地元で行われる落語会、もう10回目。
今回は「帯久」を銀瓶さんが・・・・楽しみですな。
最初に、主催者の挨拶、そして続いてなんと岸和田市の信貴市長が登場。
「10回目と、地域に根ざした文化事業と」お祝いの言葉を・・・・・・。
昨年の12月に当選された、ほかほかの市長さん。
後の、「帯久」ではないけれど、名奉行ぶり期待しまっせ・・・。
一、桂華紋・・・・・・・・・・・「みかん屋」
2001年8月の初舞台の「犬の目」からもうほぼ4年、
その後の「阿弥陀池」でも感心したが、今日の「みかん屋」も最高。
最初、長屋でみかんを全部買って貰って最後に「上、見さしてもらいますわ」の辺りまでは
淡々と進めるが、そのあとは最後まで一気に笑いをたたきこめる。
噺、本来の笑いの構成を存分に発揮・・・・・
明るくて、嫌味がなく、肩の力が抜けていて、よろしいな。
お目当てに、見に行かんとあかん、若手噺家さんが、また一人増えましたな。
二、笑福亭由瓶・・・・・・・「替り目」
独特の臭いのある由瓶さんの落語。
導入部の俥屋さんとのやりとりの部分は割愛して、
自ら家の玄関を叩くところからスタート。
呑兵衛の亭主、普通は女房に強気にでたり、悪いなあと弱気になったり、
交互にでるもんだが、由瓶さんの場合、強気一辺倒。
よう、大喧嘩にならへんかと、こちらがヒヤヒヤ。
最後の、うどん屋相手のところまでいくかと思いきや、
「まだ、おまえ、居たんかいな」・・・・「替り目の半ばでございます」で終わる。
私この「○○の半ばでございます」という終わり方、結構好きでおます。
三、笑福亭銀瓶・・・・・・・「帯久」
仲入りもなく一気に、三席目の銀瓶さんの「帯久」へ。
大阪の、松屋町の方、瓦屋町の商売人噺。
善い者が和泉屋与兵衛、悪者が帯屋久七。
落語って不思議ですな、悪者の帯屋久七を略して「帯久」と題にするなんて、
ほんま符牒なんですな、「あの、帯屋久七がでてくる噺」・・・・と。
60才で還暦、61才で本卦、とサゲで必要なことは、きっちり説明するところなんぞは
銀瓶さんの親切さ・・・。
二人の商売人の善悪というか、この噺を聞いていて、
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という
二宮尊徳の言葉を思いだしましたが、帯久を犯罪者にしたのにも和泉屋にも
多少の責任があるような・・・・でも、借金を頼みに行った和泉屋を追い帰す帯七。
銀瓶さん、核心の演技・・・・
[ねずみ穴」を彷彿させるような後味の悪い噺と思いきや
後半は、松平大隅守というお奉行がでてきて、大岡越前守ばりの名奉行ぶり。
町民の味方、「ざまあ、みろ」と、スカッとしますな。
そう言えば、今の世の中、悪者は裏に回って表には顔を出さんのか、
悪者がこらしめられて、スカッとするようなこと、おまへんな・・・。
長講の「帯久」、たっぷりと堪能させてくれた、銀瓶さんの一席でおました。
「第10回久米田とんとん亭」
2014年6月8日(日)午後5:30開演
岸和田市・大町会館
一、桂華紋・・・・・・・・・・・「みかん屋」、
二、笑福亭由瓶・・・・・・・「替り目」、
三、笑福亭銀瓶・・・・・・・「帯久」
三味線・・・・・・・・花登益子
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