一泊で旭岳温泉に行ってきた。
旭岳は大雪山連峰の中でも北海道最高峰の山で、旭岳温泉はその麓にある。
旭岳温泉は国立公園の中にある為、温泉街によくあるお土産屋などは一切ない。数軒の宿泊施設が大自然の中に静かに佇んでいるだけだ。
標高が高いので、この時期でもホテル周辺にはまだ雪が残っており、札幌ではとっくに見られなくなった小さなふきのとうが土から顔を出していた。
また私の好きな青いフキも至る所に生えていた。
でも今回の目的は山菜採りではなくて温泉に入ること。
何より気温が低く寒くて仕方がなかったので、早く熱いお湯に浸かりたかった。
ところで今回は旭岳のある東川町がコロナによって減ったお客を呼び戻そうと宿泊補助を出してくれて、道民限定だったが通常料金より安く泊まることができた。
しかし、まだコロナが終息したわけではないのでフロントで色々と説明を受けた。
まずお風呂は密を避ける為にサウナ及びいくつかの設備を中止していること、またウエルカムドリンクや夜のラウンジなども中止。
そして、自分の部屋以外はマスクを着用をすること。(お風呂の中は外してもよい)
バイキングの食事の時はマスクとビニール手袋着用など、色々な面で通常とは違ったが、コロナが流行して以来、温泉地に泊まっていなかったので今回はとても楽しみにしていた。
期待していた通り広々とした大浴場は、とても気持ちがよく身体の芯までぽかぽかになった。
さて、ホテルの部屋に入ってから窓を開けて景色を見ようと思った。
窓を開けると、目の前は森林。
木々が密生しており、その中から美しい鳥たちのさえずりが聞こえてくる・・・ってどこかで見たような景色だわ。
もしやデジャブ?と思いきや、これは我が家の窓の外の景色とそっくりじゃないの。
ウチの窓から見える景色が旭岳麓の景色にそっくりだったなんて、嬉しいような悲しいような・・・(せっかく三時間近くもかけて来たのに)
とはいえ、森林というのはみんなこんな感じなのかもしれない。
特に同じ道内であれば生息している植物も同じなので、旭岳とウチの裏山が似ていたとしても不思議はない。
それにしても旭岳まで来る途中、車道まで迫って来るような植物たちにずっと圧倒されていた。
しかし怖さは全くなく、逆にこの中に入って休みたいと思いながら見ていた。森の中に居ると心が安らぐ。まさに森林浴の効能だろう。
人は食べる物も大切だが、心の安定は食べ物と同じくとても大切なものだ。
心が不安定だと身体に不調が現れる。私などはすぐ胃腸にくる。
森林は心の安定と、薬草など身体に良い食べ物もまた与えてくれるのだと思いながら窓の外を眺めていた。
ところで日本は国土の7割近くが森林なのだとか。
以前、東京に行った時には大都会なのに緑がとても多いことに驚いたことがあった。
地球の砂漠化が進んでいる中、日本はまるでオアシスではないかと思うのは私だけだろうか。