家庭菜園をしているご近所さんから野菜を頂いた。
ほうれん草と春菊。
どちらもピチピチして、見るからに新鮮。
「ほうれん草は、ちょっと虫食いで穴が開いているけど」とご近所さんはおっしゃったが、なんのなんの虫食いは農薬を使っていないからこそだと思うので、ぜんぜん気にならない。
頂いた野菜をボウルの水に漬けて、調理をするまでの間、食卓テーブルに置いた。
ところがお昼時になって、テーブルについた長女が悲鳴をあげた。
「虫、虫、毛虫がいるー!!」
怯えた声で長女が指さす場所を見てみると、テーブルの上を長さ3~4ミリくらいの小さな虫が這っていた。その数、3匹。
長女は毛虫と言ったが、毛は生えていない。ミミズとも違うし・・・
それにしても何故、虫がテーブルの上にいるのか?
あっ!と気がついて、ほうれん草の葉をよく見てみると、いたいた。
テーブルにいた虫と同じ種類の虫が、かじった葉の穴から顔を出していて、ほかにもたくさんいる。
農薬を使っていないからこそ、虫君たちもノビノビとほうれん草の上でくつろいでいたのだろう。
それなのにいきなり水に漬けられて、命からがら逃げだしたのだ。かわいそうに。
しかし・・・かわいそうだけど私もほうれん草が食べたい。
大きなボウルにほうれん草を移し替えて、たっぷりの水で何度も洗って虫を流してから、熱湯でゆでて冷水に浸した。
一部はお浸しに、残ったほうれん草でキッシュを作った。(ちなみに春菊はサラダにした)
そうやって調理したほうれん草は、スーパーで買ったほうれん草よりずっと味が濃くて、かすかに土の香りがして力強かった。
いいな~家庭菜園でほうれん草と春菊が採れて・・・
我が家でも毎年、猫の額ほどの畑に、わずかばかりの野菜を植えている。
実は、今年はほうれん草と春菊の種をまこうかと迷っていた。
しかしほうれん草と春菊の種を撒いたら、狭い我が家の畑は、ほぼそれだけで埋まってしまう。
家族に好評のミニトマトは絶対に植えたいし、ゴーヤもズッキーニも紫蘇もハーブ類も植えたい・・・というわけで、ほうれん草と春菊はあきらめたのだった。
とはいえ、私は家庭菜園の初心者もいいところで、もらった野菜のように作る自信はない。
野菜をくれたご近所さんは、ご主人が自作でビニールハウスを建ててしまい、そこでいろいろな野菜を育てているが、もう家庭菜園の域を超えてプロ並み。
作る野菜は、商品として売れるくらい立派に育てている。
それにしても最近、家庭菜園の域を超えている方が多いように思う。
近所を散歩しても「ここ農家だったっけ?」と思うような畑で、その家のご主人が家庭菜園に汗を流しているのを見かける。
今までガーデニングといえば主婦の趣味というイメージだったが、今や家庭菜園といえば男の趣味というイメージになりつつあるような気がする。
旦那さんの趣味が家庭菜園っていいなあと思う。新鮮で安全な野菜がたくさん食べられそうだ。
「野菜作ってみない?楽しそうだよ」と夫に言ったら、「興味なし」と一蹴された。
残念・・・