せばいいんです。


──憲法を読めば、はっきり「陸海軍を保持しない」と書いてある。
1950年代の世界情勢を見ると、必要になった政治的な判断もわからなくはない。
しかし、今までの解釈は政治的な要素があって、新しい憲法の問題を生んできた。
最終的に、自衛隊の保持自体を議論すべきではないだろうか。


小林:
自衛隊の根拠ははっきりしています。
ひとつは、9条は、「国際紛争を解決する手段としては」と条件がついている。
これは1928年のパリ不戦条約の文言と同じで、それ以来、国際法上の標準的な理解としては侵略戦争のことで、自衛戦争を想起していない
もう一つは、国際法上の独立主権国家の自然権として、自衛権があるのであって、自然権である以上は条文の根拠はいらない
そういう根拠で自衛隊は存在しているし、砂川判決にも書かれている
終戦直後に自衛隊がなかったのは、日本は危険な国だったから、アメリカ軍が完全占領して持たせなかった
そちらの方が政治的な条件で不自然です。


──安倍政権は今回の法案を撤回すべきだと思いますか。であるとすれば、その理由を。

長谷部:
撤回すべきだと思う。
核心的な部分、つまり集団的自衛権の行使容認は明らかに憲法違反だからであり、
かつ、違憲である他国の武力行使と、自衛隊の活動の一体化をもたらす蓋然性が高いからです。

小林:
私も結論は撤回すべき。
違憲というのはもちろんですが、恐ろしいのは、憲法違反がまかり通ると、憲法に従って政治を行うというルールがなくなり、北朝鮮みたいな国になってしまう
金家と安倍家が一緒になってしまう。
これは絶対に阻止しないといけない。
安倍さんの言う通りにしたら、日本の軍隊はアメリカの軍隊の二軍になり、傷ついた上に破産してしまう
何一ついいことがない。
撤回すべきであり、撤回しないなら選挙で倒すしかない


──内閣法制局は、立法府と最高裁にコミットする役割を果たしていると理解しているが、
本当は三権分立を考えると、第三者機関であるべきではないか。


長谷部:
フランスの立法審査・助言機関「コンセイユ・デタ」(国務院)の仕組みを参考に作られ、内閣だけでなく他の政府部署に法的なアドバイスをしている。
その主張は政治や政党から独立している。

小林:
日本の違憲審査は、入り口で内閣法制局がやって、出口で最高裁がやる仕組みになっていたんですが、
ご指摘の通り、内閣法制局は、単に内閣の下にある一部門にすぎない。
それがなぜ、コンセイユ・デタのように力を持ってきたかというと、人間の力だった。
優秀な人がプライドを持って守ってきた。
今回人事権を行使されて、内閣法制局は形式通りに、単に内閣官房の局の一つになってしまった
これは歴史的なことだと思います。

──官房長官は「合憲という憲法学者もたくさんいる」というが、お二人から見て、日本でどれだけの人が違憲と言っているのか。大部分が違憲だと言うなら、裁判官も含めて法曹界での主流意見として、判決に反映されるのではないか。

長谷部:
私の推測はおそらく、95%超が違憲と言うと思う。
裁判官を含めた法曹一般でも、非常に多いだろうと思う。
裁判官だと、前の前の内閣法制局長官、山本庸幸氏は、最高裁判事の就任会見で「違憲だ」と明言した。

小林:
大学教授の95%が違憲と言っている以上、それに習った人々の集まりである弁護士会も、そのような状態で運動を続けています。
かわいそうだったのは、弁護士会は1年ほどずっと運動していたけども、メディアが問題にしなかった。
ところが先日の憲法審査会以来、メディアが生き返って、弁護士会の活動も取り上げるようになったので、弁護士会も生き返りました。
僕には、個人的に高いランクの裁判官や検察官も「おっしゃる通りだ、頑張ってくれ」と連絡が来る。
専門家の常識としては当たり前の話で、国民が共有していないことが問題だったんです。
それはメディアの責任だと思うんですね。


──民主党の岡田克也代表が、最高裁が違憲判決を出したら「総辞職に値する」と発言した。
時の政権はどう対応すべきなのか。


長谷部:
今年、仮に法案が成立するとして、最高裁が違憲判断を出すには相当な時間がかかる
そのときの政権がどういう責任を負うのかというと、違憲の法律なのに維持していたこと
そこまでの内閣には、すべて責任があるということになる。

小林:
違憲判決には4年かかるんですよ。
どうして4年放っておくのか。
その前に、なぜ法律を作らせるのか。
世論調査で支持率が下がれば、安倍内閣は次の選挙が怖いからやめるんです。
やめないでやったら、次の選挙で交代させられる。
どっちみち参議院選挙で自民党が沈めば、憲法が改正できなくなる。
その次の衆院選で自民党政権を倒せばいい。
およそ4年後の判決を待つよりよっぽど早いですよ。

「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」なら、そのたくさんの名前言ってみて!

