先日、父がいつも診て頂いている病院の看護師さんから電話があった。
「お父さんが短期間で急激に体重が増えていたのですが、先生が念のために胃腸の検査をしてはいかがですか?と言っているのですが。
お父さん本人は、検査にはあまり乗り気ではないようなのですが、ご家族の方はいかがでしょうか」とおっしゃた。
胃腸の検査、つまり胃や大腸のカメラということだが、それを聞いて私は80歳を過ぎた父の身体には負担が大きすぎるのではないかと思った。
「今は元気で暮らしているので、検査はけっこうです」と答えると、「でもお年寄りですと、癌が見つかる場合もありますのでやっておかれた方がいいかと思います」と看護師さんはおっしゃった。
確かにもしや「癌」が見つかるかもしれないが、父の場合、逆に見つけてもらわなくてもいいと思った。
下手に「癌がありました」と言われて、手術なんてことになったら、たぶん父は認知症がさらに進み、今まで以上に足も弱り、最悪の場合は寝たきりになってしまうかもしれない。
だとしたら、たとえ何かが見つかっても、なるべくこのままそっとしておきたい。
「いえ、やはり検査はいいです。今、元気で暮らしていますから」と言ったが、看護師さんは「でも手遅れになったりしてはいけませんし・・・」となおもしつこく勧めてくる。
「癌でも手遅れでもいいんです。検査をして弱るより、そのほうがいいです」と、つい強く看護師さんに言ってしまった。
看護師さんは「では、そのことを直接先生に伝えてください」とおっしゃって、先生と面談の予約を取られてしまった。
まるで父が癌になっているかのような話になってしまったが、父はいたって元気で食欲もある。
食欲があるので、間食をし過ぎて体重が増えたのではないかと思っていた。
妹にそのことを伝えると、妹も私と同じ考えで検査をすることに反対だった。
先生との面談の日、今までの父の血液検査の結果を見せられて説明を受けた。
軽い貧血があるが、その他の数値はすべて良いとの事だった。
ただ若い人も年に一度くらい健診をした方がよいのと同じで、父も胃腸の検査をしてはどうか?と言うお話だった。
「だから高齢者の医療費が膨れ上がって、国の財政を一層きびしくしているんだなぁ」
それを聞いて、心の中でそう思う。
無駄な検査をして、たくさんの薬を出す病院。
家族がしっかり薬を見ていないと、老人本人も訳がわからなくなるくらいの薬を出されてしまう。
お姑さんも同居し始めた頃は、「こんなに飲んでるの!」と驚くくらいの量の薬を飲んでいたが、新しく移った病院の医師と相談をして必要がないと思われる薬はどんどん削ってもらった。
今はずっと薬の量が減ったが、何の問題もなく元気一杯で過ごしている。
ところで父の検査だが、やはり検査はしませんと医師にお伝えした。
そして、もしも父が癌などになった場合(たぶん父はならないと思うが)痛みや不快な症状を取るだけで良いですということもお伝えした。
父がもっと若ければ治療をお願いするところだが、もう83歳なので治療はしなくてもいいよね・・・と妹と相談をして決めた。
医師は「そうですか。それも良い考えだと思います」とおっしゃって、紙を出してそれらの事を書き始めた。
そして「この内容でよろしければ、ここにサインをしてください」とおっしゃった。
医師が書いた書類には「身体に負担のかかる検査は一切しない。癌になっても治療はせず、痛みを取るなどの対処療法をする・・・うんぬん」と書かれていた。
父も高齢でいつどうなるか分からないので、医師は家族の意見を聞いておきたかったらしい。
父の部屋へ戻り「検査は断ったよ」と父に伝えると、父はうなずいて「うん、それでいい」と言った。
今が機嫌よく暮らせたら、それで十分と、きっと父もそう思っているのではないだろうかと思う。
「甘いものは食べ過ぎないようにね~」
