ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

大晦日

2008年12月31日 | ひとりごと
朝から雪が降っています。ホワイトニューイヤーイヴです。

ひょんなことから始まったこのブログと一緒に新年を迎えることになりました。

一番最初の記事は、友人のKちゃんに送ったメール。
やっと、これだ!という家が見つかったものの、次から次へと問題が続出、頼りの弁護士はバカンスで連絡取れず……etc.とういう内容の愚痴メールを、
何を思ったかKちゃん、いきなりブログを開設し、そこにドカンと載せ、「まうみさん、ブログ作っといたしね」って……。

大慌てで彼女が教えてくれた住所をクリックすると、なんとまあ、わたしのだぁ~い好きなカエル柄のキュートなブログに、メールがそのまんま……。
再び大慌てでメールを直し、こんなんでええんかいな~とウロウロしつつも、ブログを始めようとしている自分に興奮も覚え……、
そして今日、2008年の大晦日に至っております。

毎日毎日、凝りもせず、だらだらと日々の出来事を綴っているだけの記事を、忙しい合間を縫って読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました。
どこかで誰かが読んでくれているのだなあ。
そのことがわたしにとって、どんなに大きな支えになり、喜びになり、励ましになったことか。

家のことで始まったこのブログにふさわしく?、今朝、今現在、旦那とわたしが2人して、買おうかどうしようかと迷っている家の価格が4百万円ほど下がったという報告メールをエージェントが送ってきてくれました。
前にここでもちょっとだけ写真を載せた、とてもちっちゃな(冗談抜きで)黄色の家です。
部屋の構造が、旦那の仕事、わたしの仕事、そして息子Kの生活にとても合いそうなので、かなり惹かれるところなのですが……。
それにあのこじんまりさ、近々夫婦2人だけの生活になるわたし達には手頃なサイズなのかもしれません。
売り手側はかなり焦っているようなので、早い決断を迫られそうです。
新年早々、またまたなにやらバタバタしそうな我が家。お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

明日、新しくも厳しい年明けを迎えます。
家族みんなが揃って、健康に、無事に、ゆく年くる年をひとつ屋根の下で過ごせる幸せを、心から感謝して。

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おせち

2008年12月30日 | 家族とわたし
家族4人揃って新年を迎えるのは、どうもこれが最後(きっといつかまたあるだろうけれど、Tが日本で就職するつもりでいるのでとりあえず)になりそうです。
なので、おせちの中で彼が1番好きだという昆布巻きに、今年は新たに挑戦してみました。
何事も経験。やっぱり第一回目らしい失敗をしてしまいました。
ネットで調べたレシピにも書かれてあった通り、かんぴょうの戻し具合が良くなくて、煮ているうちにとろけてしまいました。ああ残念!
でもまあ、味で勘弁してもらいましょう。



栗きんとんも、今年は倹約きんとんです。さつまいもの種類を間違ったのか、ちょっと水っぽ過ぎ。どうなるかかなり心配……。
今回は一口ケーキ風に、真四角に切ったきんとんに、焼き剥き栗を乗っけてみようと思っています。
本当は甘露煮の瓶入り甘栗を使うべきなんだろうけど、今年の値段を見て目の球が飛び出しそうになってしまいました。
なんとかうまい手はないかと、店の中をうろうろしながら考えたのがこれ。まあ、うちの男どもは、別に気にしないと思いますが……。
今回は甘栗を中に入れないかわりに、すりこぎでお芋をつぶし、所々につぶつぶが残るようにしてみました。なので裏ごしも無し。手抜きです。
しかも、白砂糖を使うのがいやだったのでブラウンシュガーを使ったら、せっかくサフランできれいな黄色がついていたのに茶色くなってしまいました。



黒豆はあと、う~ん、2時間は煮ないといけません。始まりの時間をあんまり考えてなくて、ちょっと失敗してしまいました。
この分だと、夜中の2時まで起きてなければならないので、せっかくなので、ついでに伊達巻き焼いちゃおっかな。
あ、こうやって写真で見ると、ちょっとまた灰汁が出てきてますね。すくわないと。



