外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

シリアの婚姻届

2009-10-23 22:07:24 | シリア
先日、仲良しの羊肉屋さん(シリアの肉屋は、鶏肉屋、牛肉屋、羊肉屋、と専門が分かれている。羊肉は一番高い)のところにいったら、店先で一緒におしゃべりしていたお友達を紹介してくれ、「彼はもうすぐ結婚するんだ」と言って、近日中に裁判所に提出する予定の婚姻届を見せてくれました。おお、裁判所に提出するのか、日本とは違う!と感心しつつ、ありがたく見せていただきました。私は以前市役所で働いていたことがあるので、こういう行政関係書類に興味津々なのです。日本だともちろん市役所に提出しますね。私自身は提出したことはないですが。

婚姻届はA3の白い厚紙を2つ折りにしたような簡素な用紙でした。裁判所で、50リラ(約100円)で購入するそうです。内側に記入欄がプリントされていて、「某男(氏名、宗教、婚姻歴などを記入)は某女(同様に必要事項を記入)と結婚することを希望する」などと記入することになっています。彼は年齢も高めだし(生年月日を確かめなかったが、40歳は確実に越えている、と思う)貫禄もあって、いかにも奥さんの1人や2人はいそうな外観なのですが、意外にもこれが初婚で、嬉しそうに頬を上気させていました。ご存知でしょうが、ムスリムの男性は奥さんを最大4人まで持てます。シリアでは4人奥さんがいる男性は滅多にいないそうですが、2人いる人はざらにいます。やあね。

添付書類として、各人の身分証明書(出生地、生年月日、両親の名前、住所などが記載されていて、市役所で交付される)と無病証明書(梅毒などの性病にかかっていないことを証明する)が挟んでありました。おお性病にかかっていたら結婚できないのか、日本と違う!とまた感心しました。ちなみにこれはムスリム用の申請用紙であり、キリスト教徒には専用の用紙があるそうです。ムスリムの男性とキリスト教徒の女性が結婚する場合、ムスリム用の書類を提出するそうです。ムスリム女性とキリスト教徒の男性の結婚は違法です。わたしみたいに無神論の場合はどうなるのかしら?

全体にシリアの結婚手続きのほうが日本より煩雑そうですが、羊肉屋さんによると、「シリアでは結婚するのはものすごく簡単だけど、離婚するのはすんごく大変。裁判所に申請しに行っても、裁判官に、「まあまあ早まってはいけない、家に帰ってようく考え直しなさい」、と言って家に帰されるからね」だそうです。
「離婚した裁判官はいないのかな?」と聞いてみたら、彼もそのお友達も妙に受けて笑っていました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする