イスタンブール2日目の朝は、ホテル探しに出かけるため、早め(8時頃)に起きて、荷物をまとめてから朝食ルームに行った。
安ホテルで部屋は狭苦しかったが、朝食は案外まともだった。
朝食を用意していたのは、ウクライナ人風(違うかも)の金髪の女性で、トルコ人スタッフとは流暢なトルコ語で話し、携帯ではスラブ系っぽい言語を話していた。ヨルダンで泊ったホテルでもルーマニア人女性が働いていた。東欧系の女性のホテルスタッフは、現地語が達者で有能で親切なイメージだ。出稼ぎか、移民か。朝食プレートの写真を撮っていたら、彼女に「どうして写真を撮るの?」と真顔で聞かれた。観光地のホテルでそんなことを聞かれたのは初めて。「観光客が写真を撮るのは普通でしょう~?」と言い返したら、納得した様子だったが。他の客はみなトルコ人のようだったので、外国人観光客はあまり泊まらないのかもしれない。
朝食後、今のホテルの周辺からアクサライのトラム駅辺りまでの界隈を歩き回って、安そうなホテルを探したが、なかなか見つからない。一か所シングル200リラ(現在のレートで約890円)のところがあったが、そこはシャワートイレ共同だったのでパス。いくら安くても、この年齢ではもうドミトリーとかシャワートイレ共同とかはキツイ。私はホテル滞在時間が長いし、心置きなくビールを飲みたいんでね…
最後に見に行ったトラム駅近くのアタテュルク大通り沿いのホテルが、今のホテルと同じ300リラで、朝食は付かないがシャワートイレ、テレビ、Wi-Fi、冷蔵庫、エアコン付きで部屋がずっと広かったので、そこに決めた。一旦元のホテルに戻ってチェックアウトし、荷物を持ってそちらに移動する。
「Merve Hotel」(メルヴェ・ホテル)
フロントは狭い階段を上った2階にあった。受付してくれたおじさんは斜視気味で分厚い眼鏡をかけており、なんとなく個性派の脇役俳優のような趣がある。ロビーにはソファーがいくつも置いてあり、いつも若者やおじさんたちがたむろしている。チャイはセルフサービスで飲み放題。
やはりベットはダブルに限る。タオルが蝶ネクタイなのは微妙かな~
シャワーは床全体が水浸しになるスタイル
窓の外の風景
道路に面しているが、窓を閉めていたら騒音は気にならないし、エアコンがあるので快適。いいホテルに移れてよかった。テレビはここも映らないが、まあいい。
なお、このメルヴェ・ホテルは、翌年また泊まろうと思って行ったら閉鎖していた。私のイスタンブールでのホテル探しの苦難の旅は続くのだった。
ホテル移動で疲れたので、しばらく横になって休憩してから出かけた。7月の初めで、イスタンブールはワンと違って気温が高いので、出歩くとすぐ疲れる。私、身体弱いし…
じゅうぶん休憩したら、ようやくイスタンブールうろうろ歩きの開始。まず、トラムでエミニョニュに出て、エジプシャンバザールにキャットフードを買いに行った。イスタンブールでキャットフードを買い出すといえば、エジプシャンバザールですよ、奥さん。
金属探知機あり。ヨルダンやエジプトなどとは違って、ちゃんとチェックする。
中に入ると、乾物や香辛料、土産物や手工芸品などを美しく展示する煌びやかなお店が並んでいるが、私にとってこの辺りは単なる廊下。
私が目指すところは、隅っこの方の中庭に面した、ペットショップが並ぶ一角。
チキンとフィッシュの2種類を混ぜてもらって半キロ分量ってもらう。
今気づいたが、Van Cat(ワン猫)というカリカリがあるな。ちょっと高級だけど買えばよかったか~
ペットショップ街のそばで、カリカリを食べていた猫さん。売り物をもらったのかな?