このおもちを見つけた年はとっても嬉しかったです。もう少し固くなってきたら切り分けて、焼き餅にしたりお雑煮に入れたりしていただきます。



これは、日本食のお料理には欠かせない秤です。これを今年の夏のガレージセールで見つけた時には「やった~!」と小躍りしました。
3ドルのお買い得品です。



さてと、これからあともうちょっと頑張ってきます。

日本はもう大晦日。天気が崩れるそうですね。
こちらも明日の大晦日はかなり冷え込みそうです。気温がマイナス10℃、雪も降ってくる予報が出ています。
町の恒例行事の『ファーストナイト』(あちこちの教会や学校で、年越しの無料のコンサートや芝居があります)に繰り出す人数が減るかもしれません。

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餃子

2008年12月29日 | ひとりごと
今日はミツワにおせちの材料の買い出しに行ってきました。
↓この写真は季節が違うので、懐かしい緑の葉っぱが見えます。
ちょっとけったいな外見だけど、この建物は、この周辺に住む日本人にとってはメッカそのもの。



中はえらい人でした。買いたい物はやはり同じらしく、かなり品薄になっていました。
市販のおせちセットを横目でチラチラ、買うたら楽やろなぁ~なんて思いながら値段を見ると……と、とんでもない、高過ぎですがな。
ほんの一口で終わってしまいそうな昆布巻きや栗きんとん、たった一巻きの伊達巻き、たつくりだってちょいちょいと甘辛く炒ったらいいだけなのにこの値段。
まあ、パクパク食べたいのはわたしの勝手なんだから、そのための労力を厭わないこと、ですね。頑張ります。

さて、今日は年末年始の食材ということで、いつもよりお金を使ってしまいました。
クリスマスもだんだんわたしの中で大きな存在を占めるようになってきたけれど、やっぱりそれでも年越しと元旦は特別!
1年にたった1回の特別な日のために、まあこれぐらいの散財は許してもらおっと。

今夜は息子Tの手作り餃子をいただきました。
なかなか真剣な顔して焼き具合を見ているT。さてさて、お味のほどはいかがかな?



焼き上がり!なんともあっちこっち向いてる餃子くん達。でも、かなり美味そう。



米酢と醤油、それからラー油で作ったタレをつけ、口の中に頬張ると、カリカリっとした食感も香ばしい、とても美味しい餃子でした。花丸です!
ビールも美味かった!ごちそうさん!

それにしても、こんな日が来るなんて……と、小さなことではあるけれど感動しました
寮に入っていた去年までは、やっぱりまだ完全に自立してなくて、帰省していてもやっぱり繭の中に保護されている幼虫っぽかったけれど、
アパートに移り住んでからの彼は、足が地面にしっかり着いて、目と心が実世界とつながったような気がします。
それはとても細かい所にまで変化をもたらしました。目の中の光や体の動きが以前と違ってきました。
ひとりの大人として、まだまだ扶養されている状態ではあるけれど、やってもらってきたことのいくつかを自分でやることになって、彼なりに気づいたようです。

餃子の味は、そんなしみじみとした嬉しさも混ざって、余計に美味しく感じられました。旦那も嬉しそうでした

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屁こき虫

2008年12月29日 | ひとりごと
あ、これは別にうちの旦那のことではありません。本物の、亀虫(屁こき虫)のお話です。

ペンシルバニアにある旦那の実家は、丘のようになだらかな山をいくつも越えた所にあります。

遠く離れたお隣の家では二頭の牛さんと馬さんが、自家製の柵に囲まれた芝生の上でのんびりと暮らしております。

いったいどこまでが両親の家の土地なのか尋ねると、いつも決まって遠くを指差し、あの小川の向こうの林を抜けたとこらへんと教えてくれるのだけど、まだそこまで歩いて行ったことがありません。結構な距離のハイキングになりそうです。

そういう場所なので、鳥やら虫やら動物やら、出会いのチャンスは豊富です。

今年、クリスマスに行くと、新しい秘密兵器が登場しました。
名付けて『屁こき虫吸い込み器』

見た目は、片手で扱える卓上掃除機とそっくり。半透明の白いボディと枠取りの青い色目も爽やかです。
ところがところが、よくよく見ると、透けて見えるボディの真ん中辺りに、何やら白い塊が2つ……なにこれ?

