古伊万里を蒐集していると、まれに、
これは本当に江戸時代に、造られたものだろうか?
と疑問に思うデザインに出くわすことがあります。
これもその手のお皿で、ぱっと表のデザインだけみると、
どう見ても明治以降に造られたお皿のように見えてしまいます。
しかし、皿裏みるとしっかりと江戸後期はあり、
個人的には、文化~文政期くらいはあるのではないか?と思っております。
ですから、200年以上前のお皿ということになりますよね。
それにしても、近代的な色絵感覚で、江戸時代とは思えない色彩です。
こういう不透明絵の具をふんだんに使った色絵皿は、
幕末より一つ前の天明期に流行しており、幕末より古いものです。
赤の絵の具が、時代を見る一つの手がかりになりますが、
本物は、画像より紫がかる洋紅で、天保頃の朱赤とは明らかに違うものです。