なんとINABAのChuruが売られていた。割高なので4本だけ買ったが、もっと買えばよかったかも…
買い物が終わってから、ガラタ橋を渡って新市街に向かった。
途中でシミット(胡麻リングパン)を購入。少しちぎってカモメに向けて投げたが、気づいてもらえなかった。しゅん…
ガラタ橋のそばの、有名なサバサンドの船の店
地元の人と観光客でいつも混んでいるので、なかなか入る気合が出ない。
ガラタ橋の下の層に入っているレストラン街でもサバサンドが食べられる。値段は同じだし、ビールも飲める。
レストラン街を眺めつつ歩いて、途中の階段で橋の上に出た。橋の上には、いつものように釣り人が並んでいる。
私が立ち止まって後ろから眺めていたら、釣り人のおじ様の一人が「あなたも釣ってみたいか」と、釣竿を持たせてくれようとしたが、面倒なので断った。ノリの悪い観光客ですいませんね…彼はここで釣ったイワシを家に持ち帰って食べると言っていた。みんなそうよね。実益を兼ねた趣味。
橋を渡り切ったら新市街のカラキョイ。ここからテュネル(地下鉄)に乗って、イスタンブール中心部の繁華街、イスティクラール通りのとっつきに出る。
ひと駅しかない、世界一短くて世界で二番目に古い謎の地下鉄
構内にチェロを弾いている青年がいた。
彼は非常に上手だった。イスタンブールのストリートミュージシャンは概してレベルが高い。
下りてから、テュネル駅の脇の通りの楽器屋街で、友人に頼まれたウードの弦を探した。
欲しい物について店主に相談したら、即答が返って来るタイプの楽器店がいくつか並んでいる。
ウードの弦を置いている店は2軒見つかったが、指定されたものと品名が違ったり、高かったりしたので、写真だけ撮って、頼まれた友人に聞いてから翌日また来ることにした。なお、トルコのウードか、アラブのウードか質問された。トルコとアラブのウードが違うこと自体知らなかったぜ…
楽器屋付近でツチノコ発見
よく見たら耳とか足とかあった…
その後は、イスティクラール通りをタクシム広場に向かって登りつつ、お店を覗いたり、脇道に入ってビールを飲んだり、昼食を取ったりして過ごした。
イスティクラール通りには風格のある美しい建物が多く、目の保養になる。(参考記事)
ストリートミュージシャンも多い。
「シリア小路」(Suriye Pasajı)
シリア小路には普通のお店やカフェが並ぶ
イスタンブールに来たら必ず行く、不吉な名前の本屋さん
猫がいるのに、「人間書店」という名前の本屋さん
本は枕
1864年創業の老舗のお菓子屋さん。高級なので私にとっては観光スポットだが、きっと美味しいはず…(HP)
いい感じの古本屋さん
古本屋、パブ、チャイハネが多い脇道の辺り(ベイオウル)で生ビールの安い店を発見
カールスバーグの生、疲れを癒す味。
外のテーブルで飲む方が、店内より安かったのが意外だった。エアコン効かへんからかな。
お腹が空いたので、パブの席から見えていた安食堂「Balkan Lokantası」でランチ
茄子の挽肉詰め「カルヌヤルック」、茄子が柔らかくて美味しかった。パンも柔らかい。安食堂はパンが固くなっているところもあるが、ここのは違う。
タクシム広場に着いたら、地下ケーブルカーでカバタシュに出て、そこからトラムでアクサライに戻った。イスティクラール通りを走るレトロな市電だの、一駅だけの古い地下鉄だの、地下ケーブルカーだの、メトロだのトラムだの、イスタンブールの電車系交通手段、種類がやけに多くないか?観光にはいいが、乗り換える度に交通費がかかるので、移動手段としては不便な気も…
タクシム広場 私にとってはハトのエサやりスポット
カバタシュ駅で乗り換え
階段にいた猫さんにエサを要求された。
美味しくないエサは食べない主義ですかい…
ホテルでしばらく昼寝して、19時半頃にまた出かけ、前夜と同様、フェリーでアジア側のカドゥキョイに行った。
もう夕暮れ
カドゥキョイの街並みの向こうにチャムルジャ・タワー(電波塔)が垣間見える
いつ見てもヘンな形~
猫スポットの岩場に向かう途中、ムール貝のピラフ詰め「ミディエドルマス」(参考レシピ)を売っているお兄さんがいたので、少し買ってみた。
スパイス控えめで、ムール貝の風味がご飯に馴染んで見た目のわりに美味しい。レモンも合う。
食べた後の殻を、屋台に下がっている袋に入れたら、ゴミ袋じゃなかったようで、めっちゃ怒られた。しゅん…
夕食用にサバサンドも買った。ヨーロッパ側で買うより安いが、サバの身も大きいし、味も普通に美味しい。レタスと玉ねぎ入り
岩場に行ってビールを飲んでいたら、猫が集まってきた。サバの匂いのおかげか。
サバサンドを自分も食べつつ、猫たちにもおすそ分けしたので忙しかった。結局半分以上あげて、カリカリとちゅ~るもあげた。
もうすぐ暗くなる。
暗くなる前にまたフェリーに乗り、ホテルに帰った。ロビーのソファーに若者が大勢集まっていてビビったが、特に話しかけられるでもなく、問題なかった。
夕食はもう済んだので、後はシャワーを浴びて、ビールとワインを飲んで寝るだけ。なんだか特に何もせずに、街をうろうろするだけで一日が終わった。まあ私にはよくあることよね…
(おまけの非アルコール飲料写真)
11月に参加したイラン大使館の文化イベントで出された紅茶。サフランで色付けした棒付き氷砂糖で紅茶をかき混ぜ、溶かしながら飲む。優雅なお茶の楽しみ方、さすがイランという感じだ。
こういうイベント体験の話なども書きたいのだが、一昨年の旅行記が終わらないし、去年の旅行記もまだなので、他のことがなかなか書けない。そうこうしているうちに、また年が明けてしまう。ああ~
なお、トーマさん(キャンドゥの栽培キット出身のミニトマト氏)は相変わらずだ。ようやくついた実も青いまま。一緒に年を越そうね、トーマさん…
(続く)
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