虫嫌いで有名なリンデンが、その掃除機片手に窓や壁を厳しくチェックし始めました。
「あ、いた!」
ブォ~~~ン!
「あ、ここにも!」
ブォ~~~ン!

すごい!屁こき虫が吸い込み口から吸い込まれた瞬間、なんとも言えない臭いが一瞬だけ発生しました。
昭和時代が思い起こされるモスノーの臭いと屁こき虫のガスが混ざり合った臭いです。
いったい誰が考えついたんでしょうね。
目には目を、臭いものには臭いものを、屁こき虫にはモスノーを。
写真、撮っとけば良かった……。

でも、中身が見えるんですよね~。わざとかなあ……。あのおびただしい量の屁こき虫の死骸……写真であっても見たくないかも……
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ダルスープ

2008年12月28日 | ひとりごと
スープを作っている旦那が、キッチンから「来て来て、見に来て」と叫ぶので、慌てて行くと、
「これ、今この状態のを写真に撮って」とまたまた緊急のお願い。
なので、お互いのための贈り物として購入した、新しいカメラの初撮りをしました。

黄色のダル豆とフレッシュコリアンダーの緑のコントラストがきれいです。



なぜだかポーズをとる旦那。「ブログ用に撮ってるって知ってるやんな」と念のために言うと、「もっちろん!」と答えました。ふ~ん……変なヤツ。



シャッターが速い!手ぶれ防止機能がイケてる!
あんまり慌ててたので、のんびり設定などにこだわっている時間も無く、ただパシャリパシャリと2枚撮ってみました。
「ブログ用にどうぞ」って……誰のブログなんっすかぁ?
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人、人、人、

2008年12月28日 | ひとりごと
24日から昨日まで、大勢の親戚と過ごしました。
もちろん楽しいのだけれど、人波が引いた後にくるこの疲れ……もうしばらくは、せめて今日だけは、ゆっくりマイペースで洗濯しながら、ボォ~ッと本を読むぐらいにして、自分の好きなように過ごそうと思っていました。

旦那はというと、そんなわたしの横で、「さて、今日はなにしたらええんやろ?」とひとり悶々と悩んでいます。
彼は基本的に、なにもすることが無い日はイヤというか、なにもしないで終わってしまう一日というのが許せない性分の男です。
彼との生活が始まってから十年くらいの間は、そんな彼に付き合わなければならないと思い込んでいて、自分のノリをムギュウッと曲げて仕方なく調子を合わせていました。
けれども、ある時を境にして、なんにもせん日があってもええやん、ダラダラ~ッとのんびり過ごす一日も時には必要やんと強固に主張するようになり、
そうしたい時は、彼を完全に無視して、朝から晩まで堂々とダラダラするようになりました。
今日はその日だぁ~!気合い入れて休憩だぁ~!
洗濯はするけど、ほんでもってちょこちょこっと片付けもするけど、晩ご飯はTが作ってくれるはずやから。
ダラダラする気満々のわたしを放っとけるほどに成長した旦那。素晴らしい!

と、そこに電話がかかってきました。
「やあ、うんうん、丁度僕も、今日はなんにもすることないなあって思案してたとこやねん。え?うん、もちろん、あ、でも、ちょっとまうみに聞いてから」
なんとも怪しげな会話です。
「あのさあ、T(京都時代からの親友)がさあ、彼のこれからの進路について話したいって。ほんで、まずモールに寄ってからここに来て、僕のダルスープ食べたいって言うてんねんけど……」

