ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

水中で口笛~工藤玲音

2021-08-02 07:07:07 | 本の少し

 

☆☆☆☆

久しぶりに買った歌集。あの工藤玲音さんの歌集。四章に分かれているのだが、好きな歌は、一部、二部に偏っていて、工藤さんの初期の歌に波長が合っているのか、不思議なぐらい偏っています。

例のごとく・・・忘れないように気にいった歌を・・・

砂浜に俳句を書けばまっさきに季語を攫ってゆく波の泡
ガーベラもダリアも花と呼ぶ君がコスモスだけはコスモスと呼ぶ
バカの飲み会から逃げてひとりきり羽根がほしくて肩甲骨揉む
離れつつあるがなかなか視界から消えない晩夏のヤクルトレディ
死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星形に出る国に生まれた
ふと予言めいた手紙を書きたくて銀のペン買うそれも太いの
音楽はかたちなきものわたしはかたちはあれど何もないひと
つつじの蜜吸いに夜な夜な出窓から羽ばたいてゆくノートパソコン
相槌がうまいですねと褒められてさみしくなって雪を見ていた
しかたなきことの多さよいろはすは押した分だけへこんでしまう


 

コメント
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