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政治学者の中島岳志さんと、料理研究家の土井善晴さんが、このミシマ社主催のオンラインイベントの対談記録。
テーマは「利他的であるということ」、この本読んでも今一つ「利他」とは何ぞやと説明できませんが、土井さんの料理を通しての生き方、日々の過ごし方は思っているそのままで、おもしろい。
あの本「一汁一菜」が出た時、テレビ番組を持っている料理家としては、自分の首を絞めているのではないかと危惧しましたが、その後も活躍、土井さんは料理から過剰なものをそぎ落とし、シンプルにすることで、素材の本質に肉伯しようとしている。それなりに覚悟されてのメッセージ発信だと思いますが、その言葉は「いい加減でええんですよ」「まあ、だいたいでええんですよ」と自然体で、特にケハレの日(日常)の食事を大切される。
たとえば、家庭料理でも手をかけることが愛情だと思い込んで、「おいしさはひと手間ですね」とテレビのアナウンサーが言っていますが、土井さんは昔の日本人のように自然に目を向けて、レシピの分量にとらわれることなく、食材と会話する、現代が過剰になっているので、「混ぜない」「味を付けすぎない」とか「しない」ということ。「味付けよりも火加減」「見るからに気持ちよさそうな湯加減」、気持ちの良い料理はそれだけで豊かな味わいになる。
和食というのはマイナス的料理、そこにやはり「自然と心がつながって、ええ加減」がよろしいようでおます。
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