くもりがちで、冬に逆戻りしような土曜日。
昨日(24日)は、午前中、菩提寺へ。
来週末の母の三回忌法要の御挨拶がてら、墓所内に落ちたドングリ拾いと焼香。
昼過ぎから、転居先への荷物搬送・・・小さなものからポツポツ・・・と。でも、書籍は重たい・・・。
午後3時過ぎから、映画。
転居先からだと、車で、10分の距離。
『エゴイスト』を鑑賞。
*ネタバレがございますので、ご覧になりたくない方は、ここから先はご遠慮下さい。
冒頭から、なんとなく・・・。
そう、画面全体に、なんとなく・・・未来を暗示させるような繊細な憂鬱さが漂う。
たぶん・・・幸せな時間って、長く続かないんだろうな・・・っていうか。
腐女子の愛するBLとは、ちょっと・・・なんか違うし・・・みたいな???
前半は、もう若くないけれど、稼ぎのよい編集者と、病気の母親を抱えて、男性に身体を売る職業の青年との出会い。逢瀬を重ねるごとに、幸せと絶望の予感を湛え・・・そして中盤の青年の突然死。
こんなに好きな相手を、永遠に失って・・・そして、青年の母親への援助。
与えれば、与えるほど、相手が、不幸になっていく・・・。,
GIVEばかりでは、やはりバランスが取れず、いづれは破綻していくんだろうな。
徹底的なGIVERとなった編集者は、与えることで得られる自己満足、与える対象が、消えていくことに対しての喪失感、罪悪感の中で、揺れ動く。
弱者で、TAKERの役割を追う青年と母親。
両者は、決してバランスしない・・・。
二極化の三次元物質世界に生きる者にとっての宿命。
同性愛者の恋愛で、一歩間違えれば、単なるエロになってしまうシーンなのに、宮沢氷魚の白くて美しい伸びやかな肢体と繊細で爽やかな表情が、或る意味、救いになった。
物語の中では、カミングアウトしていない社会での立ち位置、同性愛者達に囲まれている時のおねえ感を演じ分けているのは流石。
(もっとも、来月か再来月に公開予定の『東京MER~走る緊急救命室~』の予告をみてしまうと、救命医のイメージの方が強すぎて・・・本編に馴染む迄、違和感もあったりして・・・それにつけても、鈴木亮平って、何でも演じられる或る意味、怪優でもあるのかも?)
原作者の自伝的作品だと聞いたけれど、2年前に亡くなられたそうだ。
共感できる人、拒絶する人・・・両極端な作品だと思うし、興行成績でナンボの世界に、こういう珠玉の映画って、まだあったんだ・・・などと思ったりして・・・。