先月、12日。作家の高橋たか子さんの訃報が報じられた。
そのときに、書こうと思いつつ・・・今になってしまった。
小説を読み始めて、まだまだ読書ビギナー(・・・今でも、全く、読書できていないけれど)だった頃、出会った作家のおひとりで、ヒトの心の暗闇を映し出す作家さんだったと思う。
若いのに、閉ざされた環境の中にいた頃を思いだす。
既に、ご主人である高橋和巳氏を亡くされたあとだったような気がする。
未亡人だったのね。
人間の、ヒトを憎む・・・毒々しいまでの感情を、心の底に潜む純粋な?悪意とキリスト教の霊性・・・私には、上手く表現できないし、まだまだ、ヒトの悪意に毒されていない頃に読んだ著作だったので、今読むと、きっと違った感想を持つだろう・・・と思える作家さんのひとりでもある。
『装いせよ。わが魂よ』は、途中まで読んで、止めてしまった。
私には、理解できなかったのである。
あの当時、随分と高価な本だった(時給500円に満たない市役所関係の雑用をしていたときに、買った本だった)。
今読んだらどうだろうか・・・と思う。
確かに、この本は、私の隣室に存在する・・・(ハズ・・・)である。
2年半前に、こちらの家に移動してきて、本は、ダンボール箱にしまわれたまま、眠っている。
読みたいが・・・。
箱を開けたくない・・・気持ちが強い。
それは、物理的な理由もあるし、作家・高橋たか子の描く霊性と毒に、あてられてしまいそうな恐怖感もあったりする。
ご冥福をお祈りいたします・・・。