7月30日、もうこれは完全に「新型コロナウイルス感染の第二波」「市中感染拡大」だといえますね。
当日は、東京都で新たに367人(過去最多)が新型コロナウイルスに感染しました。前日は全国での感染者数が1000人を超え、大阪、愛知、沖縄も激増し、唯一未感染であった岩手県でも2人の感染者が出て、「GO TOトラベル」の影響も心配されますね。

ここ2、3日は永井荷風さんの『断腸亭日乗(上)』を読みながら、「日記とはかくの如くあるべし」と教えられること多々でした。コロナ禍の世相をどう受け止めるのか、自分なりにとても参考になっています。時々挿し絵も描かれており、これも真似してみるつもりです。

以下、取り急ぎ抜き書きした一部をご紹介させていただきます。
【308ページ】
〈1934(昭和9)年8月初一〉
朝来くもりし空には雲脚の動くを見たれど、霧雨折々来りて霽(は)れず。物のしけること甚し。
※ 2020の今年は異例の長梅雨で、7月の日照時間が44.5Hと予測されています。私の古傷が快癒しない一因とも考えられ、まさに「物のしけること甚し」なのです。
1935(昭和10)年5月9日の呟きは、現在につづく異常気象が予見され、その対処の仕方には実に説得性がありました。
【331ページ】
俚諺(りげん=ことわざ)にあつさ寒さも彼岸までという事ありしが東京の気候年々険悪となり今は古き諺もやくには立たぬようになりぬ。諺のみならず学問道徳芸術をはじめ古人の言にして今の世に用をなすもの殆ど跡を断つに至れり。時勢と人心との変化是非もなきなり。