ニューヨーク州の山中に、とても素敵な家を買ったばかりのT一家。現在勤めている会社が封鎖され、遠く離れた州にある本社への転勤を懇願されている彼。
優秀な社員である彼を向こうはとっても欲しがっているのだけれど、まだ幼い娘達や近くに住む両親のことなどを考えて、行くかどうか迷いに迷っています。
そんな状態の彼が話したいと言っているのに、ごめん、今日はちょっと『訪問者無しの日』にしたいねん、なんて言えません。
なので、ちょっと頑張ることにしました。
なんて言ってるけれど、彼らの顔を見た途端、ああ来てもらって良かったな~って心から思うに決まってます。
それに、料理を担当するのは旦那です。片付けるのはわたしだけれど……。


三日前から、画面上の写真と絵文字が全く表示されなくなっちゃいました。
いろいろヘルプ機能とかも調べてみましたが、まったく埒があきません。
こういう時は寝て待て。
なのでしばらく写真無しでいこうと思っています。

今日はドンヨリ曇り空。外に出てみると、なんとも生暖かい?風がビュンビュン吹いています。積もっているカチカチの雪までも溶かしてしまいそうな勢いです。
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初恋

2008年12月28日 | 家族とわたし
ペンシルバニアでのクリスマス中、大人が2人以上寄るとひそひそ、「Tは大丈夫だろうかなあ」と合い言葉のようにささやき合って心配しておりました。

みんな、それぞれの初恋を胸に大人になりました。
甥であり、孫であるTの初恋の行方がこんなに気になるのは、実らなかった恋への郷愁でもあるのでしょうか。

J子ちゃんの残していった物が部屋のあちこちにあります。
中には、Tに処分を頼んだ物、持ち帰り忘れたので送って、と頼まれた物もあるけれど、それを手にするTの姿を見るのはなかなか複雑な思いがします。

日本に発つ昨日の夜明け前、ギリギリまで徹夜していたはずのTが、J子ちゃんが起きたのを確認してから眠ってしまい、どういうわけかJ子ちゃんもグズグズしていて、結局デトロイトまでの飛行機を乗り遅れてしまったそうです。
幸いにして乗り継ぎに4時間の待ち時間があったので、日本までの便には間に合ったそうだけど、そんなこんなでバタバタと別れてしまったに違いありません。

一昨日の夜中、徹夜敢行中の彼がキッチンでパソコン画面を見つめていました。
「今夜は寝えへんつもりなん?」
「うん」
「そんなことして、初めてマンハッタンの町中運転するのに、大丈夫なんか?」
「まあ、なんとかなるやろ」
そこで少しの間沈黙があり、おやすみ、と言おうとすると、
「明日は俺が腕をふるって作ったるわ」と、すでに充血した目をしたTが言いました。
こりゃ、相当きてるな……と心の中で同情しつつ、顔には出さないように努力しながら、「なに作ってくれんの?」と聞くわたし。
「餃子」
「餃子?」
「おう、俺の餃子は並ちゃうで。かなりイケてるねん」
と言いながら、なんとなんと、J子ちゃんのブログの中に掲載されている証拠写真を見せてくれました。

これからは、このブログとチャットとメール、これだけが心の綱になる2人。
まあ、そんだけあったら充分やん、と思う人もいるだろうけれど、1年という月日を繋いでいけるかどうか……それは本人にさえも分からないことです。

昨日はやってきたいとこ2人に、かなり積極的に遊ぼうと誘いかけていたT。
こちらに来て8年のTと、飛び級をしている頭のいい13才のアレックは、なかなかいいコンビのようで、言葉遊びやチェスでかなり盛り上がっていました。
恋人と別れて間もない彼の、いい気分転換になったのかもしれません。

さあて、昨日作ってもらいそびれた天才餃子、作っていただこうかな。
大量のシーツと枕カバーとタオルを洗ったら、餃子の皮を買いに行って来よっと。

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モルモンとクェーカー

2008年12月27日 | ひとりごと
3年ぶりにクリスマスをしに西海岸からやって来た旦那弟ジム一家。
行きはフラデルフィア空港に着き、帰りはニューアーク空港から発つというので、最後の日をここで一泊しました。
ジムの奥さんニッキーは、彼(40才)よりう~んと年が若い32才の女性です。
入れ墨師の彼女の弟さんに彫ってもらったコヨーテが左足のスネに、絡んだ一筋の葉の模様が右の手首に入っています。
外見は全く違うタイプに見える兄弟なんだけど、妻からの目で見た夫としてのあの2人が驚くほど似通っているという話でいつも盛り上がるニッキーとわたし。
年は20才も離れているのに、全くその差を感じたことがありません。会えばいつだって、1番話が合うわたし達。
昨日は大家族の中でバタバタしているわけでもなかったので、ゆっくりと、いつもは聞けなかった話まで突っ込んで聞くことができました。

