重い腰を上げて、車の免許更新へ行ってきた。
積雪と厳寒のこの時期に、免許更新へ行かなければいけないのは億劫だと毎回思うのに、今回はそれに輪をかけて億劫だと思う訳があった。
運転免許を取得してから三十年以上ずっと金の免許証だったが、今年は初めて青になる。
色が変わることも嫌だが、講習が30分から1時間になるというのがショックだ、、、
更新手続きの葉書が届いて、すっかり忘れていたこと(なぜ青になったのか)を思い出してしまった。
それは今から四年前のこと。
年に一度しか行かない場所へ車で向かっていた。
久しぶりなので道を忘れてしまい、うっかり曲がる場所を通り過ぎてしまってから気づいた。
でも次で曲がればいいかと思い、次の交差点を曲がったのだが、その瞬間後ろの方からサイレンの音が聞こえてきた。
バックミラーで確認すると、後ろからパトカーが来るのが見えた。
まさか自分を捕まえに来ているとは微塵も思わず、急いでいるなら道を譲ってあげた方が良いかなくらいの気持ちだった。
後ろからスピーカーで何か言ってるが聴き取れない。
まさか自分だとは思っていなかったのでそのまま走行していたら、後ろにぴったりくっついたパトカーから「止まってください」と呼びかけられて、初めて自分のことだったとわかった。
道の脇に停めると、警察官が降りて来て「パトカーの中へ」と言われた。
初めて乗るパトカーにドキドキして後部座席に座ると、前に座った二人の警察官のうち若い方に質問された。
「なぜ停められたかわかりますか?」
「さあ、、、赤信号で右折したからですか?」
交差点に入った時、信号機は青だったが、対向車がなかなか途切れず待っている間に黄色に変わって、更に赤になった直後にようやく右折できた。
でもこういうことはよくあることで、これで捕まっていたらみんな捕まるだろうと思ったが、それ以上思い当たることがなかった。
「違います」
若い警察官はそう言って正解を教えてくれた。
「右折禁止を曲がったからです!」
なんとあの交差点が右折禁止だったとは!それもいつもじゃなくて決まった時間だけが右折禁止。
「え、どこかに書いてました?」と聞くと、「書いてました」と言って、一緒に交差点まで行って右折禁止の看板を見ることにした。
「あそこです」と警察官の指差す方向を見たら、あった、、、それも小さな看板が。
「ちっちゃ」
もっと分かりやすい大きな看板を建ててほしいわと思ったが、曲がってはいけないところを曲がってしまったので弁解の余地はない。
またパトカーに戻って書類を書いて釈放された。
帰り際に「この道路はそういう場所が多いので気をつけてください」と警察官に言われた。
ローカルな話題ですが、36号線(通称サブロクセン)は、標識をよく見て曲がりましょう。曲がってはいけない所が多いそうです。
というわけで、ゴールドから青へ変わったらしい。
実は、この出来事の直後はしばらく落ち込んでいたのだが、タクシーの運転手さんから聞いたお話ですっかり元気になった。
「右折禁止で曲がって捕まったんですよ。こういう場合って、やっぱり次は優良ドライバーじゃなくなりますよね」とタクシーに乗った時に運転手さんに話したら「大丈夫ですよ。私も似たようなことがあったんですが、次の更新まで何年か無事故無違反ならゴールドのままでしたよ」と教えてもらった。
罰則金もさる事ながら免許証が変わるのが嫌だったので、運転手さんのお話に大いに元気づけられて、そのうちにすっかり忘れていた。
でも、、、運転手さん、話が違うじゃないのーー!
まあ、一時的でも元気にしてもらったのだから良いか。
一時間の講習は長いと思っていたが、意外と早く終わった気がした。
ビデオで見た交通事故被害者の遺族のお話がかわいそうでかわいそうで、事故は絶対に起こさないように気をつけなければと思った。