「ツルウメモドキがいい感じになってきましたよ」
会うといつも草花の話で盛り上がるご近所さんがそう教えてくれた。
ツルウメモドキとは、つる性の植物で小さな可愛い実をつけるのだが、それでリースを作るととても可愛いものができる。
ツルウメモドキ情報を教えてくれたご近所さんは、毎年裏山に入って私の分もツルウメモドキを採って来てくれてたのだが、今年は別の植物でリースを作ったので、ツルウメモドキは採りに行かないそうだった。
「でも、採りに行くのなら場所を教えてあげます」とおっしゃってくれた。
そこで、その話を妹にすると「行きたい、行きたい!採りに行きたい!」と非常に乗り気の返事だったので、妹が久しぶりに我が家へ来ることになった。
妹の家は市内の中心部にあるので、家の周囲にはこうした自然の山林がない。
当然リースにするような植物も生えていないので、山に入って自分でリースの材料を採るということに興味を持ったようだった。
朝からお天気が良くなった日に、妹が家へやってきた。
真っ白いダウンジャケットにハイヒールを履いて・・・
「ちょっと~、山に入るんだから汚れてもいい格好してこなきゃだめじゃない」
そういうと「だって人がたくさんの地下鉄乗ったりして来るんだから、あまり汚い格好できないもん」と妹が言った。
仕方がない。
妹には、家にあった年季の入った古いジャンパーと軍手を貸し、さらに長靴も貸した。
私は言えば、もちろん汚いジャンパーに軍手、長靴姿。
中に着る服はやっぱりジャージでしょう。
もう寒いのでダニは居ないのではないかと思うが、念のためダニがつかないようなツルツルした素材の服を着たほうがよい。
ツルを切るための鋏を持って、まずはツルウメモドキ情報を教えてくれたご近所さんの家へ行った。
ご近所さんは、わざわざ道案内をして途中まで一緒に山に入ってくれた。
ご近所さん、私、妹の順番で山道を入っていく。
私とご近所さんは、勝手知ったるナントカで、すいすい山道を進んでいくのだが、妹だけがどうしても遅れる。
草が生い茂って、足元が見えにくいのが怖いそうだ。
そして「さすがこの辺りの主婦は慣れてるわ。都会育ちの主婦に、こんな山道は無理だわ」とかなんとか言いながら、後ろをついて来る。

ツルウメモドキ発見!
写真では小さくてよく分からないが、ここにもツルウメモドキがありました。
妹も今までぜぇ、ぜぇ息を切らしていたのがうそのようにテンションが上がって、木に絡まっていたツルウメモドキを頂いていた。
ツルウメモドキを教えてくれたご近所さんが途中で帰り、あとは私と妹だけでリースの材料になりそうなものを採りに行くことにした。
もちろん熊も用心しなければいけないので、道の無いような山には入らず、途中から舗装されている道へ出た。
ところで、この道の途中には2~3軒の民家がある。
うち一軒のお宅の方とお話をしたことがあるのだが、小さなお子さんがいる30代くらいの若いご夫婦で、この山の中で高山植物を育てていると言っていた。
育てた高山植物を売っているそうだ。
ご夫婦の姿は見えなかったが、どこまでが家の敷地なのか分からないような原野に家がポツリとあって、家の近くに白くて綺麗なヤギが一頭のんびりと草を食べていた。
そしてヤギのそばには、グレーと白のこれまた美しい毛のウサギが二羽いた。
ヤギはつながれているので、この家で飼われているのは一目瞭然だったが、ウサギは放し飼いだった。
「あのウサギって飼われているんだろうか?それとも野生だろうか?」
妹が不思議そうにそう言ったが、私にもわからない。
前にこの森で野うさぎを見たことがあったので、もしかしたら野うさぎがヤギの餌を狙って来ていたのかもしれない。
どちらにしろ、なんだかのんびりしていい風景・・・
若いご夫婦宅ではニワトリもたくさん飼っているようで、奥にニワトリ小屋が見えた。
そして、広い畑にはまだカブや大根がたくさん抜かれずに残っていた。
これは、ほとんど自給自足の生活?