彼女はなんと、物書きさんでした。もうかれこれ書き始めてから10年ぐらい経ったと聞いてびっくり!
19才で息子アレックのおかあさんになり、1年半後にリンデンが生まれ、それからはずっと子育てをしながら家庭を支えてきたことは知っているけれど、
コツコツと事実関係を調べながら、構想を練り、主人公の像を作り、物語の筋をいろいろな面から考えてみるという地道な努力を10年間?!
わたしも話を作るようになって早8年が経ちますが、いい加減な作り方だし、事実関係を調べるにしても、ネットで何日か検索して終わり。
なので、図書館に通い続けたり、実際にその場に足を運んで景色や町並みを観察したり、そこに住む人々にインタビューをしたりした、という彼女の話を聞いて感心するばかり。

彼女は専業主婦だから、時間は比較的自由に取れるんじゃないのって思うけれど、物事と人の気持ちはそんなに単純なものではありません。
コンピュータープログラマーのジムは家から1時間半離れた所にある会社に勤めていて、朝の5時に起きて毎日通っています。
6時までには家に帰って来るのだけれど、その時に夕飯がすぐに食べられる状態になっていないと、とても不機嫌になるのだそうです。
彼女は夫と子供達を家から出してから、台所の片付けをして、二匹の犬を散歩に連れて行き、飼っているガチョウ(食肉用)と鶏(玉子用)の世話をします。
時間を決めずに用事が終わったら取りかかろう、なんて思っていたら永遠に取れない創作の時間。
そこで彼女は、なにがあっても午前10時から午後2時までの時間は書くことに専念すると決め、1日4時間、週末は無しというプランを立てました。
2時過ぎには子供達が学校から戻って来て、その日にあった学校での出来事を2人で競い合うように話してくるので、それをちゃんと聞いてあげたい彼女。
話が一段落したら、残りの家事をやり、夕飯の支度をし、9時過ぎには眠るジムの相手をして1日が終わります。
たまに、アイディアが津波のように押し寄せてくる日などは、このチャンスを逃してなるものかとばかりに夕飯後も書き続けたいのだけれど、
同じ部屋にやって来て、ジィ~ッと横から見つめたり、口笛吹いたり、ギターを弾いたり、そうかと思えばパソコンのすぐ横に立ったりする旦那が居ると……、
そんなん集中できまっかいなぁ~!!と大笑い。恐るべし兄弟!!

「でも、うちはどうしようもない時は予めお願いしといたら、しぶしぶやけど書かせてくれるよ」と言うと、
「うちはだめ。これまでどんなにお願いしてもだめだった」とニッキー。
稼ぎ主の言うことは絶対。この風潮は親譲りだと思います。うちの旦那もそういうとこがあります。
旦那もジムも、そんな父親の権力の振り回し方を嫌悪しているくせに。そして、それによって母親がどれほど長い間押さえつけられていたか(今は幸いにして、やっとお母さんも強くなってきたようですけど)充分見てきたくせにね。

さて、彼女の話のテーマを聞いてみました。
モルモン教とクェーカー教の狭間に立って苦悶した女性の話だそうです。
どうしてモルモン教とクェーカー教なのかと聞くと、もうずっと前のことだけど、ふとした会話の中である人が、
「俺は中国人でもメキシコ人でもインディアンでも、誰でもかまわない。けれども、モルモン教の人間だけはごめんだ」と強く言い切ったそうです。
あまりの強さにびっくりして、それから彼女はあと数人の人にも尋ねてみたら、みんながみんな揃って同じことを言ったそうです。
それで、いったいそのモルモン教というのはなんぞやと興味を持った彼女は、図書館に行き、ありとあらゆる書物を読みました。それが始まりだったそうです。
すると、彼女の中ではなんの関連も無かったクェーカー教に興味が飛び、教団がある土地や、そこに住む人々を調べていくうちに、物語が生まれたのでした。

