人間、やっぱり情でんなぁ | |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
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満90歳で引退された、文楽、大夫の竹本住大夫さんの本。
この2,3年、文楽に足を運ぶようになり、
語る「芸の真髄」も、なるほどと納得。
生まれは大阪、それも北新地、通っていたのが西天満小学校、
なんと私の母校、住大夫さん、先輩ではありませんか、嬉しい限り。
でてくるお初天神(正式名・・露天神社)や、今会社の近くの御霊神社、
そして天満の天神さん、老松、梅田、堂島ビル・・懐かしおます。
芸談で気になったところを紹介すると、
歌舞伎では家や個人が得意とする演目を十八番(オハコ)とか、
十種の内とか言われますけど、文楽では申しません。
浄瑠璃にも「風」というのがあって、
語り方の系統の始祖とされる大夫の名をつけて、
染太夫風とか駒太夫風とか春太夫風とか称されることはありますけど、
それは外から、ファンの人たちが付けたもので、「これが山城風です」
と本人から申しません。
文楽の人間が、演目を口にしないのは、奥ゆかしい言えますけど
芸が難しいので百点満点がない。一生やっても「これでええ」という
境地にたどり着かないのが一番の理由やと思います・・・・と。
落語にも相通じるところがあるようで、
誰それの十八番とはよくいいますが、
ご本人さんがいうより、周りの方の評判で決まるようで・・・。
最後に、良き友であった薬師寺の高田好胤管長さんが、
住大夫さんが人間国宝の認定を受けたとき送られた色紙に
「奥深き語りの技を ただただに磨ききたりて今日の功 なほになほなほ」、
最後の「なほになほなほ」よろしいな、「これに慢心せずに 一層精進しいや」
と励ましのことばと、座右の銘に。
ええ、はなしですな。
芸事すべて、「人間、やっぱり情でんなぁ」。
ますます、文楽、浄瑠璃、興味が深まりますな。
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