鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

高橋たか子さんの訃報

2013-08-05 22:51:56 | Weblog

 
先月、12日。作家の高橋たか子さんの訃報が報じられた。
そのときに、書こうと思いつつ・・・今になってしまった。

小説を読み始めて、まだまだ読書ビギナー(・・・今でも、全く、読書できていないけれど)だった頃、出会った作家のおひとりで、ヒトの心の暗闇を映し出す作家さんだったと思う。
若いのに、閉ざされた環境の中にいた頃を思いだす。


既に、ご主人である高橋和巳氏を亡くされたあとだったような気がする。

未亡人だったのね。

人間の、ヒトを憎む・・・毒々しいまでの感情を、心の底に潜む純粋な?悪意とキリスト教の霊性・・・私には、上手く表現できないし、まだまだ、ヒトの悪意に毒されていない頃に読んだ著作だったので、今読むと、きっと違った感想を持つだろう・・・と思える作家さんのひとりでもある。

『装いせよ。わが魂よ』は、途中まで読んで、止めてしまった。
私には、理解できなかったのである。
あの当時、随分と高価な本だった(時給500円に満たない市役所関係の雑用をしていたときに、買った本だった)。

今読んだらどうだろうか・・・と思う。
確かに、この本は、私の隣室に存在する・・・(ハズ・・・)である。
2年半前に、こちらの家に移動してきて、本は、ダンボール箱にしまわれたまま、眠っている。

読みたいが・・・。
箱を開けたくない・・・気持ちが強い。

それは、物理的な理由もあるし、作家・高橋たか子の描く霊性と毒に、あてられてしまいそうな恐怖感もあったりする。


ご冥福をお祈りいたします・・・。