前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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鯖江高校の元教諭であった朝倉俊輔氏が再任用採用されなかった事案。福井県に損害賠償を命じた福井地裁判決を不服として控訴した議案に対する質疑と討論

2022年07月12日 | 福井県政

  2022年5月12日、福井県議会臨時議会での佐藤正雄議員の質疑と討論などです。

 鯖江高校の元教諭であった朝倉俊輔氏が再任用採用されなかった事案。福井県に損害賠償を命じた福井地裁判決を不服として控訴した議案に対する質疑と討論。

 

◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第49号議案は、鯖江高校の元教諭であった朝倉俊輔氏が再任用選考において不当に差別され、不採用になったとして、県に損害賠償を求め、本年3月23日に福井地方裁判所において、被告である県に対し、原告朝倉氏に711万余の支払いを命じた判決に対して、4月6日に県が名古屋高等裁判所金沢支部へ控訴した事案であります。
 そこで、控訴理由をお尋ねいたします。

◯議長(大森哲男君) 教育委員会教育長豊北君。
    〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕

◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 第49号議案の訴えの提起に関する控訴理由についてお答えさせていただきます。
 再任用につきましては、最後の勤務校の校長による再任用意見書、また、面接や健康診断の結果など、総合的に判断し、選考してきております。今回、福井地方裁判所が原告の訴えを認めた理由の一つとして、再任用意見書における評価が、毎年個人が設定した目標に対して達成状況を評価する人事評価と著しく乖離していることが挙げられました。しかしながら、再任用意見書と毎年の目標管理的な人事評価とは本来目的や評価観点に差異があるものであり、この点において裁判所の捉え方に事実誤認があると考えられるため控訴した次第であります。

◯議長(大森哲男君) 佐藤君。

◯28番(佐藤正雄君) 教育長の御答弁をいただきましたが、要するに、最後の現職のときの校長先生の評価は、勤務としてはB評価だったということで判決にも書かれています。ところが、実際の再任用に当たっての点数評価は100点満点で30点ということであったということが判決文には書かれております。その差は何かというところが私ども議員にとっては分かりづらいと。要するに、40年近い、38年間ですか、現場の教壇に立たれて、一生懸命勤務されて、処分歴もない、真面目に勤務されてきた先生がなぜ再任用されなかったのかという点を、県民に分かりやすく御説明願います。

◯議長(大森哲男君) 教育委員会教育長豊北君。
    〔教育委員会教育長豊北欽一君登壇〕

◯教育委員会教育長(豊北欽一君) 再任用選考に関しましては、特に教科指導だけでなく、児童生徒の心を理解した上で、深い信頼関係を築き職務に遂行できるか、また、同僚と信頼関係を築き、協調性を持って職務に当たることができるか、また、再任用教員として他の職員の模範となるような責任感を持って職務に当たることができるか、こういった観点から、再任用選考においてはそういった視点で評価した上で再任用を決めている次第でございます。

◯28番(佐藤正雄君) 終わります。

◯議長(大森哲男君) 以上で、通告による質疑は終了いたしましたので、ほかにないものと認め、この3件に対する質疑を終結いたします。
               ───────────────

◯議長(大森哲男君) お諮りいたします。
 この3件の内容につきましては、御了承願えたことと存じますので、会議規則第38条第3項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと存じますが、これに異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(大森哲男君) 御異議なしと認めます。
 よって、そのように決定いたしました。
               ───────────────

◯議長(大森哲男君) これより、この3件に対する討論に入ります。
 佐藤君及び細川君より反対討論の通告がありますので、許可することにいたします。
 佐藤君。
    〔佐藤正雄君登壇〕