そこはしっかり父に釘をさして帰ってきた。
「お父さんが短期間で急激に体重が増えていたのですが、先生が念のために胃腸の検査をしてはいかがですか?と言っているのですが。
お父さん本人は、検査にはあまり乗り気ではないようなのですが、ご家族の方はいかがでしょうか」とおっしゃた。
胃腸の検査、つまり胃や大腸のカメラということだが、それを聞いて私は80歳を過ぎた父の身体には負担が大きすぎるのではないかと思った。
「今は元気で暮らしているので、検査はけっこうです」と答えると、「でもお年寄りですと、癌が見つかる場合もありますのでやっておかれた方がいいかと思います」と看護師さんはおっしゃった。
確かにもしや「癌」が見つかるかもしれないが、父の場合、逆に見つけてもらわなくてもいいと思った。
下手に「癌がありました」と言われて、手術なんてことになったら、たぶん父は認知症がさらに進み、今まで以上に足も弱り、最悪の場合は寝たきりになってしまうかもしれない。
だとしたら、たとえ何かが見つかっても、なるべくこのままそっとしておきたい。
「いえ、やはり検査はいいです。今、元気で暮らしていますから」と言ったが、看護師さんは「でも手遅れになったりしてはいけませんし・・・」となおもしつこく勧めてくる。
「癌でも手遅れでもいいんです。検査をして弱るより、そのほうがいいです」と、つい強く看護師さんに言ってしまった。
看護師さんは「では、そのことを直接先生に伝えてください」とおっしゃって、先生と面談の予約を取られてしまった。
まるで父が癌になっているかのような話になってしまったが、父はいたって元気で食欲もある。
食欲があるので、間食をし過ぎて体重が増えたのではないかと思っていた。
妹にそのことを伝えると、妹も私と同じ考えで検査をすることに反対だった。
先生との面談の日、今までの父の血液検査の結果を見せられて説明を受けた。
軽い貧血があるが、その他の数値はすべて良いとの事だった。
ただ若い人も年に一度くらい健診をした方がよいのと同じで、父も胃腸の検査をしてはどうか?と言うお話だった。
「だから高齢者の医療費が膨れ上がって、国の財政を一層きびしくしているんだなぁ」
それを聞いて、心の中でそう思う。
無駄な検査をして、たくさんの薬を出す病院。
家族がしっかり薬を見ていないと、老人本人も訳がわからなくなるくらいの薬を出されてしまう。
お姑さんも同居し始めた頃は、「こんなに飲んでるの!」と驚くくらいの量の薬を飲んでいたが、新しく移った病院の医師と相談をして必要がないと思われる薬はどんどん削ってもらった。
今はずっと薬の量が減ったが、何の問題もなく元気一杯で過ごしている。
ところで父の検査だが、やはり検査はしませんと医師にお伝えした。
そして、もしも父が癌などになった場合(たぶん父はならないと思うが)痛みや不快な症状を取るだけで良いですということもお伝えした。
父がもっと若ければ治療をお願いするところだが、もう83歳なので治療はしなくてもいいよね・・・と妹と相談をして決めた。
医師は「そうですか。それも良い考えだと思います」とおっしゃって、紙を出してそれらの事を書き始めた。
そして「この内容でよろしければ、ここにサインをしてください」とおっしゃった。
医師が書いた書類には「身体に負担のかかる検査は一切しない。癌になっても治療はせず、痛みを取るなどの対処療法をする・・・うんぬん」と書かれていた。
父も高齢でいつどうなるか分からないので、医師は家族の意見を聞いておきたかったらしい。
父の部屋へ戻り「検査は断ったよ」と父に伝えると、父はうなずいて「うん、それでいい」と言った。
今が機嫌よく暮らせたら、それで十分と、きっと父もそう思っているのではないだろうかと思う。
「甘いものは食べ過ぎないようにね~」
そこはしっかり父に釘をさして帰ってきた。