再びの真夏日。
日光に行く計画だったのだけれど、ニジマスを供するレストランの予約が取れなかったので、市内東端の料亭ランチ&美術館に変更。
料亭は、市内中心部より離れていて、広い敷地とカフェを併設していて、静かに過ごせる場所。
開店時間少し前だけれど、カフェは、開店を待つ女性客の車でいっぱい。
道を挟んだ第二駐車場へ。
ランチ価格なので、相応の食材しか使えないと思うのだけれど、丁寧な仕事と技術で、久しぶりに本当においしいものを食べた気がする。
先付のあとに供される椀モノが特に美味しくて、椀モノの出来のいいお店は、期待ができる(と思っている)。
テーブルは、予約で全部埋まっていた。
窓から見える楓が、戻り夏の日差しの中で、その清涼な青さと湛えている横で、早くも黄色から赤へ変わる樹木を眺めながら・・・。
本当に静かで、落ち着いたお店だった。
ランチのあと美術館へ。
『コスチュームジュエリー 美の変革者たち 小滝千佐子コレクションより』
真鍮、ガラス、エナメル・・・といった金銀、宝石に代わる素材をふんだんに使い、ファッションショーなどの場において、ヴィジュアル的に効果のあるジュエリー・・・そんなアクセサリー感覚のネックレス、ブローチなどを展示。
真鍮に小さなガラスを留めたブローチなどは、若いころの母が持っていた唯一のアクセサリーに似ていて、真鍮や銀の台座などは、黒く変色していたり、ガラスビーズが取れたりして、子供心にみすぼらしく感じたこともあったのだけれど。
かのジャックリーン・オナシス・ケネディなどは、テレビ放映されるなら、本物の小さな真珠のネックレスなど意味がない・・・といって、テレビ映りのよい大粒のイミテーションパールのネックレスを3連してテレビに登場したなんてエピソードなど思い出し。
赤、緑、青・・・天然の宝石とは似ても似つかぬ人口着色料てんこ盛りのドロップやゼリーを彷彿とさせるガラスやエナメルの素材。
見せるためのコスチューム・ジュエリー。
それはそれで・・・1950年代から1960年代のコレクションは、懐かしさ、ノスタルジー感たっぷり。
母の持っていたブローチは二束三文にすらならぬような安物だったけれど、母はこれしか持っていなかったな・・・小さな花のガラス玉の象嵌されたそれでもかわいらしい品だったと今は思う。
外は夏だったけれど、夏の中に鮮烈な秋の色・・・赤とんぼ。
そして美術館の駐車場にパークした車のボンネットには、秋の子供が落ちていた・・・。