2015年06月06日 | 日本とわたし


安保法案 参考人全員「違憲」 衆院憲法審 与党推薦含む3氏
【東京新聞】2015年6月4日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015060490140427.html 

衆院憲法審査会は4日午前、憲法を専門とする有識者3人を招いて、参考人質疑を行った。
いずれの参考人も、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について、
「憲法違反」との認識を表明した


自民、公明両党の与党が推薦した参考人を含む全員が、違憲との考えを示したことで、
衆院で審議中の法案は憲法の枠内だ、との政府の主張に対する疑義が、鮮明になった
 
参考人として出席したのは、自民、公明、次世代の各党が推薦した長谷部恭男(はせべやすお)早稲田大教授、民主推薦の小林節(こばやしせつ)慶応大名誉教授、維新推薦の笹田栄司(ささだえいじ)早稲田大教授の3人。
 
長谷部氏は、安保法案のうち、集団的自衛権の行使を容認した部分について
憲法違反だ。従来の政府見解の論理の枠内では説明できず、法的安定性を揺るがす」と指摘。

小林氏は、
私も違憲だと考える。(日本に)交戦権はないので、軍事活動をする道具と法的資格を与えられていない」と説明した。

笹田氏も、
従来の内閣法制局と自民党政権がつくった安保法制までが限界だ。今の定義では(憲法を)踏み越えた」と述べた。
 
いずれも、民主党の中川正春委員の質問に答えた。
法案提出前の与党協議を主導した公明党の北側一雄委員は、
「憲法の枠内でどこまで自衛の措置が許されるかを、(政府・与党で)議論した」と反論した。
 
国際貢献を目的に、他国軍支援を随時可能にする国際平和支援法案が、
戦闘行為が行われていない現場以外なら、他国軍に弾薬提供などの後方支援をできるようにした点について、
長谷部氏は、
武力行使と一体化する恐れが極めて強い。今までは『非戦闘地域』というバッファー(緩衝物)を持っていた」と主張した。
小林氏は、
後方支援は特殊な概念だ。前から参戦しないだけで戦場に参戦するということだ。言葉の遊びをしないでほしい。恥ずかしい」と述べた。
 
審査会は、参考人が立憲主義や改憲の限界、違憲立法審査をテーマに意見を述べた後、各党の委員が質問する形で進められた。
 
安保法案をめぐっては、憲法研究者のグループ171人が3日、違憲だとして廃案を求める声明を発表したばかり。
安倍政権の憲法解釈に対し、専門家から異議が強まっている。



さて、以下が、憲法を専門とする有識者から「言葉遊びを公然と繰り返す、世にも恥ずかしい者共」と非難されたおっさんたちの反論です。
↓↓↓




でもこれって、憲法第99条の「国会議員の憲法尊重擁護義務違反」に当たるんじゃないんでしょか…。


で、『明日の自由を守る若手弁護士の会』が、上のおっさんのひとりに、こんなことを問いかけています。

戦争法案は合憲って語る憲法学者、「たくさん」いるなら出てこーい
http://www.asuno-jiyuu.com/2015/06/blog-post_5.html
 
衆議院の憲法審査会で、参考人として呼ばれた研究者が全員、
安保関連法案(いわゆる戦争法案)は「違憲」と批判して、与党が大慌て
だそうです。
 
与党は、長谷部恭男先生を推薦したそうですが、
なぜ事前に、長谷部先生が、集団的自衛権の行使は憲法違反だと主張なさっていることくらい確認しなかったのか…(-_-;)、
 
憲法を変えたい変えたいと主張しているわりには、普段、憲法の勉強をまったくしていないのかなー…なんて思ったり。


さて、背中から撃たれたくらいのミスを慌てて取り繕う中、
菅官房長官は記者会見で、
「憲法前文、憲法第13条の趣旨をふまえれば、自国の平和を維持し、その存立を全うするために必要な自衛措置を禁じられていない」
「そのための必要最小限の武力の行使は許容されるという、以前の政府見解の基本的な論理の枠内で、合理的に導き出すことができる」
と述べた上で、

「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」

と!

…(-_-)

たくさん、って、誰?


いるなら、名前、挙げて欲しい。
そう思った方、私だけではないはず。

言ってくれないので、調べて図にしてみました。
あすわかメンバーたち、サササっと、作りました☆




ちょうどいい感じで、6月3日に、
「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」が発表されましたので、
違憲だと断じる学者の方々がたくさんいること
(というか、憲法を研究するほぼすべての学者が、戦争法案が憲法に違反していると判断している事実)が分かりました。

それにしても、ちょっと、この図、笑ってしまいますね。

自民党の高村副総裁は、
「憲法学者はどうしても憲法九条二項の字面に拘泥する」とまでおっしゃってますが、
研究者たちの知の積み重ねに、そういう牙のむき方は、幼稚とすら思えてしまいます。
残念ですね。

ぜひ、拡散にご協力下さい☆(^^)/

↑転載おわり


とにかく、わたし個人としての疑問ですが、
こんないい加減なことを公然と言う閣僚たちを目の前にしてる記者の中に、
「そのたくさんというのはどれぐらいの数の学者なのでしょう?名前を挙げてください」とか、
「憲法の範囲内にあるという意味を説明してください」とか、
せめてそれぐらいのことを問い質す人はいなかったんでしょか?
その場では無理でも、記事にする時、なんかもっと書き様が無かったんでしょか?
それとも、わたしが知らないだけで、思いっきり突っ込んでいる人がおられたんでしょか?

もうほんとに、ここまでバカバカしいと、マジでこれって本当の国会なんだろうか?などと思ってしまったりします。
ここまで不適切な人たちには、憲法第99条の「国会議員の憲法尊重擁護義務違反」により、辞職していただかなければ。
そしてこの、世にも愚かな『戦争法案』を廃案にするために、野党や学者だけでなく、我々市民もしっかり連帯し、声をあげていきましょう!