お盆が終わり、休みだった家族も職場や学校に行き始めて、やっといつもの日常が戻ってきた。
主婦にとっては家族の休日こそが忙しい。
いつもの食事のほかに間食なども用意したりして・・・
さて、お盆に入る前からず~っとバナナの入ったクレープを作りたいと思っていた。
特に自分が食べたかったわけではなく、家族からも作ってと頼まれたわけでないのだが、なぜかバナナのクレープが頭から離れなかった。
お盆で家族が休みだった日に「今日こそクレープを作ろう」と思い立って、クレープの生地を焼き始めた。
クレープの生地を焼くのは本当に苦手・・・
フッ素加工のフライパンを使っても、最初の数枚は破けてしまったり、焦がしてしまったりしてしまう。
「く~っ、また失敗」とか「おっ、うまく焼けた」など一喜一憂しつつ生地を焼いていた。
フライパンのそばに付きっ切りで、なんとか生地を焼き終えると、今度は生クリーム(うちでは豆乳から作ったクリーム)を泡立てる。
しばらくして生地が冷めたら、泡立てたクリームとバナナをのせて包めば出来上がり。
こうしてかなり無心になってクレープを作っていたら、ふと義父のことが頭に浮かんだ。
義父は三年前に亡くなったが、私が作ったクレープを「おいしい、おいしい」と言って食べてくれた。
そして、食べ終えると必ず「こんなにおいしい物は食べたことが無い。また作ってくださいね」と言われた。
お世辞でも義父にそう言ってもらえると嬉しくなって、また作ってあげようと思った。
でも義父には何度、クレープを食べさせてあげただろうか。
たしか2~3回くらいしか作ってあげなかったのではないだろうか。
もっと作ってあげればよかったなぁと思う。
あの頃も確かにそう思っていたはずだった。
高齢の義父に食べさせてあげられる時間は、もうそれほど残っていないかもしれない。
だから、喜んでくれるものは何度も作ってあげよう。
そう思っていたはずだったが、結局、日常の生活のあれやこれやに流されていくうちに、あっという間に時間は過ぎて義父は亡くなってしまった。
最近、いつも思う。
誰でも生命には限りがあり、いつ別れが来るかもしれないのだから、やってあげたいと思ったことは、できるだけすぐに実行しよう。
義母にも実父にも、夫にも子供たちにも、そして周囲の人たちにも・・・
そう思いながら、出来上がったクレープをひとつ仏壇に供えた。
私が急にクレープを作りたくなったのは、もしかしたら義父が食べたかったからだったりして。
入れ歯をもごもごさせながら、クレープを頬張る義父の姿が目に浮かんだ。
主婦にとっては家族の休日こそが忙しい。
いつもの食事のほかに間食なども用意したりして・・・
さて、お盆に入る前からず~っとバナナの入ったクレープを作りたいと思っていた。
特に自分が食べたかったわけではなく、家族からも作ってと頼まれたわけでないのだが、なぜかバナナのクレープが頭から離れなかった。
お盆で家族が休みだった日に「今日こそクレープを作ろう」と思い立って、クレープの生地を焼き始めた。
クレープの生地を焼くのは本当に苦手・・・
フッ素加工のフライパンを使っても、最初の数枚は破けてしまったり、焦がしてしまったりしてしまう。
「く~っ、また失敗」とか「おっ、うまく焼けた」など一喜一憂しつつ生地を焼いていた。
フライパンのそばに付きっ切りで、なんとか生地を焼き終えると、今度は生クリーム(うちでは豆乳から作ったクリーム)を泡立てる。
しばらくして生地が冷めたら、泡立てたクリームとバナナをのせて包めば出来上がり。
こうしてかなり無心になってクレープを作っていたら、ふと義父のことが頭に浮かんだ。
義父は三年前に亡くなったが、私が作ったクレープを「おいしい、おいしい」と言って食べてくれた。
そして、食べ終えると必ず「こんなにおいしい物は食べたことが無い。また作ってくださいね」と言われた。
お世辞でも義父にそう言ってもらえると嬉しくなって、また作ってあげようと思った。
でも義父には何度、クレープを食べさせてあげただろうか。
たしか2~3回くらいしか作ってあげなかったのではないだろうか。
もっと作ってあげればよかったなぁと思う。
あの頃も確かにそう思っていたはずだった。
高齢の義父に食べさせてあげられる時間は、もうそれほど残っていないかもしれない。
だから、喜んでくれるものは何度も作ってあげよう。
そう思っていたはずだったが、結局、日常の生活のあれやこれやに流されていくうちに、あっという間に時間は過ぎて義父は亡くなってしまった。
最近、いつも思う。
誰でも生命には限りがあり、いつ別れが来るかもしれないのだから、やってあげたいと思ったことは、できるだけすぐに実行しよう。
義母にも実父にも、夫にも子供たちにも、そして周囲の人たちにも・・・
そう思いながら、出来上がったクレープをひとつ仏壇に供えた。
私が急にクレープを作りたくなったのは、もしかしたら義父が食べたかったからだったりして。
入れ歯をもごもごさせながら、クレープを頬張る義父の姿が目に浮かんだ。