「まだまだ調べなければならないことがあるんだけど、ひとまず書いて、多分千ページぐらいになってしまうだろうから校正とかもしながら、ね」
校正作業はただ単純に面倒で、勢いに任せて書いたとはいえ、どの部分も自分の心が書いたものなので、削り取る作業は思った以上に辛いものです。
素人ながらもその作業中の思いを理解している者同士、大変だよね、という言葉には心の底からの同情がこもっています。
しかも、わたし達には、よく似たタイプの旦那を持つ妻としての共通点もあります。
「ねえ、一度英語で書いてみてよ。それか、とっとと有名になって、書いたのを翻訳してもらってよ」とニッキー。
英語で書くのも、有名になって専属の翻訳家が付くのも、どっちも雲の上のそのまた上の、大気圏も突っ切った宇宙上のことだよニッキー。

でも、久々にいいパンチを食らいました。
この頃は、ピアノの演奏もいっぱいあったし、ブログを書くことで小さいながらも満足感を得ていたので、すっかりご無沙汰していた書く作業。
またちょっと頑張ってみようかなあ。




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ただいま

2008年12月26日 | お家狂想曲
クリスマス明けの、気怠くものんびりとした、とても静かな一日を過ごしました。
旦那母は、今日は絶対にな~んにもしない!と昨日から宣言していた通り、朝からゆったりとジャグジーに入り、散歩に出かけました。

各々好きなように、残り物でサンドウィッチなどを作り、小腹が減ったら周りにあるものをちょいとつまみ、本を読んだり言葉ゲームをしたり、
そして時々、旦那母とわたしは昨日のことを思い出し、「いやあ、昨日はマジですごかったね」などと、お互いの労をねぎらったりしておりました。

でも、なんといっても1番の功労者はお母さんでしょう。
19人を迎えるってことは、しかもそのうちの12人は宿泊したのだから、新たにソファーベッドを購入したり、布団やタオルを新調したりと、いろいろ細かい所で散財させてしまいました。
もちろん、1番遣ったのはお金じゃなくて神経だったでしょうけれど、彼女は全くそういう素振りを見せたりはしません。
良く眠れたか、良く食べたか、楽しい時間を過ごせたか、体の調子はどうか、ただただそのことを心配してくれる人です。
お母さん、ほんと~にお疲れさまでした!ありがとう!

夕飯を食べる前に、夕飯後に即帰る予定の旦那とわたし、それから旦那弟の奥さんニッキーとの3人で、クリスマスツリーの片付けをしました。
今年はクリスマスの直前に、娘(旦那姉)の頸椎の手術があったりして、そのことが心配で何も手につかなかったお母さん、
プレゼントを買いに行く気にもならず、もちろんクリスマスツリーなんて論外。
手術が滞り無く無事に済んでホッとしたのはクリスマスの2週間前だったので、今年は生まれて初めてツリーの飾り付けを他人に任せたそうです。
ツリーを買ったお店から派遣されてきた人達に支払った料金は100ドル。これってかなりいいバイトかも……。
そんな話を聞いた後だったので、片付けながら、100ドル割る3、33ドル33セントやん、なんて考える浅ましいわたしなのでした。

ニュージャージーに戻って来ると、車の運転がガラリと変わるのがわかります。やっぱ荒っぽいなあ~。割り込み、速度違反なんて当たり前、大阪の御堂筋線を思い出してしまいます。

明日の早朝4時には、息子Tの運転でJ子ちゃんがラガーディア空港まで行き、そこから日本に発ちます。とうとうお別れの日がやってきてしまいました。
大丈夫かなあT……なぁ~んて、くよくよ心配しているのはわたしだけだったりするんですよね~これが。
当の本人、なんちゅうか基本的にさばさばしてるっていうか、あんまり感情的にならないタイプの男だけれど、本心はどうなんでしょ?
初恋は実らない。そんなジンクスなんか吹っ飛ばして、超遠距離交際を見事実らせてみろ、Tよ!