◯28番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 第49号議案は、そもそも元教諭であった朝倉俊輔氏は、本来再任用されるべきところ、再任用されなかった損害の回復を求めた訴えに、福井地方裁判所がその理由を大筋認めたものであり、県が控訴して、さらに県民を苦しめることになるものであり、反対であります。
 国家公務員について再任用を原則とした平成25年の閣議決定以降の再任用拒否については、昨年12月9日に大阪高裁で、2度の戒告処分を受けた教員に対する不合格決定が違法と判断され、損害賠償請求が認められておりますが、朝倉氏には38年間の勤務中の処分歴もありません。
 私もかつて再任用されなかった教員の問題を一般質問で取り上げて改善を求めたことがありますが、閣議決定の趣旨に反し、県の恣意的再任用拒否は許されるものではありません。
 私も、先日の理事者の事前説明を受け、判決文を取り寄せて読みました。判決の指摘は、原告が中学校教諭としての十分な実績があり、本人も中学校での勤務を希望しているにもかかわらず、面接試験において、中学校教員としての適性の審査が十分なされなかったこと、面接官3人全員が事実上のゼロ点評価であるE評価という、通常あり得ないような低い評価がなされたのに、それを根拠づけるような面接内容ではなかったと認められることなど、面接評価が公正になされていないことは争いようがないほど明白な事実として認定されています。
 今回の控訴によっても、事実が変わらないのですから違法性の判断も変わらないでしょう。校長の評価についても校長自身が裁判所の証言で、原告の勤務実績が標準的なレベルのB評価であり、再任用試験までの間にこれを変更するような事件や事情はないなどと証言していることからすれば、再任用試験の際に恣意的な評価がなされた疑惑が、裁判所によって指摘されたのも当然であります。
 このように裁判所が認定した事実経緯からすれば、県は違法な不合格の判断を行った誤りを認め、速やかに事件を解決すべきであり、控訴すべきではありません。かかる事件を長引かせ、県内関係者に信頼が厚い元教員を言わばいじめ続けることは、杉本県政にとっては県民の信頼を失うことにつながるでしょう。適正な再任用制度の運用を行い、希望する職員全員採用を原則とすることこそ、県民の利益と県政発展につながります。
 以上申し上げて、反対討論といたします。

◯議長(大森哲男君) 細川君。
     〔細川かをり君登壇〕

◯5番(細川かをり君) 細川かをりです。
 第49号議案に反対します。
 本件は、既に控訴してしまった専決処分の承認ですから、成り行きを見守ろうと、今朝まで私はそう思っていました。しかし、午前中、福井地方裁判所の判決文を読んで反対表明せねばとここにいます。
 福井地裁の判決文を読むと、要は、総勢十数名いた面接官から、よりにもよってかつて別件で争った相手を面接官に据えゼロ点評価。面接担当官の選任や評価に関する疑問のほか、勤務実績評価した学校長を裁判所が証人として求めたにもかかわらず、教育委員会がその証言をあえて禁じたとも書かれています。裁判に対し誠実に向き合ったのかも疑問を感じました。
 実際の学校現場、教育現場では子どもたちにいじめはするな、不公平なことはするなと教育します。道徳の内容、公正・公平、社会正義では、自分の好き嫌いでとらわれないで接すること、誰に対しても分け隔てせず、公正・公平な態度で接すること、誰に対しても差別することや、偏見を持つことなく、公正・公平な態度で接し、正義の実現に努めることと、発達段階に応じて教育します。かつて現場でそう教育してきた私からすると、その教育行政をつかさどる教育委員会が福井地方裁判所に、県教委による裁量権の範囲の逸脱、またはその乱用として当該判断は違法とか、面接が著しく合理性を欠く極めて異常な状況、少なくとも客観性や公平性の確保された合理性のある判断であるとは認めがたいと判決されたことに、強く憤りを感じます。教育委員会なら誰から見ても公平・公正であるべきです。判決文からは、福井弁でいうと、てなわんやり方していたように読み取れる今回の件、教育委員会としてそれでいいのか、再考することを求めまして反対討論といたします。

◯議長(大森哲男君) 以上で、通告による討論を終了いたしましたので、ほかにないものと認め、本件に対する討論は終結いたしました。
               ───────────────


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