いよいよ福島原発の処理水が海に放出される。福島原発事故から12年が経過し、原発を冷却する水や、原発に降り込んだ雨水や地下水から、放射性物質を除去してタンクに貯めてきたが、いよいよ限界に達したようだ。
原発も完全に廃炉にすることも出来ない。原子炉から出た物質も完全に処理出来ない。そういうものを人間は各地に造った。電力を生み出す新しい仕組みと飛びついたのはなぜだろう。「儲かる」ことなら、後先を考えなかった結果である。
「儲けなくてもいい」という思想は、人間には定着しないのだろうか。キリストだって釈迦だって、欲を持たないようにと教えたのに。どんどん人間は欲深くなっている。ドイツは原発を無くす方向に進んでいるが、各国はまだまだ損得が支配している。
政府が処理水を海に放出する根拠は、国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に合致」と評価しているからだ。中国や韓国は後ろ向きだが、アメリカをはじめとする先進国は海洋放出を認めているという。
だったら、福島原発の沖の海に放出するのではなく、太平洋や大西洋あるいはインド洋や南極の公海へ、タンカーに積んで行って放出すればいい。そうすればきっと、日本人は何とという野蛮人かと非難されるだろう。
いずれにしても、処理水は放出しなくてはならないのなら、世界中から非難を浴びても、世界中の海に放出する以外にないだろう。絶対に儲かることにも裏表があり、絶対に安全なことにも欠点はある。
誰かが責任を取らなければならない。けれど、そういう人はいない。NHK大河ドラマ『どうする家康』を観ていても、責任を押し付けられる武将はいても、自ら責任を取るような武将はいない。自分で始末も出来ないことには手を出さないことだ。
午後3時、南の空、名古屋駅前の辺りだけが晴れていた。すると雷が鳴り、雨が降って来た。
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