古伊万里江戸後期物の魅力

古伊万里江戸後期ものを中心としたブログです。
その日の気分で、俳句も作ってみようと思います。

桃の実図中皿

2011年01月09日 15時58分55秒 | 古伊万里=染付中皿
あしたは、成人の日ですね。
昨日は、友人の子供が成人式を迎えるので、お祝いを差し上げにいって来ました。

翻ってみると、人生って、二十歳までの時間が非常に長く、
その後社会人として生活していくしていく時間って、
何倍ものスピードで過ぎていきます。
そんな感じがします。

ただ、正直に言って、人間って死ぬまで精神的には、
大人になれないような気がしてなりません。
人間見た目は歳を重ねても、私自身精神的になんら変わらないし、
友人をみても、精神的それほど若い頃と特に変わったとも思えません。
人間死ぬまで、完全には不安や苦しみ、
悲しみから解放されることはないでしょうし、
そういう意味で、人間って、一生大人になりきれないような気もします。
仏教では悟りの境地を『彼岸』といいますが、近づいてみたいものですよね。
ちょっと、理屈になってしまいましたが、ご容赦を・・(笑)

これは、江戸中期の古伊万里です。



描かれているのは、なんだかわかりますか?
見方によっては、柘榴・栗・柑橘類にも見えないこともないでしょうが、
これは、ズバリ桃の実だと思います。
ふるいタイプの桃には、この実の先が尖がったタイプがあります。



むかし中国では、不老不死の理想郷のことを桃源郷といったそうですが、
まさに、人類の永遠の幸せがつかめる国だったんでしょうね。
そんな縁起をかついで、作ったお皿ではないでしょうか?



裏名に『富貴長春』の銘あり
富貴とは牡丹花のことであり、長春とは四季咲きの薔薇を意味するそうです。
表も裏もおめでたづくしで、成人の日にぴったりと思いUPしました。
江戸中期の頃 直径約27cmほど