明日のお昼には、旦那弟ジム一家が一泊しにやって来ます。
マンハッタンのグッゲンハイムに行こうかと思っているのだけれど、天気がどうも悪そうです。
冬の、雨降りの、しかも凍った雪があちらこちらにまだ積もっている時のマンハッタンを歩くのは、全く楽しくありません。
多分予定を変更して、ニュージャージー内の、どこか近場の面白そうな所に行くと思います。って……あるかなあ、そんなとこ。
彼らは日曜の朝に、ここから30分ほど車で走った所にある、ニューアーク空港からシアトルに飛び立ちます。

それでクリスマスのバタバタはおしまい。

あとは汚れや不要な物を少しずつ片付けて、年越しそば&黒豆&たつくり&栗きんとん&伊達巻き&昆布巻き&お雑煮を作る材料と、ちょいと奮発してお正月用の美味しいお酒を買いに行き、少しずつおせちを作り始める予定です。

来年の年始は週末と重なって、仕事の始まりが遅くてラッキー!
いつもだと学校も仕事も2日からすぐに始まってしまうので、日本人的三が日ってのがなかなか実行できません。
来年はゆっくり三が日を過ごしてもまだおつりが出ます。嬉しいな~♪

息子Kは、まだゴホゴホと咳き込んでいます。
今日は旦那姉のアードリィがかなり辛そうでした。
風邪をひいて寝込んだまま年末年始を迎えるなんてのはゴメンです。
うがいをして、湯たんぽを入れて、寝~よぉっと。

日本もかなり寒そうですね。
風邪をひかないように、くれぐれも体を大事に、温かくして、ちゃんと睡眠時間もとって、みんな元気に新年を迎えましょうね。



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メリークリスマス!

2008年12月25日 | 家族とわたし
リビングルームのテーブルに所狭しを置かれてあるクリスマスクッキーの数々。
キッチンカウンターの上には、朝食用のフワフワのスクランブルエッグとソーセージとかりかりに焼いたベーコンとクリスマスブブレッド。
朝っぱらからすごい量です。

教会音楽が静かに流れる中、起きてきた順番に朝食を終え、子供達待望のプレゼントを開く時間です。
皆でリビングルームに集まり、今年の栄えあるプレゼント贈呈係にわたしがご指名を受け、ツリーの下に山と積まれた贈り物を配ることになりました。

ちょっとメルヘンチックに写真をエディットしてみました。天井にまで届く3メートルもの背い高ノッポのもみの木です。



旦那母のアイディアで、名前別に大きな袋にまとめて入れられた贈り物の数々。



姪っ子のリンデン、めっちゃ真剣な表情で、グミキャンディ(日本製)を読んでおります。



最年少の姪っ子エメラ。まろやかなカーブが心地良い、木製の家族セットに夢中です。




プレゼントタイムの喧噪が一段落した頃、旦那父から「新しいオフィスを見に行く?」というお誘いがありました。

旦那父は、某アイビーリーグを卒業後、軍の弁護士を経て、某有名チョコレート会社に入社。
そこでも弁護士でスタートした後に営業に興味を持ち転向、それからぐんぐんと業績を伸ばし、副社長にまでのし上がった人です。
副社長時代に、もう一人の副社長グループの見え透いた根回し(いわゆる社長の椅子を狙うってやつです)にほとほと嫌気がさして、さっさと早期退職をしました。
それからは、ペンシルバニアの首都があるハリスバーグという町で、企業コンサルタントとして色々な会社の指導をボランティアでやったり、
若手の芸術家を発掘し育てる振興会を作り、発表の場を提供するための大きなホールを建てたりと、どれもこれも純粋なボランティアで精力的に駆け回っている人です。

