名古屋空港に隣接する大型のスパーマーケット「エアポートウォーク名古屋」には、商業施設はもちろん、子どもたちの遊び場や食堂街あり、映画館も備わっている。カミさんが「今日は何も予定が無い」と言うので、昼食をとった後で映画を観ようということになった。
とりあえず駐車して、映画館に行き、食事をした後で観られる映画を探した。綾瀬はるかさん主演の『リボルバーリリー』が、計画にぴったりだったのでチケットを買い、食堂街へと向かった。平日なのに意外に混み合っていて、回転すしが空いているのが目に留まったので入店した。
ところが注文の仕方が分からない。女性店員に教えてもらいながら、何とか食べることが出来た。寿司は美味しかったが、何となく落ち着かなかった。若い女性がふたりで来て、刺身を食べながら生ビールを飲んでいる。高齢の夫婦が4組、家族連れも3組いた。パネル注文に戸惑っているのは私たちくらいだった。
映画『リボルバーリリー』は、私にはよく分からない映画だった。明日は関東大震災から100年になるが、映画の舞台はそんな大正時代で、陸軍の兵士による一家皆殺しで始まった。ただ独り生き残った少年は、父親の言いつけ通りに東京へと向かう。綾瀬さんが演じるリリーに少年は出会い、ふたりで陸軍の兵士の執拗な追及の中、なんとか東京へ辿り着く。
少年の父親は軍の金を使い、投資で巨額の富を得た。これを陸軍が取り返そうとしていることが徐々に分かってくる。少年の父親が、「軍拡では国は強くなれない。平和のために金が国に入る仕組みが必要だ」と言う、その考えを映画を観る人に伝えたかったのか。それにしては滅茶苦茶な殺し合いが続く映画だ。
「よく、分からん映画だ」と私が言うと、「楽しめればいいのよ」とカミさんは諭す。確かに綾瀬さんのアクションが凄い。いつもはロングスカートの綾瀬さんだが、決闘場面ではスカートがめくれあがって白い太ももまで見える。銃で撃たれても、ナイフで刺されても、最後は相手をやっつけてしまう。傷は負うけれど、決して死なない。
作品の意図を探すよりも、映画は楽しむことにあるようだ。