外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

イエメン旅行(6)イエメンの美味しい記憶

2011-10-01 00:59:39 | イエメン


私がイエメン料理で一番気に入ったのは、サンブーサである。
サンブーサというのは、ミンチやら、茹でたホウレンソウやら、チーズやらを薄い生地で三角形に巻いて揚げたもので、揚げたては最高においしい。サモサの親戚だと思うが、揚げ春巻きにも似ている気がする。イエメン人はラマダン期間の日没後、正式な食事(イフタール)の前に、軽いスナックとしてこれをつまむ。昼間外を歩くと、あちこちにサンブーサの屋台が出ていた。値段は忘れたけど、ごく安いものなので、毎日のように買って食べたものだ。タフリール広場にあるサンブーサ屋さんが一番おいしいと、アメリカ人の子に聞いたので、行ってみたら、お店の中はすごい人だかりだったので、買うのをあきためた。後日、すいているときに友人と行って、買って食べてみたが、成る程、おいしかった。サンブーサを食べる度に私が、「これでビールさえあれば、言うことないのに…!」と思ったことは言うまでもないですね。



友人の友人の家でいただいた、サルタとプリン。


イエメンに行くなら、絶対に食べて欲しいと、知り合いに勧められた名物料理がある。それはサルタである。私はサルタを、友人の友人の、イエメン人家庭でご馳走になった。サルタはサナアの伝統的な石鍋・煮込み料理で、肉や野菜の細切れを肉のスープで煮込み、いろんなスパイスやトマトで味付けしてある。この上には、クリーム色のとろっとした、正体不明のソースがかかっているが、これは「ヘルバ」というスパイスから出来ていて、かなり苦い。いままで食べたことがないような奇妙な味だが、けっして不味くはなく、慣れると病みつきになりそうな予感がする。しかしサルタは普通、サルタ専門店で食べるものらしく、その辺の食堂には置いてなかったので、あまり食べる機会がなかった。もっと食べたかったのに…とても残念である。


タイズの猫、どこ見てるのかしら?


サナアの南の方の、タイズという街の小さな食堂で食べた、子羊の炭焼きもおいしかった。時間が遅かったせいで(といっても夜7時くらいなんだけど、イエメン人は日没後、一瞬で食事を終えるから、7時にはもう食堂はガラガラ)、私以外にお客はいなかった。外国人が珍しいらしく、私のテーブルの周りを子供たちがうろちょろして、水や漬物を運んでくれたりする。店主のおじさんお勧めの、子羊のケバブ・ピラフ添えを食べたが、肉が新鮮で脂が乗っていて、とても柔らかかった。小さくて粗末な食堂なのに、なかなか侮れない。食後にはお茶を持ってきてくれた。飲んでいるうちに、店主がカートを噛みだし、私にも、「食後にカートはどうだい?イエメン名物だよ!一度試してみたら」、とすすめてくれたが、マズイのを知っているので遠慮した。くわばら、くわばら。

それ以外の料理はあまり記憶に残っていない。2週間の短い滞在とはいえ、人の家に招待されたりして、いろいろな料理を食べたのに、めそめそ。ただ、パンがおいしかったことだけは覚えている。イエメンのパンは薄くて香ばしくて、座布団みたいに大きい。このパンをちぎって、料理をすくって食べるのだ。一般に中東では、パンは単なる食べ物ではなく、スプーンやフォークなどの、カトラリー類の役割をも果たすことが多い。場合によってはお皿やフタや風呂敷代わり(食べ物を包む)にも使われる、便利な存在である。ああ、イエメンのパンがもう一度食べたい!シリアのパンも、エジプトのパンも食べたい!ここはひとつ、自分で焼いてみるしかないのか?う~ん、めんどくさいな。誰か代わりにやってくれないかな…。


どっかのニュースサイトから拾った、イエメンのパンの写真。


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