二月の記事(心のきれいな人) で書いた友だちに電話連絡をした。
それはついに今年、我が家もエアコンをつけることになり、正確な金額がわかったら教える約束をしていたからで、エアコンをつけるか迷っている友だちが、参考にしたいから教えてほしいと言っていた。
そのエアコンの話はまた今度書くとして、今回友だちと話した中でとても驚いたと言うのか、さすがだな〜と感心したことがあった。
それは二月に会った時に、友だちが「四月に夫と二人で旅行しようと思ってツアーに申し込んだ」と言っていたこと。
四月は漁師のご主人の仕事がまだ忙しくなる前だし、彼女も仕事が休めそうで、もう何年も二人で旅行していないから楽しみだと言っていた。
しかしそこで問題になってくるのが、同居するお姑さんと自分の母親で、自分の母は体が不自由なのでショートステイで預かってもらうことができるが、まだ元気なお姑さんに「二人で旅行へ行ってきます」とはとても言い出しにくいという。
それを聞いて、なぜ「今回は二人で行ってきます」と言えないのかと不思議だった。
私なら普通に言える。「今回は二人で行って来ますね」と。
ここが優しい友だちと違うところだが、お姑さんはいつも色々なところに連れて行っているのだから、たまには夫婦水入らずで旅行に行っても良いのではないかと思うのだ。
友人曰く「出かけるのが大好きなお姑さんで、いつも三人で出かけているのに、とても二人だけで旅行に行くとは言えない」という。
「でも今回はお姑さんが用事があって居ないかもしれないの。だからお姑さんには内緒で旅行の予約入れたわ。でも、、、お姑さんの用事が無くなったら計画が白紙になっちゃうけど」と言っていたが、果たして夫婦二人の旅行は叶ったのだろうか。
あれから連絡を取り合っていなかったが、友だちは計画していた旅行へ行って来たそうだ。
ただし当初の計画と違うのは、お姑さんも一緒の三人の旅行だったそうで、お姑さんの用事が無くなったのかはわからないが、旅行は中止とはならなかった様だ。
でも友だちはそれについては全く触れることなく、普通に旅行の楽しかった話をしてくれた。
そしてエアコンについても「去年の様に猛暑ならおばあちゃんたちの部屋に付けてあげようと思って、、、」と言うではないか。
なんと自分たちが涼むために付けるのではなくて、老親たちのためにつけようとしているのだと知ってちょっと感動した。
たしかに80代後半の高齢者が熱中症になると大変だ。
60代前半で元気なら暑さにも何とか耐えられるが、それにしても何でも老いた母たちを優先して考える友だちには頭が下がる。
それに対して特に不満を持っている様子もなく、当たり前のように考えたり行動する友だちは、まるで観音さまのようで眩しい過ぎた。
「友がみな我よりえらく見ゆる日よ」という有名な短歌があったが、まさしくそのとおりで、とても私には真似ができない。
こうやって親孝行をしているのだもの、年に一度くらい本州まで行って推しのアーティストのコンサートでペンライト振ったっていい、、、とは友だちには言わなかったが、心からそう思う。
電話を切った後、この友だちと話すといつもそうなるように、とても嬉しい気持ちになった日だった。