鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

リチャードⅢ世③*ファイナル

2009-01-26 21:06:41 | Weblog
朝は、霜で真っ白な月曜日。

一昨日から、書き続けている舞台『リチャードⅢ世』・・・今宵をもって、ファイナル・・・。

ワタシは、この『リチャードⅢ世』というドラマが結構、好きである。
あれだけ、人を落としいれ、亡きものにしてしまうリチャードⅢ世が、終幕では、自分で手にかけた人々の亡霊に脅かされるという展開で、やはり、この人も人間なんだな・・・案外、小心者なのかも・・・と思ってしまうあたり、『マクベス』に通じるものがある・・・マクベスの方が、もっと小心者か・・・奥さんや、魔女に唆されるあたり・・・。

リチャードⅢ世は、換骨奪胎された舞台も含めて、今回で5度目の観劇となった。
(拙ブログ:2007年12月7日に、『プリンス達のリチャードⅢ世』というタイトルでも書いたので、そちらもご参照いただければ幸いです)

初回は、故・尾上辰之助さん、マーガレット元王妃役に美輪明宏さんといった魅力的な取り合わせだった。この舞台もセリフの展開が超速かったような気がする。

二回目は、加藤健一さん(たぶん、一人芝居だったと思うけれど・・・)。この方は、このあたりから、翻訳劇の演出・出演が多くなっていったような気がする。

しばらく、演劇から遠ざかっていたけれど、三度目が、今回の演出のいのうえひでのりさん率いる劇団☆新感線の『朧の森に棲む鬼』・・・言わずと知れたリチャードⅢ世を下敷きにした作品である。そういわれなければ、『マクベス』色の方が強いような気がするんだけれど・・・。コレは大好きな作品となった。

四度目は、野村萬斎さん主演の『国盗人』。
野村さんのあのよく通る低い声、所作の美しさの際立つ舞台だったし、秀逸だったのは、愁嘆場を演じる女優4役をひとりでこなされていたのが、怪(すみません)女優・白石加代子さん。凄いぜ・・・。

こうやって振り返ってみるに、どうも、シェイクスピア作品と歌舞伎および、狂言といった日本の伝統芸能の役者さんとの相性は、抜群のようだ。
英国の演劇と歌舞伎が形をなしてきた年代とほぼ、同じくらい?というのも、不思議な因縁のような気もしている。

今回のリチャードⅢ世で、ひときわ美しかったのが、終盤でのヒーロー・リッチモンド伯役の川久保拓司さんを挙げておこうか。
あのドラマの中では、唯一正統な白い衣装、金髪といった端正さは、救われたような気がした。
(他の方のアバンギャルドで、サイケデリックな衣装も、奇抜で目を惹いたけれど・・・)

演劇は、セリフ・演技・美しさ・・・どれを欠いても成り立たないものらしい・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。