しばらく妹と私は、そのヤギの居る風景に見惚れていた。
「ここだけ、まるで別世界のようだね」と妹が言った。
本当に妹の言うとおりだと思った。
この家に住む若いご夫婦だけではなく、この山で暮らしている方は、みんな広々とした畑を持って野菜を作っている。
そして、山から枯れ木を集めてきて、たぶん冬の燃料にするのだろう、家の横に積み上げている。
ひとつ山を越えたすぐ近くの場所では、新しい家が立ち並び、スーパーで綺麗な野菜を買って生活してるというのに、なんという違いなのか。
このような自給自足に近い暮らしは、なかなかすぐに真似はできないが、もしかしたらこれからは、このように自然と共に暮らすことを選ぶ人たちが増えてくるのかもしれないと、もぐもぐと草を食むヤギを見ながら思っていた。
さて、山から頂いてきたツルウメモドキや木の実は、ぜんぶ妹に持たせた。
わざわざ遠いところからやってきて、慣れない山に入ったのだからご褒美ということで。
後日、妹から「リース作ったよ」と電話がきたので、今度リースを見に行って来ようと思う。
会うといつも草花の話で盛り上がるご近所さんがそう教えてくれた。
ツルウメモドキとは、つる性の植物で小さな可愛い実をつけるのだが、それでリースを作るととても可愛いものができる。
ツルウメモドキ情報を教えてくれたご近所さんは、毎年裏山に入って私の分もツルウメモドキを採って来てくれてたのだが、今年は別の植物でリースを作ったので、ツルウメモドキは採りに行かないそうだった。
「でも、採りに行くのなら場所を教えてあげます」とおっしゃってくれた。
そこで、その話を妹にすると「行きたい、行きたい!採りに行きたい!」と非常に乗り気の返事だったので、妹が久しぶりに我が家へ来ることになった。
妹の家は市内の中心部にあるので、家の周囲にはこうした自然の山林がない。
当然リースにするような植物も生えていないので、山に入って自分でリースの材料を採るということに興味を持ったようだった。
朝からお天気が良くなった日に、妹が家へやってきた。
真っ白いダウンジャケットにハイヒールを履いて・・・
「ちょっと~、山に入るんだから汚れてもいい格好してこなきゃだめじゃない」
そういうと「だって人がたくさんの地下鉄乗ったりして来るんだから、あまり汚い格好できないもん」と妹が言った。
仕方がない。
妹には、家にあった年季の入った古いジャンパーと軍手を貸し、さらに長靴も貸した。
私は言えば、もちろん汚いジャンパーに軍手、長靴姿。
中に着る服はやっぱりジャージでしょう。
もう寒いのでダニは居ないのではないかと思うが、念のためダニがつかないようなツルツルした素材の服を着たほうがよい。
ツルを切るための鋏を持って、まずはツルウメモドキ情報を教えてくれたご近所さんの家へ行った。
ご近所さんは、わざわざ道案内をして途中まで一緒に山に入ってくれた。
ご近所さん、私、妹の順番で山道を入っていく。
私とご近所さんは、勝手知ったるナントカで、すいすい山道を進んでいくのだが、妹だけがどうしても遅れる。
草が生い茂って、足元が見えにくいのが怖いそうだ。
そして「さすがこの辺りの主婦は慣れてるわ。都会育ちの主婦に、こんな山道は無理だわ」とかなんとか言いながら、後ろをついて来る。

ツルウメモドキ発見!
写真では小さくてよく分からないが、ここにもツルウメモドキがありました。
妹も今までぜぇ、ぜぇ息を切らしていたのがうそのようにテンションが上がって、木に絡まっていたツルウメモドキを頂いていた。
ツルウメモドキを教えてくれたご近所さんが途中で帰り、あとは私と妹だけでリースの材料になりそうなものを採りに行くことにした。
もちろん熊も用心しなければいけないので、道の無いような山には入らず、途中から舗装されている道へ出た。
ところで、この道の途中には2~3軒の民家がある。
うち一軒のお宅の方とお話をしたことがあるのだが、小さなお子さんがいる30代くらいの若いご夫婦で、この山の中で高山植物を育てていると言っていた。
育てた高山植物を売っているそうだ。
ご夫婦の姿は見えなかったが、どこまでが家の敷地なのか分からないような原野に家がポツリとあって、家の近くに白くて綺麗なヤギが一頭のんびりと草を食べていた。
そしてヤギのそばには、グレーと白のこれまた美しい毛のウサギが二羽いた。
ヤギはつながれているので、この家で飼われているのは一目瞭然だったが、ウサギは放し飼いだった。
「あのウサギって飼われているんだろうか?それとも野生だろうか?」
妹が不思議そうにそう言ったが、私にもわからない。
前にこの森で野うさぎを見たことがあったので、もしかしたら野うさぎがヤギの餌を狙って来ていたのかもしれない。
どちらにしろ、なんだかのんびりしていい風景・・・
若いご夫婦宅ではニワトリもたくさん飼っているようで、奥にニワトリ小屋が見えた。
そして、広い畑にはまだカブや大根がたくさん抜かれずに残っていた。
これは、ほとんど自給自足の生活?
しばらく妹と私は、そのヤギの居る風景に見惚れていた。
「ここだけ、まるで別世界のようだね」と妹が言った。
本当に妹の言うとおりだと思った。
この家に住む若いご夫婦だけではなく、この山で暮らしている方は、みんな広々とした畑を持って野菜を作っている。
そして、山から枯れ木を集めてきて、たぶん冬の燃料にするのだろう、家の横に積み上げている。
ひとつ山を越えたすぐ近くの場所では、新しい家が立ち並び、スーパーで綺麗な野菜を買って生活してるというのに、なんという違いなのか。
このような自給自足に近い暮らしは、なかなかすぐに真似はできないが、もしかしたらこれからは、このように自然と共に暮らすことを選ぶ人たちが増えてくるのかもしれないと、もぐもぐと草を食むヤギを見ながら思っていた。
さて、山から頂いてきたツルウメモドキや木の実は、ぜんぶ妹に持たせた。
わざわざ遠いところからやってきて、慣れない山に入ったのだからご褒美ということで。
後日、妹から「リース作ったよ」と電話がきたので、今度リースを見に行って来ようと思う。