企業コンサルタントの一環で所属していた健康保険会社の看板CEOが急に辞職したのに伴い、次の人が決まるまでのつなぎでいいからと引き受けた臨時CEOが、わたし達の予想通り、臨時ではなくなりそうな気配がむんむん。
そんなこんなで、彼の新しいオフィスを見学に行くことになったのでした。

テレビや映画とかであるような、過剰な贅沢さは無かったけれど、そりゃまあ、この広さをひとりで使うのは気持良かろう、と思いました。
旦那母の作品(陶芸家です)をさり気なく飾ってありましたが、よくある家族写真は皆無。もともとそういうタイプの人じゃないので、父らしいなあと思いました。

まあ、いろんな人生がこの世には存在するのだけれど、わたし達とは全く違う世界に生きている人なんだなあ……と改めて実感しました。

家に戻ると、旦那母がパニクっておりました。
そりゃそうでしょう、今日のディナーは19名。分量だっていちいち人数分をかけ算しなければなりません。急いでエプロンをかけ、料理に参加することにしました。

巨大ターキー(今まで見た中でいっちゃんデカかった)、スィートポテト、マッシュポテト、カラードグリーン、クランベリー、スタッフィング、グレービーソース、サワークラウト、
毎年食べているのに、やっぱり飽きません。伝統料理恐るべし。
デザートはラズベリーパイとパンプキンパイ。もうお腹の皮が痛み出しているのに、やっぱり食べてしまいました。やれやれ……。

ワインと食べ過ぎで頭が朦朧としているところに、ワシントンから来ている家族が帰らないとってんで、ピアノ演奏開始。
息子Tが、「今年もいっぱいコケたな」とボソリ……あんたに言われんでも分かっとるわい!と心の中で思いながら、「まあな」と同意するトホホなわたし。

息子Kは、ガールフレンドのDちゃんが別のパーティに行かなあかんからってんで早引き。
Kはひいてた風邪がどんどん悪化してしまい、ほとんどゾンビ状態になってました。
息子Tも、ガールフレンドのJちゃんが明後日の早朝に日本に帰っちゃうので、Kとは別に早引き。
息子ってのは、こういうふうにして、どんどん離れていっちまうんだろうなあ……。

それにしても片付けが圧巻でした。とにかく時間内に作ることで精一杯だったので、料理に使った道具やお鍋、それから19人分の食器がてんこ盛り。
まるでレストランでバイトでもしているような錯覚に陥るほどの量です。時間と手間がかかりまくりました。
かなりくたびれたけれど、ちょっと軽くクリスマスソングなんぞを弾いてみたくなったので、またまたミニコンサートが始まりました。
今回はみんなもおっきな声で歌ってくれて、わたしもノリノリ。やっぱりみんな一緒に歌うって楽しい!

ワシントン組に引き続き、旦那姉一家、そしてうちの息子達カップルが居なくなったのでちょっと寂くなり、『となりのサインフェルド』(Seinfeld)のDVDを残った皆で観る事になりました。
このコメディショーは、1989年から10年間続いた、ニューヨークを舞台に繰り広げられる伝説的コメディ番組です。
東海岸に住む大人の中で、このショーの好き嫌いは別にして、知らない人はまずいないと思います。
いろんな場面で大笑いしたら、どういうことか、また小腹が減ってきました。こわぁ~!
なのでスナックタイム。旦那母の秘密兵器ポップコーン器が、あっという間に中くらいのバケツ一杯分のポップコーンを作ってくれました。
それをむしゃむしゃ食べながらガハハガハハと楽しい時間を過ごしました。

初めてこのショーを旦那から紹介されて観た時、わたしはクスッとも笑えませんでした。なにを言っているのか、なにが可笑しいのか、全然分からなかったからです。
その時のことを思えば、こうやってアメリカンと同じタイミングで笑えるようになった自分に、長い時間がかかったとはいえ、よう頑張ってるやんと言ってあげたくなりました。

そして今これを書いています。そろそろ日付が変わります。
さてと、顔洗って寝ようっと。

おやすみなさい。再びかえる君に登場してもらいます
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