ずっと観に行きたいと思っていた「北の縄文世界と国宝展」が7月22日から10月1日まで北海道博物館でやっている。
なかなか行くことができずにいたが、そろそろ終了するということで慌てて三連休に行ってきた。
休日ということもあって、入場券売り場にはすでに長い列ができていて、待つこと30分あまり。
並んでいる多くの人のお目当ては、北の縄文世界と国宝の特別展だが、いま縄文世界がこんなに人気とは知らなかった。
博物館職員の方が「特別展は只今たいへん混みあっておりますので、最初に常設展をご覧ください」と叫んでいたので、まずは常設展を観に行った。
こちらも縄文時代を含めて、120万年前からの北海道の成り立ちや歴史を知ることができる展示物が並んでいて興味深い。
そしてついに特別展の方へ行ってみると、ありました。
ひときわ多くの人が覗き込んでいる所があって、そこを背伸びで覗いてみると土偶がいた。
青森県で出土した遮光器土偶ですね。北方民族が使用する雪中でつけるメガネ(遮光器)をつけているように見えることから、その名前がつけられたとか。
それにしてもメガネといい服装といい、まるで宇宙人のようにも見える。
でもひとことで言うなら、、、可愛い。自宅に飾っておきたいような可愛らしい土偶だった。
他にもたくさん土偶や仮面のようなものが展示されていたが、可愛いと思うデザインが多くて、もしかしたら縄文時代のデザインが現代人の好みに合っていて、この人気なのかもしれない。
ところで博物館から帰ってきて数日後に知人に誘われて、住んでいる家からほど近くにある郷土資料館の見学に行ってきた。
札幌市にはいくつもの資料館があるが、これまで行ったことがある資料館は一つだけ、あとは行ったことがなかった。
今回行った資料館も近かったとはいえ、行くのは初めてだった。
いい機会なので行ってみると、開拓時代に使っていた農耕機、食器類や着物などがたくさん展示されていた。
粗末な家の作り、着物など開拓当時の先人の苦労が偲ばれた。
当時、開拓者は三年間、明治政府から味噌と米の支給があったが、三年以降は自前でなんとかしなさいと言われ、多くの人が脱落していったそうだ。
想像を絶する開墾の大変さや寒さで農作物が育たず、せっかく開墾した土地を捨てて帰って行かれたとか。
そのような過酷な環境の土地に根付くことができた方々の偉業を讃えて、彼らの名前がつけられた土地や川が、現在も残っている。
ところで北海道の歴史は本州に比べてずっと短くて、ほとんどが開拓が始まった150年前くらいのものが多い。
その前から住んでいたアイヌ民族についても、残っているものは同じく150年前のもので、多くは開拓時代の展示物だが、実は資料館の片隅にひっそりと土器や石類も展示されていた。
それは縄文時代の土器で、この辺りで出土したものだとわかり驚いた。
家の近隣で縄文遺跡が見つかっていたとは知らなかった。
縄文時代の人々は、ここでどんな暮らしをしていたのだろうと、想像は限りなく膨らむ。
当時、北海道はもっと温暖な気候だったと北海道博物館で知ったが、豊かな自然の恵みを頂いて、平和に暮らしていたのかもしれない。
現在住んでいる自宅近辺で、縄文人が木の実や獣を獲っていたかもしれないと思うと、もうワクワクが止まりません、、、