「いねむり先生」とたばこのつづき(その2)です。
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Kさんはまた呆れたような顔で先生を見た。先生は先生で少し怒ったような顔をしていた。
ニ人の様子がおかしいので、僕はトイレに立った。なるほど、ひどいトイレである。
少し時間を置こうトイレの脇の電柱の下で煙草に火をつけた。
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四谷の地下にあるバーの階段を降りていくと、Kさんはカウンターの隅で一人で飲んでいた。
客はKさんだけで、店の女は奥のテーブルで煙草を吸っていた。
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「ああ暇だわ。宵の口から一組じゃね。こんな時にぶらっと先生でも来てくれないかしらね」
「この一週間は締め切りがあるって言ってたから、ぶらりはないね」
「そうか、先生は仕事してんのか」
女はカウンターを出て、奥のソファーに腰を下ろして、煙草を吸い始めた。(その3につづく)